1.住民への積極的なメッセージの発信について 2.自粛生活からの段階的な離脱について 3.地域経済の回復に向けた取組について

 桂川将典

新型コロナウイルス対策に関しまして文書により一般質問を行います。

新型コロナウイルス感染症の発生から国内感染が始まり、我々の生活する社会の様子は一変しました。安倍首相が2月27日に第15回新型コロナウイルス感染症対策本部会議で全国の学校休業を要請するという大きな衝撃は忘れられることはないでしょう。

企業活動でも休業を余儀なくされ、また業種によっては在宅・テレワークが一気に進むなど社会構造そのものが変化しはじめました。

北名古屋市では4月6日に緊急のコロナウイルス対策会議を開催し、市内感染状況を鑑みて、4月の学校休業を県に先駆けて決定するなど、「健康快適都市」を将来都市像と標榜するにふさわしい取組を行っていただきました。多くの住民がその決断とスピード感には感謝していたことを改めて申し上げます。

住民の皆様のご協力により、5月15日時点での愛知県下の感染は県内507例、新規感染者数は4月27日以降は大幅に低下して新規感染者数は一桁で推移しており、外出自粛による効果が大きかったのは間違いありません。

しかしながら、これで安心と言えるかというとそうではない、と申し上げねばならないと考えております。

ワクチンや特効薬はまだ世界に存在しておらず、罹患時の重症化は特に高齢者に顕著というデータもあります。

このような情勢下で「生命と財産を守る」という行政の最大の使命を果たすことをいかにして実現するのか、という大きな課題にフォーカスしてお尋ねさせていただきます。

なお今回の一般質問は5月11日に市長に提出させていただきました、市政クラブの「新型コロナウイルスに対する緊急施策要望」の最重要項目として提出させていただいた内容を軸にしております。

そのことを踏まえて、最大限の回答をいただけるものと期待しております。よろしくご回答ください。

 

1.住民への積極的なメッセージの発信について

日常が失われ動揺した市民にとって、今回の市長の判断が生活の根幹に及ぼす影響は決して小さなものではありません。

この状況下で必要としているのは「北名古屋市長が、これからどうしようとしているのか」という情報の提供です。

根本的には民主主義の制度として、施策の透明性と同時に住民の意思を尊重する必要があります。

しかし情勢が日々どんどん変化していく特殊な事情がありますので、パブリックコメントなどを悠長にやっている時間はありません。

だからこそ、決定事項だけが伝えられるだけではなく、これからどうしていこうとしているのか、行政は何を目指しているのか、できないこと・できることの理由など、大きな方向性が住民に伝えられる必要があると考えています。

そこでお尋ねをいたします。

多くの住民はこれからどうなっていくのか将来的な不安感が広がっています。

行政の取組について、その方向性がまだ見えてきていない、ということも一因としてあるかと思います。

そこで、今後のコロナウイルスへの対応を行政がどのような姿勢で取り組んでいくのか、住民への積極的なメッセージの発信について行う考えはありませんか。

特に気になって話題になるのは以下の3点になりますので、この3つの点を踏まえてご回答ください。

1.現状の認識と、今後の展開をどのように考えているのか

2.経済支援策が打ち出せていないことについての理由

3.これからいかにして日常を取り戻していくかの展望

またこのことは市民生活にとって大変重大な課題であります。

今回の事態を通じて住民の方々との対話の機会も多く、わたくしも様々なご意見を伺ってきました。

お話をお聞きしていて感じるのは、生活がすでに逼迫している方でなくとも、収入の減少がすでに現実のものとなり、さらに悪化していくであろうという見通しから生じている不安です。

このような状況下にあって、住民の生命・健康の維持、そして生活基盤の確保に努めるのが行政の役割ではないでしょうか。

ぜひとも市長自身の言葉として伝えられることをお願いしたいと思います。

 

2.自粛生活からの段階的な離脱について

この5月13日には愛知県教育委員会から教育活動再開に向けた要請が行われました。

14日には法に基づく緊急事態宣言が解除され、特定警戒都道府県としての指定が外されたものの、大村知事は引き続き5月31日まで県独自の緊急事態宣言は継続するものとされております。

しかしながら5月16日・17日のまちの様子をゴールデンウィーク明け直後と比べますと、かなりの人がため込んだストレスを解消するかのように外出されていたと聞き及んでおります。

