平成31年度施政方針について

 永津正和

長瀬市長に平成31年度施政方針につきまして質問をさせていただきます。

本年は、5月から新しい元号へと変わる歴史的な年でございます。

一方、本市にとりましては「「健康快適都市」~誰もがいきいきと安全・安心に暮らせるまち~」を目指す第2次総合計画が実質スタートする意義ある年であると考えます。

平成31年度当初予算の状況を見ますと、一般会計予算287億3,000万円を初め、全体では457億円と前年度とほぼ同規模であります。

特に一般会計では、歳入予算においては、市税は前年度比3億8,200万円、2.9%の増となっております。

また、市債においては前年度比5億7,000万円、18.9%の減となっておりますが、繰入金においては前年度比5億3,900万円、68.8%の増と大変厳しい予算編成がなされたものと推察をいたします。

歳出予算におきましては、市長のマニフェスト関連事業を初め第1次実施計画に盛り込まれました事業が体系的に計上されております。

また、特別会計におきましても、国民健康保険税や介護保険料が据え置かれたことは評価できるものと思います。

それでは、質問に入ります。

財源の確保と安定的な財政の運営について、お聞きをいたします。

北名古屋市は平成18年3月の市制施行以来、市民の福祉向上及び安全・安心のため積極的な予算編成をしてまいりました。

その中心となる財源は市税収入でありますが、市民の要望に応える普通建設事業を計画的に進めるためには市債を活用してまいりました。

その中でも、合併特例事業債をなくして対応することはできません。

その合併特例事業債も平成32年度をもって最終となり、財源の確保におきましても大変厳しい状況が予想されます。

そこで、今後、財源の確保を初めとする安定的な財政の運営についてどのようにお考えか、お尋ねをいたします。

次いで、「健康で生きがいを持って暮らせるまちづくり」について、お聞きいたします。

認定こども園の整備が幼稚園と保育園のかけ橋にもなり、また民間の持つ柔軟性や効率性を生かし、それによって保育の質の向上につながるとの考えから、平成32年4月に予定されます幼保連携型認定こども園、(仮称)北部こども園の開園につきましては、地域の皆様に喜んでいただけるものと心から期待をいたします。

また、障害を有する方が安心して暮らせるまちについてでございます。

私たち市政クラブは、具体的な対応策といたしまして、北名古屋市知的障害者育成会の皆様の長年の願いでありますグループホームの整備が推進されますよう、意見交換会を重ねて障害を抱える方やその家族が自分らしく地域で暮らすことができる障害者の拠点機能を持った施設整備の実施を目指し、市へ要望をいたしてまいりました。

その結果、長瀬市長のリーダーシップのもと、2市1町の合意のもと実現することとなりました。

そこで、この機会を通じまして、市民の皆様へ長瀬市長の温かい思いを述べていただきたいと思います。

さらには、(仮称)第6特別養護老人ホームについても、介護でご苦労をおかけいたしている皆様にとっては待ちに待った朗報でございます。あわせて長瀬市長のお気持ちを述べていただきたいと思います。

次いで、「豊かな学びと心を育み文化の薫るまちづくり」についてでございます。

昨年の夏は猛暑が続き、義務教育にとって大変な事態となっておりましたが、本市は他に先駆け空調設備の整備をいたしており、事なきを得ております。

長瀬市長は、次代を担う子供たちの可能性を十分伸ばせるよう、多様な学習機会を提供し心と体の健全な成長を促す、いわゆる文武両道を目指した教育環境を整えてまいりますと述べられました。まさに同感でございます。

教育に関する質問はいずれの機会にいたしたいと思います。

次いで、「安全・安心で環境にやさしいまち」についてでございます。

南海トラフ地震や多発する局地的豪雨などの大規模な災害に備え、被害を最小限にとどめるため取組を強化してまいりますと述べられましたが、まず水害対策についてお聞きをいたしたいと思います。

平成12年に発生した東海豪雨も間もなく20年目を迎えようとしております。

その間、遊水池の整備、排水路の改修等積極的に対応されてきましたが、遊水機能の大半を占める農地は宅地化が進み、危険度が増大していると考えられますが、その対応について、どのようなお考えがあるのかお尋ねをいたします。

次に、災害発生時の避難所となる市内10校の小学校体育館に安心して過ごせる空間を確保するため、空調の整備や簡易型避難用テントの配備を順次進めるとありますが、これについて避難者のプライバシーを守るためにも大変いいことだと思います。

