1.保健師の活動について 2.健康診査について 3.コミュニティナースの導入について

 熊澤真澄

保健師の活動及び健康診査について伺います。

本年は新型コロナウイルスの影響により、各種健康診査は市民の健康を守るため定員削減、ソーシャルディスタンスを確保するなど感染防止を講じ行っておられ、大変感謝しております。

健康管理につきましては、市民一人一人が自分の健康状態を自覚し、主体的に健康づくりに取り組むことが重要であると考えます。

しかし、初期の生活習慣病など自覚症状に乏しい場合、自分だけではなかなか健康管理ができません。そのため、保健師による保健指導が重要になっていきます。

生活習慣の改善に向け、また年齢階層に合わせた指導を行うことが重要であり、そのためにも保健師が地域に出向いて健康観察しながら健全な生活を指導することも大切な使命になってきています。

しかし、保健師の指導では疾患の予防や発見が難しいと思います。

本市においては、がん検診、特定健診など各種健診を個別健診または集団健診で対応するとともに、参加者を増やすため、大腸がん検診の案内及び健診ガイドを対象者に送付し健診が受けやすいよう工夫されていますが、呼びかけだけでは人はなかなか動きません。

人と人とのつながりを持ち、地域の強みや弱みを把握し、住民と顔が見える関係にある保健師を通じて地域ぐるみで健康づくりに取り組む担い手を育て、担い手の活動が地域に貢献できる環境・組織づくりも重要な施策と考えます。

そこで、3点質問させていただきます。

1つ目は、保健師の活動についてです。

現在の保健師の所属別人数と、各課に配属された保健師の活動内容の連絡、報告の取りまとめや情報共有の方法についてお聞かせください。

また、保健師の活動として特徴のある特定保健指導を行っていれば、その成果をお聞かせください。

2つ目は健診についてです。

現在行っている主ながん検診、特定健診の受診率、それぞれ健診時の対象者数及び受診者数と、がん検診、特定健診の参加者を増やすため、対象者に対してどのようなPRをされているのかお聞かせください。

また、保健師の地域での活動を通して受診者を増やすことはできませんか。

あわせて、市民が受診しやすいようにオプション検査以外、受診料の自己負担をワンコイン、500円に統一できないかもお聞かせください。

3つ目は、コミュニティナースの導入についてです。

地域の高齢化が進む中、従来の訪問介護の領域を超えて、積極的に地域に出て自由で多様なケアを実践する医療人材が必要であります。

また、人々が健康な時期から充実した生活を送り、心と体の健康のみならず安心できる地域を住民と一緒に形成し、まちの保健室としての運営や見守り、巡回などを通して健康意識の薄い人と積極的に関係をつくり、人の健康と幸せに関わる人をまちの中にどんどん増やし、身近な安心を提供し地域とのつながりを深め、持続可能な地域づくり、地域の健康を支える組織としてコミュニティナースを導入される考えはありますか、お聞かせください。

 

 市民健康部次長兼健康課長(柴田悦代)

保健師の活動について、お答えいたします。

保健師の所属別の人数は、会計年度任用職員を含め24名になります。内訳としまして、健康課17名、うち2名会計年度任用職員、社会福祉課1名、高齢福祉課4名、家庭支援課1名、児童課1名(会計年度任用職員)となります。

また、各課に配属された保健師の活動内容の連絡、報告の取りまとめや情報共有につきましては、3か月に1度、各課の保健師及び清須保健所の保健師との連絡会を設け、業務連絡、情報の共有を行い、横の連携を常にとっておりますのでご報告申し上げます。

次に、保健師の活動として特徴のある特定保健指導の内容とその成果についてでございますが、本市の特定保健指導は講義形式で実施する集団型と健康サポートジムで1対1で行う個別型とがあり、じっくり学びながらメタボを改善したい方は集団型を、お仕事などで忙しい方は個別型を選ばれております。

昨年度の特定保健指導の結果では、9割の方に生活習慣改善への意欲が見られ、食習慣に改善が見られた方は5割、運動習慣の改善が見られた方は6割でした。

中でも、特にメタボリックシンドロームのリスクの大きい方が参加される積極的支援の対象者は体重が平均で3キロ減少し、メタボ改善への効果が見られましたのでご報告申し上げます。

 

 市民健康部次長兼健康課長(柴田悦代)