最初に述べたように、現時点では新型コロナウイルスの特効薬は存在しておりません。

これから脱コロナウイルス自粛と折り合いをつけた生活をどうやって実践していくのかが、たいへん重要な課題です。

このことについて私見を申し上げさせていただき、具体的にはどうしていくか、これまでの感染状況を踏まえてご回答いただければと考えます。

まず、現在行っている自粛対応は、全体的な「感染を防ぐ」ことが目的です。

しかしもうそろそろ経済的に限界を迎えて、事業者の倒産などに起因して生活が破たんする、という別の問題を生じさせます。

したがって、感染リスクを低く抑えながらも、一定程度の経済活動を取り戻していく必要があります。

脱コロナを進めるには段階的な行動変容の基準を作っていくことが必要でしょう。

具体的な基準を考えるにあたっての前提として「減少させた感染リスク」を社会で許容しなければなりません。

最大限自粛した生活から、一定程度の制限を設けて普段に近い生活をすると、感染リスクは少し高くなります。

今ほど感染リスクは低減できなくなるけれども、それは仕方ないよね、と社会で許容する、ということです。

ここでリスクを社会で許容できるかどうか、ということを考えると問題はふたつあるかと思います。

ひとつは、A.爆発的な感染拡大の懸念、

もうひとつは、B.感染者の症状の重篤化・死亡、です。

すでに行われている外出自粛・在宅ワークや3密対策で、感染拡大の予防は一定の成果が上がっていると考えられます。

学校や公共施設の提供の再開、市内でのイベントなどにおいて、まったく従前の生活の通りに無制限に暮らせるようになるには、やはり特効薬の流通が開始されるのが前提となるべきと考えます。

それまでの中間的な状況においては、段階的に自粛生活から離脱していく計画とするべきだと思われます。

京都大学レジリエンス実践ユニットによる『リスクマネジメントに基づく「新型コロナウィルス対策」の提案 4/4 ver.』という資料によれば、国内感染者数が一定以下であれば、100人単位のイベントを行っても参加者に感染者が含まれている確率は1%以下に抑えられる、という統計的な考え方が示されています。

この資料で注目するもうひとつの点が「高齢者は高リスク者(重篤化・死亡率が高い)」であるということです。

基にされたデータは4月月初のものですが、若年層にくらべて高齢者は20~50倍の死亡率になっている、ということです。

当面は高齢者を中心に不要不急の外出をお控えいただくことは継続するべきものと考えられます。

多くの公共施設で利用者が多いのは高齢者であることなど考えると、離脱のステップを築いていくにあたっては、死亡リスクの高い方々にどのように振る舞っていただくか、ということを併せて示していくことが重要だと考えられます。

若年層の活動においても、接触が多いトレーニングジムの利用はもちろんのことですが、飛沫が多くなるような環境(近距離での会話が多くなること、多人数で密接した場での飲食を伴う、など)は今しばらく控えていただくべきではないかとも思われます。

その他にも、感染者がまだ比較的多くいらっしゃる東京都内などへの移動の自粛など、個人だけでなく民間の事業者の皆様にもご協力いただきながら、脱自粛生活がいきなり元通りになるのではなく、段階的に生活を変えていく行動規範を設けるのが適当ではないかと考えております。

文部科学省では「新型コロナウイルス感染症に対応した小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における教育活動の再開等に関するQ&Aの送付について(5月13日時点)」という事務連絡を各都道府県教育委員会に送付されており、学校関連についてはこうした内容に準拠して取り組んでいかれるのかと推察します。

ここで段階的な脱コロナウイルス自粛生活について、北名古屋市のお考えをお尋ねをいたします。

次の3点を踏まえてご回答ください。

1.地域住民の生活様式について、段階に応じた適切な行動の指針を示すつもりはあるか。

2.公共施設の再開に関して、感染リスクが低いと考えられる施設、およびその利用再開に向けての考えはあるか。

3.地域の自治会や各種団体の活動について、適切な基準や助言が必要と考えられるが、示すつもりはあるか。

 

3.地域経済の回復に向けた取組について

新型コロナウイルス感染症に伴う売り上げの減少の理由は、人命保護のために外出自粛を要請したため発生した、やむを得ないものであり、企業に責務を帰す性質のものではない、という立場をまず初めに明確に申し上げておきます。

