1. 学校に求める防災教育について 2. 中学生に求める防災教育について

井上 一男 井上一男

1月1日16時10分に発生した石川県能登半島の地震によりお亡くなりになられた方々にお悔やみ申し上げますとともに、被災されました皆様に謹んでお見舞い申し上げます。

被災地の一日も早い復旧をお祈り申し上げます。

また、災害支援要請により重い責任とご負担を担っていただいている職員の皆様に敬意を表します。

このたびの石川県を震源とする地震は広範囲に及び、本市においても震度3の大きな揺れを感じました。

この地震が発生したときに、どれだけの方が適切な行動を取れたでしょうか。

私たちが生活しているこの地域は、南海トラフ地震がいつ発生してもおかしくない状況となっており、震度6弱以上が予想されています。

本市は、2000年の東海豪雨により大きな被害に遭いました。

経験した方は、非常に激しい雨が降り、浸水した恐怖を覚えていると思いますが、災害に対する危機意識は時間の経過とともに風化してしまっているのが現状だと思います。

地震災害は突然起こります。

また、台風のように、ある程度の予知ができて事前の対策を講じることが可能なものもありますが、温暖化の影響から近年気象条件がより複雑化しており、気象の変化を読み切れず、豪雨や激しい落雷など各地で様々な自然災害を引き起こし、毎年多くの被害をもたらしております。

災害に対しては、日頃からの意識と備えが必要となります。

そこで、今回は学校現場での防災教育について質問させていただきます。

学校では、子供たちに防災教育と災害を想定した訓練を行っていると思いますが、平常時の防災意識を底上げする意味においても、令和6年1月の能登半島地震について取り上げ、子供たちの防災意識を高める必要があると思います。

そして、子供たちから家庭で話し合う機会を促進し、地域の防災力の強化に努めるべきと考えます。

学校に求める防災教育について、以下の2点について教育部次長にお尋ねします。

1つ目、令和6年能登半島地震について、学校ではどのように取り上げていますか。

2つ目、防災教育について、今後どのように取り組んでいきますか。

次に、中学生に求める防災教育についてお伺いします。

災害時は、まずは自分の努力で身を守る自助、連携を助け合う共助と言われますが、それらに実効力を持たせるには、学校での防災教育で災害対策を自分事化することが必要だと思います。

もし、地震災害が平日の日中に起こると、在外市民は帰宅困難となる可能性が高いため、残された家族をはじめ多くの住民は不安にさらされ、独りで生活されているお年寄りなどに寄り添う自主防災組織の担い手不足が課題となります。

この課題となる防災の担い手として、知力・体力に優れ、地域に明るい地元の中学生が適任であると思いますが、若い中学生の皆さんに、自分たちのまちは自分たちで守るという自覚を持った防災のジュニアリーダーの育成はできないでしょうか。

防災の根底には、人への思いやりや人を助けたいという気持ちがあります。

防災教育は人材教育でもあります。

人とつながることの大切さを学び、地域の人たちに声をかけ、味方を増やすことで次第に協力し合える関係となり、地域の人づくりへとつながっていきます。

また、防災情報を共有することで地域交流の活性化にもつながると思います。10年後、20年後を見据えて、今現在の中学生を主軸に防災のジュニアリーダー育成への取組を進めたらどうでしょうか。

そこで、中学生に求める防災教育について、以下の2点について教育部次長にお尋ねします。

1つ目、中学生を防災のジュニアリーダーとして育成するため、例えば防災部などを設置する考えはありませんか。

2つ目、災害時、自分ならどうするか、自ら考える力を育む教育に取り組むべきと思いますが、考えをお聞かせください。

防災を軸にした活動は、地域に様々なプラスの効果をもたらします。

若い世代を軸にした防災教育が地域の人づくりへとつながり、地域交流の活性化にも貢献できます。

今の中学生の皆さんが、防災教育や防災部活動を通して自律的な行動力を養い、災害対策を自分事として意識し行動を継続することで、10年後、20年後、地域のリーダーとなって、いざ災害というときには活躍していることを期待し、そして平穏な日々が続くことを祈り、私の質問を終わります。

 

 教育部次長兼学校教育課長(安井政義)

学校に求める防災教育についてお答えいたします。

1点目の令和6年能登半島地震について、学校ではどのように取り上げていますかについてですが、令和6年1月の校長会議において、防災環境部長から、能登半島地震における被害状況と、児童・生徒が被害に遭ったときに適切な行動ができるようにするためにはどのような訓練が必要なのかといった観点で説明を受けました。

