1. 使用済み紙おむつのリサイクル事業について 2. 子どもたちを熱中症から守る取組について

浅利 公惠 浅利公惠

最初に、使用済み紙おむつのリサイクル事業について。

北名古屋市では、段ボールコンポストの取組をはじめ3R(リデュース、リユース、リサイクル)の推進に努められていますが、令和5年8月9日に環境省が作成した使用済み紙おむつの再生利用等の促進プロジェクト検討結果取りまとめによると、国内の一般廃棄物に占める使用済み紙おむつの排出量(子供プラス大人用)は、2020年度、年間217から225万トンから、2030年度に年間245から261万トンへと増加する見込みで、一般廃棄物全体排出量に占める割合は約5%から約7%まで増えると推計されています。

使用済み紙おむつは多量の水分を含むため、水切りされていない生ごみと同様に処理費用の負担が大きく、CO2排出量も多くなるという問題を抱えています。

環境省の使用済み紙おむつの再利用等に関するガイドライン啓発パンフレットによると、使用済み紙おむつの分別回収、再生利用を進めることで再生資源のリサイクル、水平リサイクル、エネルギーの地産地消など多くのメリットを生み出している地域があることが紹介されています。

現在、北名古屋市では、ごみ減量に非常に積極的に取り組んでいるところであり、広報「北名古屋」5月号に、令和5年度の1人1日当たりのごみ量は目標数値を大幅にクリアしたことが掲載されていました。

非常に喜ばしいことであると同時に、今後は子育て支援や高齢化社会等にも対応しながら、ごみ減量に取り組んでいく必要があると思います。

そこで、3点質問させていただきます。

1点目、令和6年4月から、保育園での使用済み紙おむつの処分が開始されました。子育て支援等の取組の一環であると考えますが、排出状況と現状での回収方法及び回収後の処分方法について教えてください。

2点目、高齢者の使用済み紙おむつの処分の取組としては何か対策をお考えでしょうか。

3点目、子育て支援、高齢化社会への対応・対策として、また焼却ごみ削減及び再資源化を目的として、使用済み紙おむつのリサイクル事業は適した取組だと考えますが、導入に向け必要な調査等に取り組む考えはありませんか。

また、取り組む際の課題として何があるとお考えになりますか。

次に、子供たちを熱中症から守る取組についての質問に移ります。

熱中症の発症を防ぐためには、体温の上昇と脱水を抑えることや、暑い環境下での長時間の滞在を避けることが基本です。

学校生活の中では、体育、スポーツ活動において熱中症を発症することが多く、スポーツなどの体を動かす環境下では、それほど気温が高くなくても熱中症を引き起こすことがあります。

近年、熱中症による死者はほぼ毎年1,000人を超えています。気象庁によると、昨夏の平均気温は1898年の統計開始以来最高を更新し、2021年度に始まった警戒アラートは、23年度に比べ1,232回発表され、過去最多でした。

総務省によると、令和5年5月から9月の熱中症による救急搬送状況は、1位、東京都、2位、大阪府、3位、埼玉県に続き、愛知県は4位となっております。

今夏も猛暑が予想され、2024年4月、環境省は災害級の暑さに備えるための熱中症特別警戒情報の運用を全国で始めました。

国連のグテレス事務総長が地球沸騰化と警告するほど異常な猛暑が続く中、お隣の名古屋市では、昨年7月に市の教育委員会が市内の小・中、高校などにクーラーが効かない場所での保健体育の授業や運動を伴う部活動、また環境省の熱さ指数が31以上の場合の水泳授業について中止するよう通達を出しております。

年々早朝から真夏日が続き、熱中症のリスクが高まっていることから、水分補給の必要性も高まっており、大人よりも汗をかきやすい子供たちにとって小まめな水分補給はとても大切であると考えます。

現在、保護者の約9割が子供の熱中症リスクを感じていると言われ、実際の水分補給量は保護者が期待するより平均2割足りていない傾向にあるそうです。

実情として、授業で使用する教材、タブレット端末の荷物が重いこともリスク要因となり、学校に持参している水筒の水分量だけでは足りないのが現状ではないでしょうか。

子供を熱中症から守り水道水のおいしさを伝えたいと、大阪府寝屋川市上下水道局では、子供を守る取組として、教育委員会と協力して学校での熱中症対策のため、また安全でおいしい水道水を蛇口から直接飲料できるという日本が誇る文化を継承していくための取組がなされています。

本市においては、令和5年第2回定例会、教育現場へのウオータークーラーの設置についての質問の中で、小・中学校の水道水が専門業者の点検などにより安全な飲み水として問題がないことが答弁されていますが、それでも水道の蛇口から生水を飲ませることに抵抗のある保護者は少なくないようです。

ほかの自治体の取組ではありますが、水筒のお茶が足りなくなったら学校からペットボトルの水を渡してもらえる、学校の給水サーバーなどで補給させてもらえるなど事例があります。

