1. 令和5年度施政方針について


 永津正和

太田市長は、昨年の4月に就任されほぼ1年を経過しようとしております。

そこでお尋ねをいたします。

市政の責任者としての率直な感想をお聞かせください。

次に、市長の市政運営のモットーである「ともに進める、新しい北名古屋市へ」に基づき順次にお聞きいたします。

1.「市民の命と生活を守る」についてでございます。

ここでは、やはり新型コロナ感染症について触れないわけにはまいりません。新型コロナも第8波が下火になりつつあります。

しかし、新型コロナがこのまま終息を迎えるとは思えません。まさに油断大敵であります。

そこで、市民生活や事業者への支援をどのように考えておられるか、お聞きいたします。

また、健康快適都市の再構築、具体的には市民の健康管理及び予防医療の推進についてもお聞かせをください。

2.「子育て・教育の充実」についてでございます。

まず子育てについてお聞きをいたします。

本市も本格的な少子化の到来が考えられますが、少子化対策は将来のまちづくりのためには重要な事項でございます。

単に手当を支給するだけでは事足りません。あらゆる施策を考えるときだと思いますが、市長の考えをお聞かせください。

次いで、教育の充実についてお聞きいたします。教育の充実は少子化対策と併せて喫緊の課題であります。

そこでお尋ねをいたします。

昨年発生いたしました部活動指導員の事案につきましては、どのように対応されるか。

そして、教育のことにつきましては教育委員会に任せきりではなく、市政責任者として積極的に指導していただきたい。考えをお聞かせください。

3.「安全・安心な環境づくり」についてでございます。

豪雨、洪水に備えた雨水貯留施設及び河川、水路の整備につきましては昨年もお尋ねいたしましたが、今後もさらにご尽力いただきたいと思います。

特に、五条川、水場川、新中江川、新川の改修整備につきましては何をさておいても推進すべきと思います。市長の考えをお聞かせください。

さらに、火葬場につきましても、どのように検討されたかお聞かせください。

4.「頼れる福祉」についてでございます。

障害者が日常生活において活躍できる支援につきましてはどのようにお考えか、昨年に引き続きお聞きをいたします。

また、高齢者が地域で安心して生活できる環境づくり、そして介護施設の整備、充実について、お考えをお聞かせください。

5.「まちの活性化」についてでございます。

市長は各地域で市民との対話集会を定期的に開催すると述べておられますが、多くの市民はこの考えに共感を持ち指示されたものと理解いたします。

昨年は行政改革について市民説明会を開催されましたが、私はこれとは別物であると思います。

したがいまして、市長対話集会を計画し、地域へ出向くべきであると考えます。市長の考えをお聞かせください。

次いで、西春駅前の日曜日歩行者天国の実施について、どのように検討されたかお聞かせください。

さらにお聞きいたします。元気な北名古屋市を展開するためには、商業の発展は欠くことができません。市長の考えを述べていただきたい。

6.都市基盤の整備についてでございます。

最初に、西春駅東部地区のこれからのまちづくりについてお聞きいたします。

これは北名古屋市の将来のことを考えますと、西春駅が本市の玄関となり、都市機能を整備する重要なプロジェクトであると考えます。市長の考えをお聞かせください。

次いで、もう一つ取り上げなければならない課題でございます。それは老朽化したインフラについてでございます。

特に、中小河川、道路、橋りょう及び上水道管についても早急に対策を計画する必要があります。考えをお聞かせください。

さらに、農業問題につきましても農地の保全、用水路をはじめインフラの管理、そして後継者問題でございます。

昨今、空き家、空き店舗が問題になっておりますが、耕作放棄地も近く問題となってまいります。

その対応について、考えをお聞きいたします。

以上、多くの課題、問題について申し述べましたが、いずれも早急に対応する必要があるものばかりでございます。

市当局におかれましては、組織を確立し、市長を先頭に進めていただきたい。

幸いにも、本年1月には副市長も決定いたしました。あとは市長を先頭に組織を挙げて前進あるのみでございます。

私たち市政クラブは、批判もいたしますが、必要と思えば積極的に協力も惜しみません。

そこで、最後になりましたが、太田市長の北名古屋市の発展、そして北名古屋市民の幸せに向けて、就任2年目の覚悟をお聞きいたしまして私の質問とさせていただきます。

よろしくお願いをいたします。

 

