1.小学校の校庭の放課後利用について 2.放課後の子どもの居場所事業について

 清水晃治

スポーツ庁が発表しております小・中学生を対象にした令和元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査によりますと、愛知県はワースト1位という結果になっております。

子供たちの体力低下の要因を議論する際に、昔は外で遊び回ったものだけど、最近の子供たちは家の中でゲームばかりをしているからと答える方々もいますが、本当にそんな単純な要因なのでしょうか。

私が小学生だった頃は、ゲームウオッチやファミコンといったゲーム機器が世の中に普及し始めた時代ではありましたが、子供たちが神社で鬼ごっこをしたり、交通量の少ない道路でケンケンパやゴム跳びをしたり、耕作後の田んぼでたこ揚げをするなど、地域を走り回って遊ぶ姿も一般的であり、まだまだ大人たちに見守られながら子供たちが地域を遊び場とする地域社会や風土が残っていたように思います。

しかし、現在はというと、交通事情の変化、地域社会の希薄化、そして何より北名古屋市のような都市近郊部では宅地化が進み、子供たちが遊べる場所そのものが地域の中からなくなってしまいました。

私は子供たちが遊べる場所が地域からなくなってしまったことこそが、ゲームの普及に拍車をかけ、子供たちの体力低下に大きく影響しているのではないかと分析をしております。

さらに、現在、教職員の長時間労働の是正を目的に進められている働き方改革の一環として、学習指導要領に記載されていない小学校での部活動を全国的に廃止する流れとなっております。

北名古屋市においても、今年度から小学4年生の新規入部を中止し、現在の5年生が小学校を卒業する2年後に部活動を完全廃止することが保護者に通知されており、子供たちが体を思いっ切り動かす場所だけではなく、その機会すらも失われていく状況となっております。

では、北名古屋市で子供たちが自由に遊べる場所はどのくらいあるのでしょうか。

市内には都市公園が16か所、児童遊園が89か所整備されておりますが、愛知県が発表している令和元年度末愛知県都市公園現況によりますと、愛知県の1人当たりの都市公園面積は全国で42位であり、その愛知県の中においても北名古屋市は51自治体の中でワースト2位となっており、子供たちの遊ぶ場所が他の自治体と比較して少ないことが分かります。

また、ボールを使って遊べる公園に至っては、市内16か所のうち3か所とさらに限定されており、私も日頃よりボール遊びができる公園を造ってほしいという市民の方々からの声をいただいております。

しかし、ボール遊びができるような大きな公園を新しく建設するには大きな財政負担を伴いますので、まずは既存の公共施設を有効に利活用する方法を検討するべきでしょう。

私はその候補として、小学校の校庭に着目をしております。

小学校の校庭は市内どの都市公園よりも圧倒的な広さを有しており、周囲はフェンスや塀で覆われているため子供たちが遊ぶ場所としては安全で最適な空間です。

しかも、小学校は市内に10か所整備されておりますので、市内に住む全ての子供たちに対して公平に遊ぶ場所として提供することができます。

放課後の校庭の利用については、現在はまだ部活動で使用されておりますが、使用されているのは平日の2日間で、残りの平日は一般的には使用されておりません。

また、2年後に部活動が廃止されるのであれば、平日の放課後というのは運動会の準備等がなければ通常は使用されず空いている状態となるわけです。

そこで、1つ目の質問です。

放課後の小学校の校庭を地域の子供たちが遊べる場所として開放することができれば、多くの市民の方々が望んでいるボール遊びもできる安全な遊び場として地域の子供たちに大規模かつ広範囲に提供することができると思いますが、放課後の校庭を地域の遊び場として開放するお考えはありますでしょうか。

では、放課後の小学校の校庭を地域の遊び場として開放した場合の課題について考えてみましょう。

放課後の校庭で遊ぶ子供たちに何かトラブルが発生した場合、恐らく子供たちはふだんから慣れ親しんでいる小学校の先生方の元に駆けつけ、その対応を求めることが想定されます。

もちろん危機管理としては、身近な大人である先生方が近くにいてくださるという環境は、子供たちがより安全に遊べる場所としては非常に優れていると言えるでしょう。

ただ、教職員の働き方改革が、先生方にしかできない授業やその準備をはじめとした教育活動に全力投球していただくために進めているとするならば、地域の遊び場としての校庭を管理する業務が先生方に及んでしまっては本末転倒となってしまいます。

かといって、すぐに頼れる大人たちが近くにいるにもかかわらず、他の都市公園などと同様にトラブルに関しては利用する子供たちの自己責任として突き放してしまうのではあまりにも残念でなりません。

