1. 保育観・公立保育園のあり方と今後の方向性について 2. 保育施策におけるICTの活用について

浅利 公惠 浅利公惠

1点目は、保育観と公立保育園の在り方の今後の方向性について、市長にお尋ねいたします。

太田市政となり1年半以上が経過いたしました。安心して住み続けられる北名古屋市にするため、5つのお約束と行政改革を実施しますと力強く公約を掲げられ、安心して住み続けられる北名古屋市政に当たられています。

少子高齢化が進む中で、子育て世代が定住したくなる魅力的なまちづくりは、地域の持続的な発展に不可欠です。

それには、子育て世代の保育ニーズの変化を踏まえてサービスの充実を図る必要があり、子育て世代から見て通わせたい保育園の運営が求められますが、施設に目を転じると、老朽化が進む保育園で計画的な改修や修繕が必要とされているのが現状です。

さきに示されました北名古屋市行財政改革実行プランにおいて、築50年を経過する鹿田北保育園の方向性の決定の項目では、その目的が、鹿田北保育園の方向性及び旧鹿田南保育園の跡地利用方針の決定とあるように、行政としては子育て世代が定住したくなるとの視点からは最重要な課題であると考えます。

保育・幼児教育の充実は、いわゆる非認知能力、例えば主体性や忍耐力など、その能力の発揮に関係し人生に影響があること、また国、社会にとってもその投資により経済的、社会的、文化的効果が高いことが分かってきていると言われています。

また一方、保育園をまちづくりの拠点として位置づけることで、地域ぐるみで子供を育むことの大切さ、多世代交流の活発化にもつながり、保育園が子供の学び、育ちのためにあるのと同時に、まちづくりの担い手ともなれるのではないかとも考えることができます。

そこで、市長の保育観と公立保育園の在り方の今後の方向性についてお尋ねします。

2点目は、保育施策におけるICTの活用について、市長にお尋ねします。

第3回定例会の一般質問において、保育の周辺業務や保育士の業務負担軽減を図るため、ICT化を導入し将来にわたる人材確保と定着化や、働きやすい環境づくりについて福祉部長にお尋ねしました。

それについて、ICTの導入は保育士の負担軽減だけでなく、導入によって得られた時間を児童と向き合う時間にも充てられ、さらには保護者の負担軽減にもなることから導入に向けて検証するとの答弁をいただきました。

過日、総務常任委員会ではDX推進の取組、行政業務の効率化等について先進市の鳥取県米子市を視察しました。

米子市では、HOICT(ホイクト)というシステムを導入し、保育現場の業務改善、効率化のため、登園時の打刻から所在状況管理、延長保育の自動計算までを一連で処理し、保護者との連絡調整をシステム上からリアルタイムに行われていました。さらには、保育日誌、指導案等の入力について、過去作成分の複写・文例の登録により負担軽減を図るなど、デジタル化により業務量の削減が図られていました。

帰庁後、その視察内容等を会派で共有する中で、保育現場の働き方改革、残業の削減や有給休暇取得の義務化など、業務の効率化のため保育ICTシステム導入の重要性を再認識しました。

保育士の業務削減や効率化のために役立つ保育ICTシステムは、近年、保育施設への導入に国も補助金の交付を積極的に後押ししており、保育ICTシステムの導入率が増加傾向にあると伺っています。

厚生労働省が2019年に発表した保育分野における人材不足の現状では、全国の9割の都道府県で保育士不足であり、全国的な問題としても深刻化していることが発表され、現在、保育現場は少子化と労働人口の減少の大きな2つの波が押し寄せていると言われています。これは保育士採用にも影響を及ぼしており、成り手不足が現状です。

小牧市では、今年の8月1日より保育士等就職準備金貸付制度が新設され、市内の保育園、認定こども園、小規模保育事業所において、保育士及び保育教諭として勤務する意思を有する者に対して就職準備金(1人当たり最大50万円、予算枠3,400万円)を貸し付けることにより保育士等の就職を支援しております。

市内における保育士等の人材確保に寄与することを目的とし、さらに貸付後一定期間市内の保育園などで保育士等として従事した場合は、就職準備金の返還が免除となる取組がなされています。

本市では、太田市長は5つのお約束と行政改革公約の中で、ICTを活用した医療・福祉の充実、行政の効率を上げるためデジタル化を推進、AIを活用した保育所入所システムの導入等を掲げておられます。

保育ICTシステムの導入を含めた保育施策におけるICTの活用は、保育の質の向上に役立ち、職員間の共有もスムーズに行うことができます。また、将来にわたる人材確保と定着化や、働きやすい環境づくりに必須であると思いますが、この点について市長のお考えをお聞かせください。

 

 市長(太田考則)

保育観・公立保育園の在り方と今後の方向性について、お答えいたします。

急速な少子化による人口減少と高齢化の進行は、経済の成長の鈍化、税や社会保障における負担の増大、地域社会の活力の低下等、経済社会全体に広範かつ深刻な影響を及ぼすところであります。

政府は、経済対策の下支えとして、働き方改革に始まり女性の社会進出を進める傍ら、子育て支援の充実を図るべく様々な施策を展開する中で、保育の現場においては、待機児童の対策として保育の量の確保を優先的に進めてまいりました。

コロナ禍を経て保育の需要は落ち着きつつありますが、さきの報道にもあるように不適切保育の報告や多様化する保護者のニーズに対して、今日では保育の質を求める声が高まりを見せています。

