初めに、中学校部活動の地域移行について教育部次長にお尋ねします。
中学校部活動の地域移行については、国が教員の働き方改革と部活動を両立しようと、公立中学校の休日の部活動を段階的に地域移行していくこととし、令和5年から令和7年までの3年間は段階的移行期間とされ、地域の実情に応じて地域連携・地域移行に取り組む期間と認識しています。
このことを踏まえ、私は令和5年第2回定例会にて、本市の部活動地域移行の進捗状況について一般質問したところ、平成30年4月より中学校に部活動指導員を登用できる環境を整えており、さらに令和5年度には新たな外部指導員の登用制度を構築し、中学校部活動の地域移行を見据えた指導者の拡充に努めるとの答弁をいただきました。
また、10月には中学校部活動の地域移行推進委員会が開催できるよう準備を進めるとの答弁でした。
この答弁を受けて、教育委員会が中学校部活動の地域移行について取組を進めていることを認識したところですが、令和5年第3回定例会の一般会計補正予算(第5号)において、中学校部活動の地域移行推進事業が提案され、可決されました。
この補正予算の内容は、中学校部活動検討委員会の委員謝礼と部活動の地域移行に向けた実証事業の委託料であり、その概略は予算委員会で確認したところです。
その補正予算の内容を踏まえ、改めて進捗状況を質問します。
1点目、中学校部活動検討委員会の委員構成と検討内容について。
2点目、部活動の地域移行に向けた実証実験の取組状況について。
3点目、本市の部活動地域移行の今後の方向性について。
以上3点についてお尋ねします。
次に、教育大綱についてお尋ねします。
教育大綱は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第1条の3の第1項に、地方公共団体の長は、教育基本法第17条第1項に規定する基本的な方針を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱を定めるものとすると規定されています。
また、第2項には、地方公共団体の長は、大綱を定め、またはこれを変更しようとするときは、あらかじめ次条第1項の総合教育会議において協議するものとすると規定されており、法律において教育大綱は、市長が総合教育会議で協議し定めるとなっています。
本市においては、平成27年に総合教育会議の審議を経て、平成27年度から平成30年度までの4年間を計画期間とし、北名古屋市教育大綱が初めて策定されました。
その後、第2期北名古屋市教育大綱が、総合教育会議の審議を経て、平成31年度から令和5年度までの5年間を計画期間として策定されましたが、今年度をもって計画期間が満了を迎えます。
そこで2点質問します。
1点目、第2期北名古屋市教育大綱の計画期間が満了するに当たり、その取組結果をどのように捉えているか。
2点目、第3期北名古屋市教育大綱の策定に向けてどのように取り組んでいるか、当局のお考えをお尋ねします。よろしくお願いします。
中学校部活動の地域移行についてお答えいたします。
1点目の、中学校部活動検討委員会の委員構成と検討内容についてお答えします。
検討委員会の委員は、中学校長、保護者の代表として各中学校のPTA会長、学識経験者として名古屋芸術大学准教授と社会教育委員、さらに市スポーツ団体の代表者など計20人で構成しています。
検討内容については、10月に開催の1回目の会議において、国が目指す中学校部活動の地域移行の方針を確認するとともに、本市の進捗状況や県内各市町の取組状況についての情報を共有しました。
2点目の、部活動の地域移行に向けた実証事業の取組状況についてですが、10月から白木中学校テニス部と訓原中学校剣道部の2つの部活動について、休日のみ教員が関わらない方法で地域の外部指導者による部活動指導に取り組んでおり、トラブル等はなく円滑に進んでいる状況です。
なお、12月までの活動を終えた時点で、実証事業に関わった生徒、保護者及び指導者への意識調査を実施し、その結果を令和6年1月に開催の2回目の中学校部活動検討委員会において、課題と成果を捉えながら今後の進め方を議論していくこととしております。
3点目の、本市の部活動地域移行の今後の方向性についてお答えいたします。
中学校部活動を地域移行する目的は2つあります。1つ目は、生徒にとって望ましい環境づくりを進め、地域社会を豊かにすること、2つ目は、学校における教員の働き方改革を考慮した部活動改革の推進です。
現状として、本市の地域に即した方法を模索しながら進めているところですが、中学校部活動検討委員会を立ち上げたことや地域移行に向けた実証事業に取り組んでいることにより、市民団体などから新たな提案をいただいております。
様々な提案や意見を組み合わせるとともに、他市町の実施方法や事業費規模を参考としながら、生徒がスポーツ、文化、芸術などに親しむ環境について学校単位から地域単位での活動に変えていくことを積極的に進めてまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
検討委員会の委員であるスポーツ団体の代表者とは、具体的にどんな団体か教えてください。