 市長(太田考則)

令和5年度施政方針について、順次お答えいたします。

初めに、市長就任後ほぼ1年を経過しようとしている今、市政の責任者としての率直な感想を述べさせていただきます。

私が市長に就任する前の昨年2月、突然勃発しましたロシアによるウクライナ軍事侵攻は世界を揺るがす出来事でした。

両国において、民間人も含め多くの方々が犠牲となり、いまだ終わりの見えない状況となっています。

メディアを通して戦争の生々しい映像を目にするたびに、その悲惨さに心が痛むとともに平和の尊さを感じるのは私だけではないと思います。

この戦争が始まった2か月後、私は北名古屋市政のかじ取り役となりました。

市政の責任者として、世界平和は無論のこと、第1に市民の皆様方の安全・安心と、生命・財産を守ることが最大の使命であると痛切に感じております。

私は市長就任後、幹部職員を皮切りに全職員を対象とした職員面談を実施しております。保育士職につきましては、実際に保育園など施設も見て回り、現在は係長、主査級職員との意見交換を行っているところでございます。

この職員面談は、これまでの職場風土や組織体制の問題点を私なりに落とし込み、職員の士気を高めながら新たな発想で職務を遂行してもらうことが狙いであり、市役所職員全体の意識改革につなげていきたいと考えております。

また、先般行いました若手職員による政策研究会では、今後の行政に活用できる政策提言が行われ、その成果に市長として大変心強く思っております。

本市が抱える政策課題を市民の皆様と共有した上で、市政の責任者として政治信念を基に、前例踏襲主義から脱却し市政を前進させていくことこそが自治体のトップに課せられた責務であると感じております。

それでは、最初に「市民の命と生活を守る」についてお答えします。

まず事業者への支援につきましては、国や県の施策や補助金交付の動向も鑑み、新たな経済対策の検討をはじめ事業者の国内外での競争力強化を念頭に置いた市内企業の流出防止策、企業誘致策について調査・研究を行い、時代に応じた市内事業者、産業全般の下支えをしてまいりたいと考えております。

次に、健康快適都市の再構築、具体的には市民の健康管理及び予防医療の推進につきましては、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを経験し、長年市民と共に醸成してきた健康づくりや疾病予防についての意識が変化してしまったように思います。

流行期には何よりも感染対策が最も重要になり、人と触れ合う中で培われた健康意識も、この3年間に優先順位が変わってしまった状況が危惧されます。

この状況下でメタボリックシンドロームが進行し、生活習慣病が進行している方、人とのつながりが減ってフレイルが進行したりメンタル等のバランスを崩したりしている方々に対して、世代を問わず改めて健康づくりについて考えてもらうよう健康保険事業を展開し、健康快適都市の実現を目指します。

次に、「子育て・教育の充実」についてお答えいたします。

進行する少子化は、本市のみならず全国的な問題と認識しております。政府も異次元の少子化対策を掲げ、国の最重要課題と位置づけております。

国、県と連携し、子供が健やかに育ち、子供を産み育てる者が誇りと喜びを感じることのできる仕組みづくりを地域の実情に合わせ取り組んでまいりたいと考えております。

また、部活動指導員の件につきましては、有償とボランティアの指導が混在したことから生じた事案でしたので、部活動指導員に加え、謝礼で支払う外部指導者を中学校部活動に登用できる制度を新たに構築して対応してまいります。