さらに、生徒の発案で、災害時には無料で飲料が提供される自動販売機を学校に設置して飲料水の購入を認めているなど、熱中症対策として様々な水分補給についての対策が取られております。

そこで、5点質問させていただきます。

1点目、学校における熱中症対策について、前年度より改善した点をお聞かせください。

2点目、熱中症対策として、子供たちが顔や体を冷やすためのミストを学校の昇降口に設置する自治体がありますが、本市で設置する計画はありませんか。

3点目、学校における水分補給の有効な手段となる対策をお聞かせください。

4点目、寄附により設置された師勝東小学校のウオータークーラーが好評であったものの、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から利用中止としているとの答弁がありましたが、その後の対応はどうなりましたか。

5点目、命を守るために水分補給することを最優先に考えて、自動販売機を設置することを本市においても検討してはいかがでしょうか。

以上、当局のご見解をお聞かせください。

 

 生活安全部環境課長(法月正充)

使用済み紙おむつのリサイクル事業について、お答えいたします。

1点目の使用済み紙おむつの排出状況と現状での回収方法、回収後の処分方法については、保全センターが週に2回、各保育園から回収し、名古屋市ごみ処理施設で処理をしております。

保護者及び保育士の方からは、負担軽減になっていると大きな評価をいただいております。

2点目の高齢者への取組といたしましては、自らごみを出すことが困難な方を対象とする高齢者等ごみ出しサポートの実施に向け、対象者の範囲や料金、収集方法など、早期の実現に向け関係部署と協議をしているところでございます。

3点目の使用済み紙おむつリサイクル事業の導入に向けた調査への取組及び課題でございますが、ごみ処理やCO2削減などの環境負荷軽減と、今後の高齢化社会への対応の両面においても多くのメリットがあると認識しておりますが、近隣に必要なリサイクル施設がないこと、またリサイクルルートやコストの確保等の課題が多く、現時点で当市が導入することは困難でありますが、環境に配慮したまちづくりのために今後も継続して調査・研究に努めてまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたします。

 

 教育部次長兼学校教育課長(安井政義)

子供たちを熱中症から守る取組について、お答えいたします。

1点目の熱中症対策について、前年度より改善した点についてお答えいたします。

これまで本市の教育活動において、熱中症による重大な事故は起きていませんが、熱中症は誰もが発症する可能性があり、発症すると死につながることもあるため、熱中症対策として、これまでも事故が起きなかった、気をつけていれば大丈夫といった担当者の経験や体感の主観的な要素によることなく、常に暑さ指数等の客観的な指標に基づき教育活動の中止や縮小等を判断することを徹底し、各学校が取り組んでいます。

また、新たな取組として、中学校で自転車通学を試行します。これは令和5年9月に、小学5年生から中学3年生までを対象に実施した学校や地域に関する意識調査における生徒の意見として、熱中症対策として自転車通学を認めてほしいという意見が寄せられましたので、市小・中学校長会が協議を重ね、本年度においては夏季休業期間中の部活動や自習登校に限定して試行し、安全な登下校や自転車置場の問題について確認します。

2点目の子供たちが顔や体を冷やすためのミストを学校の昇降口に設置する計画について、お答えします。

熱中症対策として、一部の学校で地域の方のご協力により簡易的なミストを配備しておりますが、未設置の学校からも要望が上がっておりました。学校施設の整備の優先度から予算計上には至りませんでしたが、手軽なタイプのミストもありますので、簡易的なものを配備できないか、学校現場の意見を聴取し検討してまいります。

3点目の学校における水分補給の有効な手段となる対策についてですが、水分補給は授業中においても給水時間を小まめに設けています。

また、持参したお茶を飲み干した場合に、児童・生徒が先生に申出しやすい声かけを学校全体で取り組んでおり、昨年度の事例ですが、小学校において多い日には10人程度の申出があったと報告を受けています。

4点目の師勝東小学校のウォータークーラーについては、安全な飲み水としてメンテナンス作業に対応できる業者がなかったため撤去いたしました。

5点目の学校に自動販売機を設置することについて、お答えいたします。

自動販売機を利用するためには、学校にお金を持参することになりますので紛失等のトラブルが心配されます。

しかし、議員ご指摘のとおり、命を守ることを最優先とすべきでありますので、既に導入している自治体における管理運用方法等を研究してまいります。

あわせて、自動販売機を取り扱う企業に対し、子供たちの安全のために学校への自動販売機の設置に向けての相談をしたいと考えております。

学校における熱中症対策の基本として、活動中の児童・生徒の状態を常に観察し異常がないかを確認することが大切であり、また運動後に急変することもあることを踏まえ、体調の変化に十分留意して教育活動を進めてまいります。

そして、児童・生徒が体調が悪い場合に、すぐに先生に申し出ることができる環境づくりに努めてまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください