桂川将典
北名古屋市の小・中学校の児童・生徒の英語力の向上並びにそのために必要とされる英語教育の質の向上に向けた施策の実施のご検討をいただきたく、壇上より一般質問をいたします。
まずは、本日この一般質問を行っていることの目的を明確にしておきたいと思います。
今回の質問をこの時期に行っているのは、次年度の予算に縛られない議論を進めるためです。
英語教育の基本方針と、その具体的な施策について担当課の考えを明らかにしていただきたいと考えております。
ですので、これから本市で生まれ育つ子供たちの顔、姿をしっかりと頭の中に思い浮かべていただいてご答弁いただけることを望んでおります。
それでは、現状の評価について。
英語教育実施状況調査の結果の傾向及び差がある理由はとしてお尋ねをいたします。
1点目、令和5年度、公立中学校における英語教育実施状況調査が行われ、文部科学省で公表されております。
CEFR、A1レベル相当以上の英語力を取得または有すると思われる生徒数の状況について、現在の北名古屋市の状況並びに近年の傾向についてお答えください。
2点目、全国平均は50.00%、令和4年度は49.2%、最高はさいたま市の88.4%、続いて福井県の83.8%となっておりました。
愛知県平均は35.6%と全国でも低位な状況でありながらお隣の名古屋市は56.1%となっており、県や市の教育委員会の指導による差が随分と大きく数値に表れておりますが、こちらの差が生じる要因についてはどのようにお考えでしょうか。
続いて、他市の取組との比較。
英語教育実施状況調査の結果を見ますと、さいたま市、福井県という全国トップクラスの自治体と、それ以外の自治体の差が非常に大きく全国平均と30ポイント以上の差をつけているものですから、その違いはどこにあるのか大変気になりました。この点についても多くの方が関心を持っていると思われます。
どのような取組をしているのかと気になって調べていったところ、福井県の事例については様々な媒体で取り上げられておりました。ウェブメディアで紹介されておりました、こちらが概略として分かりやすかったので引用をいたします。
日本一英語力が高い福井県ではどんな英語教育をしているのか。
福井県では、「ていねいな教育」「きたえる教育」から、夢や希望を実現する「突破力」へと独自の基本方針を掲げています。
少人数教育により基礎・基本を定着させる「ていねいな教育」、夢や希望に向かって挑戦する基礎を築く「きたえる教育」、さらに地域・家庭・学校で子供たちを育てようという風土づくりで、福井県は英語のみならず学力・体力も全国トップクラスを誇っています。
英語教育に関しては、グローバルな社会で活躍するための以下のような「使える」外国語教育を福井県では推進しています。
小学校における英語教科化を国に先行して平成30年度から段階的に実施し、児童の負担軽減を図るとともに、小学校英語教育を促進。
退職教員や英語教育人材バンクを活用した授業支援を推進。
中学校・高校における原則として全てを英語で行うオールイングリッシュ授業を拡充し、英語授業における「聞く」「話す」活動を充実。
中学校ALTを増員し、昼休みや放課後に生徒とALTが交流する時間を拡充。
高校用オリジナル教材「福ENGLISH」を活用し、高校生が福井県を英語で発信、さらに中学生が外国人に対してふるさと福井の魅力を英語で伝える機会を充実。高校生を対象としたディベート大会を開催し、高度な英語によるコミュニケーション能力や英語ディベートスキルを育成。
また、福井県では、学生だけでなく、英語担当教員の英語力も全国1位という結果でした。この背景にも福井県の教育方針が密接に関係しているようで、学生のみならず福井の教育を支える教員に対しても研修の充実化や教員をサポートする取組などで、教員の指導力を向上させる取組を推進しています。
以上、出典はSDGs MAGAZINEです。
また、ちょうど今年の2月に、さいたま市の元教育長の細田真由美氏が、「世界基準の英語力 全国トップクラスのさいたま市の教育は何が違うのか」という著書を出版され、その中でさいたま市の取組についてご紹介されておりました。
取組の大きな方向性については、福井県の取組に共通するところも見受けられました。
また、さいたま市での具体的なことは本書をご一読いただくことにして、なぜ英語力に力を入れたのかという理由に感心しましたので、ここで書籍の一節を紹介させていただきます。
公立の学校教育こそが、最も優れた教育活動を実践し、どんな家庭環境に生まれても「社会階層」をジャンプアップできるプラットフォームになるべきではないでしょうか。
公立の学校教育がもっとチャレンジングで、もっと豊かに学べる環境と仕組みを兼ね備えていれば、全ての子供たちが「学ぶことは楽しい」と気づきます。
世界中の人々と英語でコミュニケーションできたときの爽快感、子供たち一人一人に、「ワクワクする学び」に巡り合わせてあげられれば、きっともっと学びたいにつながります。引用終わり。
