1. 子ども・保護者から選ばれる園になるために 2.保育士を希望される方から選ばれる園になるために 3. 既存職員から選ばれる園になるために

 熊澤真澄

保育政策の新たな方向性について、こども家庭庁は令和7年度から令和10年度末を見据えた保育政策として3つの柱を軸に推進する方針を示しています。

3つの柱の1つ目は、地域の課題に応じた提供体制の確保、職員配置基準の改善、虐待・事故対応強化等の地域のニーズに対応した質の高い保育の確保・充実です。

2つ目は、こども誰でも通園制度、障害児・医療的ケア児等の受入れ強化、家庭支援の充実等の全ての子供の育ちと子育て家庭を支援する取組の推進です。

3つ目は、処遇改善、働きやすい職場環境づくり、保育士、保育所支援センターの機能強化等の保育人材の確保、テクノロジーの活用等による業務改善です。

子供が主体の保育園、子供一人一人の個性と気持ちを尊重し、子供も保護者も保育士もみんなが笑顔になれる保育園を目指すため、またどこでも質の高い保育が受けられ、地域で一人一人の子供の育ちと子育てが応援、支援されるような社会を実現するため、保育政策の新たな方向性についてお聞きします。

1つ目、子供、保護者から選ばれる園になるために。

今までは子供の数が多かったため、積極的に園児を入園させる取組がなされていなかったように思われます。

しかしながら、今後はそういった取組、考えを持たないといけない時代になってくると考えます。

そのため、保護者が通わせたい園の情報、取組が分かるホームページの作成、保育の質の向上、保護者の満足度向上、子供の成長の可視化などが最も重要になってくると考えられます。

そこで、3点お聞きします。

1点目、北名古屋市の保育の現状をお聞きします。

2点目、保護者の皆さんの園に対しての主な意見をお聞かせください。

3点目、それらを踏まえて、子供、保護者から選ばれる園について、当局としての見解をお聞きします。

2つ目、保育士を希望される方から選ばれる園になるために。

採用に当たり専用サイトの作成等採用媒体の多様化、適正化が必要かと思います。

また、保育体験の実施や採用後の継続的なフォローも必要と考えます。

そこで、3点お聞きします。

1.本市の採用要件をお聞きします。

2.採用状況をお聞きします。

3.それらを含め、学生、求職者から選ばれる園について、当局の見解をお聞きいたします。

3つ目、既存職員から選ばれる園になるために。

保育士を採用しておしまいというわけでなく、採用した後の定着も必要だと思います。中でも保育理念の明確化、プラスの発想になる個別面談の仕組み、就業規則の明確化、職員への働き方説明、人間関係も重要な要素となってくると考えます。

そこで、2点お聞きします。

1.職員に対してスキルアップの研修、個別面談等様々な働きかけを行っておられますが、それに対して職員からの反応をお聞かせください。

2.職員が長く活躍し続けられるよう魅力ある職場づくりのための方策を講じられていますか、当局の見解をお聞きします。

 

 福祉こども部保育士長(纐纈美晴)

子供、保護者から選ばれる園になるためにについてお答えします。

初めに、北名古屋市の保育の現状としましては、現在、本市には公立保育園のほかに子ども・子育て支援新制度がスタートした平成27年度以降に民間移管された幼保連携型認定こども園、時期を同じくして整備された地域型保育事業所と分類される少人数の乳児を預かる小規模保育事業所、家庭的保育事業所があり、制度に沿った保育を展開しています。

公立保育園では、令和6年度より行事重視の見せる保育から脱却し、これからの時代を生き抜く子供たちに必要な自ら考え自ら行動する力や、非認知機能を伸ばす子供中心の主体的保育をゼロ歳児から実施し、保育園での体験が小学校教育の学びの基礎となるよう取り組んでいます。

加えて、保護者を対象に一日保育士体験を実施し、保育を見て体験することで育みを共有する機会を設けるなど、保育を知ってもらう活動にも力を入れております。

次に、保護者の園に対しての主な意見ですが、保護者には定期的にアンケートを実施しており、老朽化した園舎の修繕や駐車場の不足、防犯や安全面の強化についての要望をいただいておりますが、保育内容に関しては、本年度の調査においても約9割のご家庭から満足との評価をしていただいております。

