1.「ハード」と「ソフト」を抑制する優先順位  2.どんな視点で市民との対話集会に臨むか

井上 一男 井上一男

令和4年第2回定例会における代表質問での答弁において、行政改革の認識について、安定的に行政サービスを提供していくには持続可能な財政運営が必要である。

しかしながら、財政状況は慢性的に財政調整基金の取崩しを前提とした歳出超過の財政構造となっており、こうした状況を打開するためには、これまでの行財政改革の取組をさらに加速させ、大胆な改革を迅速に実行していくことが不可欠である。

また、財政問題の一つの指標として、経常収支比率98.3%を下げなければ、必要性が高まっている新庁舎の建設をはじめとした公共施設の統廃合、雨水貯留施設や下水道などインフラ整備に対応することができない旨の答弁がなされ、財政調整基金の取崩しによる歳出超過の財政構造と経常収支比率98.3%を下げることが重要課題であるとの認識が示されました。

また、現下の財政状況に至った要因の検証結果と今後の対策の方向性等を市民への説明会として開催するとともに、市政に対する市民の考え、地域の課題を聞き、行政の透明性を確保する取組として、相互に顔の見える規模で各地区を回りながら市民との対話集会を秋以降開催したいと述べられ、まさしく太田市長の市民へのメッセージである「ともに進める、新しい北名古屋市」の第一歩であると私も共感する一人であります。

そこで、これまでの財政状況を分析し、何が課題でその対策をどのように進めていけばよいのか、そしてどんな視点で市民との対話集会に臨めば効果が上がるかを別紙資料1「財政状況~過去・現在」と、資料2「「公共施設のしまい方」3つの視点」から考えてみました。

まずは財政状況ですが、当初予算編成時の歳入歳出、そして地方債残高、市債新規発行額、償還額を本市合併7年後の平成25年度と令和2年度を起点に3年間の実績を一表にしました。この表から公債費の増加と財政調整基金の減少が読み取れます。

その原因として、合併以前に建設された主な公共施設、小・中学校、東西庁舎、名古屋芸術大学アートスクエア、健康ドーム、児童遊園や運動広場などの多額の借地料に加え、市民サービスを拡大、充実し続けた結果であると考えます。

その半面、プラス面としては、本市は福祉、保育が特に充実しており、着実に名古屋市のベッドタウン化が進み、歳入のうち地方税、個人住民税及び固定資産税が増加傾向にあります。

財政調整基金については、平成26年度以降10億円から15億円程度取崩しされており、災害時対策、今日の新型コロナ感染症対策として市独自の対応に必要な経費等や経済事情の激変時を想定すると標準財政規模の約1割から2割、金額にして約18億円から36億円が理想な規模と言われておりますが、令和3年度当初予算後は約3.7億円まで減少しております。

また、地方債残高が令和2年度311億円と最大となっております。

これは新規地方債発行額と償還額の推移を見るとその傾向がよく分かります。

過去において償還額以上に新規発行額が多いため毎年残高が増加し、令和3年度以降は新規発行額が償還額以内となっており残高は減少に転じております。

合併特例債や合併算定替えという特例措置が活用できない現状では、来年度以降も引き続き次の対策が必要と考えます。

1.公共施設の見直しや多額の借地料の在り方を見直す、2.歳出を歳入の範囲内に近づけながら、財政調整基金を本来の目的に合うよう積み増す、3.公共施設建設整備基金は大規模改修費用の財源確保として定期的に積み増す、4.市民サービスが適正水準であるかを検証する、5.過大に膨れ上がった地方債残高を抑えるためにも市債新規発行額を償還額以内とする。

そこで、「財政状況~過去・現在~」の実績から市長にお伺いいたします。

例えば、公共施設の建設及び維持管理をハードとして捉え、高校生世代までの医療費無料化などの市民サービスをソフトと捉えた場合、持続可能な財政運営をする上でまずはソフト以上にハードを抑制すべきと考えますが、いかにお考えでしょうか。

次に、現在の財政状況を改善するための対策として、公共施設の統廃合と適正な水準の市民サービスを考えるにおいて、老朽化した公共施設をどのように再整備すればよいのか。現下の厳しい財政状況においては、また中長期的には、少子高齢化や人口減少に直面した状況下では行政単独では適切な整備が困難となりつつあります。