私個人の経験としても、外国の方々との交流は大変楽しく、面白く、何より日本とは全く文化が違う社会が背景にあることから、彼らの取組の一つ一つを取ってみても日本と随分違うことに驚くと、また同時に大きく興味を引かれました。
海外事例と日本を比較していくと、何が肝心なことなのか、大切なことなのかを別の角度からの視点で見ることができるようになります。
ぜひとも北名古屋市の英語教育においては、学ぶことが楽しいと子供たちが気づき、わくわくする学びに巡り合わせてあげようという気持ちを持って取り組んでいただきたいと考えております。
また、そのような機会創出をすることを外国語活動の時間だけではなく、英語科においてもカリキュラムにうまく組み込められればと期待をせずにはいられません。
子供たちが義務教育を受けるのは、小学校6年間、中学校3年間の9年間です。
この9年の間に受ける英語の授業で大きな差が生じる原因を明確にしていかなければなりません。
そしてまた、子供たちはこの9年という限られた時間をどのように過ごしても同じ9年間であるということ。
それの結果が、どのような家庭環境であれ社会階層が固定化されないようにジャンプアップできる機会であるという言葉をしっかりと受け止めていただきたいと考えております。
さて、改めて申し上げますが、北名古屋市の英語力と全国トップには大きな差が生じております。
全国トップクラスの成績を記録し続けている福井県及びさいたま市の公立学校で行われている英語教育とどのような違いがあるのでしょうか。
差の要因を明確にすること、それが成果に結びついている活動であるならば北名古屋市にもぜひ取り入れていただきたい。
取り入れないのは将来へのマイナスの効果そのものではないかと考えております。
要因分析と効果検証に基づいて英語教育事業の判断をすべきということについて。
さて、具体的な英語教育活動の違いを比べる前に、第2外国語の習得を促進する要因について研究ではどのように考えられているのかを確認したいと思います。
研究によって様々な側面が強調されていますが、おおむね主な要因としては以下のようなものが挙げられております。
動機づけ(Motivation)。学習者の内的・外的な動機づけは、第2外国語の習得において非常に重要な役割を果たします。
自己成長や職業的目標など、明確な目標があると学習効果が高まります。
言語への接触(Exposure to the Language)。言語に頻繁に接触する環境は、習得を大いに助けます。例えば言語を話す国への留学や、その言語が使用されているメディアへの継続的な接触が有効です。
社会的相互作用(Social Interaction)。他者との交流を通じた言語使用は、実践を通じて言語能力を向上させる手段として効果的です。
自己効力感と自信(Self-efficacy and Confidence)。自分がその言語を学ぶ能力があるという信念が強いと、学習者はより積極的に取り組み、成果を上げやすくなります。
認知的要因(Cognitive Factors)。知識の吸収力や言語に対する敏感さなど、個々の認知的能力も習得の成否に影響を与えます。
これらの要因が複合的に作用し、個々の学習者に適した環境や方法を提供することで第2外国語の習得が促進されると考えられております。
したがって、生徒の英語力が伸びるよい授業とはどのようなものなのか、福井県やさいたま市を参考とすることで、理想とする形の特性要因図によって分析することができます。
また、ありがたいことに、既に県単位で成果が上がっている先行事例があるわけですから、ほかの地域でも実現が可能なものであると考えられます。
「守破離」という言葉は皆さんお耳にしたことがあろうかと思いますが、千利休の訓である「規矩作法守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」の言葉だそうです。
芸事や武道の修業に際して、まずは師匠から教わった型を徹底的に守るところから修行が始まる。
つまり、英語教育の実施においても、効果の上がっている先進事例を徹底的にまねすることを当面の目標とするのが近道と考えられます。
1点目、先述した要因をロジックモデルとして、福井県やさいたま市の具体的な取組を参考に、北名古屋市での指導法に段階的に取り入れながら毎年の国の調査や北名古屋で要因の調査を行い成果を測定して、さらに英語指導を向上させていくことが可能と考えますが、ここでお尋ねします。
ロジックモデルとして英語教育の取組について、それぞれの取組効果と評価を行えるようにする考えはありますか。
2点目、先ほど福井県の事例の要点を挙げましたが、本市より好成績である模範的な事例としてここで比較をしたいと思います。
以下の点について、北名古屋市では類似、あるいは該当するような授業を行うことができているのか、できていないのか、それぞれについてお答えください。
ア、小学校における英語教育化を国に先行して平成30年度から段階的に実施し、児童の負荷軽減を図るとともに小学校英語教育を促進。
イ、退職教員や英語教育人材バンクを活用した英語支援を推進。
