山下隆義
消防団観閲式、来賓はもとより多くの一般市民の来場者の皆さんから、その整然とした隊列行進等の訓練態度に拍手喝采、最大限の称賛が与えられました。
部隊行進等のプロである自衛隊の方も、民間人、素人集団としてはすばらしいとつぶやいておられました。また、招待されておられました旧師勝町の先輩消防団長に問いかけましたら、俺たちのころとは雲泥の差だ。これが市の消防団か、うらやましい、うれしいと感きわまって涙声で話されました。
平成25年の県消防操法大会、ポンプ車の部で準優勝に輝いた我が市の消防団は、市民、市長はもとより我々議員にとりましても自慢のできる名誉この上ないことであります。
平成23年3月の東日本大震災時の地域消防団員の献身的な初期活動を目の当たりにして、全国民が感動し、消防団の存在が一躍脚光を浴びました。今回の長野北部地震の白馬村では、三十数軒の家屋倒壊にもかかわらず、死者ゼロの奇跡的な結果は、隣近所の身近なおつき合いはもちろんですが、やはり消防団員の皆さんのお力添えがあったからと言われております。小規模なまちと言えば、北名古屋市でも自治会単位に置きかえると小規模と言えると思いますけれども、小規模なまちとはいえ、消防団員を取り込んだ自助・共助の模範的なケースではないかと思います。消防庁も、消防団に入りませんかと大キャンペーンを行いました。
さて、市民にとりましては何よりも大切な安全・安心、火災消火、人命救助、自然災害抑止の重要な心の支え、担保でもあります消防団については、市当局も最大限とまでは言わなくても最良の配慮をいただいていることは団員の皆さんも重々承知しておられるようでございます。
消防団への今後の育成、強化、支援策について、具体的に防災環境部福永次長にご質問いたします。
1番目、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律が平成25年12月に公布、施行されました。
第1条に、住民の積極的な参加のもとに、消防団を中核とした地域防災力の充実強化を図り云々とあります。この法律が制定され1年を経過しました。担当部課として、消防団への対応意識の変化、具体的な措置等を追加的に行った点がありましたか、お伺いいたします。
2番目、同法第4条には、地方公共団体の責務として、その施策が直接的なものであると間接的なものであるとを問わず、地域防災力の充実強化に寄与することになるよう意を用いなければならない。また、そのための施策を効果的に実施するための必要な調査・研究、情報提供その他の措置を講ずるものとあります。この条項は、重要で重みある内容ですが、その他の措置とは具体的に何を指しているとお思いですか、ご質問いたします。
3番目、前問の件に関して、第20条では、市町村に対して国、県が必要な援助を行うものとするとありますが、これは積極的に利用すべきだと思います。来年度以降、この条項による助成を目的とした従来とは異なる消防団の特別な施策、助成等の計画を考えておられるのか、お尋ねいたします。
4番目、同法第9条では、消防団への加入促進を規定していますが、当市の消防団条例では、定員170名で実員数が167名で、充足率は98%と大変すばらしい成績と思います。分団によっては入団が困難とお聞きしていますが、条例定員を増員する考えはありますでしょうか。ないとしたら、その理由をお答えください。
5番目、平成23年度に消防団待望の第1分団詰所が供用開始となりました。
詰所は出動の利便性はもちろんのこと、団員が情報交換をし、意思疎通を図り、団結心の高揚に重要な場所であります。その必要性について、どうお考えでしょうか。財政厳しい折ですが、第4、5、6分団の地域に、将来的に第2の詰所を準備してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
6番目、消防団員の皆さんには、活動服一式、防火服一式が貸与されていると思いますが、これらは入団支給後、何年経過後に再支給されていますでしょうか。余りにも古着になっては活動に危険を生ずる可能性がありますが、いかがでしょうか。防寒服についてはどのような扱いになっていますか、ご質問いたします。
7番目、さきに観閲式でポンプ車による放水訓練が行われました。6分団編成ですが、消防ポンプ車の台数は5台かと思いますが、各分団1台が好ましいと思います。また、その折、1台が圧力不足でさびたような水に思われました。この点についての将来の整備計画について、どのようになっているのかご質問いたします。
8番目、火災、水害等緊急時の団組織への伝達方法は、例えば、どこから、いつ、どんな方法で、どのクラスまで、またその機材の貸与機数等についてお伺いいたします。聞くところによると、受信のみのを与えられているとお聞きいたしておりますが、いかがでしょうか。それで十分と考えておられるのか、不十分としたら、どの件を順次改善しようとされているのか、ご質問いたします。
9番目、水害はもちろんですが、地震による家屋倒壊時の救済支援に対する団員の皆さんの活動の重要性が今回の長野北部地震で証明されました。
この件に関して、行政としてどのようにお願いをしていくつもりでしょうか、お尋ねいたします。家屋倒壊時の救済支援ですね。
10番目、自治会傘下の自主防災会がありますが、その役職員、例えば副会長に消防団OBになっていただくと熟知していて大変いいのではないかと考えますが、今後、自治会長会に提案してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
この質問に関して、私は団員の皆さんから現場の声をお聞きしましたが、報酬、手当等に対しては何ら要望も意見もありませんでした。まさに地域への奉仕の精神が旺盛な方ばかりで心打たれました。その心意気だからこそ、市民からも頼もしがられ、組織としての士気が自然発生的に生まれているものと思います。
いずれにいたしましても、法第1条の目的に、我が国において、未曽有の大災害を初め地震、局地的な豪雨等による災害が各地に頻発し、住民の生命・身体及び財産の災害から保護における地域防災力の重要性が増大している云々と記載されています。