検討委員会の委員のスポーツ団体の代表ですが、本市のスポーツ協会ですとか、ふれあいスポーツクラブまたはスポーツ推進委員という団体がございますので、そちらの代表者の方を委員としてお願いして、参加していただいておる状況でございます。
答弁の中に他市町の事業費規模を参考にするとの答弁がありましたけれども、予算措置はどのように考えておりますか。
愛知県内で10程度の市町が、その地域の実情に即した地域移行の取組を今試行的に進めておりますけれども、事業費の捻出についてはどこの市町も苦慮している状況がございます。
教育委員会といたしましても、国や愛知県への要望を提出する機会において、他市町と連携し、地域の実情に応じた多様な取組を推進することができるよう、自由度の高い補助制度について継続して要望してまいりたいと考えておりますが、実際の事業費としてはなかなか厳しいところがありまして、保護者負担というところも、ほかの市町とお話ししているとそういった考えも出てきているところもありますので、いろいろ先進自治体とも調整をしながら、本市の実情に即した取組を継続して取り組んでまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
教育大綱についてお答えいたします。
1点目の第2期北名古屋市教育大綱の計画期間が満了するに当たり、その取組結果をどのように捉えているかについてお答えいたします。
教育大綱は教育分野の目指す方向性を示しているものですので、取組結果を明確に示すことが難しい面がございますが、第2期北名古屋市教育大綱の計画期間である平成31年度から令和5年度までの5年間を振り返ってみますと、新型コロナウイルス感染症の感染拡大という予測困難な時代の象徴ともいうべき事態が生じました。
学校は令和2年3月から5月まで臨時休業、その後も感染拡大を防ぐための学級閉鎖の措置により、長期間にわたり児童・生徒が今までと違う環境に置かれる事態となりました。
文化、芸術とスポーツ分野においても様々な制限がされ、人と人との絆を紡ぐことが難しい事態が生じ、教育の人づくりという面での課題が浮き彫りになりました。
しかしながら、学校では身体の距離を保ちながら、そしてそうでありながらも心の距離を近くするよう教育活動に努めるとともに、児童・生徒の学びを止めない手段の一つとして、タブレット端末をはじめとしたICT機器を最大限活用することが日常化し、緊急事態が生じた際にも学びの保障に取り組める環境が整いました。
文化、芸術とスポーツ分野においては、市民活動の必要性や重要性に改めて気づく契機となり、制限のある中での実施形態の見直しや、必要となる活動が最適化して進められている現状を成果として捉えています。
2点目の、第3期北名古屋市教育大綱の策定に向けてどのように取り組んでいるかについてお答えいたします。
教育大綱は、国の教育振興基本計画を参酌する必要がありますので、去る10月2日に開催の総合教育会議において、政府が6月16日に閣議決定した第4期教育振興基本計画の内容を確認するとともに、本市が推進する教育の方向性を見据えた第3期北名古屋市教育大綱の内容について議論しました。
結果、本市の2つの基本的方向性である社会を生き抜く力の育成と子育て支援の充実と、学校・家庭・地域の協働による絆づくりと地域を担う人づくりは継承していくこととし、基本施策についてはさらに検討を進め、令和6年2月に開催予定の総合教育会議における審議を経て決定する予定でございます。
第3期北名古屋市教育大綱がまとまりましたらご報告をさせていただきますので、引き続き北名古屋の教育の充実に対しまして、議員の皆様方のご理解とご協力を切にお願いするものであります。
以上、答弁とさせていただきます。
答弁の中に学校・家庭・地域の協働による絆づくりと地域を担う人づくりとありますけれども、私も同感でして、現在、核家族化、地域環境の変化などにより、人と人とのつながりが希薄になっているというふうに思っております。隣は何をする人ぞではなくて、やはりお互いに尊重しながら自立しながら人と人のつながりを進めていくということが必要だと私は思っております。
その中で今後、北名古屋市の教育をどのように進めていくのか、ご答弁のほうをお願いします。
教育は人づくりでございます。そして、人づくりは家庭・学校・地域ががっちりスクラムを組んで連携、協働して成していくものだというふうに思っています。
家庭というのは、本来基本的な行動様式、基本的な生活習慣、それを身につける場、学校は社会性を育む場、そして地域は培った力を発揮する場であるというふうに私は思っています。
ただ、現代社会におきまして、保護者の多様な価値観の中、本来家庭が果たすべき役割が弱くなり、その弱くなった部分を学校とか地域が補っている、そんな面があると感じています。
家庭の教育力の低下を懸念しています。
これからですが、これまで学校・地域が家庭に働きかけをしましたが、今後もですが、より一層家庭の機能が発揮できるような、そんな取組を推し進め、家庭の教育力を再生していきたい、そしてそのことを人づくりにつなげていきたいというふうに考えております。