1.財政運営について 2.行財政改革について

井上 一男 井上一男

令和2年度当初予算の概要を見ますと、昨年10月からの消費税率の改正や幼児教育・保育の無償化に伴い、「健康で生きがいを持って暮らせるまちづくり」として、子ども医療費の無料化、幼児給食費の無料化、また4月から始まる会計年度任用職員制度の導入など、行財政を取り巻く環境が大きく変化する中、積極的な予算編成に取り組まれたことは評価できるものと思います。

そこで、令和2年度当初予算の概要の中の「基金の運用、地方債状況」と、「平成30年度北名古屋市財務報告書~統一的な基準による財務書類4表~」から読み取れる財政状況を通し、「財政運営」と「行財政改革」について質問させていただきます。

まずは「基金の運用、地方債の状況」の基金の運用状況ですが、財政調整基金は令和元年度末現在高16.7億円で、令和2年度の各分野の主要事業を遂行する上で財源の一部として11.2億円を取り崩し、令和2年度末現在高5.5億円となっております。

地方債の令和元年度末現在高は301.9億円、令和2年度は地方債償還などにより6.5億円減少し、令和2年度末残高は295.4億円。

そして、合併特例事業債の発行可能残高は1,050万円です。

ここから読み取れる令和3年度以降の財政状況は、主要事業費用と地方債の償還額が起債以上となり、年度間の財源の不均衡を調整するための財政調整基金が減少していることから、厳しい財政運営が予想されます。

次に「平成30年度北名古屋市財務報告書」の貸借対照表(一般会計等)からは、資産の部での「有形固定資産(事業用資産、インフラ資産)と流動資産(現金預金、基金)」、そして負債の部での「1年内償還予定地方債を含む地方債と純資産」を平成30年度末と平成29年度末で対比してみると、以下のとおりとなります。

1.現世代負担比率59.3%、純資産の変動はなく前年度末比で横ばい、2.将来世代負担比率42.8%、有形固定資産の財源である地方債が増加となり前年度末比で1.1%の増加、3.資産老朽化比率54.7%、資産の取得から耐用年数が経過による資産の老朽で前年度末比で1.4%の増加、4.受益者負担率6.7%、公共施設を利用する受益者負担割合で前年度末比横ばい。

資産老朽化を抑え少しでも長く活用させるため、公共施設の維持更新費用として学校施設長寿命化計画において40年間で705億円、年間で上限17.6億円の支出が決められております。

このことから、事業用資産を含む固定資産は今後増加するものと考えられます。

こうした事業用資産の増加と令和元年度の基金の運用、地方債状況を貸借対照表(一般会計等)で見ると、流動資産は2%台に低下し、固定資産は97%台に増加し、償還を伴う地方債の起債を発行しなければ令和3年度以降の予算編成につなぐことが厳しい財政運営状態となっております。

このように「基金の運用、地方債状況」と「平成30年度北名古屋市財務報告書」から、共に厳しい財政運営が見えてきました。予算編成では、歳入と歳出のバランスは一致していますが、実際に執行する年度では消費税率の増税により歳出は増える傾向にあります。

今まで述べてきた主要事業の遂行による費用と、公共施設の維持更新費用の歳出は共に増える傾向にあり、持続可能な財政運営ができるようにしていくには行財政改革を進めるほかありません。

私が考える具体策としては、1.事業用資産のうち123ある公共施設を長寿命化して生かす資産と統廃合することにより処分する資産と分け、売却可能な資産を換金して原資とする、2.東西ある庁舎、図書館等を統廃合により施設を減らす、3.保育園、児童館などを民営化する、4.体育施設などの指定管理者制度を導入する、5.予算編成、施設管理台帳などを利用しコスト削減を図る、6.施設別の受益者負担割合を見直し、施設の利用料、手数料を引き上げるなどにより財源を確保した上で、なお財源が不足する場合の財源確保策として、1.人件費の削減、2.下水道使用料金及び国民健康保険税率の見直し、3.本市が単独で実施している補助金や福祉制度の見直しなどが考えられます。

また、財政調整基金に頼らない予算編成として、歳入である市税収入、個人市民税と固定資産税を増加させる策として、若者の起業と企業誘致で人が集まり仕事と雇用を創設すれば税収確保となります。