こうした課題は本市だけの問題ではなく、多くの自治体も同様であります。

私は公共施設の適正な規模、配置は、今ある公共施設の運用管理次第で変わると思います。老朽化した公共施設をどうするのか、それには二通り考えられると思います。

1つ、予算を増やして長寿命化する。この方法は小・中学校に有効な対策であると考えます。

2つ目、予算を増やさないで、売却、用途変更、統廃合、賃貸または譲渡などを行い、公共施設を減らす。そして、公共施設を地域の資産として活用しながら人件費の削減につなげる方法です。

そこで、どのような視点で市民との対話集会に臨んだらよいのか、別紙資料2「「公共施設のしまい方」3つの視点」から考えてみました。

第1の視点、協働と共有の概念からは、市民や民間企業等との協働と共有という視点で、市民サービスのために市が公共施設を持つ必要があるか考えることです。市民サービスを民間の資本とノウハウを活用して効率的に向上させることにより、公共施設を民間施設と共有、シェアすることで減らしていく。

これからはそれぞれの地域課題を官民が連携し協働して解決、実行していく時代であります。

第2の視点、多世代協働を考えるからは、自分の住む地域がどうなったらよいかを各世代が考えることです。

すなわち保育園、公民館、学校区、特養、グループホームなどの施設で、よりよい日常生活をつくるための活動、どのような社会活動に参加したいのか、どのような日常生活を送りたいかなどを各世代に聞いたり、アイデアを募集したりすることです。

日常の生活を前提に市民サービスを見直すと、異なる施設の用途や利用方法が浮かび上がり、公共施設が地域を盛り上げるために人と人とをつなげるコミュニケーションの場所、そして憩いの場所となり地域の資産となります。

第3の視点、施設評価と地域評価からは、公共施設単体ではなくエリア、地域のバランスを考える上でこの表に記載してあるような指標を参考にすることです。

情報と評価が公共施設の配置や内容を決めることになり、客観的な数値等ICTなどの情報技術を使った分析を基に対話集会で協議することになります。そこからは現状の課題解決だけでなく、将来の課題解決を目指した整備となり、費用の節約につながります。

そこで、3つの視点を参考に、市民との対話集会にどのように臨まれるのか、4点を市長にお伺いいたします。

1点目、産学官民との協働で、ともに進める北名古屋市を進めていくことが基本的な考え方であると思いますが、本市はどのように産学民と連携、協働を考え、公共施設をどのように再整備されるのか、具体的にお示しください。

2点目、新しい北名古屋市を市民、住民でつくり上げていくにも多世代協働による官民連携が必要と思いますが、まずはどのようなやり方や場所で多世代との対話集会を行い、地域住民にとって公共施設の在り方がどうなったらよいかをお聞かせください。

3点目、合併以降も東西2つの庁舎が存続しており、市民からも2つの庁舎による窓口の使いづらさ、目的によってはワンストップで完了されずたらい回しにされる場面があり、また職員の方々もシャトルバスで東西庁舎を行き来する時間の無駄等があることから、新庁舎建設に向けて検討委員会を立ち上げる考えはありませんか。

4点目、自治基本条例とは自治体のまちづくりの方針と基本的なルールを定める条例であり、ほかの条例や施策指針となることから、自治立法の体系上最高法規であり自治体の憲法とも言われています。

そこで、これから始まる対話集会で聞いた市民の声を令和8年度に制定を目指しておられる北名古屋市基本条例にどのように反映していかれるのか、お聞かせください。

以上で私の個人質問を終わります。よろしくお願いいたします。

 

 市長(太田考則)

ハードとソフトを抑制する優先順位について、お答えいたします。

議員ご指摘のとおり、子ども医療費の無料化をはじめ市民サービスの充実を図ったことで扶助費が増大していること、総合運動広場や保育園、児童クラブ、児童センターきらりなどの新たな公共施設の整備に合併特例債を急激に活用したことで公債費が増加していること、また新たに整備した施設に加え、市役所東西庁舎のように合併以前のものをそのまま維持しているため物件費が増加していることなどが幾重にも重なり、厳しい財政状況になっていると認識しております。

ただし、子ども医療費無料化など、ソフトは自治体にとっての魅力や特色であり、いわゆる北名古屋らしさでもあることから、安易な抑制ではなく市民ニーズや社会環境の変化に応じた見直しが必要です。