消防団の本来の存在意義は、火災予防、初期消火、火災出動でありましたが、現在では、自然災害である風水害、地震災害等の初期活動の重要な担い手と期待されています。むしろそのほうに期待が高まっているようでございます。
我が市におきましては、3河川に囲まれた内水域、東海豪雨時のような局地的集中豪雨、東南海大地震の可能性、いつ我々の市内各地に発生するかわかりません。火災はもちろん、あらゆる災害からの被害抑止の最大の要素は、現代社会生活のキーワードである自助・共助・公助が自治体の中で平衡的に、効果的に構成、機能していることが重要であると思います。この場合、例えばそれぞれの担い手は、住民が自助であり、消防団が共助であり、行政が公助ではないかと思います。
最後に、カーブミラーから防犯灯まで多忙な防災環境部、不確定要素の多い、しかし失策の許されないのが地域防災力の強化です。法の趣旨を思慮され、次長の消防団への今後の期待、思いを込めて所信を述べていただきたいと思います。
以上で、一般質問の第1番目を終わります。
防災環境部次長兼環境課長(福永直吉君)
消防団の強化、育成、支援策について、順次お答えいたします。
まず1点目の、消防団への対応意識の変化、具体的な措置等を追加的に行った点につきましては、消防団員を地域における消防防災のリーダーとして地域に密着し、市民の安心・安全を守るという役割を担える存在であることを改めて確認し、また市民の消防団活動に対する理解を深めていただくために、市民に向けた広報活動にも今まで以上に推進しているところでございます。
本年度は、全団員に普通救命講習を受講していただき、特に女性消防団員については、応急手当や普通救命講習を指導できる応急手当普及員の資格を取得していただいております。また、大規模災害時の初期対応訓練として、救護所の設置、患者の医療機関への搬送など、発災直後を想定した訓練も実施しているところでございます。
今後も、自主防災会を初めとする地域関係機関とさらに連携した消防団活動の充実のために、消防団員の資質の向上を図っていきたいと考えております。
2点目にご質問の、その他の措置を具体的に申し上げますと、財政上の措置として、今年度から消防団員の退職報償金額の引き上げや、法制上の措置として公務員の消防団への加入促進を図る観点から、公務員の消防団員との兼職に係る規定及び職務専念義務の免除に係る規定が設けられたことなどが上げられます。
3点目の国、県による助成を活用とした施策につきましては、愛知県の南海トラフ巨大地震等対策事業費補助金を活用し、平成26年2月に変更された消防団員服制基準に準拠した活動服の購入、消防団員役員への防火服一式の貸与、全団員への耐切創手袋の配備を考えております。
4点目の条例定数の増員につきましては、団員獲得に向けた募集啓発を図りながら、必要に応じて条例定員数の増員を議会に諮ってまいりたいと考えております。
5点目の第4、5、6分団の地域への詰所につきましては、検討してまいりたいと考えております。
6点目の活動服等についてお答えいたします。
活動服は、平成14年に購入、貸与し12年経過しておりますが、各団員の使用状況に応じて再支給しております。また、防火服につきましては、団員一人一人に貸与支給しているものではなく、東・西消防倉庫に各29着、第1分団詰所に12着、合計70着を配備しており、毎年老朽化したものから更新しております。防寒服につきましては、従来、分団で購入していただいておりましたが、今後は市から貸与していく考えでおります。
7点目の消防ポンプ車の整備計画につきましては、現在、消防車は消防ポンプ車3台、可搬式ポンプ積載車1台、救援資機材搭載車1台の合計5台あり、消防庁が定める消防力の整備指針を充足している状況ですが、各分団に消防車1台の配備を計画しておりますので、この計画を推進してまいりたいと考えております。
8点目の、火災、水害等緊急時の団組織への伝達方法については、現在、自動で電話連絡する緊急情報伝達システムを使って通知しております。
また、消防団の部長以上の役員へは消防用無線受令機の貸与により、常時消防無線を傍受でき、火災現場に到着後は防災行政無線を活用しております。
今後は、補助金等を活用しながら消防団役員上位者から、順次防災行政無線機を貸与するなど、計画的な整備に努めてまいりたいと考えております。
9点目の消防団の活動支援につきましては、現在、大規模災害時における消防団の組織力を最大限に生かすため、発災後の消防団員の参集方法、消防団の初動活動などの活動手順をまとめた消防団活動マニュアルを策定しているところでございますので、ご理解いただきたいと存じます。
10点目の消防団OBの自主防災会役員への登用については、地域防災力の充実の一助となるよう自主防災会への紹介等を検討してまいりたいと考えております。
消防団は、地域防災力の中核として欠くことのできない存在です。今後とも消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律の趣旨を十分に踏まえ、近い将来発生すると言われている南海トラフ巨大地震に備えていきたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようよろしくお願いいたします。
山下隆義
福永防災環境部次長の答弁は、致命的悲壮感が漂っておりまして、再質問がしにくい状況でございますけれども、1つだけお伺いいたします。
第5、6分団の詰所の件でございますけれども、今回、消防団の方々、幹部も含めてお聞きしたところによりますと、西東を問わずやはり詰所の必要性が非常に要望されているようでございまして、市長もきょう聞いていただいておりますけれども、ぜひともこの4年のうちに東のほうに詰所をつくっていただくように、先ほど検討という答弁がありましたが、大体検討というのはやらないということを聞いておりますので、もう一度再答弁をお願いいたします。
防災環境部次長兼環境課長(福永直吉君)
消防団の詰所の建設につきましては、土地の選定等、財政的な問題もございますが、消防団の存在意義を考えますと、地域の防災力の中枢を担う存在という点で、やはり分団の詰所の建設は必要であろうというふうに考えておりますので、その点進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。