大野 厚
北名古屋市の将来展望について。
2月14日の新聞朝刊は、名古屋市の来年度予算に対する意気込みを強く感じ取れる内容となっておりました。この紙面を見て、長瀬市長はどのように感じ取られたのでしょうか。
私は、名古屋市がこれほどまでにリニア対策に強い意志を示していることに、正直、驚きを隠すことができませんでした。
驚きの1つには、リニア中央新幹線の開業を見据えた体制強化です。
名古屋市では、住宅都市局の局長級ポストに国土交通省の官僚を充てることを決めました。これまでに中央省庁をやめて市職員となり、そのまま退職した例はあるそうですが、今回は違います。国土交通省の職員を受け入れ、ある程度長期的な人事交流により、中央との連携強化を図る狙いがあるものと推察されます。加えて、これまでリニア対策の陣頭指揮をとってきた住宅都市局長を副市長に起用する方針が示されております。大英断のリニアシフト人事です。
これは、この地方にとってリニア対策がいかに重要なものであるかを意味しているのではないでしょうか。
リニア中央新幹線の開通は2027年の予定です。あと13年しかありません。
我が西春駅から電車で12分程度の地が大変貌を遂げようとしているのです。
リニア開通により、名古屋圏から東京に人や企業が流出するストロー現象は、大都市名古屋でさえ、これほどまでに危機感を募らせる事態となっているのです。
本市においても他人事ではありません。とはいえ、本市の努力だけではどうにかなるようなものでもありません。
周辺自治体とも連携・協力体制を確立し、対策を進める必要があります。中でも、名古屋市との連携・協力体制の強化は、今後の北名古屋市の将来を左右する重要なものになるのではないでしょうか。
「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、あだは敵なり」との言葉があります。
勝敗の決め手は堅固な城ではなく、人の力である。個人の力や特徴をつかみ、才能を十分に発揮できるような集団をつくることが大事であるというような意味で理解をしておりますが、キーワードは人です。
今後の時代の大きな変化に対応していくには、さらなる人材育成を図り、名古屋市との連携・協力体制の強化を推し進めていかなければならないものと考えております。
名古屋大都市圏では、高齢化の進展と人口減少社会、グローバル化による国際的都市間競争、地域コミュニティーの劣化の3点が課題だと言われております。
我が北名古屋市には、長瀬市長の育てられた地域回想法という自慢の施策があります。この事業は、高齢化社会の進展、地域コミュニティーの劣化への対策として、大きな役割を果たすものと確信しております。幸い長瀬市長のご努力によって、名古屋市にも一定の普及が進んでいると聞き及んでおります。このすばらしい事業をさらに一層名古屋市へ、尾張地域へ、そして全国へと普及させるべく取り組むべきではありませんか。
いずれにしましても、今まさに激動の時代です。北名古屋市も、この時代の流れにのみ込まれることなくうまく対応し、乗り越えていかなければなりません。名古屋市との連携・協力体制の強化を含め、北名古屋市の将来展望について、長瀬市長のお考えをお聞かせください。
市長(長瀬保君)
お寄せいただきましたご質問にお答えをさせていただきます。
ただいま大野議員からご質問がございました内容のとおりでありますが、私は名古屋市がこうした取り組みをされるということに対しては、ごく自然に受けとめております。
これは、既に我々が期待する内容であったということであるわけでございまして、そうした意味から捉えまして、このリニアインパクトのいわゆるストロー現象、こういう面に対しては大変危惧してきたところでございまして、そういう面に対してこの名古屋市が正面から捉えていただける。これは、大きくいえばこの近隣市町にも大なり小なり大きなプラス面としての効果性が発揮できるんじゃないかと、そのような思いで期待しているところでございます。
インパクトにつきましては、まさにご案内のとおりでございまして、私どもはそうした一面に対して、まさに次代を担う今新たな課題としてこのリニアインパクトというものに対して注視し、しっかりと北名古屋市のまちづくりもそのように整備をしていかざるを得ない、むしろ整備すべきだと、そのように考えているところでございます。
まさしく人の力、まさにことわざでおっしゃったように、人は石垣ということでございまして、この8万3,000有余の市民と一体感を持って、この北名古屋市というものをしっかりとしたまちづくりを進めながら、この名古屋市としっかりと協調、対峙できる、そうしたまちづくりをしていきたい、そのように考えるところでございますので、ご理解を賜りたいということでございます。以上です。
大野 厚
それと、昨年の9月の表明のときに、声明として、幼児から高校生まで一貫した教育環境をつくると、そして私学を誘致するような、そんなような表明がありましたが、そういう点について、今お聞きをしたかった中に入っているんですが、そういう点についてはいかがでしょうか。
市長(長瀬保君)
私学誘致だというふうに受けとめますけれども、失礼ですけれども、質問項目には入っていなかったテーマであるだけに、お答えすべきかどうかちょっとちゅうちょしますけれども、あえてご質問いただきましたのでつけ加えておきますけれども、まさに名古屋駅から北名古屋市に十数分で到達できる地域にある北名古屋市だけに、この名古屋市との連携も十分含みながら、この北名古屋市の適地に私学誘致、こうした面を考えていきたいということで、お答えにかえさせていただきます。
大野 厚
今、大変激動の時代でありますので、きちっとした決断力、それから洞察力、そういったものをお持ちになって北名古屋市の発展が違った方向に行かないようにするために決断力を持ってやっていただきたいと、ご期待にかえて私の質問を終わります。
市長(長瀬保君)
補足をさせていただきます。
大変名古屋市との関係をお聞きいただいているところでございまして、これに対して、まさしく私なりの幾らかの考え方をお話ししておきたいと思うんです。
ご案内のように、名古屋市と北名古屋市の関係は、これからさらに強化しなければいけないと、このように考えるところであります。
既にご承知のように、焼却場のテーマ、そしてさらにこの企業誘致という一面もございますし、さらにソフト面で申し上げるならば、今ご質問でありましたように、認知症予防というその事業を回想法という形で、今、北名古屋市が取り組んでおります。
これは、まさにご案内のように、国に先駆けて取り組んできた事業であるだけに、今名古屋市からこの北名古屋市をモデルとして、名古屋市も全区にこうした回想法事業というものを展開したいということで、各区がありますが、区長みずからそれぞれ北名古屋市に研修においでいただいて、もう既に数区実践をしていただいていると。
先般も、名東区から区長初め局長クラスが視察をいただいて、名東区でも採用していくと。こんなような形であるわけでございます。
さらに具体的に私の行動としてお伝えするのは、月例の記者会見が、市長おやりになっているそこにも同席しまして、この記者会見の中で北名古屋市の回想事業というものを紹介させていただいた。
こんな経緯もあるだけに、名古屋市も非常に北名古屋市に対してこうしたハード面、ソフト面ともに強い関心を持って協調、広域事業として展開していこうと、このような動きが出ているということでありますから、私は名古屋市というものに対してこれは絶対無視できない、むしろ肯定的に名古屋市と北名古屋市がさらに密接な関係を結んでいけるように取り組みを進めていきたいと思いますので、ひとつ格別なご理解と、またご支援を頂戴したいということで、答弁にかえます。
よろしくお願いします。