次に、これらを踏まえ子供、保護者から選ばれる園は、安定した保育環境を整備した上で、現在行っている主体的保育の取組をより進め特色のある育みを提供するとともに、ICTなどを活用して広く周知していく工夫をしていくことが求められていると考えております。

本格的な少子化が進む中、行政の役割は多様化しており、新たな保育施策の形成は自治体の特色を示す取組となります。

公立の強みでもある他機関との連携や経験豊かな保育者の力を十分に発揮し、地域での役割を果たしていきたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

 

 熊澤真澄

ありがとうございました。

先ほどの答弁の中で、利用者から選ばれる園という話で、従来の保育園に新たな付加価値が必要であるというような、またそういうのを提供する必要がある、求められているというような答弁でした。

市では6年度から、行事重視の見せる保育じゃなくて、これから時代を生き抜く子供たちに必要な自ら考え自ら行動する、非認知能力を伸ばすというふうな答弁をされておりました。

具体的に、細かな話であれなんですけど、どんなような保育がされているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。

 

 福祉こども部保育士長(纐纈美晴)

ただいまご質問いただきました主体的保育の具体的な内容について、少しお話しさせていただきます。

公立保育園が取り組む主体的保育は、年長組の後半には自分たちで主体的に取り組み、考え、意見を出し合い、自分たちで協働的にやり遂げた達成感を持つという姿を目指しております。

子供たちは、やらされるのではなく心が動いて自分でやりたい、面白そう、知りたいと思ったときに、よりよい育ちが生まれます。

子供たちが主体的な遊びや生活ができるように、環境を整えるのが保育士の大きな役割だと考えています。

また、子供たちの対話を大事にしていきたいと考えておりますので、サークルタイムというのを設けております。

他人の話を聞く、自分の意見を言う、他者との考えと自分の考えを折り合わせるなどの経験も、新しい時代を生き抜く子供たちの大切な力になっていくというふうに考えています。

私たちの取組は保育指針に沿って行っておりますが、方向を確認する意味もありまして、都度専門家の方の意見も聞きながら進めていこうと思っておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。

 

 熊澤真澄

ありがとうございました。主体的保育の取組が今なされているというのがよく分かりました。

それと、先ほどの話じゃないですけど、保護者の意見も絶えず聞きながら的確に捉えてやられているなというふうに思います。

自分は今、子供は大きくなったんですけど、孫がいるんですけど、率直な意見としては、礼儀正しく素直な子供で、おじいさんがにこっと笑えば、笑顔絶え間ない子供を育てるような保育のほうも目指していただきたいのですが、保育士長としての思いをお聞かせください。

 

 福祉こども部保育士長(纐纈美晴)

ご質問ありがとうございます。

主体的保育というのは、好きなことをすればいいのかというふうに誤解を受けることがあるんですが、好きなことだけすればいいというふうには考えておりません。

社会の中で必要な規則やマナーは、保育園でもしっかりと伝えていきたいと考えています。
そして、自分らしくやりたいことがいっぱいできるという環境の中では自然に笑顔があふれるんではないかと考えています。

先ほど説明させていただきました一日保育士体験は、保護者から大変好評をいただいております。

機会がありましたら、ぜひご参加いただけると幸いです。

お待ちしております。

 

 福祉こども部保育士長(纐纈美晴)

保育士を希望される方から選ばれる園になるためにについて、お答えします。

初めに、本市の保育士の採用要件は、専門課程を習得した新卒者等に加え、年齢の幅を広げた経験者の採用枠を設けております。

次に、採用状況については、少子化に加え保育を専攻する学生が減少していることから大変厳しい状況になっており、保育士養成校の就職説明会に参加したり、保育園実習授業が採用に大きく影響していることから、実習生の受入れについて大学と連携を取り人材確保に努めています。

次に、学生、求職者から選ばれる園についての見解ですが、清潔で働きやすい施設や環境づくりに加え、今年度導入しました総合保育システム(ICT)をはじめとしてDXへの取組等、保育の合理化にもさらに進めていく必要があると考えております。

今後も、保育士に選ばれる保育園運営を心がけてまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

 