ウ、中学校・高校における原則として全てを英語で行うオールイングリッシュ授業を拡充し、英語授業における「聞く」「話す」活動の充実。
エ、中学校ALTを増員し、昼休みや放課後に生徒とALTが交流する時間を拡充。
オ、高校オリジナル英語教材「福ENGLIS」を活用し、高校生が福井県を英語で発信、さらに中学生が外国人に対して、ふるさと福井の魅力を英語で伝える機会を充実。
カ、高校生を対象としたディベート大会を開催し、高度な英語によるコミュニケーション能力や英語ディベートスキルを育成。
3点目の質問です。
また、上記の点について、できていない項目についてはどうすればできると考えられるか、お答えください。
続きまして、ALTの役割と配置状況についてお尋ねをいたします。
指導体制が変化したことにより、生徒の英語能力の低下に対する懸念があります。
小学校での英語の科目化に伴い、担任に代わって英語の授業を行う英語専科の講師が設置されました。
また、その一方で、英語の補助教員(Assistant Language Teacher)は削減されており、最大時には各中学校に1名、小学校2校当たり1名が配置されていたところから、現在は6名まで減らされております。
そのような中、北名古屋市で働く外国語補助教員、以下「ALT」と言いますが、の先生から福祉教育常任委員会の委員に話を聞いてもらいたいとの要請がありまして、非公式ながらヒアリングをさせていただきました。
これまでALTが担ってきた役割について、全体的な一般論、また彼らの立場からの意見、改善案まで様々な議論ができました。
2時間弱でしたが、非常に有意義な時間であったと私は考えております。
ヒアリングは友好的に、また活発な雰囲気で行われまして、彼らの思いをしっかり受け止めることができたと思っております。
彼らALTも、北名古屋市の英語力のこれまでの実績に対する自信と児童・生徒の英語力向上には非常に大きな期待を持っておりました。
北名古屋市教育委員会と一緒に、しっかりと双方が手を携えて北名古屋市の子供たちの英語力を前進させていくことができるよう、私も大きな期待をしております。
さて、それではまず様々な諸問題に先んじて、ALTとは一体何でしょうかということについて相互理解を進めたいと思います。
先日のALTの皆さんのヒアリングでも、「What is an ALT?」という問いかけを提示されたところからがスタートとなりました。
今回は私と当局担当課との間で、ALTは何だろうかという相互の理解を進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず初めに、ALT設置の基本的理念としてどのようにお考えでしょうか。
私としては、子供たちの語学学習に対する意欲を向上させることがALTの担う最も重要な目的であろうかと思っておりますが、北名古屋市教育委員会としてALT設置の根底となる基本的な理念及び役割をどのようにお考えなのか、お聞かせをください。
ちなみに、参考までに彼らALTから出てきた答えとしては、次の5点でした。
1点目、教員の支援をしっかりすること。
2点目、これにより授業がよりよいものになること。
3点目、現況は若い先生が大変なので、自分たちの経験を共有して援助したいと思っている。
4点目、授業をすることもある。
5点目、母国の代表者であり、帰国時は日本の大使になる。
次に、ALTから見た日本人の教師の様子は次のような状態でした。
1点、多忙過ぎる。
2点、ALTがころころ変わり、研修など面倒が増える不満を持っている。
また、ALTが感じている近年の課題は次のことでした。
業務量が増えた。
2点目、計画する余裕がない。
日本人の先生と話す時間が全くない。
3点目、生徒とのコミュニケーションが減った。部活動などに顔を出すなど、子供が喜ぶ時間がない。
4点目、英語を楽しんでいた時間がなくなった。小学校の図書館で生徒と一緒に絵本を読んでいた。
さて、このように日本人の教師とALTの間には、多忙というなかなか難しい大きな壁があるようにも思えます。
チーム・ティーチングの活用向上を考えるとしても、このような状況にあって日本人の教師とALTが話す時間が全くと言っていいほど取れていないということでした。
じゃあ、それではそもそもなぜチーム・ティーチングを行っているのかというと、ALTは教員免許がなくてもなれる立場、外国語補助教員であり、したがって無免許なので授業を一人でできないという法律の都合であると理解をしています。
この多忙の壁を解消する方向は二通りで、免許を取得して一人で授業を行えるようにするか、あるいは準備もできる余力や時間のかからない状況を事前に準備すること。
文部科学省では特別免許状の制度を設けられており、英語教育においてはALTの経験者に対して特別免許状の発行を都道府県教育委員会が行っております。
つまり、特別免許状が発行できれば、今のALTも教員として一人で授業が持ているようになるという制度です。
ですが、愛知県での実績はどの程度あるのか、明確には公開されておりませんでした。
