1. 子どもたちの読書活動の推進について 2. 学校図書館と市図書館の連携による読書活動について 3. 歴史民俗資料館の博学連携事業と今後の展望について 4. ゆとりある駐車場と食事や休み処の提供について

福岡 福岡 康

子供たちの読書活動の推進について。

令和3年度、長年親しまれてきました西図書館を東図書館に統合し、北名古屋市図書館とされ、図書館統合に伴うサービスの補完のため名古屋芸術大学アートスクエアに予約本受取窓口を設置し、まちに図書があふれるプロジェクト(市民が図書資料に触れる機会を増やし交流を促す事業)が推進され、市内各地にぶらぶら文庫が誕生し、暮らしの中に本があるまちづくりが進められているところです。

また、現在の図書館利用者数並びに貸出点数は、2館で運営していたときと同等と伺っており、図書館統合に伴うサービスの再編に一安心しています。

誰にでも読書の楽しみ、課題解決の機会を提供する図書館はかけがえのない学びの場です。

これからの社会を担っていく子供たちの読書活動に目を向けてみたいと思います。

国、文科省は、令和5年3月、第5次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画を策定し「子どもの読書活動は、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし(中略)、社会全体で積極的にそのための環境の整備を推進していくことは極めて重要である」と述べています。

令和4年に全国学校図書館協議会が実施した第67回学校読書調査によると、不読者(1か月間に読んだ本がゼロ冊の児童・生徒)の割合は、小学校6.4%、中学校18.6%、高校においては51.1%となっています。

まず初めに、学校図書館の現状と課題、今後の取組について、教育部次長にお尋ねします。

不読者が多いこうした状況を改善するには、まずは学校図書館の活用、また学校での読書活動の指導、推進が重要ではないかと考えます。

学校図書館は学校図書館法に基づき運営されています。

その望ましい姿として、学校図書館ガイドラインでは、読書センター、学習センター、情報センターの3機能を提示しています。

これらの機能を円滑に進めるために、司書教諭、学校司書の登用等も重要です。

そこで、学校図書館を活用した子供たちの学力向上等について、

1.本市の小・中学校の不読率、2.学校図書館の規模、蔵書の充実度、3.司書教諭、学校司書の配置状況及び図書館の運営活用状況の現状、課題を踏まえた取組についてお尋ねします。

次に、学校図書館と市図書館の連携による読書活動について、図書館長にお尋ねいたします。

学校図書館は、読書センター、学習センター、情報センターの3機能を活用し、学校と家庭と地域社会を結びつけ、児童・生徒の読書活動を推進していく役割も期待されるところではないかと考えます。

子どもの読書活動の推進に関する法律では、市町村は子供の読書活動の推進施策について計画策定に努めるとあります。

子供の読書活動の推進には、学校図書館と市図書館の連携が重要であり、この点は国でも指摘されています。

そこで、子供読書活動推進に関しての取組や計画について、市図書館の立場からお聞かせください。

次に、歴史民俗資料館の博学連携事業の現状と課題、また今後の展望について、歴史民俗資料館長にお伺いします。

今や本市民の誇りである歴史民俗資料館は、日本博物館協会賞受賞により海外の博物館や研究機関からも高い評価を受けています。

これは一朝一夕の活動ではなく、ここ30年余りの活動であり、15万点のコレクション、さらには回想法は博物館と福祉、医療関係者が連携した博福連携事業として全国的にも注目されています。

ホームページには、昭和時代の生活用品のコレクションを用いて、小学校など学校との連携を図ることで子供たちに暮らしの移り変わりを伝える取組を行っています。

また、大学との連携により展示の充実を図るなど、博物館と学校の連携、博学連携を推進しています。

さらに、懐かしいと感じられる資料を満載しているという特徴を活用し、回想法という手法で福祉との連携も深めています。

本館では博福連携と呼んでおり、地域回想法という展開が実践されています。昭和日常博物館の展示は、多様な連携が育まれています。

博学連携と博福連携は博福学連携にも発展しており、今後、より多様な結びつきが想定されていますと記載されています。

さらに、令和5年の博物館法の改正には、まちづくり、福祉分野における取組、地域の活力の向上、コミュニティーの衰退や孤立化等の社会包摂に係る課題、人口減少、過疎化、高齢化、環境問題等の地域が抱える様々な課題を解決と規定されており、ここ30年の歴史民俗資料館の活動と符合します。