さらに、トイレの改修整備もぜひ進めていただきたいと思いますが、考えをお聞きください。

次いで、「快適で利便性の高いまちづくり」についてでございます。

生活環境の保全のための空き家対策とごみの不法投棄の問題については、事件が発生してから対応することは非常に難しく、未然に防ぐことが重要であると考えます。

ここで昨年の出来事について触れたいと思いますが、熊之庄地区の県道の沿線にごみの不法投棄がありました。

長い間、地域の住民の皆様から苦情をいただいておりましたが、なかなか解決することができませんでしたが、市当局のご努力のおかげをもちまして撤去することができました。

まさに胸のつかえがおりた感じがいたしております。

今後とも、行政が地域と一体となって、環境を保全していかなければならないと改めて認識いたしました。

施政方針でも述べられているように、何事も事前に対応されることを期待いたしたいと思います。

また、名鉄犬山線の鉄道高架事業につきましては、議会も特別委員会を設置し、市当局とともに力を合わせてまいりましたが、今後さらに徳重・名古屋芸大駅周辺地区の土地区画整理事業とともに関係機関や地元とも協議検討を進めていかなければならないと考えます。

市長の考えをお聞かせください。

次に、名古屋市と共同で整備する清掃工場の余熱を利用した温水プールの整備について、お聞きをいたします。

実施計画では、(仮称)北名古屋清掃工場の地元還元施設として、安定的に発生する余熱を利用した温水プールを二子地区に整備しますと記述されておりますが、そこには健康、医療、資源、ごみ処理、資源循環、多様な連携とありますが、その具体的な内容について構想をお聞かせください。

次いで、「協働と連携のまちづくり」についてでございます。

1点目は、自治会についてお聞きをいたします。

北名古屋市には大小32の地区に自治会があり、自治会長は市長の委嘱のもと町内会等の下部組織を統括し、市内における自治組織としてあらゆる面において機能しているものと理解いたしておりますが、近年、未加入者の増加と自治会長になる方が少なくなり、地域では大変困難をきわめております。

会長のなり手不足は、就労年齢の引き上げ等が影響しているものと思われます。

市当局におかれましては、この実態を十分ご承知のことと思いますが、自治会は大災害が発生したときの共助の部分を担う重要なところでございます。

また、自治会は自主防災会、社会福祉協議会支部活動、消防団員の推薦等と各種の活動等を行っております。

市としましては、年度の初めに当たり実態調査を実施し、今後のあり方について検討、助言を行っていただきたいと思いますが、市長の考えをお聞かせください。

2点目につきましては、名古屋市との合併についてでございます。

第2次北名古屋市総合計画の第1次実施計画では、名古屋市等との合併の検討として、多様な連携のサブタイトルのもと、市民が北名古屋市の将来を考える中で名古屋市等との合併も一つの選択肢として捉えてもらうため、幅広く調査研究を実施し、市の広報やホームページの掲載や講演会などにより情報提供を行いますと記述されております。

ここで、これまでどのように対応されてきたか、今後どのように取り組まれていくのか、お聞きをいたしたいと思います。

3点目につきましては、豊山町との関係についてお聞きをいたします。

豊山町との関係につきましては、実施計画においては名古屋市等と一くくりで記述されておりますが、私はあえて名古屋市とは別の視点で、豊山町との関係につきまして取り上げたいと思います。

豊山町とは、消防、水道、ごみ処理において一部事務組合として事務の共同処理を行っておりますが、自治体としてはおのおのが行政として対応いたしております。

現状は、本市の東部地区、豊山町の西部地区が隣接しており、道路、橋梁、河川、水害対策、公共交通の問題、名鉄西春駅から県営名古屋空港へのアプローチなど数え上げたら切りがないほどのまちづくりのテーマがございます。

豊山町と北名古屋市の連携は、地域の発展に不可欠であると考えます。このことについて、市長の考えをお聞かせください。

最後に、新しいふるさと北名古屋のまちづくりを考え市民と夢を語ろうについてでございます。

このテーマはどこにも記述はございません。私が独自に考えたものでございます。

まず平成30年第3回定例会、昨年の9月でございますが、市政クラブの議員より、西春駅前に新しい人の流れ、にぎわいについてを質問いたしましたが、当局からは、中心となる団体のほか地元商店街、市民の皆様の自主的な活動を見守りたいと考えております。

また、こうしたグループから話し合う場の支援を求められる場合、検討させていただきますと答弁がなされました。

その後、どのような動きがあったかお聞かせください。

また、今後は積極的に市民と向き合っていただきたいと思いますが、市長の考えをお聞かせください。

北名古屋市も市制施行から10年余りが経過いたしましたが、その間、第1次総合計画に基づきまちづくりを推進してきましたが、ようやく福祉の充実した協働のまちが見えてまいりました。