その拠点として、西春駅の東側に市街化再開発に基づく高層ビルを民間の力で建設し、ビル内に市役所を設け1つに統合する。

また、商業施設、テナント、ホテル、保育所などを設けることにより、交流人口の増加と生活の利便性向上につなげる拠点整備が考えられます。

歳出を削減させる策として、公共の福祉と経済性の合わない政策の見直しが考えられます。

これらの行財政改革は、明快な目標設定と、市長を筆頭にトップダウン改革による職員の意識改革が最重要となります。

そこで、財政運営について財務部長にお伺いします。

1.財政調整基金の令和3年度末現在高の予想金額は。

2.令和3年度以降も持続可能な財政運営を行っていくため、財政中期計画を作成して公表するべきではないでしょうか。

予算、人、物、情報という資源には限りがあるため、過不足なく適正配分するためには前例に従う発想では限界があります。従来の官の発想にはなかった組織の中長期的な方針や計画を示す経営戦略の視点が行財政改革には必要となります。

そこで、行財政改革について総務部長にお伺いします。

1.厳しい財政状況から、公共施設の統廃合は避けては通れないと思います。そのためには、公共施設の統廃合を含めたプロジェクトチームや検討委員会の発足などを検討してはどうか。

2.本市が検討されている行財政改革はどのようなものがありますか、お聞かせください。

 

 財務部長(村瀬雅彦)

財政運営について、お答えをいたします。

初めに、1つ目のご質問の財政調整基金の令和3年度末現在高についてでございますが、年度末の財政調整基金の残高は、毎年当初予算編成の際に当該年度における財源不足額を取崩し額として年度末残高を計上しているところでございます。

そうした中、決算の段階で歳出においては入札などによる工事差金や各予算項目の削減努力による予算の執行残額、歳入では市税の増額や国県等からの補助金の増額などにより翌年度繰越金に数億円の余剰金が生じております。

また、当該年度の執行に係る余剰金についても同様でございます。

ただし、これらの額は保証されているものではなく、その年の行政運営により大きな差を生じるところから、ご質問にあります令和3年度末の財政調整基金の現在高を予測することは非常に困難な状況でございます。

本来、各会計年度における歳出はその年度の歳入をもってこれに充てなければならないという原則がございます。

しかし、ご質問にもありますとおり、公共施設やインフラの長寿命化などには多額の財源が必要になることから、現状では地方債の発行や基金の取崩しにより予算を調整しているところでございます。

このような状況においては、現在の基金残高では十分とは考えておりません。

そのため、ご提案にありますとおり、民間活力の導入を進めるほか、遊休資産の売却や事務事業の見直しにより、事業規模の最適化を図りながら基金の確保に努めてまいりたいと考えております。

次に、財政中期計画の作成及び公表について、お答えをいたします。

財政計画につきましては、平成30年12月に策定いたしました第2次北名古屋市総合計画第1次実施計画におきまして、平成30年度から令和3年度までの間に行う事業に係る財政計画を策定し、公表をいたしております。

しかし、昨年10月1日からの消費税及び地方消費税の税率改正により、それに併せ市税では住宅ローン控除の延長や法人市民税の法人税割の税率の引下げ、また自動車取得税が廃止され軽自動車税に環境性能割が加わるなど大幅な改正が行われました。地方消費税交付金においても、地方消費税率の改正後の影響が年度を通してどの程度増収につながるのか、現状予測が大変難しい状況にございます。

さらには、歳入の根幹をなす依存財源の一つであります普通交付税につきましても、幼児教育・保育の無償化や会計年度任用職員制度の導入に伴います財政措置をはじめ、新たに創設されました地域社会の維持・再生に向けた幅広い施策に取り組む事業に充てられます地域社会再生事業費の詳細が明確ではないというようなところから、現時点で財政計画を作成するに当たり不確定な要素が多くございます。

しかしながら、財政中期計画を作成することは計画的な財政運営を行う上で大変有効なものであると考えておりますので、令和2年度一年を通してこうした新たな制度による影響を的確に分析、把握し、実効性のある財政中期計画を作成し公表してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。

 

井上 一男 井上一男

財政調整基金の令和3年度末現在高について明確な答弁がありましたので、再度伺います。

答弁の中で、このような状況においては現在の基金残高では十分とは考えておりませんとあります。

民間活力の導入を進め、遊休資産の売却や事務事業の見直しにより事業規模の最適を図りながら基金の確保に努めたいとの考えですが、令和2年度末残高5億4,800万円をボトムとして考えていいかどうか、お伺いします。