また、事前の準備がほとんど要らない程度にしっかりと事前準備ができるという状況かというと、事前の打合せも不十分というALTからのヒアリングでの意見もあることですから、これについて授業の質に対して非常に不安を覚える状況でもあります。
決してチーム・ティーチングそのものが悪いわけではありません。
しかしながら、チーム・ティーチングでの効果的な授業を実施することができているのかというと、今の日本人教師の多忙さで話をするいとまもないという状況を考慮すると、この特別免許状という手法も一つ考慮に値するのかもしれないと思っております。
また、さいたま市の事例などを見ると、特別免許状で授業をする場合、英語そのものを学習することを目的とするのではなく、英語を使って何かを成し遂げるProject Based Learning(PBL)の手法による学習がされております。
PBLが英語学習に効果的である、そういった取組を授業に取り入れたいという意見もALTからいただいております。
そして何よりも、このように北名古屋市のALTの配置には大きな削減という変更を行ってきて変化が生じているはずです。
これをどのように把握しているのか、そもそも評価をしているのか。
児童・生徒の英語学習の環境や要因の事実で判断するのではなく、事務方の都合で評価・判断するようなことは北名古屋市民の期待に対しての不利益であり、断じてあってはならないと考えます。
ですからこそ、ちゃんと要因分析とロジックモデルとして組み立てて、どうして成績がよくなったのか、あるいは悪くなったのかと評価ができる取組が前提として構築される必要があり、ロジックモデルに基づいてALTの活動が継続されるべき役割を果たすように仕組みづくりをされていかなければならないと考えます。
具体的には、第2外国語習得を促進する要因における動機づけ、言語への接触、社会的相互作用の向上に関することです。
例えば福井県やさいたま市の事例においては、ALTとの接触する時間の増加を意図した取組、また、さいたま市ではProject Based Learning的な取組としてグローバルスタディーがなされています。
よい授業だけでなく、第2外国語の習得の促進とはどのようなものなのか、要素分解して言語化することが考えられます。
効果的と考えられている教師の活動の一つ一つを部品として解体し再構築することで、誰もが汎用的に行えるマニュアル化ができると考えられます。
このようなアクションを英語専科講師とALTを中心として、自ら考えて構築するように促すことを考えてみてはいかがでしょうか。
研修として受動的な姿勢で取り組んだ場合に比べて、能動的に活動する機会の創出、または達成感が共有されるとも考えられます。
2点目の質問、北名古屋市の英語学習について、要因分析とロジックモデルとして取組を構築し、評価できるよう仕組みづくりを目指すことはできるでしょうか。
3点目、これまでの展開を踏まえ、北名古屋市の児童・生徒の英語力向上に対してALTにはどのような役割を担っていただき、どのような立場で関与することが理想的と考えられているのか、お答えください。
最後に、ALT増員をうたった太田市長のマニフェストはいつ達成されるのかについて、お尋ねをいたします。
太田市長ご自身がマニフェストとして、ALT増員という政策を打ち出して選挙にご当選なさいました。
ただいまの私からの質問及び担当部局からの答弁をこれからお聞きになって、ALTを増員することについての意義や効果をどのように考えられてマニフェストとされていたのかのご説明をお願いいたします。
2点目に、現状としてALTは削減の一方となっております。
我々、住民代表の議会に対して、太田市長のマニフェストに全く逆行している予算案を太田市長が自ら提案されております。
改めて申し上げるまでもないことですが、市の予算編成において最終決定権者は市長です。
太田市長がマニフェストとして選挙民と約束されたことを反故にされているような状況です。
どうしてご自身の考えとして訴えられたマニフェストを反故にするような施策をなさるのか、ALTの増員というマニフェストを今後いつまでに達成するとお考えになっているのか、お聞かせください。
以上、ご答弁よろしくお願いいたします。
教育部長(鳥居竜也)
北名古屋市の小・中学校児童・生徒の英語力の向上についてお答えいたします。
1点目のCEFR、A1レベル相当以上の英語力を有すると思われる生徒についてですが、市内中学校3年生の生徒に対する調査では、近年の傾向として令和元年度まで遡りましても50%を下回ったことは一度もございません。
令和5年度においては65%を超えており、とても高い数値です。
これは、市教育委員会が市内中学校3年生を対象に毎年実施している英検IBAの結果に基づく信頼の高い数値となっております。
2点目の数値に差が生じる理由についてどのように考えているかでございますが、県や市の教育委員会の指導による差が大きく数値に表れているというご指摘には真摯な気持ちで対応してまいります。
数値に差が生じる理由としまして、地域性も影響しているものと考えます。