では、放課後の校庭を利用管理し、利用する子供たちが困ったときに相談できる大人たちをどのように確保し配置するかを検討する必要があります。

まず初めに、放課後の校庭を利用管理する者として適した条件について考えてみましょう。

1.小学校から近く、校庭の様子を常時確認できる(安全性)、2.利用する全ての子供たちに対して同等の対応ができる(公平性)、3.校庭の利用管理だけでなく他の業務と同時に行える(効率性)、4.既存事業である(持続性)などが上げられ、特に優先されるべき条件としては1.安全性、2.公平性であると私は考えております。

次に、放課後の子供たちを対象として活動できる候補について考えてみましょう。

1.児童館、2.児童クラブ、3.放課後子ども教室、4.その他ボランティアなどが上げられ、さきに述べた条件について各候補を比較評価しますと、添付資料の表1のようになります。

児童館は、事業目的など総合的に判断して最も適した候補であります。

ただし、既存児童館は小学校から離れた場所に立地するため、常時校庭の様子を管理することは難しく、安全性が他の候補より劣る結果となります。

児童クラブは、多くのクラブが校庭に面した施設にて事業を行っておりますので、校庭へのアクセスは最も優れており安全性は最適であります。

ただし、事業の対象者がクラブ利用者に限定されていることから、地域の全ての子供たちが利用する遊び場を管理すること自体が事業として課題となります。

同様に、放課後子ども教室は事業の対象者が限定されること、その他ボランティアにおいては人員の確保、事業の継続性が候補として課題となります。

以上のことは、既存事業をそのまま利用しようとした場合の評価でありますが、少し広い視点で考えてみましょう。

児童館を小学校の校庭に面した位置、例えば現在の児童クラブの施設に移してみたらどうでしょうか。

児童館が放課後の校庭を館庭として利用し、管理することができるならば、安全性、公平性、効率性、持続性の全ての項目において最適となり、さらに子供たちの遊び場を増やせる効果だけでなく、児童館が主催する各種クラブ活動が小学校部活動の受皿になる、児童館は幼少期から利用する施設であり、いつも見ている小学校に通うことになるので小1ギャップの緩和となるといった多くの副効果の創出にもつながると私は考えております。

さらに、児童館をただ校庭区画内に移転するだけでなく、もう一歩踏み込んで放課後の子供たちの居場所を担う児童館、児童クラブ、放課後子ども教室の運営形態について考えてみましょう。

児童館、児童クラブ、放課後子ども教室を添付資料の図1のように同一施設に集約するか、もしくは3つの事業体を一元化して校庭区画内にある施設に配置すれば、分散してそれぞれの事業が運営をするより連携も取りやすく、事業の効率化も図ることができます。

また、校舎内の管理は学校の教職員、放課後の校庭管理は児童館をはじめとする放課後事業体の役割と分担を明確にすることができます。

そもそも、現在放課後子ども教室や一部児童クラブは校舎内の空き教室を利用しておりますが、今年4月に施行された改正義務教育標準法における公立小学校の35人学級が段階的に導入されてくると、それに伴い教室の確保が必要となりますし、また体育の授業などで着替え場所の確保や、ますます進むカリキュラムの多様化によっても学校の中には新たな目的の教室や場所が必要となるため、今後、少子化が進んだとしても空き教室が増えるどころか、むしろ教室が足りなくなるのではという懸念すらあるわけです。

ですから、児童館、児童クラブ、放課後子ども教室の施設の在り方については、いずれにしても事業部門をまたいで広い視点で見直さなければならない段階に現在既に立っていると私は思います。

今この壁を乗り越えることができれば、将来にわたって持続可能な事業を生み出すことができますが、財政面なども含めて一足飛びに同一施設への集約や事業の一元化を行うことが困難であるならば、添付資料の図2に示すように案1から3といった形態を途中段階で踏むことも有効かもしれません。

また、このような施設を小学校の校庭内に設置しようとした場合に、既存の児童クラブ施設の増築もしくは新規建設を行うための拡張用スペースの課題も出てくるかもしれません。

ただ、この点に関しても、例えば現在行政改革の中で学校プール施設の老朽化対策として民間スイミングスクールの活用や、小学校と中学校との間でプール施設の共有が検討されているのであれば、これらの事業見直しと組み合わせて計画し、例えば小学校のプール施設を廃止して、その跡地を拡張用スペースの候補として考えることも可能であると私は思います。

さらに、資金面においても、既存の児童館や小学校プールの維持管理費の削減効果や、場合によっては既存児童館の土地の売却もしくは借用地の返却によるコスト削減分をあてがうことも可能であり、部門間の壁を取り払い広い視点で検討することで、単独部門だけで到底解決できなかった課題にも一筋の光明を見つけることができるのではないでしょうか。

以上のように、放課後の子供たちの居場所事業について同一施設に集約するか、もしくは3つの事業体を一元化することについて提案させていただいたわけですが、私は平成31年第1回定例会の一般質問において、今後の公共施設の在り方について、児童館を中心として高齢者向け福祉施設などを集約し複合化することが有効であると述べさせていただきました。