 

 財務部長(村瀬雅彦)

令和3年度末の基金現在高ということでございますけれども、一般的には財政調整基金の残高というのは、その市の標準財政規模の10%を一つの目安として示されているというか、一つの目安として一般的に言われているところでございます。

そのような数値の中からいうと、本市の場合、約17億円が一つの目安としての財政調整基金の残高になるというふうに思われますが、そうしたことから考えますと今の約5.5億円の基金残高については十分な額ではないというふうに捉えておるところでございます。

そのため、先ほども申し上げましたとおり、令和2年度から始まる事業年度に当たっては行政改革、それから遊休土地の売却、さらには施設の統廃合まで含めて経費の削減、または行政改革に積極的に進めてまいりたいというふうに考えておりまして、そうした中で令和3年度末の財政調整基金の現在高につきましては、今現在の5.5億円を下らない額をそういった全庁的な努力によって確保してまいりたいというふうに思っていますので、ご理解いただきますようお願いいたします。

 

 総務部長(能村義則)

行財政改革について、お答えいたします。

従前より、北名古屋市では北名古屋市行政改革大綱及び北名古屋市行財政改革行動計画に基づきまして、選択と集中の観点から行政改革に取り組んでまいりました。

現在は、第2次北名古屋市総合計画の第6章「協働・行財政分野」の施策の一つである行政経営の項目において、適正で質の高い行政サービスが提供できるよう不断の取組として進めておるところでございます。

1つ目の質問でございます公共施設の統廃合を含めたプロジェクトチームや検討委員会の発足などを検討してはどうかということにつきましては、現在、部長級以上の職員により構成された庁内組織であります北名古屋市自治体戦略推進本部におきまして、社会情勢に対応した市政の戦略的な推進に向けて全庁横断的に行政課題の解決に取り組んでいるところでございます。

また、今年の1月には市の抱える行政課題に対し具体的な調査検討を行う下部組織として、プロジェクトチーム方式である幹事会を設置したところであります。

この幹事会は、主に各部の管理職から選任されたメンバーで構成されており、現在、行財政改革における中心課題である事務事業の見直しについて、調査検討を行う事業項目の洗い出しを進めているところでございます。

見直しの対象範囲としては、2つ目の行財政改革に関する答弁になりますが、議員からご指摘のあった公共施設の統廃合をはじめ、イベントの統廃合や負担金、補助金の見直し、扶助費の適正化に至るまで幅広く設定をしております。

こうした幅広いテーマについて、より市民に近い立場で具体的に調査検討し、上部組織である自治体戦略推進本部にて議論を深め、全庁的な合意事項として方針を決定し、スピード感を持って令和3年度の予算編成に適切に反映できるよう取り組んでまいりたいと考えております。

なお、これらの取組に関しては、市民ニーズや民間企業への代替性など社会情勢の変化による観点、また法的な義務づけや独自の上乗せ補助など公共サービスとしての妥当性の観点、またその進め方についても短期的な対応はもとより中長期的な視点も含めて丁寧に多岐にわたって見当する必要があります。

また、行財政改革を進めることは、市民サービスに直接的に影響を与えることでありますので、市民の代表の方々からの意見を伺いながら進めていくということが必要であると考えております。

北名古屋市が厳しい財政状況を乗り越えられるよう、意識を高めて職員一丸となって行財政改革に取り組んでまいりたいと考えておりますので、ご理解とご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 

井上 一男 井上一男

答弁の中で、行財政改革を進めることは市民サービスに直接的に影響を与えることから市民の代表の方々からの意見を伺いながら進めていくことが必要とあります。

行財政改革で優先課題として行事やイベント、そして公共施設の統廃合などがありますが、どのような形で市民の代表の方々から意見を求めていくのか、お伺いします。

 

 総務部長(能村義則)

行財政改革のテーマとなるいろんな案件につきまして、例えばこれこれの施設の統廃合については、たくさん選択肢があると思うんですけど、こういった選択肢について最終的にこのように考えて市としては決定したい、そういったことを例えば行政改革推進委員会というのがございますが、そういった外部の第三者機関にこういう考えでいかがなもんでしょうかということを諮問するような形で審議していただいて決定をしていただく、意見を頂く、こんなふうに考えております。

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