4月に内閣府が行った「街角景気」の調査によると、現状判断DIが前月比▲6.3ポイント低下で7.9ポイント、3か月連続の大幅低下となっています。また先行き判断DIは前月比▲2.2ポイントの16.6ポイントとなり、5カ月連続での低下となっています。

影響を受けた事業者は飲食業などを中心に、小売・サービス業など多岐に渡っています。

普段であれば賑わっていた店内もガラガラとなっており、短縮営業やテイクアウト販売を実施していても、売り上げ低下は大きなダメージとなっています。

一般に飲食店の営業利益率は5%といわれており、資金的余力のない事業者は、光熱費や家賃などの固定費を払うことすら難しい状況に追い込まれています。

もちろんセーフティネットによる貸し付けなど活用もできますが、借入金はいずれ返済せねばならず、いつコロナウイルスの影響を抜けるのか見通しもないまま、借入れをすることに対して経営者が抵抗感を強くもつことも致し方なく、苦渋の決断を迫られているものと受け止めています。

また多店舗展開している業者では持続化給付金で家賃すら賄えない、という声があがっています。

とくに影響が大きくでている飲食などの業種で、個人資産が潤沢にない事業者はもうこの5月を乗り切れるかどうか、というところまで追い込まれてきています。

もちろん、すべての企業が影響を受けているわけではありません。スーパーなど生活必需の事業者では顕著な落ち込みは見られないと聞きますし、在宅時間が長くなることで通販などは売り上げを拡大しているものもあると聞いています。

したがって地域経済の景気回復に向けての行政の支援策は、個人に帰すべき理由がなく経営環境が悪化し支援を必要としている事業者に対して、実効性の高い取組を行うことを軸に検討されるべきものと考えております。

実行にあたってはもちろん財源を考慮する必要があります。

大村知事による休業協力金の50万円のうち、自治体負担分25万円が対象事業者に補助金として支給されます。

飲食店の方から、これで今月は助かった、という声も聞いているところです。

この結果、市の財政調整基金には3億8800万円ほどしかなく、台風や地震災害など新型コロナウイルス感染症以外の事態にも備えておかねばならないことを考えると、無理な支出で助成するわけにもいきません。

また中間申告や予定納税に対する還付なども考慮すると、基金の取り崩しは無謀な賭けになってしまいます。

それよりもまずは今年度に予定していた事業の中止で不用額となる予算を積み上げること、昨年度の決算を急ぎ計算して決算剰余金の見通しを立てることで、市が対策費として無理なく計上できるものを確認することが適切だと思います。すでに急務として取り組んでいらっしゃるとのことで結果が待たれるところです。

こうした財源をどのように配分するべきかについては、その方法論には様々な意見があるところです。

ただ事業者だから配る、というだけでは不公平感もあり、またその金額も小さくなってしまい支援になりません。

その点からすると、全市民に給付される総額86億円という莫大な特別定額給付金の使途が、市内事業者にとっての「恵みの雨」となるよう、消費の呼び水となる企業の独自の取組や、市内需要の喚起策に対して、PRの支援や助成を行い、企業努力に貢献する支援策を検討することが必要だと考えております。