そうした中、北名古屋市と言えば何々というものがないなという思いがいたしておりました。こうしたものは歴史的なものから近代的なものまで、有形無形を問わず市民が親しむことができるものであると思います。

そこで、私から提案をさせていただきたいと思います。

九之坪城についてでございます。

なかなか耳なれない言葉かと思いますけど、資料を添付させていただきましたので、ぜひご参照をいただきたいと思います。

先ほどもちょっと触れましたが、市民の皆様にはなかなかなじみがないかもしれませんが、織田信長の配下として、梁田氏一族が九之坪城を拠点に活躍したと記録に見られます。

九之坪城の再建を核にして、市民の皆様と北名古屋市の歴史に思いをはせ、北名古屋の将来を語ろうではありませんか。

長瀬市長の前向きの考えをお聞かせいただきたいと思います。

以上、多くの質問をいたしましたが、いずれも積極的な答弁を期待いたしまして代表質問を終わります。

 

 市長(長瀬保)

お寄せをいただきました各質問のテーマにわたって、お答えをさせていただきます。

まず市制施行以来の新市計画でございますが、合併特例債の事業債を有効に活用しながらまちづくりを取り組んでまいったということでございます。

そうした中で、財源の確保につきましては積極的に企業誘致を行うなど、市税の増収につながる施策を進めてきたところでございます。

今後の財政運営に当たりましては、引き続き市税の確保に努めることはもとよりでありますが、次世代に過重な負担を転嫁することのないように、地方債の発行に対して抑制を図りながら取り組んでまいりたいと存じます。

また、公共施設の長寿命化、民間活力の導入などによりまして、将来の財源負担を軽減、平準化するなど計画的で安定的な財政運営を図ってまいりたい、このように存じておるところでございますので、これまたいろいろとお知恵を拝借したい、そんな思いでございます。

次に、「健康で生きがいを持って暮らせるまちづくり」ということでございますが、平成32年4月に熊之庄地内に建設を予定しております幼保連携型認定こども園、この開園に向けまして整備運営法人との調整に今取組をしているところでございまして、これを契機にいたしまして老朽化の進む施設の整備にも取り組んでまいりたいと存じます。

また、障害を有する方が自分らしく暮らしていける共生社会の実現、これに対しては新たな生活拠点としての、夜はもとよりでありますが、日中においてもサービス支援型としてのグループホームの整備を清須、そして豊山ともに2市1町相まって平成33年4月に開所を目指して今準備を進めているところでございます。

今後とも、保護者の皆様の願いであります親亡き後も安心して生活ができる環境を整えるために、実現に向けて精魂込めて取り組んでまいります。

さらに、新たな特別養護老人ホームの整備でございますが、介護を必要とされる方とその家族の皆様が待ち望んでおられる、この現実を直視したときに、ぜひとも平成34年4月開所予定をいたしまして準備を進めてまいりたいと存じます。

今、当市においても介護4、5、こうした重度の方々も在宅介護において大変ご苦労されているという現実を直視したときに、いち早くこうした特別養護老人ホームにおいても整備を図ってまいりたい、そのように思うところでございます。

次に、「安全・安心で環境にやさしいまち」ということでございますが、まさにご指摘のとおり東海豪雨、あれから20年経過するということでございまして、その間におきまして新川流域、愛知県はもとよりでありますが、流域15市町が治水安全度の向上に向けまして取組を進めているところでございます。

その間にも本当に宅地化が進んでまいります。

異常気象もありまして、水害の危険度が増しているこの現状を直視するときに、新川の抜本的な改修は避けて通れない。こうした中で、議会の皆様のご理解いただく中で愛知県に強くさらに要望してまいりたい、そんな思いでございます。

また、災害発生時に避難所となる小学校体育館のトイレについても、実施予定の体育館の大規模改修にあわせまして順次整備を進めたいと存じます。

次に、「快適で利便性の高いまち」ということでございますが、管理不全の空き家の存在、これは不法投棄、さらには環境の悪化、そして防犯上の心配、こうしたことなどを地域のさまざまな形の中で悪影響を与えているということもございます。