歴史民俗資料館の入り口外壁に示されていますNEXT30は、現在までの取組を基盤に新たな30年の計画(世代を表す場合1世代)かと推察しています。

また、改正博物館法に地域における教育、学術及び文化の振興と規定されておりますが、学習指導要領に基づく学びの場面において、より具体的な資料を基に理解を深めることができる歴史民俗資料館、昭和日常博物館が果たす役割は大きいと考えます。

博学連携と呼ばれている事業について、取組の現状と課題を踏まえ、これからの30年の展望をお尋ねします。

次に、歴史民俗資料館、市役所、体育館等を訪問いただく方々に安全でゆとりある駐車場及び食事、または休みどころの提供についてお尋ねします。

現在は、体育館、市役所、図書館、資料館の共有での駐車場使用です。歴史民俗資料館訪問者は、コロナ以前は年間約4万人から6万人、図書館利用者は30万人前後です。

博福連携、博学連携の推進と、視察等の際の利便性を向上させていきたいところです。

安全でゆとりある駐車場及び食事、または休みどころの提供について、当局の考えをお尋ねします。

 

 教育部次長兼学校教育課長(安井政義)

子供たちの読書活動の推進について、お答えいたします。

1点目の本市の小・中学校の不読率についてですが、本市では過去に調査しておらず国等の調査結果を参照しておりましたが、令和5年10月に小学校2年生と5年生、中学校2年生を対象に、読書状況について本市独自の調査を行います。

2点目の学校図書館の規模、蔵書の充実度についてですが、学校図書館の規模を示す国が学校図書館に整備すべき蔵書の標準として定めた基準を満たしている学校は、小学校10校のうち8校、中学校6校のうち2校です。

3点目の司書教諭、学校司書の配置状況及び図書館の運営活用状況の現状、課題を踏まえた取組について、お答えいたします。

司書教諭については、学校図書館法に12学級以上の学校には必ず置かなければならないと規定されており、本市では全ての学校に配置しております。

司書教諭の役割は、図書館活用指導や情報活用指導などに関する計画立案と実施、教育課程の編成や展開の支援、学校図書館メディアの活用に当たっての助言や指導等を行うこととされています。

しかし、司書教諭は担任や様々な業務を抱える教員が兼任している状況ですので、学校図書館の運営に専念できる環境に置かれていないのが現状です。

学校司書については、学校図書館法に置くように努めなければならないと規定されておりますが、本市は未配置です。

学校司書は、図書資料の収集や展示、館内の掲示物の作成及びコンピューターを活用した蔵書管理や、児童・生徒に親しみやすい環境整備を進める役割を担っています。

こうした本市の状況を踏まえ、学校図書館の活性化を図るため、北名古屋市図書館協議会の事務局である生涯学習課が令和5年5月に各学校の司書教諭等による図書主任会を組織しました。

この図書主任会において、各学校の効果的な取組の共有や課題の解決に向けた協議を始めております。

課題として捉えている人的配置については難しい面もありますが、10月に実施する児童・生徒の読書に関する意識調査の結果を踏まえ、児童・生徒の読書を支援するため、学校図書館の整備充実に取り組んでまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

 

福岡 福岡 康

不読率についてなんですけれども、やはり本を読むということは目と頭でいろんなことを理解し、創造力を働かせ非常に構想がずうっと広がっていくと思うんですけれども、この不読率の低下の中にやはり文字離れというんですかね、そこら辺のところが非常に不読率を、本を読まないという風潮にあると思うんですけれども、そこら辺の、ちょっとお答えにくいかも分かりませんけれども、文字離れということについてどういうふうにお考えか教えてください。

 

 教育部次長兼学校教育課長(安井政義) 

議員ご指摘のとおり、スマートフォンやタブレットなどの普及により児童・生徒を取り巻く環境が大きく変化しておりますので、本を読む時間が減少しておりまして、文字離れについてもそういった環境が影響しているのではないかなあと考えております。

各学校では、読書の時間を設けたり、児童・生徒が学校図書館に足を運ぶように部屋全体の飾りつけですとか、あとお勧め本や新着本のコーナーを設けるなど様々な工夫をしております。

学校図書館は児童・生徒が生涯にわたって読書に親しみ、読書を楽しむ習慣をつけていく大きな役割を担っていますので、読書の幅を広げていくよう適切な支援と環境づくりに努めてまいりたいと考えております。

 