全国的に広がる公立保育園の民営化も、保育の柔軟性や可能性を広げる点においては必要な施策でありますが、特別な配慮を必要とする子供の支援等、専門的な取組や官民連携の主導、保育の枠組みを超える子育て支援の形成は公立保育園が担うべき役割であり、いかなる状況下においても安定的かつ持続的な保育サービスを提供できる地盤を確保しておく必要があると考えます。

十分検証を重ね、本市の保育の方向性を見定めてまいりたいと存じます。よろしくご理解を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

 

 市長(太田考則)

保育施策におけるICTの活用について、お答えいたします。

保育を取り巻く状況は、昔に比べてさま変わりしています。

保護者の働き方の多様化をはじめとする保育需要に合わせた受入れ体制の柔軟化推進をはじめ、個人情報の取扱いの厳格化、施設の運営に係る防犯対策と保育士に係る負担は増加する一方です。

さきの福祉部長の答弁にもありましたが、保育ICTシステムの導入による効果は、情報管理の一元化や紙媒体の管理削減による事務の効率化等、保育士の負担軽減はもちろん、登降園のデジタル管理や保護者との情報共有は保護者の利便性の向上につながるため必要な施策であることに加え、保育士の成り手不足の解消の一助となることから、早期導入に向けて検討を進めてまいりますので、ご理解を賜りますようよろしくお願いいたします。

 

浅利 公惠 浅利公惠

先回の福祉部長のご答弁、そして今回の市長のご答弁、前向きなご答弁ありがとうございます。

もう一つだけ質問させていただきます。

三つ子の魂百までという言葉もございます。

将来の日本を支えていく子供たちにとって、保育士との出会いや触れ合いは人間形成の上でも最も大切なこと、重要なことだと考えております。

先ほどの質問で取り上げさせていただきましたが、保育士不足は目前に迫ってきていることで、小牧市では保育士等就職準備金貸付制度を準備しており、保育士不足の対策に取り組んでおります。

そして、登園時のデジタル管理で、子供を痛ましい事故から命を守ってあげることもできる保育のICTシステムの導入は今すぐにでも始めるべき施策だと思っております。

市長の保育ICT導入のご予定をもう少し具体的にお聞かせいただけませんでしょうか。

よろしくお願いいたします。

 

 市長(太田考則

浅利議員の質問にお答えさせていただきます。

今、本当に市長になってから、部長から始まり職員との面談をさせていただいております。

その中でちょっと前までは保育士さんとずうっと面談をさせていただいて、今の北名古屋市の保育状況とか、これは北名古屋市に限ったことではないと思うんですけれども、全国的に保育士が大変苦労している。

ある意味では、もうちょっとすると保育士がパンクしちゃうんじゃないかなということも感じているところであります。

そんな中で、岸田内閣は異次元な子育て対策という形で、どんどん保育園に預けろという形で、働くお母さんのために保育園に預けろと言うんだけど、先ほどの浅利議員の質問にもあるとおり、もう全国的に保育士が足りていないというのが一目瞭然であり、ちょっと前までに日本経済新聞の特集にもありましたけれども、東京近郊の千葉県の流山市とか松戸市というところでは、保育士を集めるためにベテラン保育士を7万円プラスするとか、そんな傾向が出ているみたいです。もうある意味では保育職を囲い込むというところが全国的にも始まった。

そんな中で、小牧市もそういった制度を若干取りつつある。ある意味では、金を潤沢に持っている自治体が優遇される。

うちの職員も、優秀な保育士さんもそういうところへ移ってしまうんじゃないかという心配があります。

そうすると、お金ばっかりが保育士の仕事じゃないというのは私自身も考えるところで、そうすると働き方改革というのをしっかりやっていかなきゃいけないのかなというふうに思っております。

ある意味では私の、さっきの質問とちょっと変わるかもしれないですけど、一番最初の質問の保育観ということもありますけれども、私は北名古屋市の保育というのは本当に困ったお母さんたちのために保育園というのは運営されなきゃいけないというふうに思っています。

サービス業を考えるなら、いっぱい民間にも幼稚園もありますし保育園もあります。

どんどん今進出してきているというところがありますけれども、北名古屋市の保育というのは本当に困ったお母さんたちのためにやるというものにこれから変えていかなきゃいけない。

これを進めるためには、やはり市民との対話集会、そして市民説明会をどんどんやって、保育の在り方というのもやっぱり考えていかなきゃいけないかなと思っています。

肝腎なICTなんですけれども、私自身もこれ公約の中に入っています。

あとは財政がどうなるかというところでしっかり検討しながら、なるべく早い段階で導入できるようにしていきたいと思っています。働き方改革もしっかり考えながら、早いうちに導入できるように考えていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

 

浅利 公惠 浅利公惠

最終的には市長のご判断、もちろん財政の面もございますけれど、とにかくこれからの子供たちのことを最優先に考えていただいて、長い人生でございます。

私たちはもうそんなにあれなんですけど、やっぱりこれからの子供たちを大切にする心を持って一番に考えていただきたいと思います。

もう少し、時期的なことをよろしくお願いいたします。

 

 市長(太田考則)

本当に今、保育士さんとも面談させていただいて、私の口からも保育士さんに絶対ICTは導入するからということで、今から、僕と同じ年代、ちょっと上の年代の人にはそういったICTが入ってもアレルギーにならないようにという話もさせていただいていますので、なるべく早い段階で、公約ですから、やっていきたいと思っていますので、ぜひご理解を賜りたいと思います。

よろしくお願いします。

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