 熊澤真澄

ありがとうございました。

本市の採用状況について、少子化に加え保育を専攻する学生さんが減っているから大変厳しいというような答弁いただきました。それと、担当課としては保育士養成校とか就職説明会とか、大学との連携を取って人材確保に努められているという現状もよく分かりました。

私は、これを行えばすぐに人材が確保できるような方策はないと思いますが、今までのような地道に人材確保に向けた様々な方法で取り組まれていきたいと思います。

そこで質問したいんですけど、今の学生は、ここの北名古屋以外のところも同じなんですけど、保育現場に何を求めているのか。先ほど説明があった清潔で働きやすい環境なのか、総合保育システムなどのDXなどの取組をしっかり行っているというようなことなのかを把握していただいて、それを就職活動されている方にPRするのも大事ではないかと思いますが、その点について何か考えがございましたらお聞かせください。

福祉こども部保育士長(纐纈美晴)

PRの方法として、現在手応えを感じていることとしまして、現場の活躍中の若手保育士と養成校の学生が直接話すという機会を設けております。

新人研修のプログラム、北名古屋市はとても細かく丁寧にやっておりますので、そんな内容とか、あとメンター制度というのを実施しておりますので、そんな内容をお話しするととても安心していただいたり興味を持っていただいたりして、採用につながっているということが実感として感じております。

今後も、学生さんと直接関われる機会というのを大切にして、北名古屋市の保育士職の特色だったりよさをいっぱいPRしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 

 福祉こども部保育士長(纐纈美晴)

既存職員から選ばれる園になるためにについて、お答えします。

初めに、研修や個別面談等の働きかけに対する職員の反応についてですが、研修面においては、経験年数や役職に合わせた内部研修に加え、ウェブでの研修も取り入れ学ぶ機会を創出しています。

職員は向上心を持ち、専門職として学びを深めるため積極的に研修に参加しています。

また、個別面談等につきましては、各園において園長、副園長との面談を行っておりますが、希望に応じて保育士長、保育長との面談も随時実施しております。

加えて、その場では意見を言いにくい職員もいるため、保育園の全職員に対してオンラインを利用したアンケートや自己申告を実施しております。

その結果、活発に意見や提案が出されており、業務改善にもつなげられております。

次に、職員が長く活躍し続けられる魅力ある職場づくりのための方策を講じているかについてですが、先ほどの答弁と重複してしまいますが、研修などによる職員のスキルアップを図るとともに、面談やアンケートを通じ職員の意見を積極的に聞き、小さな気づきや意見にも丁寧に対応し、環境改善を積み重ね魅力ある職場づくりに努めております。

今後も、利用者や職員のニーズを的確に把握していくとともに、健全な施設運営を心がけてまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

 

 熊澤真澄

ありがとうございました。

職員に対してきめ細かな研修、また全職員に対してのアンケートとか自己申告を実施され、それに基づいて業務改善など行い、やりがいを持って働けるような魅力ある職場、風通しのよい職場づくりが行われていると感じております。

ほかの部の職員の方も同じようなことをやられていると思いますけど、そこでちょっと先ほどと重複するかもしれんですけど、私の思うに、保育士さんが常に笑顔で子供に接すれば、子供も自然とにこっと笑って笑顔になると思います。

そういった意味において、職員の仕事の負担を少しでも減らす等々、風通しのよい職場づくりがあるからこういうことができるのかなというふうに思っております。

再度お聞きしますけど、職員がずっと長く活躍できるための方策として、これからも取り組んでいっていただきたいんですけど、保育士長としての思い、考えを最後お聞かせください。

 

 福祉こども部保育士長(纐纈美晴)

ありがとうございます。

北名古屋市は経験の豊かな職員が多いというのが特徴の一つでもありまして、この経験こそが本当に北名古屋市の財産だなあというふうに考えています。

子供の主体性と今言っておりますが、職員の主体性というのも大切だと思います。

自分がやりたいと思う保育が実現できたり、自分の意見が職場に繁栄されるということがやりがいにもつながっていくんではないかなあというふうに考えています。

職員が安心して長く働けるように、職員を大事に今後も努力していきたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。

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