それに比べ、本市が合併自治体であることを踏まえれば、やはりソフトよりもハードを優先的に抑制していくべきであると考えます。

つまり、公債費のような義務的経費は削減できない以上、公共施設の統廃合により総量縮減を進め物件費及び関連経費を削減していくほかありません。

これまでの政策の効果もあって、本市はベッドタウンとして人口も税収も着実に成長してまいりました。

このプラス面を最大限に発揮するためにも、策定中の行財政改革実行プランをスピード感を持って着実に進めていくことが重要であると考えております。

大変厳しい状況にはありますが、私の掲げる「ともに進める、新しい北名古屋市」の実現に向けて全力で取り組んでまいりますので、ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

 

 市長(太田考則)

どんな視点で市民との対話集会に臨むかについて、お答えいたします。

議員のご指摘のとおり、今後の公共施設に関する3つの視点、協働と共有の概念、多世代協働を考える、施設評価と地域評価は、公共施設の統廃合と適正な水準の市民サービスを考慮するに当たり大変重要な視点であると考えております。

1点目の産学民と連携、協働を考えた公共施設の再整備についてですが、本市においても近年、民間活力を生かした幼保連携型認定こども園を整備しておりますが、現在進行中の事例としましては、西図書館跡地を活用した(仮称)多機能型市民活動センターが上げられます。

本施設は広く市民との共創の拠点となるものですが、設置手法においても設計の段階からワークショップを開催し、市民、団体、企業、教育関係者等の市民の声やニーズを反映させる市民との共創による整備を目指す初めての施設となるものです。

また、ほかの公共施設についても、今後再整備の検討に当たってはご指摘の3つの視点を取り入れ、研究を進めてまいります。

2点目の多世代との対話集会と公共施設の在り方についてでございますが、年代、性別等にとらわれることなく様々なニーズに応えていくことが必要であると考えます。そのため、対話集会の開催に際しましては地域の高齢者をはじめ子育て世代、現役で働く世代、さらには児童や生徒などを対象に開催を予定しています。

また、対話集会への参加が困難な方々への取組として動画を配信するなど、所属、年齢層に合わせた効果的な意見聴取の方法を工夫してまいります。

また、公共施設の在り方についても、各種計画の初期の段階から広く市民と議論していくことで、単なる総量縮減にとどまらない市民にとって使いやすい、より愛着を持っていただける公共施設にしていきたいと考えております。

3点目の新庁舎建設に向けての検討委員会の立ち上げについてですが、将来的に庁舎統合に向けて研究を進める中、当面は他団体の事例を通して課題や論点の整理を行い、時期を見て検討委員会の設置について判断したいと考えております。

4点目、北名古屋市基本条例への対話集会での市民の声の反映についてですが、私が制定を目指す自治基本条例は、住民主体のまちづくりの原則を明確にし、住民参画の機会を拡充・保障することを目的とした住民自治型の条例を想定しております。

そこで、条例制定に当たり、対話集会の市政に対する市民の声については大いに参考にしていきたいと考えておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。

 

井上 一男 井上一男

まず1点目について質問させていただきたいんですけど、市民との対話集会、非常に私賛同しておる一人でございます。

以前から、新しいまちづくりをするためには、どうしてもやっぱりこれからは地域の人たちと行動を共にしなければいけない、そして市民の考え、そしてまた行政もどういうふうに考えるかということで、そういう前提の下でおいてぜひ市民との対話に臨んでいただきたい。それを今考えておるわけですよね。

まず市民には、公共施設をただ使うだけではなく、自分の生活にとって非常にいい公共施設になっていただく、それと同時に地域にとって公共施設が非常にコミュニティーをつくり上げていく、また憩いの場所である、そういう公共施設になっていただける。そうなってくると、ある地域においてはたくさんある、だけどこの地域におっては全くないような状況が出てくると思うんですよね。

したがいまして、地域地域においての公共施設をいろんな面から見て、またいろんなデータから見て取り組んでいただければいいのかなと思っているわけです。

行政については、ただ公共施設を提供すればいいということじゃなしに、あくまでも管理をするんだということで、やはり主役は地域に住んでみえる市民、そういうことで市民と行政の役割分担というのを、それで公共施設がどうあるべきかということの対話をぜひお願いしたいな、そういうふうに思っているわけです。

そうなってくると、やはりこれからは各世代が連携をして民間の資本とかノウハウを活用することによって施設は民間施設の共有、そしてサービスは民間企業との協働、いわゆる共創ということで、できる限り協働、共有することにより活動自体や協力者のソフトに予算をつけていただいて、できる限りこれからはハードからの転換を図っていただければいいのかな、そういうふうに考えています。

