教員の研修体制とブロック塀の改修・建てかえに対する助成について

 神田 薫

我が国では、少子・高齢化に伴う労働力の減少に備え、ワークライフバランスの実現や生産性向上を目指し、官民挙げて働き方改革に取り組んでいます。

こうした中、学校現場の教師は長時間勤務の疲れる仕事、ブラックとの報道からか、ここ何年、県の教員志望者が減少し、その上教員の大量退職が続き、県教育委員会(以下、県教委)は教員の確保に苦慮しているとのことです。

この状況打開のため、本市及び県教委は連携を強化して、教員多忙化の解消、職場環境はやりがいのある職場との取り組みを推進されておられることを承知しています。

この取り組みは着実に進めるべきと考えています。

危惧する例として、ベテラン教師から若手教師への授業のわざ、教師力等々の引き継ぎが危ういと聞き及んでいます。

教員の量の充足とともに質の確保、資質の向上も重要なことと考えています。

こうした中、3点ほど状況の変化がありました。

1.新時代に必要な資質・能力の育成を目指した学習指導要領改正
2.質の高い教育確保と資質向上を目指す教員育成指標の策定や研修計画の改定等々、教育公務員特例法が改正
3.英語の民間試験導入等新大学入試共通テストの導入

以上の動きの意味は、学校教育の質的大転換、国の生き残りをかけた教育改革です。

そのため、教員の採用時からその後の質の確保、資質の向上を図る研修は重要です。

そこで、教員研修はどのような工夫がなされているのか、教員の育成指標及び年齢構成等々を含めてお尋ねいたします。

次に、中学校英語担当教員の英語力についてお尋ねいたします。

さきの6月議会で、この3月に中学校を卒業した生徒の57%が英検3級程度以上の英語力を身につけ、国の目標を超えたと教育長は答弁されました。

他方、国では英語指導に当たる英語担当教員についても目標を定めていて、英検準1級程度以上が英語担当教員の50%以上と聞き及んでいます。

そこで、本市の担当教員の研修体制を含め担当教員の英語力の状況等々をお尋ねいたします。

次に、ブロック塀の改修・建てかえに対する助成についてを中村課長にお聞きいたします。

さきの大阪北部地震では、倒壊したブロック塀で女子児童が犠牲に遭われた痛ましい報道を受け、本市でも安全点検がなされました。

この際、問われたのはブロック塀の安全基準でした。また、学校保健安全法中、第26条の施設の安全確保・危険防止であった。

そこで、安全確保上必要な措置の中で通学路等のブロック塀への安全対策が急がれるところと感じています。

ブロック塀の危険性が認識されるきっかけは、宮城県沖地震、昭和53年「ブロック塀・門柱の倒壊で18名が犠牲に」、これを教訓に、その後建築基準法改正にあわせブロック塀にも安全基準が3メートルから2.2メートルに下げられ、震度6から7にも倒壊しない強度が求められるようになりました。

宮城県では、危険ブロック塀対策に市町村で取り組まれています。

宮城県では、国の地震調査委員会が公表した宮城県沖地震の長期評価(平成12年11月)において、今後20年以内(平成32年ごろまで)に地震が発生する確率が80%と示されたことから、本県では児童を初めとする通行者の安全を確保するため、平成14年にスクールゾーン内危険ブロック塀調査を実施し、危険性が高いと認められるブロック塀など536カ所(D及びEランク)を特定しました。

それ以降も、危険性が高いブロック塀の追跡調査を毎年実施し、所有者への継続的な改善指導や助成制度の実施により危険ブロック塀対策を続け、危険性の高いブロック塀は平成29年度末時点で88カ所となっています。

震災大国と呼べる我が国にあって、この地域はいつ起きても不思議でないと言われている南海トラフ地震等に備えたブロック塀の改修や生け垣等々への建てかえに対する助成制度についてお尋ねいたします。

 

 教育長(吉田文明)

