浅利公惠
新型コロナウイルスワクチン接種も順調に始まり、ほっとする間もなく、感染症の拡大の勢いが収まらず、関係機関の皆様には日々大変ご尽力をいただいているところではございますが、市民の皆様に日々の暮らしの中で少しでも明るい話題を提供していきたいという思いを込めまして、今回は北名古屋市の明るい未来に向かっての質問をさせていただきたいと思います。
合併以来、北名古屋市の人口は増加を続けてまいりましたが、全国的な傾向と同様に少子化の波は少しずつ進行してきております。
「子どもがすてきに育つまち 北名古屋」として、市が様々な政策に力を入れてきた結果、市民の皆様にも一定の効果を感じていただいているところではございますが、少子化に歯止めをかけることは大変難しいことであり、国としても様々な対策に乗り出している状況です。
そもそも少子化の原因は様々あると言われておりますが、未婚の方が増えたことや晩婚化していることによる影響が大きいとも言われております。
つまり、少子化を解消するためには出生率を上げる必要があり、そのためにはまず結婚をする人を増やす必要があるということになります。
国立社会保障・人口問題研究所が実施している出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)の結果によると、男女ともに多くの人がいずれ結婚したいという希望がありながら、相手に巡り会えないという理由で結婚できない方が多くいるということは、結婚に至る機会に恵まれない、出会うチャンスがない状況にあるのではないでしょうか。
かつては、恋愛による結婚だけではなく、親戚や近所のお世話好きな方が出会いのきっかけづくりをしてくれて、お見合いによる結婚も当たり前のように見られました。
その後、お世話を焼いてくれる方も少なくなって民間の結婚相談所というサービスが生まれましたが、利用される方も少なく、あまり浸透することがなかったと記憶しております。
その後は、インターネットで知り合った人と結婚すると聞く機会が少しずつ増え、最近では婚活アプリによるマッチングサービスの利用が当たり前のようになってきており、私たちの世代からは想像もつかなかった方法で結婚される方が増えてきていると感じています。
しかし、一方で、一部の質のよくない民間業者によるトラブルも増加してきているとのことで、最近では一部の地方自治体が少子化対策として人工知能(AI)やビッグデータを活用した婚活システムを導入して成果を上げている事例も出てきております。
政府も、婚活システムを導入する際の費用の3分の2の補助金を交付する婚活支援事業を始めました。
AIを活用したシステムでは、あらかじめ趣味や価値観など複数の質問に回答して登録すると、自分が希望する条件と合致していない相手であっても自分に好意を抱いてくれる可能性のある相手を自動的に割り出し、相性のよい相手を提案することで婚姻数の増加につながっているとのことです。
このようなシステムを北名古屋市単独で導入しても、スケールメリットが得られず、効果があまり見込めないため、県であるとか名古屋市など近隣の自治体を巻き込んで広域的に取り組むことが必要だと考えております。
しかし、新型コロナウイルスの影響は今後も続くことが予想されるため、今何か手を打たなければ人々の交流が減ってしまい、さらなる婚姻数の減少に拍車がかかって少子化が加速することが予見されます。
「子どもがすてきに育つまち 北名古屋」を基本理念に掲げている北名古屋市としては、市民の皆様が安心して出産、子育てできる環境づくりの実現のためには、まず初めに安心して結婚できる環境づくりに取り組むことが重要なことではないでしょうか。
そこで、当局に質問させていただきます。
結婚するかしないかは、当然個人の価値観に基づいて決めるものですが、いずれ結婚したいと思っている方が安心してその一歩を踏み出せるよう、結婚に関する様々な情報提供や情報収集、婚活を始めるきっかけづくりに市として取り組むことについての考えをお聞かせください。
また、行政が直接取り組むだけでなく、地域で活動する様々な団体と協働でいわゆるお世話を焼く取組を広げ、安心して結婚できる地域づくり、環境づくりを進めていくことについての考えをお聞かせください。
次に、児童遊園の再編成の検討について、お尋ねします。
児童遊園は児童に健全な遊びを与え、健康増進、自主性、社会性、創造性を高め、情緒等を豊かにすることを目的に生活圏に見合った設置が行われてきました。
現状、児童等の安全、健全な遊ぶ場として89か所設置されています。
これらの設置年代を見てみると、合併前の昭和の年代に71か所、平成の年代に18か所、そのうち市制施行後に6か所となっています。
設備面等では、遊具、トイレ、給水施設に偏在が見受けられ課題でもあります。