英語教育実施状況調査における調査項目のうち英語力を有すると思われる生徒数を把握する際の判断の基準や方法について、都道府県の自治体または学校ごとに違いが生じていることが要因の一つとなります。
また、調査の母数となる生徒数が多くなったりすると、調査結果に大きな差が生じる可能性が高くなるのではないかと考えられますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
教育部長(鳥居竜也)
お答えいたします。
北名古屋市の場合、この80を超えるというのは確かに本当にすごい数字だと思っております。
ただし、ここ福井とかをお調べすると英語に特化した教育というのをずっとやってみえるということで、北名古屋市においては全人的な教育というか、ほかの分野についても力を入れていくという考え方でございますので、基本的にはこの65%をいかに上げていくかという形で考えたいと思っております。
教育部長(鳥居竜也)
要因分析と効果検証に基づいて英語教育の事業の判断についてお答えいたします。
1点目の英語教育の取組について、それぞれの取組効果と評価を行えるようにする考えについてですが、議員ご指摘のとおり、英語教育の充実に向けて取組を検証していくことは大切です。現在、各学校では学校評価にて外国語の習得状況の項目を設定しており、評価を蓄積して経年変化を確認したり、保護者に評価結果をお知らせしたりするなど改善に努めているところでございますが、福井県やさいたま市のような英語を中心とした特別なカリキュラムの編成及び英語に特化したロジックモデルの立案は考えておりません。引き続き、学習指導要領及び愛日地方の教育課程に基づき取り組んでまいります。
2点目の北名古屋市で類似、あるいは該当するような授業を行うことができているか、できていないかについて、端的にお答えいたします。
(ア)について、本市では小学校外国語活動の導入以前に検討委員会を立ち上げ、研修会を行ったり、市内モデル校の授業公開を実施したりしておりました。
その後も各小学校の英語教育を充実させることができるように、校内研修を中心に指導力を高めたりノウハウを蓄積したりしております。
イにつきましては、英語教育人材バンクの活用はありませんが、師勝南小学校で英会話に堪能な方がボランティアで外国語の活動の授業を支援しており、今後、退職教員についても授業支援について取り組みたいと考えております。
ウについては、オールイングリッシュの授業を常に目指してはおりますが、取り残される生徒のいない授業、高校受験への対応、生徒を取り巻く様々な環境等を考慮しますと、オールイングリッシュの授業を全て取り入れていくというのは難しい状況でございます。
エについては、中学校では勤務時間の制限もありますが、放課後、清掃時、給食等、授業以外の時間でも交流の機会を設けております。
オとカにつきましては、本市では期待されているような中・高の連携はできておりません。
3点目のできていない項目について、どうすればできるかという考え方についてですが、オ、カにつきましては、中学校と高校の連携を深めていくことにより一定の成果を得られると考えます。
しかし、本市には6中学校に対して高校が1つしかありませんので、高校側の負担が大きくなることが懸念されます。
そのため、高等学校から中学校に移行した学習内容や高等学校での学習内容、指導の実態を十分に踏まえて中学校における各学年の目標を適切に定め、3年間を通して外国語科の目標の実現を図ることができるよう教育課程を編成することが重要であると考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
桂川将典
再質問をお認めいただき、ありがとうございます。
今ご答弁いただきました中で、ロジックモデルの立案は考えていないということでおっしゃっていただいておるんですけれども、福井県やさいたま市のような英語を中心とした特別なカリキュラムの編成というのは確かに難しいことがあるのはよく分かります。
愛知県の教育委員会に北名古屋市は属してますんで、教員の人事異動とかもあるんで、市単独でカリキュラムをオールイングリッシュでやろうとか、なかなか敷居の高いことを言っているのは私も承知してます、十分と。
ただ、一方で英語を子供たちが第2外国語として身につける、そのために必要な取組は何なのかというロジックモデルはやっぱりつくらなきゃいけないと。
それがないと評価ができないと思っていますが、今、愛日地方の教育課程ということをご答弁の中で一言おっしゃいましたけれども、英語の先生方はこういうカリキュラムでやりましょうというカリキュラムを既にお持ちだという状況と認識しています。
カリキュラムがあるということは、そのカリキュラムが英語教育に対して効果的だと、よいものだと思っているという評価軸があって、そのカリキュラムがあると思うんですね。