そこで、産学官民、特に産については商工会、学については名古屋芸術大学、そして西春高校という、特に芸術大学があるということはほかの他市町にはない、そういう文化、風土があると思うんですよね。そういうことを活用することにより、市長が新しい共に目指す、そういうものを取り上げていただければいいのかなあ。

特に産である商工会、今約3,000の中小零細企業があるわけですよね。

その約1,600社が要するにその商工会に加盟してみえるわけです。

だから、この北名古屋というのは小さなまちかも分かりませんけれども、非常に小中のいわゆる企業が乱立して、皆さん一生懸命市民のために提供している、そういう商工会であります。

今、市が実施しているクーポン券事業の事務委託も請け負い、クーポン利用できる企業とか店舗の募集手続から換金手続まで行ってみえます。

従来は、経営相談だけが主だったんですけれども、新しい事務局、新しい役員によって地域情報ポータルサイトのあるKISPOをつくって、会員も市民もアプリを見ればすぐ分かる。そのアプリから情報を提供して、また商工会へのいろんな意味合いで経済を回していく、そういう今状況になっております。

また、商工会のイベントであります市内の小学生を対象にして商業体験、こどモール北名古屋を今青年部が中心となり、市のほうから助成していただいたキッチンカーも披露されると思います。

そこで、産である商工会と行政はどういった形で今後連携していくかというか、いわゆる協働していくというか、共創していくというか、その辺もう少し具体的に市長からのお考えをお聞かせ願えればと思います。

ぜひお願いします。


 市長(太田考則)

質問にお答えいたします。

ちょうど1か月前ぐらい前のときに、商工会の役員の皆様方とちょっと交流するというところがありまして、いろんなお話をさせていただきました。

先ほどの地域クーポン券のこととかいろんな話をさせてもらって、商工会もすごくやる気を持っているという意欲も感じましたし、私が進めたいという、皆さんと共にこの北名古屋市をつくっていきたいという意欲も感じていただいたというところであります。

まさに先ほど答弁でも述べさせていただきました多機能型市民活動センターというのがこの間の、ちょっと曜日は忘れましたけれども、リノベーション・ラボという形でそれこそ産学民を集めた市民によって西図書館の跡地をどうしていくかという議論をさせていただきました。担当者からの話を聞いていても、すごくいろんな意見が出てきて自由闊達な意見をいただいたというところで、大変それも、そこにもやはり商工会の役員の皆さんも入っていただいて議論していただいたというのも聞いております。

そんな中で、私はそういったものをつくるのに、今まで行政がやると何か無難にしよう、無難にしようというので使い勝手が何となく悪くなってしまうというのが何度も見てきたというところだから、来た皆さんに対しては、役所の職員が困るような、そんなアイデアをいっぱい出してくださいというところで今進めさせていただいていますんで、ぜひとも商工会の皆様方はやはりまちで商売をしているといういろんな声を聞いたあれもありますし、お金を生み出すという考え方もあるので、ぜひともそういったところでどんどん意見を出していただこう。

私ども、役員の方とどんどん交流をしていこうと思っていますので、よろしくお願いいたします。

 

井上 一男 井上一男

ありがとうございます。

それともう一つ、4点目ですけれども、北名古屋市の基本条例、令和8年度ということでまだ時間があるんですけれども、対話集会で将来の地域像や自治体の在り方について、住民と自治体が考える機会を持つということで非常に大きな意義があると思うんですよね。

そこで、住民自治型の条例ということでありますけれども、市長選挙は4年に1度あるわけですよね。

私たちもそうなんだけれども。

そうなってくると、やはり主役が市民であるということであれば、その時々の市長の考え方、またいわゆる時代背景があるもんですから、北名古屋市にふさわしいものであり続けるということで、条例が施行された後、4年以内についてはやはり見直しをされたほうが僕はいいと思うんですけれども、いわゆる基本条例に見直し規定、まだ先の話かも分かりませんけれども、ぜひ見直し規定を取り上げていただきたいと思うんですけれども、その辺どうでしょうか。お願いします。

 

 市長(太田考則)

基本条例の見直しについてというご質問ですけれども、まさしく議員おっしゃるとおり、いろいろ物事が考えたときとやっていくときではいろいろ変わっていくときがあるというのは、私も議会議員をやりながら施策を見てきたという点があるんで、それはやはり変えていくべきだと思いますし、やはり先ほど議員がおっしゃるとおり4年に1度選挙というものがありますんで、全く私と正反対の市長が生まれたときにはやはり変えていかなきゃいけないというところがありますんで、その辺のところは柔軟に変えられるようにしていきたいと思っております。

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