たとえばクラウドファンディングやサブスクリプションで自分のお気に入り店舗を支援する取組です。

クラウドファンディングでは手数料がとられますし、リターンも必要とします。

サブスクリプションだと来店頻度が高い顧客ほど得をするようになりますが、一定程度の値引きを覚悟しなければなりません。

しかし、今の時点では目先のお金がなにより助けになります。コロナの冬が明けるまで、どうにかして生き延びていく手段を今まさに必要としているのです。

また民間がこれらの取組を行っていることはいくつか目にしていますが、行政が直接支援しているというのは聞いたことがありません。

積極的に行政が支援することでマスコミの話題づくりにもなり、お店のPRに繋げられます。

またテイクアウトであれば容器包装のコストが別途必要となってきます。

ただでさえビールや飲みものが売れないテイクアウトに、パック代の余計な支出までが乗せられると販売利益はわずかしか残りませんが、それでも売り上げが無いよりはマシ。

広告みたいなものだと歯を食いしばっていらっしゃるお店ばかりです。

デリバリーはチェーン店の一部で民間事業者が行っていますが、あまり一般には普及していません。

そこで例えばUber Eatsを北名古屋市の飲食店対策として誘致してみてはどうでしょうか。

お隣の名古屋市内でもまだ9区(西区は一部のみ)の対応となっており、話題づくりにもなりますし、お店の3密解消につながります。

その他にも、たとえばプレミアム付き地域振興券や割引クーポンを発行することで、特別定額給付金で入ってきたまとまったお金の行き先になる耐久財の需要喚起をし、ふだんならAmazonなどの通販にながれていた商品を市内企業で購入してもらうような購入元の移転と前倒し消費に誘因することも一定程度、可能になるのではないでしょうか。

いずれにしても新型コロナウイルスの影響で企業が倒産するような事態が起きないうちに手当てする必要があり、この際は拙速こそ重要視され、早急に企業対策案を取りまとめていただくことが重要と考えております。そこでお尋ねをいたします。

1.新型コロナウイルス感染症で影響をうけた市内事業者から、どのような意見が出されているか。また影響の大きい業種など市内の状況を把握するように取り組んでいるか。

2.北名古屋市商工会から支援の要請はあったか。

3.地域企業の支援策について検討されているか。

4.国の持続化給付金等による支援は、中小企業基本法に規定するところの中小企業には金額が小さく不足すると思われるため、市として国に対して経済支援を要望する考えはあるか。

 

 市長

最初に、新型コロナウイルス感染拡大の防止に対する現状の認識と、今後の展開をどのように考えているのかについてお答えします。

このウイルスの脅威は、言うまでもなく人類の生命と営みを揺るがしています。

現在の状況は、海外の感染状況に鑑みますと流行の長期化が危惧されており、危機管理上において重大な局面にあると認識しております。

今は、1日も早くワクチンの開発が進み、新型コロナウイルス感染が世界中で終息することを願っておりますが、社会経済活動の再開により、第2波、第3波への備えについても今から行動していかなければならないと考えております。

次に、これまでの経済支援策の取組みについてお答えします。

経済支援策につきましては、まず国においては、我が国の繁栄は勿論のこと世界経済の動向を視野に入れた長期的ビジョンにより、経済の回復とコロナに負けない政策とが求められます。

国難ともいわれる中で政府は、「国民の命と健康を守る」ため、特別定額給付金をはじめ雇用の維持、事業の継続、そして生活を下支えし新型コロナウイルスによる生活不安に対応する緊急経済対策を推し進めています。

また、愛知県では市町村と連携し、感染拡大を防止する目的で休業要請に協力いただいた企業や理美容店を含めた個人事業主に対し、協力金を給付するなどの取組みを行っています。

こうした状況下で、地方行政を担う我々基礎自治体は、国と県との役割において実施する対策を見定めたうえで、まず一番に新型コロナウイルスで影響を受けた市民の生活支援と地域活性化策とを効果的に行っていくことが重要であると考えております。

本市においては、国や県が実施されない事業を確実に見極めながら独自施策といたしまして、医療体制の維持向上に向けた支援と、新型コロナウイルス感染症により就業環境の変化に影響を受けやすい「ひとり親家庭」への経済的支援を行っていきたいと考えています。

最後に、「市民の皆様方が日常をいかにして取り戻していくか」という今後の展望についてお答えします。

まずは、感染防止に努めていただき、新しい生活様式を実践していただくことが大切であります。

市政を担う責任者といたしまして、これまでに緊急事態を注意喚起するチラシも全戸配布させていただきました。

また「市長からのメッセージ」を市のホームページや広報紙等を通じて、これからも継続的に発信させていただきますが、市民の皆様方の不安を少しでも軽減できるよう「本市の感染症対策や暮らしの情報」を的確に提供してまいりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 

 市長

自粛生活からの段階的な離脱について、お答えいたします。

1点目の地域住民の生活様式について、段階に応じた適切な行動の指針を示すつもりはあるかについてお答えします。

現段階においては、国が示す「新しい生活様式」で、感染予防の基本、移動に関する感染対策、日常生活を営む上での基本的生活様式、日常生活の各場面別の生活様式及び働き方の新しいスタイルが示されており、これらを機会あるごとに啓発していくことで対応してまいりたいと存じます。