児童遊園は、多くの市民の方々からの善意とご理解を得て設置されており、本市及び自治会等の尽力で維持されているところです。
昨今進む少子化社会に対応する児童遊園について、将来を見越した取組が求められてきていると考えます。
そこで、本市の計画、市民の皆様の意向等々を述べさせていただきます。
第2次北名古屋市総合計画(2018年度から2027年度)では、第4章、都市基盤分野の3.公園・緑地・緑化・景観での現状課題として、市内に約90か所ある身近な児童遊園は適正に管理されており、児童に安全な遊び場を提供するとともに、通学のための集合場所、ごみの集積所など多目的に利用されています。
また、都市公園の市民1人当たりの面積は少ない状況となっており、量的な課題とともに魅力や特色など質的な課題も重視されるようになってきていますと上げられています。
主要施策として、児童遊園の適切な維持管理を進めます、民間と連携した公園の管理・運営を検討しますとあり、市民意識調査指標として、市内に心安らぐ公園や緑地があると思っている市民の割合は、2016年は30.2%、今後の目標値として2027年までに40%と掲げられています。
そこで、進む少子化社会を見据えた適正な児童遊園の配置をはじめ、施設の維持管理、手狭だったり機能の重複、厳しい財政状況、地域のニーズ、最近の子供たちの遊びの傾向などなどを鑑みた児童遊園の在り方や、これからの社会常識になっていくであろう新しい生活様式を踏まえて、児童遊園にトイレ・給水施設配置、現状分析から施設の充実、親子の目線に配慮した再編成の検討について、当局の考えをお聞かせください。
私からの個人質問はこれで終わりです。
福祉部長(村瀬雅彦)
少子化対策に向けた婚活につきまして、お答えをいたします。
厚生労働省の人口動態統計では、令和2年の出生数は84万832人と前年より2万4,407人、率にして2.8%減り、統計を取り始めてから最も少なくなっております。
また、婚姻数は前年より12.3%減の52万5,490組で、戦後最小を記録いたしました。これは新型コロナウイルス感染症の影響や、改元に伴う令和婚の反動によるものと考えてられております。
少子化の原因につきましては、ご質問にありますように未婚率の増加、晩婚化など様々あり、かねてから国や県においても未婚者への支援事業を展開しておりますが、なかなか出生率の増加につながらないのが現状でございます。
ご質問の結婚に関する様々な情報提供や情報収集、婚活を始めとするきっかけづくりへの取組、及び各種団体との協働による婚活への取組についてでございますが、婚活支援に関する事業につきましては、個人の思想や価値観において多種多様なニーズがあること加え、AIを活用した場合におきましてもプライバシーに関する膨大なデータの蓄積が必要になってまいります。
このようなことから、事業の実施につきましては民間の持つ情報量や柔軟な発想を有効に活用することが効果的であると考えておりますので、婚活に関する具体的な取組については考えておりません。
市といたしましては、福祉や医療、また子育て支援など安心して家庭を持てる環境をつくることが行政の役割と捉え、これらを推し進めることが少子化対策や婚活の支援に有効につながると考えております。
今後は、社会情勢を注視しつつ、未婚者の支援の在り方につきまして様々な方面から研究してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
建設部施設管理課長(増田勧)
児童遊園の再編成の検討をについて、お答えします。
市内の児童遊園は、現在のような少子化時代とは異なる昭和の高度経済成長期を中心に整備され、老朽化も進んでおります。
また、旧西春町・師勝町の整備の仕方により設備、形態面での差があるほか、配置についても地域によって偏りがあることもあります。
そうしたことから、児童遊園についても事務事業の見直しに合わせ再編に取り組んでいく必要があると考えております。
議員が言われるように、例えば少子化社会を見据えた配置、新しい生活様式を踏まえた施設の充実など、限られた財源を有効かつ効果的に活用することで市民が利用しやすい、市民のニーズに合った施設に変えていくことが大切で、決して迷惑施設にならないように取り組むべきであります。
そのためにも地元の方々、利用者の声、協力が必要になります。
このようなことを整理し、地元自治会の意見を聞きながら、配置の偏り、施設の充実、借地などの問題を総合的に検討し、今後の取り組むべき方向性を明確にし、施設の安全・安心を第一に快適性の向上を目指し地元住民と協働し再編を進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。