自分で自分の身を守る自助、地域住民と協力して支援を受ける共助が大切であるという点や、児童・生徒、教員が防災意識が薄れないように毎回同じことを繰り返すことで、いざというときに反射的に行動できるようにすることの大切さ、また教員自身、市職員も同様に、公務員が全体の奉仕者として、自身の家屋が倒壊し家族が救助を待っている場合などの被災を受けている中で、どこまで児童・生徒や被災者に寄り添えるか、心身ともに限界を迎えつつある中で救助活動に従事する線引きの難しさについても丁寧な説明を受けたところです。

この内容を校長が各学校へ持ち帰り、教職員に対し講話を行い、危機管理意識を高めるとともに、各学校で何ができるかを考え、防災意識を高めるための取組を始めています。

取組の一つとして、児童・生徒の発案により、複数の学校で能登半島地震災害義援金活動を実施したことは、何か役に立ちたい、支援したいという行動と捉えています。

また、2月の校長会議では、教育長が能登半島地震に触れ、学校における高いレベルの防災対策とは何かについての講話を行い、学校が児童・生徒にとって安全・安心な場所であるようにするために、教職員が災害の対応における失敗の事例から学びを深めるよう指示したところ、各学校では学校災害対策計画や災害発生時の対応方針について見直しを始めています。

2点目の防災教育について、今後どのように取り組んでいきますかについてお答えいたします。

定期的な訓練については、同じことを繰り返す必要性も踏まえ、地震、火事、全国瞬時警報システムにより緊急情報が伝達された場合など様々な場面を想定し、実効性のある内容への改善を進めます。

なお、訓練実施前に事前に災害について学ぶことが、より理解が深まり、効果的であることから、本市に起こり得る自然災害を想定するなど、児童・生徒の発達段階に応じた災害に関する学習について、より効果的な学びを実践します。

また、学校は避難所としての役割を有していることから、児童・生徒が防災備蓄倉庫や体育館に保管してある緊急時の水、食料、毛布や段ボールベッドを確認する機会を設けます。

あわせて、防災教育アドバイザーによる講演会や防災交通課職員による出前講座などの機会を拡充し、防災について考える機会や話し合う機会を増やすことにより防災教育を進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

 

井上 一男 井上一男

学校での防災教育というのは、やはり平常時の学校教育で防災意識を高めるというふうに私は思っております。

今回答がありましたように、校長会議で防災環境部長を講師として招いて講演を開催したということと教育長からの具体的な講話があったということで、いわゆる庁舎内の横のラインと縦のラインということは、非常に組織の運営がうまくいっているなということは感じ取りました。

そして、学校としてのいわゆる重要な一つのこととして、避難所の役割が、防災備蓄倉庫とか、体育館に保管してある水、そして食料、毛布、段ボールのベッドの点検ということで、常に何が起こってもいいような学校教育というのを今しっかりやってみえるなということは本当に感じました。

ただ、受ける側の小学生・中学生からすると、小学生でも、小学校の3年生までの児童さんと小学校の高学年、そして中学生の生徒さんとは当然意識も違うし、当然教育自体も変わってくると僕は思うんですね。

そして、小学生の3年生までの方については、今日こういうことを学校で学んだよ、こういうことをやっぱり親に言ってくださいねということを先生から言われたもんでということで、学校と家庭、また親族も含めてですけれども、子供さんを通して防災知識がうまく日常的に効果が出てくると思います。

と同時に、今度高学年になってきて、また中学生になってくると、やっぱり団体の学校生活になってくるわけですね。

そうすると、学校の団体においての防災教育とは、常に一緒にみんなと考えて、自分ならどうするんだ、こういうふうに考えるということで、いわゆる世代間同士でやっぱり教育をしながら防災意識を高めていくというような防災教育が必要ではあると思います。

それで、今後どうするかという回答の中で、児童・生徒の発達段階に応じて災害を学習する学習を実践していきますということで、現状、今小学生の低学年、また今の高学年及び中学生はどういうような今の取組をしているか、ちょっと事例を教えていただければ、ちょっと知りたいもんですからお願いします。事例です。

 

 教育部次長兼学校教育課長(安井政義)

答弁の中でもお伝えしている部分ではあるんですけれども、具体的な取組というような観点でお伝えしますと、確かに発達段階によって取り組んでいることは異なってまいります。