健康診査について、お答えいたします。

がん検診、特定健診の対象者数、受診者数、受診率につきましては、令和元年度のがん検診受診状況で、胃がん検診対象者は40歳以上で2万902人、受診者数は4,210人、受診率20.1%、大腸がん検診の対象者は40歳以上で受診者数は6,312人、受診率は30.2%、肺がん検診の対象者は40歳以上で受診者数は6,047人、受診率は28.9%、子宮がん検診は対象者は20歳以上で1万6,502人、受診者数は3,376人、受診率は20.5%、乳がん検診は対象者は40歳以上で1万5,090人、受診者数は3,065人、受診率20.3%という結果でございます。

特定健診の受診状況は、対象者は40歳以上の国保加入者の方で対象者数1万1,397人、受診者数3,998人、受診率35.1%となっております。

これらのがん検診・特定健診の受診率及び参加者を増やすため、対象者に対してどのようなPRをしているかにつきましては、対象者へ健診ガイドの個別通知や無料で受診できるがんクーポンでの勧奨、乳幼児健康診査等において保健師による婦人がん検診受診勧奨、未受診者への再勧奨など様々な取組を行っておりますとともに、保健師の地域活動におきましても家庭訪問や電話相談で声かけを実施し、受診率の向上を目指しております。

また、受診料の自己負担をワンコイン500円に統一できないかにつきましては、他市での取組実績から受診率向上には有効な方法と考えておりますが、全てのがん検診をワンコインにて提供することは財政的にも厳しい状況ですので、ご理解賜りたいと存じます。

そうした中ではありますが、現在、50歳、60歳の大腸がん検診や40歳の子宮がん検診は市の独自事業として無料で受診していただいておりますことをご報告させていただきます。

今後につきましては、健診の体制や自己負担額等を総合的に見直し検討してまいりたいと思いますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

 

 熊澤真澄

先ほど自己負担額や健診の体制等を総合的に見直しを検討すると答弁がありましたが、現在、健診ガイドには10の検査項目がありますが、それを全てワンコインにて提供することは私も厳しい状況であることは理解できますが、市民が心も体も健康で生きがいを持ち、市民の健康を支援する健康課として、健診内容及び受診率向上できるよう自己負担額の見直しを、今までの経験を踏まえ、今考えられる範囲でよろしいのでお聞かせください。

 

 市民健康部次長兼健康課長(柴田悦代)

自己負担額の見直しについてですが、平成30年度に個別健診と集団健診の料金を統一し、より受診しやすい環境を整えたところでございます。

特に、個別健診の委託料につきましては、診療報酬の改定に併せまして変更がございますが、市民の皆様に一人でも多く受診していただきたいという点から、自己負担額に影響を及ぼさないように努めてまいりました。

今後、厚生労働省が示すがん検診の科学的根拠に基づきまして、現在の対象年齢、受診間隔や啓発方法に併せまして自己負担額の検討も総合的に考えてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 

 市民健康部次長兼健康課長(柴田悦代)

コミュニティナースの導入について、お答えいたします。

コミュニティナースは地域に活動拠点を置き、健康意識を高めたり、病気の早期発見や医療、福祉、行政機関への橋渡し等を行う医療人材という認識でおります。

こうした活動は、平成25年4月に地域における保健師の保健活動についてが厚生労働省健康局長から発出されましたが、まさに保健師活動そのものであると考えます。

地域における保健、医療、福祉、介護等の包括的なシステムづくり、家族や地域の関係が希薄化したことによる孤立を支えるため、市民の自助、互助、共助を支援し、そこに暮らす人々の自然なつながりの再活性化を図ることで、安心・安全な地域生活と住民一人一人が自分らしい生き方を選択できるようにサポートすることを日々保健師活動として実践しているところでございます。

具体的には、地区担当制をしき、地域の個別健康課題を地域の課題として総合的に捉え、地区に住む方と共に考え行動すること、関係部署、企業、大学等と横断的な連携を図ることなどを通して専門的な視点から市民の健康格差を是正し、健康で豊かな暮らしを応援しているところでございます。

また、健康づくりの担い手として健康づくり推進員や食生活改善推進員を養成し、地域の方々と共に市民の健康を守る体制を構築しております。

今回のご質問が、保健師活動をもっと地域に住む方々にとり身近で相談しやすい関係を構築するように要望されていると捉え、さらなる地区活動に立脚した市民に寄り添った内容となりますように強化を図ってまいりたいと思いますので、ご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。

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