また、新たな状況変化がございましたらその都度柔軟に対応してまいります。

2点目の公共施設の再開に関して感染リスクが低いと考えられる施設、及びその利用再開に向けての考えはあるかについてお答えいたします。

3月2日の全国の小中高特別支援学校すべての臨時休校要請をうけ、市内の公共施設においても3月2日から一部窓口対応を行う施設を除き、順次、休館としました。

市内において新型コロナウイルス感染症患者が8名発生したことによりこれ以上の感染拡大を防ぐため、5月31日まで公共施設の休館を延長させていただいております。

一部の施設を除き、6月1日からは徹底した感染防止対策を講じ、利用制限を付した上でまずは会議目的の使用から段階的に感染状況を鑑みながら開館を行います。

なお、施設の開館にあたっては感染症対策のためのチェックリストを作成し、施設利用者にも主体的に感染症予防に取り組んでいただけるようにご案内をしてまいります。

また、患者が発生した場合を想定して、接触者との連絡が円滑にできるよう団体の代表者に参加者名簿の保管を求めてまいります。

3点目のご質問である地域の自治会や各種団体の活動について、適切な基準や助言についてでございますが、市関係の行事等の対応や基準について自治会長等へ文書やホームページ等でお知らせさせていただきます。

また、活動については、屋外での運動が安心して実施していただけるようにポイントをまとめたチラシを作成し啓発してまいります。

以上ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 

 市長

地域経済の回復に向けた取組について、お答えします。

新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響は深刻化しており、市場では戦後最悪の景気の落ち込みも予測されています。

このような状況での景気の回復には、年単位の時間がかかるだろうと予測されており、国家的な対策・取組みが必要です。

政府は、経済社会を守るため、二次補正予算による追加経済対策の編成に取り組んでおり、「一次補正予算の執行と、二次補正予算の成立を急ぎ、事業、雇用、生活を守り抜くための万全の枠組みを作る」としております。

市としては、国の経済対策にしっかりと連携・対応し、地域にその効果を浸透させていくとともに、国の対策では手の届きにくい、地域レベルでの規模は小さくても、気の利いた実効性のある支援策を検討していきたいと思います。

特に今後は、所得補填ではなく、景気浮揚策や新しい生活様式に対応した取組み等の後押しを出来るような支援も検討できればと思っております。

一方で、効果の薄い支出に過剰に財政資金を投じていけば、後々にコロナ禍の禍根を残すことにもなってしまいます。

財政規律を保ちながら、真に必要な支援に資金が回るようにしなければなりません。

そのうえで、お尋ねの4点についてお答えします。

1の市内状況等については、緊急事態宣言前に市内の製造業に対し聞き取りをした結果、中国からの部品供給や、海外から来る外国人技能実習生の確保に滞りが出ているとの回答を得ました。

緊急事態宣言後は、外出自粛及び休業要請により、人の動きや個人消費が減退し、市内でも特に飲食店や衣料品販売、サービス業等に大きく影響が生じている状況だと認識しています。

また、5月11日からは、市内事業者に対する休業協力金50万円の申請受付も開始し、窓口では職員が直接個々の生の声を聞いているところであり、その声も今後の支援策の参考にしていければと思っています。

2の商工会については、商工会もこれまで、融資や雇用調整助成金など国の支援策の窓口、事務対応に追われている状況と聞いており、現在、緊急事態宣言解除後の支援対策についても要請を検討していると聞いております。

3の地域企業の支援策については、前段で基本的な考えは述べておりますが、効果的に財政資金を活用するため、市民の消費支援と地元事業者の経営支援とを併せて図れるような地域振興策を検討してまいります。

4の国に対する要望については、地方自治体の要望を届けるには、県の市町村長会、東海市長会、さらに全国市長会として要望を取りまとめ、国に要望することが必要だと思います。

まずは、県の市町村長会等において、企業に対する持続化給付金等の経済支援だけでなく、地方自治体がそれぞれの事情に応じてもっと裁量を発揮して使える力強い財政支援を要望し、それと併せて新型コロナウイルス感染拡大による影響は全国的なものであり、地方自治体の財政力の差により支援の程度に格差が生じてしまうような事態に関し疑問を呈していきたいと思います。

以上、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

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