ただ、当時の提案では複合施設を建設するには保育園跡地を利用する、もしくは小学校周辺の地区に建設することが望ましいという内容にとどまっており、有効性の一つとしてうたっていた災害時の避難所との連携については、実際には複合施設と広域避難所となる小学校の体育館とでは物理的な距離が存在しているため連携は容易にならないと考えられます。

また、建設用地の確保においても、小学校周辺には既に宅地化された地区も多いため、新たな用地確保が困難になるといった課題も残っておりました。

しかし、今回ご提案させていただいている小学校の校庭区画内に設置した児童館、児童クラブ、放課後子ども教室を集約した施設を中心に各種機能を付加して複合施設化するのであれば、もちろん小学校の体育館とは同一敷地内にあるので災害時の連携は非常に容易であり、建設用地の確保においても新たな用地交渉の手間は省くことができ、残されていた課題も解決できるのではないでしょうか。

また、この複合施設を小学校区内の地域の方々や地域で活動する各種団体の方々にも自由に利用できる施設、地域センターとすれば、そこはまさに添付資料の図3のように学校教育にとってはコミュニティ・スクールの活動拠点となりますし、地域の方々にとってはお互いが助け合い、主体性を持って地域の子供たちと関わり育て、子供たちと共に自らの地域の課題を解決していく地域自治力の醸成にも大きく貢献する拠点となると私は思います。

そこで、2つ目の質問です。

将来的には、小学校区を単位とした様々な機能を有する地域センターに施設を集約していくことが今後の北名古屋市の政策として有効だと私は考えておりますが、その第1ステップとして、まずは放課後の子供たちの居場所事業を担っている児童館、児童クラブ、放課後子ども教室について、その事業の在り方を検討する必要があります。

現在、政府において、省庁間の縦割りを排除し子供の視点に立った政策を総合的に推進する必要があるとし、こども庁の創設についても検討を始めております。

もちろん、その動向を注視する必要はありますが、本市においても当局は今後の児童館、児童クラブ、放課後子ども教室の運営方法及び施設の在り方についてどのようにお考えでしょうか。

以上、市当局の見解をお伺いいたします。

 

 教育部次長兼学校教育課長(安井政義)

小学校の校庭の放課後利用について、お答えします。

学校のグラウンドや体育館については、学校教育活動に支障のない範囲内において身近なスポーツの場として提供することによりスポーツ活動を支援するとともに、市民の健康増進に寄与しています。

議員ご指摘のとおり、小学校部活動の段階的廃止を進めており、令和5年度に小学校部活動を廃止予定ですので、放課後の運動場の使用はなくなります。

運動場を利用していただくに当たり、事故が起きた場合の対応と責任の所在を明確にし、子供の安全をしっかりと見守る体制が構築できれば地域の子供たちの遊び場として利用していただけるのではないかと考えておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 

 副市長(日置英治)

放課後の子供の居場所事業について、お答えをさせていただきます。

本市では、放課後児童の居場所となる施設として、児童館、児童クラブ、放課後子ども教室を整備してまいりました。

児童館は、子供が児童厚生員による適切な援助を得ながら、安心・安全かつ豊かに遊びを展開できる場と機会を提供することを通じて、子供の心身機能の向上と人格の形成を図るという構想の下に全国的に整備がされた施設であります。

本市においても、そのような考えから各小学校区に1施設の児童館が存在しております。

児童クラブについては、学童保育とも言われ、高度経済成長の中、核家族化が増加し共働きや独り親家庭などの小学生を放課後や長期休業日に保護者に代わって保育する目的で整備が進められてきました。

かつては、児童館の施設内に児童クラブが存在した例が見られましたが、安全性や利便性を考慮し、多くの施設を学校内に移し運営しております。

放課後子ども教室は、全ての児童が放課後等を安全・安心に過ごし、多様な体験活動を行うことができるよう国が進める新・放課後子ども総合プランに基づく事業で、本市では小学校の特別教室を活用しております。

これらの成り立ちからもお分かりのとおり、施設には世代間交流、預かり保育、多様な体験活動とそれぞれ異なった設置理由があり、長い年月をかけ今日に至った経緯がございます。

しかし、近年においては児童クラブと放課後子ども教室の一体的運営を進めるとともに、児童館では地域との触れ合いを進め世代間の交流を深めるなど、ソフトの面では複合化が進んでおります。

その一方、ハード面においては、喫緊に全ての施設を学校敷地内に集約するには、教育現場との調整をはじめ地域の実情把握など十分な研究と検証が必要と考えておりますが、今後、放課後子ども教室、児童クラブ及び児童館を子供の安全な居場所として一体的な運営を目指すに当たって、小学校の運動場は最も適した地域の財産であると考えますので、有効に活用することも含めて地域と共に考え多様化するニーズに対応した放課後の子供の居場所の在り方を考えてまいりますので、よろしくお願いをいたします。

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