そうしたことがないように、空き家管理の重要性、これらを啓発を含めて取組を進めてまいりたいと存じます。

さらに、名鉄犬山線の鉄道高架事業につきまして、昨年、徳重・名古屋芸大駅付近からの段階的な施工につきまして、鉄道事業者の合意を得たところでございます。来年から鉄道事業者によります概略設計が始められまして、事業主体であります愛知県とともに検討、そして協議をしてまいりたいと存じます。

また、市が事業主体となります土地区画整理事業につきましては、来年度には地権者によりますまちづくり検討会議を発足させまして、地権者の皆様との協議検討をより深めていく予定をしているところでございます。

さらに、清掃工場の余熱を利用した温水プールの整備ということでございますが、北名古屋衛生組合を事業主体としておるところでございます。健康増進に寄与する温水プールといたしまして平成33年秋ごろの供用開始を目標にしまして、現在実施設計を進めているということでございます。

プール施設の詳細及び運営方法につきましては、まとまり次第改めて内容報告をさせていくということでご理解いただきたいと存じます。

次に、「協働と連携のまちづくり」ということでございますが、市民の一番身近な自治組織であります自治会につきまして、大きな役割を担っていただいておるところでございまして、議員が懸念される就労年齢の引き上げなどによりまして地域自治の担い手不足という課題が、これは全国的に影を落としております。

先般、自治会長会におきましてアンケート調査をしていただきました。

役員の担い手不足や高齢化が多くの自治会の共通課題ということでございました。

しかし、その一方で、地域による自治の仕組みも異なっているというのも事実であります。

課題が違うということでございます。こうした面も確認をしていただいたところでございます。

それぞれの自治会の成り立ち、歴史観、こうした面も違いがあるわけでございまして、共通する課題もあれば、またそれぞれの独自の課題もあるということでございます。

今後、地域で何を解決すべきかを明らかにしながらも、困難を抱える地域とこの課題解決に向けてともに考えて市とともに自治会とともに支援をして協調してまいりたいと存じます。

そして、名古屋市との合併ということにつきましてお答えいたしますが、平成28年第3回定例会におきましてご質問をいただきました。

以来、市民の皆様に北名古屋の将来を考えていただく中で名古屋市との合併も一つの選択肢として捉えていただけるように、さまざまな分野におきまして幅広く調査研究しているところでございます。

今後の取組といたしましては、自治体戦略2040構想研究会、これは国の機関でありますが、この報告書を参考にしながらも新しい時代の潮流の中で自治体を取り巻く圏域から地域のあり方まで多角的な視点で研究をいたしまして、引き続き市の広報やホームページへの掲載、講演会の開催等によって市民の皆様により深く考えていただける機会を提供してまいりたいと思います。

そして、豊山町との関係でございますが、ご質問にもございましたとおり、一部事務組合などの共同事務を初めといたしまして、河川、道路、空港などまちづくりを進める上で課題を共有する重要なパートナーとなっているところでございます。

先ほども触れましたように、自治体戦略2040構想研究会の中で言っておりますが、近隣市町村との役割分担、圏域全体の機能強化の必要性が示されているところでございます。

私といたしましても、人口減少、さらに高齢社会を見据える中で、北名古屋市としての自主性、自立性を前提としながら豊山町を初め近隣市町村との連携を取り組むことが必要であると考えるところでございます。

そして、新しいふるさと、そして北名古屋のまちづくりを考え、市民とともに夢を語ろうということにつきましてでございますが、昨年10月に駅前の活性化に向けた話し合い西春駅前カフェが商工会青年部を中心に実施されまして、市民協働モデル事業として支援をいたしました。

こうしたさまざまな活動を重ねながら、来る3月17日には駅前活性化に向けたイベント「イマキタナゴヤ」というタイトルで開催がされるところでありまして、市も同じように支援をさせていただいていきたいと、このように思うところでございます。

こうした形の中で、今後も地域に関係するさまざまな方が集まりまして、対話し、考え、主体的なまちづくりに気づくきっかけとなる取組を推進、支援してまいりたいと存じます。

最後に、ご提案をいただきました九之坪城を初め北名古屋の歴史に思いをはせ夢を語るということであります。

市民の皆様の郷土愛、ふるさと意識を高める有効な手段になるであろうと思います。九之坪城に限らず、まだまだ北名古屋にはよく知られていない文化、歴史の種がたくさん埋蔵されていると存じます。

それらを拾い上げながら語り合って、新しいふるさとの北名古屋のまちづくりを市民の皆さんとともに進めてまいりたい、このようにしみじみ感じているところでございます。ご理解をいただきたいと存じます。

以上、走りましたが答弁にかえさせていただきます。ご理解いただきたいと思います。

ありがとうございました。

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