したがって、そのカリキュラムがあることそのものが基準として扱えますから、それを、先ほど第2外国語の学習の要因分析の要素として、6点だったかな、挙げさせていただきましたけれども、それにひもづいて分析を、ロジックモデルとして並べて、そしてどこに改善のポイントがあるのかというのを各小学校単位、あるいはそれこそ各クラス単位のところまで傾向というものを把握することは実際現状でも可能なんじゃないかなと思っております。
というのは、今既に英語力調査のほうも行っていただいてますし、またちょっとこの後のところでお話をさせていただこうかなと思っていたんですけれども、北名古屋市の教育の点検をやっていらっしゃる中で、中学校3年生でまた英語の好き嫌いというところの評価もされていらっしゃる。
そういったものを項目、指標として活用することができるものは、実はもう既にお持ちのものはあるというふうに私は理解しておりまして、あとはこれを現場の先生だけじゃなくて外部評価委員、あるいは我々議会の側から見たとき、一般の住民の方が見たとき、それこそ原課の部長、それから次長、そして学校教育課長が見たときに、ここの授業はうまくいっているんだなというのがある程度、ある程度ですよ、完璧に把握できるわけじゃないですけど、それでもある程度把握できるようなものとして分析するようなことを行ってみるということは可能だと私は考えております。
既に別のところでそういった取組をしてらっしゃる、EBPMに基づいた学校運営をされていらっしゃるところがありますんで、そういった評価モデルそのものをある程度構築して調べてみるということは私は可能だと考えておりますが、この点について、今お聞きになられて、教育部長、いかがでしょうか。
教育部長(鳥居竜也)
お答えいたします。
まず、授業の最初に言われた部分で、英語に限らず、どうやって授業を進めるかということで申し上げますと、基本的には教育課程に基づいた指導案というのを作って、カリキュラムの中には、おっしゃられるように要因というか目標、この単元をやっていくにどういうふうにやっていくかということを先生が子供たちを見ながら、それもこの子はどれぐらい力があるのかとか、このクラスはどれくらい力があるかというところを考えながら、分析を進めながら授業を実施して、なおかつそれを評価というか、自分の中でもこれは分かってくれたんだろうなとか、そういうような形で、ロジックモデルという完璧な形ではありませんけれども、授業の中でそういったものは日々行われております。
あと、外部的にどうしているかということで申し上げますと、市の中でやっております外部評価委員というところで、先ほど申し上げたアンケート等のどうなっているかということも分析させていただいていますし、あと現職の教員と、現場を見に行くという機会というのがございますので、その中でそういう先生方がどういうふうに授業を進めているかということを確認しているということでございますので、ご理解賜りたいと思います。
教育部長(鳥居竜也)
ALT設置の基本的理念としてどのようにお考えかについてお答えいたします。
1点目の北名古屋市教育委員会としてALT設置の根底となる基本的理念についてですが、児童・生徒が英語に触れる機会を充実し、授業を実際にコミュニケーションの場とすることに資することです。
ALTを配置することは、児童・生徒の学習意欲の向上を促し、授業の質を高めるためにとても有効であり、児童・生徒が授業で学んだ英語を生活場面の中で話せる身近な存在でもあります。
2点目の北名古屋市の英語学習について、要因分析とロジックモデルとして取組を構築し、評価できるようにする仕組みづくりを目指すことができるかについてお答えいたします。
本市においてALTを最大で11人、各中学校に1人、10小学校を5人で配置していた体制は愛知県内でも学校数から比較すると人数が多く、また待遇面も条件が突出してよいことから、本市のALTを希望する外国人の申出が数多くありました。
11人体制時のALTは、時間に余裕があることから、ゆとりを持って児童・生徒と関わっていたという一方で、ALTを十分に活用できなかったと感じております。
令和6年度において、16校に対し5人のALT体制とし、各小学校の3年・4年生の授業に関わることをメインに授業研究や打合わせをする時間を確保した勤務体制としておりますが、改訂された教科書のポイントや児童にどのように関わるかなど、研修ができていないという課題を認識しておるところです。
ALTが中心となり主体的な授業研究を推進するとともに、本市が求める具体的な事項を明確化し、正確に伝えるためには、調整役が必要と考えております。
その体制の構築に向けて、複数の自治体が採用している派遣方式によるALTの配置を検討しています。
派遣方式は、専門のコーディネーターによるALTへの指導と評価、学習指導要領に基づく指導カリキュラム等への理解や業務遂行に必要となる研修など、民間ノウハウを活用できるため本市が捉えている課題の解消につながると考えており、検討を進めております。
3点目のALTにはどのような役割を担っていただき、どのような立場で関与することが理想的と考えているかについてお答えいたします。