福岡 福岡 康

少し視点は違うと思うんですけれども、今回の質問書の中にも私のほうからガイドラインとかプロジェクトとか、片仮名文字を盛んにこの文書の中に書いてあります。

やはり不読率の中に、その一環として日本語をもう少し大事に、片仮名文字じゃなくて日本語で表せるものは表してほしいというふうに考えております。

この片仮名文字が非常に多くなっている現状をどうお考えですか。

 

 教育部次長兼学校教育課長(安井政義)

こちらもスマートフォンや、あとSNSの利用が急増して、単文や絵文字を使ったコミュニケーションが主流となっておりまして、日々変化しながら1つの文化を形成していると感じています。

議員ご指摘のとおり、日本語を大切にして日本語文化を理解し正しく使用できることは、個人のコミュニケーション能力ですとか、あと将来のキャリアの展望を向上させる重要なスキルとなりますので、学校においては国語教育により正確な表現や効果的な文章を書く力の育成を図るとともに、日々の学校生活において適切な言葉で思考や感情を表現できるよう学びを進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 

 教育部生涯学習課図書館長(濱島武彦)

学校図書館と市図書館の連携による読書活動について、お答えいたします。

ご質問にいただきましたように、国は本年3月、第5次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画を策定しました。

本市においては、北名古屋市教育スキームに読書活動編を設け、2019年度から2023年度までの5年間を期間とする計画に基づき子供読書活動を推進してまいりました。

本年度は、このスキームの更新時期に当たり、令和6年度からの北名古屋市子供図書活動推進計画の策定を進めている状況でございます。

昨年度開催した図書館協議会において、新たな推進計画の策定に当たり学校図書館との連携が重要であるとされました。

そこで、本年度、学校図書館の現状と課題を探るため、市内全ての学校図書館の訪問調査を実施いたしました。

学校図書館の現状と抱える課題を明らかにした上で、市図書館と学校図書館の連携について具体案をまとめているところでございます。

現在、検討している連携として、学校図書館への団体貸出しの促進、学校巡回文庫の実施、学校図書館ボランティアのスキルアップのための研修、学校図書館とのシステム連携、電子書籍導入の研究等をしており、図書主任会との協議を重ね子供読書活動推進計画に盛り込んでまいりたいと考えております。

新たな子供読書活動推進計画には、子供たちが読書により経験、感動、知識を積み重ね、読解力、論理的思考、探究心を育み成長していくというテーマを盛り込んでいくことを6月に開催した図書館協議会において共通の認識としております。

こうした子供読書活動を推進するに当たり、市図書館と学校図書館が連携することにより子供たちが図書館を日常的に利用することが可能となります。

また、読書活動の推進の重要な機関として、市図書館、学校図書館がございますが、両図書館の活動にとどまることなく市民一人一人、家族、地域が一丸となって環境を整えることが重要であると考えておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。

 

 教育部生涯学習課歴史民俗資料館長(伊藤明良)

歴史民俗資料館の博学連携事業と今後の展望について、お答えいたします。

ご質問にもございますように、博物館法の改正により地域社会における博物館の教育機関としての重要性はますます高まり、様々な形での連携と支援を通して特に次世代を担う子供たちの学びにおいて、その責務を果たしていく必要があると考えております。

博学連携事業につきましては、令和4年度の実績で、市内外の小学校20校、中学校1校、大学5件の見学学習や課外活動を目的とした来館での利用がございました。また、市内の小学校1校へ出前授業を実施しております。

現状の課題につきましては、歴史民俗資料館の特徴的なコレクションとなっております昭和時代の生活資料によって暮らしの変遷を探るという展示テーマの特性から、小学校第3学年の社会科での見学学習のための利用が学校団体利用の大多数を占めておりまして、その他の学年、中学校、高校との連携が十分に図られていないという点が上げられます。

連携と利用をより拡大するためには、社会科以外の教科、他の学年の学習内容について学習指導要領の内容を精査し、資料館のコレクションの特性を生かした学習支援プログラムの開発と提案を行っていく必要があると考えております。

また、学校団体の来館による利用だけではなく、学校教育現場へ博物館ならではの学びを直接届けるいわゆるアウトリーチの手法による連携、支援も必要と思われますので、出前授業、出張講座のような学習プログラムや、コレクションを活用した学習支援教材の開発なども併せて進め、より広範で多様な連携の形を構築していきたいと考えております。

