福岡 康
少子高齢化が社会問題となり、いろいろな対策、施策が取り上げられていますが、高齢者が活躍できる社会について、個人質問します。
何歳から高齢者と呼んでいるのかを調べますと、国連の世界保健機構では65歳以上を定義づけています。
日本では、一般的に0歳から19歳を未成年、20歳から64歳を現役世代、65歳から74歳を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と呼んでいます。
人口統計調査における内訳として、5歳以下を乳幼児、6歳から14歳を児童、15歳から34歳を青年、35歳から64歳を壮年とし、65歳から74歳を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と区別し、64歳以下を現役世代としています。
高齢化率は65歳以上の人口が総人口に占める割合を呼んでいますが、高齢化率が7%から14%までは高齢化社会、14%から21%までは高齢社会、21%以上を超高齢化社会と分類されています。
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」、通称「高年齢者雇用安定法」では、高年齢者を55歳以上と定義づけています。
私が社会人として企業へ就職したのは1965年でしたが、そのときの就業規則の定年退職は55歳でした。
「高年齢者雇用安定法」では、1986年改正で60歳定年が企業への努力義務となり、1994年の改正で60歳未満定年制が廃止され、60歳が日本の一般的な定年となりました。
2012年の改正で、企業に対して、希望する労働者全員を65歳まで継続雇用することが義務化されました。
政府は2020年2月4日、希望する人が70歳まで働き続けるよう就業機会の確保を企業の努力義務とすることを柱とした関連法案を閣議決定し国会に提出しています。
高齢者問題として2025年問題があります。
堺屋太一の小説「団塊の世代」から、1947年から1949年生まれの第1次ベビーブームの約806万人を団塊の世代と呼んでいます。
この団塊の世代が全て75歳以上になった場合の人口が約2,179万人、人口構成比率が18.1%と予想されています。
この高齢人口増加により生産年齢減少による税収不足、医師、看護師の不足、社会保障費の増大、空き家の増大などは2025年問題と呼ばれています。
2020年2月1日付、北名古屋市、日本人と外国人ですが、年齢別人口統計は0歳から19歳が1万6,742人、19.4%、20歳から64歳が4万8,915人、56.7%、65歳から74歳が9,875人、11.4%、75歳以上が1万774人、12.5%となっています。
北名古屋市年齢別人口統計から、2025年の75歳以上人口は1万6,365人、19%と予想されます。
全国では、団塊の世代及び団塊世代前後の1946年から1950年の出生人口は約1,198万人です。
成長過程での時代背景を振り返ってみると、児童数の多い小・中学校では1学年当たり2桁クラス、1クラス当たり50人前後、大学進学率は18%前後で、中卒、高卒で多数が社会人となり、金の卵と言われ都市へ集団就職しました。結婚ブーム、ジャパン・アズ・ナンバーワンのバブル経済、ソ連崩壊、バブル崩壊など多様な社会環境の変化がありました。
今、団塊の世代が勝ち逃げ世代、逃げ切り世代と一部マスコミが報道し、年金、医療費、介護保険等の社会保障費増大原因の諸悪の根源のようなイメージがありますが、戦後の日本経済の高度成長を支えてきたのは団塊世代です。休日は日曜日と祝日、年末年始、残業は月に100時間ぐらいが当たり前の時代でした。
1970年は就業規則の定年退職は一般的に55歳ですが、2020年では希望する方の70歳継続雇用の努力義務を企業に求めています。
1970年の平均寿命は男性68.84歳、女性75.23歳、2020年の推測平均寿命は男性81.34歳、女性87.64歳です。
医学の進歩、食事の改善により平均寿命も延びています。2020年と1970年の定年退職年齢、平均寿命をざっくりと比較すると2020年の8掛けが1970年の年齢です。
もう75歳ではなく、まだまだ75歳です。
男性も女性も、いつまでも生き生きと健康にたくましく人生を送っていきましょう。
「老兵は死なず、ただ去るのみ」ではなく、我がまち北名古屋市の市民活動に、現役時代の豊富な人生経験、社会経験を生かしていただきたい。
そこで、高齢者の社会活動増進のために市が音頭を取って、この指止まれ方式で高齢者の場づくりの企画をしてはどうでしょうか。
例えば、散歩も兼ねたポイ捨てごみ収集美化運動、小・中学校校庭の草取りを小・中学校の生徒に当たる孫と一緒に行うなどの除草活動も考えられます。
人生100年時代です。高齢者が生き生きと元気に輝く北名古屋市をつくろうではありませんか。
そこで質問いたします。
高齢者の社会活動をバックアップする場づくりについて、市のお考えをお聞かせください。
高齢者の社会活動参加施策について、お聞かせください。よろしくお願いします。
福祉部長(伊藤誠浩)
高年齢者が活躍する社会について、お答えいたします。
1点目のご質問であります高齢者の社会活動をバックアップする場づくりについてでございますが、高齢者の方が積極的にその人生経験や社会経験を生かした社会活動に参加いただくことは大いに期待するところで、その活動をバックアップする場づくりは重要であると考えております。
特に、就労では就業の機会の確保等の措置を総合的に講じ、もって高年齢者等の職業の安定、その他福祉の増進を図るためシルバー人材センターが設置され、高年齢者が働くことを通じて生きがいを得るとともに、人生経験や社会経験を生かし地域社会に貢献できるよう市と連携を図っているところでございます。
また、憩いの家では、教養の向上、レクリエーション、趣味活動及び能力活用のための場として高齢者の方が各種活動を展開されておりますので、健康増進、認知症予防、介護予防につながっているものと考えております。
今後とも、継続的に活動の推進を図られるよう本市としてもバックアップしていく所存でございます。
次に、2点目の高齢者の社会活動参加施策についてでございます。
高齢者の社会活動は、高齢になっても地域での仲間づくりや生きがいを持って暮らせるような交流や活躍の場であり、参加しやすい活動の場となることが必要と考えております。
現在では、老人クラブ連合会や回想法スクール卒業生の会のいきいき隊などによる伝承遊びなどが学校や保育園、児童館などで実施されております。
また、高齢者が各種ボランティア活動の中で学校での草刈りなども実施され、幅広く活発に活動が展開されており、高齢者の社会参加の一助を担っていただいております。
議員のおっしゃるように、除草活動などにつきましては既に行政が主導ではなく各種活動の中で高齢者の方が自主的に行われています。
本市といたしましても、今後もさらなる活動の推進が図られるよう連携協力を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願いをいたします。