11人体制時のALTの配置は、コミュニケーション能力の向上を目指し、中学校の授業への参加をメインにしておりました。
しかし、ALTの人数が減ったことにより、令和2年度以降は小学校の授業への参加をメインに移行しております。
外国語活動が始まる小学3年・4年生が外国語を楽しいと思う、外国語を好きになる、外国語を話してみたいという役割を担うとともに、小学1・2年生に対しても教育活動の多様な面で関わる機会を創出し、義務教育9年間を通じて将来学んだ外国語を使いこなしてみたいと思える役割を担うことが理想と考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
桂川将典
今、ご答弁いただいた中で、まずALTの設置について、基本的な理念としては児童・生徒が英語に触れる機会、そしてコミュニケーションの場とすること、これを提供することがALT設置の目標とおっしゃっていただいております。
先ほど私の質問のほうで提示させていただいた要因として5点ですね。
この5点の中での社会的相互作用ですとか、あるいは言語への接触、動機づけと、そういった要素を担っていただいている、そこのところを狙っていただいているんだなということを今お聞きして、ちょっとありがたいなと安心した部分でもございます。
そこで、生活場面の中で話せる身近な存在という言葉もありましたけれども、その身近な存在になっていられるかどうか、こういったところがやはり客観的な指標で測れるかというところなんですよね。
時間枠として、生徒たちと交流する時間が特別に用意されている。
例えば昼ご飯の時間は生徒と一緒に食べるんだとか、そういうふうに時間枠として客観的に見られるような形で用意されているか。
あるいは、生徒たちが好んでこの先生とお話をするんだということをしているのかという主観的な評価。こういったものを交えたものをロジックモデルとして、北名古屋市のこういった英語教育、ほかの業務でもそうですけれども、そういったところに組み入れていただけるとありがたいなと考えております。
今ちょうど中学校への授業参加と小学校への授業参加、従前はALTは中学校への授業参加ということでしたけど、現時点では小学校への授業参加、3・4年生を中心に1・2年生とのコミュニケーションというもの、外国語を話してみる機会だとかの提供ということに今位置づけが大きく変わってきましたよね。
なので、これは今後の北名古屋市の英語力の成果を測定したときに変化が生じてくる一つの大きな要因になるんじゃないかと、そのように私は考えております。
いい方向に変わるのか悪い方向に変わるのかは分かりません、もちろん。
英語の授業もこれまで以上に時間的にも充実してくるようなところが、1・2年生のところからアクションを取っていきますと、9年間ですと相当時間も変わってきますんで、今の3年生よりもその変化は生じてくるのかなと思っておるんですけれども、ただ1点、教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価報告書令和5年度分が先日報告されまして、その中で中学校3年生の英語が好きか嫌いかというところを見ますと、おおよそ半々なんですね。
一方で、小学校では約6割の子が英語が好きだと答えていて、中学校3年生に上がると英語嫌いというのが少し出てきてしまっている。
そういった傾向が、こうやっていってデータを見ていくと見られるんですけれども、それを見てどういうふうに改善をしていくというところが誰の目にも明らかなわけですよ。
英語嫌いと言っている子が増えちゃっているんだから、そこをどうにかしましょう。
そういうアクションを今後取っていく、ロジックモデルをつくることで、こういうアクションが取れるようになると私は考えているんですけれども、それでもロジックモデル的なデータを見て判断するということをやっていくおつもりがあるのかどうか、まずこの点についてお聞かせをいただければと思います。
教育部長(鳥居竜也)
それでは、お答えします。
まず、最初のほうおっしゃったように、積極的に学校のほうに入っているかということでございますけれども、今、時間枠、英語の授業がないところにも入ってもらうような形を取っておりまして、触れ合うような時間というのはつくっております。
今おっしゃられた中学校としての好きだというところが減っているというところを、そこの部分はまた小学校と考え方が違っていて、おっしゃられるようにこの英語教育というところで最初は遊びの部分で入るところでALTが入っておりますので、に対してあと中学校については受験というものを控えたところでの英語になりますので、そこの部分で同じという形では考えられるのかなというところはございまして、お答えさせていただきます。
最後に、ロジックモデルとして、先ほど言われた英語教育、ALTを使ったところでやっていくかというところが、繰り返しの答弁にもなりますけれども、そこの部分の評価というところが確かに今までできてなかった部分もございますので、今後につきましては派遣というところで同じように、言われた評価の部分を含めて要因、そのところ、指導要領に基づいているかという部分を含めて考えていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