教育分野に関する私の指導につきましては、教育専門家の立場を尊重しつつ、総合教育会議等で民意を反映させることにより教育施策を進めてまいります。

続きまして、「安全・安心な環境づくり」についてお答えします。

まず豪雨、洪水に備えた雨水貯留施設及び河川、水路の整備について、治水対策についてはこれまでも新川流域総合治水対策に基づき、河川管理者と流域自治体が一緒になって取り組んでおります。

特に、河川事業につきましては、市議会と共に愛知県への建設要望を重ねさせていただいているものであります。

本市においては、内水氾濫対策として雨水貯留施設の整備に取り組むとともに、外水氾濫対策として河川管理者である愛知県には、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を活用した短期集中的な河川整備の推進を図っていただいております。

そうしたことから、河川事業につきましては、鴨田川ポンプ場の自動起動化の完成や区画整理事業と連携した水場川の改修推進、新中江川改修の用地取得の着手、さらには合瀬川、大山川の中堤整備の用地補償調査の着手等に取り組んでいただいており、本市も一緒になって取り組んでまいります。

なお、五条川、新川に関しましては、特に沿川自治体が連携して対応していかなければならない問題だと思っております。

次に、火葬場については豊山町との協議を引き続き行うものではございますが、近隣自治体との広域連携の可能性についても今後協議を行ってまいりたいと存じます。

続きまして、「頼れる福祉」についてお答えいたします。

まず障害者が日常生活で活躍できる支援につきましては、障害を有する方やそのご家族等の多様化したニーズに対応した総合的な相談を受けるため、基幹相談支援センターを設置します。

また、障害を有する方の重度化、高齢化や親亡き後の体制を整備するため、圏域で地域生活支援拠点事業を実施します。圏域でのメリットを生かし、緊急時の受入れ体制の整備や地域の体制づくりを行います。

次に、高齢者が地域で安心して生活できる環境づくり、そして介護施設の整備、充実については、現在第9期となる介護保険事業計画、高齢者福祉計画策定を進めております。

その中で、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるようにするための体制である地域包括ケアシステムの深化・推進、中長期的な視野に立った供給基盤の整備について盛り込んでまいります。

次に、「まちの活性化」についてお答えいたします。

まず市民対話集会につきましては、ご指摘いただきましたように昨年開催した市民説明会では行財政改革実行プランについて市民の皆様にお伝えしたものであり、市民対話集会とは異なる位置づけとしております。

市民対話集会の実施方法につきましては、様々な立場の方から幅広く意見を伺うことができるよう曜日や時間帯を工夫して柔軟に対応してまいります。

基本的に少人数での開催を予定しております。私自身が直接地域に出向き、市民の皆様に対し丁寧な説明に努めてまいります。

次に、西春駅前の日曜歩行者天国の実施についてどのように検討したかについては、令和4年度はその実現に向けて第2次実施計画重点プロジェクトに組み入れ、その実行をコミットしたところでございます。

令和5年度は、地元商工会をはじめ各種市民団体、市民などと十分対話を重ねて実施の在り方を検討し、実現可能な時期を定めてまいりたいと考えております。

また、商業の発展につきましては、令和4年度に引き続き、令和5年度も同様に商工業者金融対策事業として信用保証料補助や利子補給制度を継続することで中小商工業事業者の借入れに係る負担軽減を図ります。

加えて、北名古屋市商工会とも連携、協調しながら、これからの時代に応じた市内商業の発展に係る具体策について調査・研究を進めてまいりたいと考えております。

続きまして、都市基盤の整備についてお答えいたします。

まず西春駅東部地区これからのまちづくりについてでございます。

西春駅東部地区は、本市の玄関口である西春駅からおおむね1キロ圏内に位置し、医療、子育てなど都市機能施設も立地し始めており、開発ポテンシャルが非常に高い地区でございます。

今後、人口減少、超高齢化社会が進行する中、将来に向けた持続可能なまちづくりには駅を中心とした集約型都市構造の構築が求められており、本地区の計画的なまちづくりは本市にとって欠かすことができない重要なプロジェクトであると考えております。