これからの30年を見据えた展望につきましては、今後は博物館と学校との連携にとどまらず、多様な主体と連携の輪を広げて地域の子供たちの学びを支援していくことが重要となってくると考えております。

現在検討しておりますのは、市図書館が進めております学校図書館との連携事業に博物館も参画し、三者での連携を深めることで地域学習や調べ学習等の主体的、対話的で深い学びについて、図書資料に加えて博物館が所蔵する地域の歴史、文化を伝える本物の資料を活用することにより、より充実した学習支援を実現することが可能となると考えております。

次代を担う子供たちの好奇心や探究心を育み、地域への愛着と誇りの醸成を促すような、博物館だからこそできる学びの提供や学習の支援を検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。

 

福岡 福岡 康

すみません。私、知識があまりないもんですから、アウトリーチというその片仮名文字はどういう意味なんでございますか。

 

 教育部生涯学習課歴史民俗資料館長(伊藤明良)

ご質問にありましたアウトリーチというのは、博物館内での様々な学習プログラム等を外の博物館外へ届けるための手法ということで、博物館の様々なプログラムの名称の中でよく使われているものでございますけれども、その説明なくお答えしてしまいまして申し訳ありませんでした。

 

 教育部生涯学習課歴史民俗資料館長(伊藤明良)

ゆとりある駐車場と食事や休みどころの提供について、お答えいたします。

議員ご指摘のとおり、東庁舎南側駐車場は庁舎、周辺施設の供用となっているため常態的に混雑する状況となっております。

また、近年では歴史民俗資料館の知名度の高まりに応じて、学校団体や一般団体が大型の観光バスを利用して来館されるケースも増加しております。

その際、東庁舎南側の駐車場にてバスの乗降をされておりますが、大型バスの駐車スペースがないこと、回送のための大型バスの転回が非常に難しいことなどが課題となっております。

現在、総務課において東庁舎樹木の適正な管理を進めておりますが、植栽の位置の見直し等に併せて大型バスによる訪問にも対応できるよう、また多様な駐車場利用者に対して駐車場内での乗降や移動に際して、より安全な環境を提供できるよう施設管理の一環としても連携し、検討してまいりたいと考えております。

食事や休みどころにつきましては、歴史民俗資料館へ来館される方々から、展示を通して視覚的に昭和時代を楽しみ学ぶだけではなく、展示から想起される懐かしい食べ物や飲み物を実際に味わいたいという要望をいただいておりますが、資料館で食に関する体験を常時提供する事業を行うことは施設の空間的な問題からも困難であります。

こうした要望に応えるため、現在、東庁舎食堂のゐなCAFEと連携し、昭和時代の食文化を象徴するようなメニューの提供、物品の販売など、資料館では実施が難しい食に関するサービスの展開について、相互協力の下、具体的な内容の検討を進めております。

博物館法の改正により、博物館の事業として文化観光の推進を図ることが明文化されました。

地域の文化観光の核として、より多くの来館者を呼び、地域の活性化に寄与することが博物館の役割としてますます重要となってくることと考えております。

地域の様々な主体と連携を図りながら、来館者の多様なニーズに対応した多彩なサービスの検討や、利用者の安全・安心を配慮した環境整備を進め、誰もが楽しめる博物館、誰もが来てよかったと思えるホスピタリティあふれる北名古屋の実現を目指してまいりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。

 

福岡 福岡 康

私もおかげさまで昭和、平成、令和と3世代を生き抜いてきました。

先ほどお答えがあったように、昭和が私、一番長いわけですよ。

やはり昭和の回想というか、食べ物で昭和の食べ物があるといいなというふうに思っていますし、今お答えの中でそういう回想的な面も考えていきたいというようなお答えでございましたけれども、具体的にどんなメニューをお考えですか。

 

 教育部生涯学習課歴史民俗資料館長(伊藤明良)

食事の献立について、お答えいたします。

現在、提供するメニューについて協議を行っているところではございますが、昭和日常博物館の展示に関係しながら、来館された方々の多くが懐かしいと思っていただけるものがよいというふうに考えておりまして、現在では、例えば昔ながらの家庭のカレーライスであったりとか、百貨店のレストランで出てくるようなメニューであったり、あと給食の献立などのメニュー等から候補として今考えております。

また、来館者からの要望も多いラムネや駄菓子等の物販についても検討していただいております。

多くの方々に、それぞれのニーズに合った、懐かしい食の体験を気軽に楽しんでいただけるよう連携を図りながら進めてまいりたいと考えております。

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