桂川将典
ありがとうございました。
ALTの委託を検討していらっしゃると、派遣方式での委託を検討していらっしゃるというお話が今ございました。
直接雇用か派遣か、おおよそこの2つ、あるいはそれ以外の形で、アルバイト、パートみたいな形で入っていただく、全国およそこれが大体3分類というような感じだということで、派遣そのものを否定するわけじゃないんですけれども、派遣するなら派遣するで、派遣元のコーディネーターにどういったことをやってもらいたいのかということを明確にしておく必要があろうと考えております。
受ける側としては、何をしてほしいんだということがはっきりしている、これがやっぱり一番大事だと思うんですね。
1個、私、気になっているのは、愛知県全体としては、この英語力の評価を見ると35.幾つという低い数値なんですよね。
その状態というのは本市よりよそのほうが低いわけですよ。
よそのことを悪く言うわけじゃないんですけど。
それを基に外の派遣に委託すると、そういう低いところしか見ていないとか、そういう状況のところの人がうちみたいに高いところに入ってくると、派遣元もやらなきゃいけないことへのギャップなんかもすごく大きく感じるんじゃないかなと思いまして、その辺をちょっとしっかりと、どういったことをやってもらいたいかということをよりしっかりと明確にしておく必要があろうと私は考えているんですけれども、その点について教育部としてどのようにお考えですか。
教育部長(鳥居竜也)
まず、どういったことをやるかというところで、今後まだということがございますけれども、当然ながら現場の意見を聞くところですと、今、1つ変わったところとしまして、GIGAスクールが進みましてタブレットで英語教材というのが生で今見られる。それは確かに疑似というか、ALTと直接会うということではございませんけれども、英語の教育というところでも全体としての英語教育ということを考えますと、そういったところでの英語力を上げるというところも出てきておりますので、実際の現場での声を聞きながら北名古屋市のALTのどうしたことを目指すかというところを進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
市長(太田考則)
ALT増員をうたったマニフェストについてお答えをいたします。
1点目のALTを増員することについての意義や効果をどのように考えマニフェストにしたかについてですが、ALTが11人
体制から5人減らした状況でしたので、ALTを少しでも増員することにより英語教育の充実を図ることを考えました。
子供たちがネイティブな英語に触れる機会を増やしたいとの考えであり、その考えは今も変わっておりません。
2点目のALTの増員というマニフェストを今後いつまでに達成するかについてでございますが、令和6年度に1人減らして5人体制としましたが、英語専科教員の確保もあり、ALTの5人体制においても英語教育の質を保てると学校現場より確認が取れております。
マニフェストを優先して予算裁定をするという考え方もありますが、私は今、本当に必要な事業は何か、市民の生命・財産を守るための予算を最優先に考えていますので、その結果、ALTの増員に至っていないものです。
現在、ALTの配置を含めた英語教育の充実を図るため、令和7年度に向けた新たな取組の進捗状況について教育委員会から説明を受けております。
まずは、タブレット端末やデジタル教科書等を中心としたICTの活用を工夫することにより、ALTが担っていた活動の一部を担うことができるよう進めておりますが、ALTの増員についても併せて検討をしていきます。
以上、答弁とさせていただきます。
桂川将典
時間がないんで、手短にお尋ねをいたします。
市長、今回、学校の体育館にエアコンを設置していくようなことを市民の方から要望もあって今後検討していくんだとか、そういったことが話題になっておりますけれども、こういったエアコン設置と子供たちの学習に資するため、どっちが大事なのかというお話が……。
市長(太田考則)
さっきからの答弁もあるとおり、本当は外国人といっぱい話す機会があるというのが一番有意義なところだと思います。
11人体制から5人減らされてというところで、それを聞いたときに本当に大丈夫なのかというところがありました。
今、説明があったとおり、タブレットを皆さんに、小・中学生に渡したということで、アプリとかそういうのを使って十分その機能が果たせる。
しかしながら、本当にネイティブの先生と話すかどうかというのはすごい大事だし、相手の母国とかそういうのを勉強するというのも一つのあれだと思っております。
まずは私の一丁目一番地の行財政改革をしっかりやって、お金に余裕ができたときにしっかり増員ができるように頑張ってまいりますので、ご理解を賜りますようよろしくお願いいたします。