次に、老朽化したインフラ対策についてお答えいたします。

老朽化した中小河川、道路橋りょう、上水道管につきましては、市といたしましても大変重要であると考えており、定期的な調査・点検を行い、現状のインフラをできる限り有効活用しながら、個別の長寿命化計画等に基づき、引き続き安全管理に努めてまいります。

農業問題につきましては、農地の保全、後継者問題に関して、昨年、西春日井農協や農業法人も含めた対話を都合6度行ったと承知しております。

その結果から、都市化による水管理の苦労や畦畔の草刈りに苦慮していることなど、直接現場の状況を把握させていただいているところでございます。

また、農業委員会により農地所有者約1,000人の抽出による農地利用のアンケートも実施し、改めて高齢化や後継者不足の実態も把握しているところであります。

いずれの問題も一朝一夕には解決は困難であります。今後も引き続き農業委員会とも連携し、西春日井農協や土地改良区、そして農業者の皆様との対話を重ねてまいります。

用水路をはじめインフラの管理につきましては、愛知県の補助金による支援もいただき、補修対策はじめ予防保全的措置を主体的に、計画的に順次進めてまいります。

最後の質問になりますが、北名古屋市の発展と市民の幸福に向けての覚悟につきまして、ご答弁を申し上げます。

私の公約は「市民の生活を守る」「子育て・教育の充実」「安全・安心な環境づくり」「頼れる福祉」そして「まちの活性化」であり、市民の方々が安心して住み続ける北名古屋市を実現していくためには、本市の財政構造を鑑みますとまずは強固な行財政基盤の確立が必要不可欠であります。

私は市と市民の皆様方が協力して、多様性を尊重する社会をつくり上げたいと考えております。

互いを理解し、違いや個性を認め合い、自分らしく暮らせるまちづくりを目指してまいります。

就任2年目を迎えます私にとりましては、当面は行財政運営改革を推し進め、本市が抱える政策課題を市民の皆様と共有した中で、市政の責任者として政治信念を基に強い覚悟を持って政策方針を決定していくことが市民の負託にお応えできるものと確信しておりますので、何とぞご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げまして、以上、答弁とさせていただきます。

ありがとうございました。

 

 永津正和

再度質問をさせていただきます。

多岐にわたってご質問をいたしましたところ、大変丁寧な答弁をいただいたと思います。

市長は日頃から、市民の声を大事にする、このように言っておられます。私たち市政クラブの10名の市会議員は、市民の声を声として活動いたしております。

この後、個人質問、そして予算決算常任委員会において、いろいろ質問をしたりして市民の幸せを求めていきたい、このように思っております。

そうしたところで1点だけお尋ねをしたいんですけど、先ほど市民対話集会につきまして前向きの答弁をいただいたと思っております。

そして、そうしたものが具体的に内容、時期などが決まりましたら議会と協議をしていただけるのかどうか、それを確認しておきたいと思います。

答弁お願いします。

 

 市長(太田考則)

ありがとうございます。

本当に市民説明会をさせていただいて、市民の皆様から多くのご意見をいただきました。

その中で最も市民の皆様方から聞いているのは、市の財政の在り方、そしてこんなふうになっていたんだということが明確に分かったというところで、まず市政を、これから行財政改革を進めていくということにおいては、市民の皆様方にしっかり理解をしていただくということが大切だと思っております。

そして、これから進める対話集会におきましても、いろんな各種団体や、そして教育機関やいろんな方たちとお話もしていかなきゃならないと思っています。市がこのように進んでいく、していきたいということと、市民の皆様がこういうことをしていっていただきたい、そんな話合いができるように、しっかり市民の皆さんと対話をしていくことが北名古屋市の明日をつくっていくというふうに考えております。

どうぞ議員の皆様方におかれましてもお力添えを賜りますよう、心からお願い申し上げまして答弁とさせていただきます。

よろしくお願いいたします。

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