初めに、教員の研修にどのような工夫を講じているかについて、お答えをいたします。

今、愛知県は教員の大量退職、大量採用時代の真っただ中にあります。年齢構成や経験年数の不均衡が生じています。

例えば、本市の教員の年齢構成を見ますと、20代が36%、30代が30%、40代が13%、50代が21%であります。

若い世代が3分の2を占め、中堅層、ベテラン層が手薄の状況にあります。若手教員が先輩教員から直接必要な教師力や授業力、授業のわざを学ぶチャンスが著しく減少しています。

また、新しい時代に対応した教育内容、教育方法への転換を初めとする教育課題は、複雑化、多様化しております。

さらに、教員の多忙化により研修時間の確保に困難を来すなど問題があります。これらの課題や問題は、本県に限ったことではなく全国的に起きていることでございます。

このため、国は法律を改正し教員研修のあり方を見直し、資質・能力をキャリアステージに応じて体系的に形成するための教員育成指標を定め、この指標に基づいて研修を行うよう求めています。

これを受け愛知県では育成指標を定め、県教育センターを中心に研修計画を示し研修を行っています。

ことし、本市の教員が受ける県の研修は約40講座で、受講延べ人数は200人以上でございます。北名古屋市は、県の育成指標に基づき独自に少経験者研修等7講座を計画し行っています。

受講延べ人数は600人以上です。さらに、学校が行っている現職研修がございます。これは世界的に評価が高い日本独自の研修制度でございます。校長が学校の状況に応じて計画的に行っているもので、一般にオンザジョブトレーニングと言われるものです。

忙しい中、時間をつくり出し、全員が集まってベテランから指導を受ける場合もあれば、グループごとにお互いに教え合うこともあり、多様な形態で日々行われています。

なお、国は公開オンライン講座を開設し、現職研修の機会と質の確保だけではなく研修の役割を知識の習得はネットで、授業のわざ、教師力は学校現場でと明確にし、研修の効率化を支援しています。

そのほか、教員が時間外に自主的に行っている自己研修があります。多くの教員が自費で取り組んでおるのが現状でございます。

次に、英語担当教員の研修と英語力について、お答えいたします。

研修につきましては、県及び市が計画した英語研修を受講しています。さらに、英語担当教員全員が自己研修に取り組み、英語力検定試験を受けています。その結果、国が示す基準、準1級程度以上取得者50%を超え55%でございました。全国34%をしのいだ結果でございます。

いずれにしましても、多忙をきわめる教員が日夜身を削り、教師力、授業力の向上に励んでおられることに感謝し、研修機会の確保と研修内容の充実に努め、その成果が現場に生かされるよう力を尽くしてまいります。

 

 建設部施設管理課長(中村昌直)

ブロック塀の改修・建てかえに対する助成について、お答えをいたします。

初めに、本市におけるコンクリートブロック塀に対する現在の取り組み状況をご報告いたします。

ことし6月に発生した大阪府北部地震直後に公共施設121カ所のコンクリートブロック塀の目視点検を実施しましたが、いずれも建築基準法に適合したものでございました。

公共施設以外では、通学路に面したコンクリートブロック塀につきまして、緊急パトロールを愛知県とともに現在実施中でございます。

このパトロールは目視点検で現況調査を行い、愛知県が作成したパンフレットを配布することで所有者への注意喚起及び改善の啓発を行っております。

さて、コンクリートブロック塀の改修・建てかえに対する助成についてでございますが、現在は住宅リフォーム等促進事業の中で対応しております。

しかし、大阪府北部地震でのブロック塀倒壊による痛ましい事故を教訓に、国においても危険なブロック塀の撤去及び改修に対する事業への助成を進める市町に対して支援を強化する方針を示していることから、市といたしましてはブロック塀等の安全性の確保を初め震災に強いまちづくりに向けた施策に重点的に取り組むことにより、市民の安全・安心な生活環境の整備を進めてまいりたいと存じますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

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