小学校の低学年では、やはりまずは安全に行動しようとする意識を持つことが大切ですので、実際に地震による被害の写真を見せたりですとか、あと地震によって大きな被害が出ることを低学年のお子さんには伝えております。

また、学校で避難訓練とかを実施したときには、家庭で避難訓練の内容が話題になるようなことを学校の先生からお子さんたちに伝えているというようなことで取り組んでおります。

高学年に移りますと、実際大地震でどのようなことが起きたかとか、大地震に備えて準備することは何かというようなことを話し合う活動などを実施しています。

また、中学校では、地域に起こりやすい自然災害を理解したりですとか、予想される自然災害への対策を考えること、みんなで話し合いながら考えること、そういったことに取り組んでいる状況でございます。

 

 教育部次長兼学校教育課長(安井政義)

中学生に求める防災教育についてお答えいたします。

1点目の中学生を防災のジュニアリーダー育成するため、例えば防災部を設置する考えはありますかについてですが、中学生がボランティアで活動している中には、児童館主催の避難所開設訓練や、陽だまりハウスで毎月行われている子ども食堂の炊き出しがあります。

このような活動に中学生が取り組んでいることは、地域にとって頼もしい存在であるとともに、何よりも地域が豊かになる取組であると思います。

今後におきましては、地域の防災の担い手となり得る活動を促進するとともに、広く周知することで、中学生が自分たちのまちは自分で守るといった意識の醸成に努めてまいります。

さらに、中学生の地域活動への参加をいかに促進できるかを、豊かな学び創造推進協議会などの地域の方と意見を交換する機会を通して、防災に関する活動の組織体について併せて研究してまいります。

2点目の、災害時自分ならどうするか、自ら考える力を育む教育に取り組むべきと思いますが、その考えについてお答えいたします。

学びを行動につなげるためには、自らが高い意識を身につけ、自らの価値観により意思決定し、行動していくことが求められます。

地域のよさや環境の大切さを感じ取る力、いつ起きてもおかしくない災害を自分のこととして捉える力が必要となります。

そのため、中学生を取り巻く自然の現象について問題意識を持って捉える感性を育む学習活動に取り組み、身につけた知識や技能を活用し、有用性を実感させることにより資質・能力が育成できるものであると考えます。

また、そういった力を高めるためには、家庭の果たす役割が大きく影響しますので、学校と家庭が連携して防災教育に取り組むことにより、自ら考え、行動する力が育成されるものであり、そういった指導を目指してまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

 

井上 一男 井上一男

中学生の防災教育について、防災部の設置をしたらどうかということをちょっと深掘りして質問させていただきます。

今、回答にございましたように、いわゆる中学生についてボランティア活動をやっているよと。

児童館主催の避難所開設訓練とか、陽だまりハウスでの子ども食堂の炊き出しに参加するということなんですけれども、先ほど僕言ったように、中学生の皆さんには、防災についてのジュニアリーダーになっていただきたいということがやっぱりあるわけです。

その背景としては、やはり先ほど言ったように、同じ世代の生徒さんたちと交流しながら、自らの力を育みながら地域交流のやっぱり要になってほしいということで、特に中学生というのは、知力とか体力が非常に旺盛な世代になってくるわけですね。

それと地域の中で生活しているもんですから、地域のことは一番よく分かっている世代だと思います。

したがいまして、やはり防災の担い手、今、防災の担い手はいないということで、やはり中学生の生徒さんからこういったジュニアリーダーになってもらいたいということで、現在の中学生が10年後、20年後になったときの地域のリーダーとなっていただくための地域の活性のための要を、今やっぱり中学生の生徒さんに防災部、それに代わるような活動をしっかりしていただいて、自分は地域のために行動して、地域のために担っていくんだという意識づけをしていただきたいと思いますもんですから、その背景をよく見てもらって、中学生の防災教育に、防災部を設置する考えをもう一度ご回答よろしくお願いいたします。

 

 教育部次長兼学校教育課長(安井政義)

議員からは、防災部というご提案がございました。市内の一つの中学校では、奉仕団という名称をつけて、ボランティア活動を目的とした組織体があります。具体的な活動として、防災訓練のほか、地域のごみゼロ運動ですとか、餅つき大会、あと保育園や児童館、自治会の夏祭りなどに中学生がボランティアとして参加しております。

こういった社会貢献活動を通して地域社会と密接に関係を持つことにより、中学生が地域への関心が高まることが期待できると思っております。

この地域活動の経験を積んだ中学生が大人になったときには、災害時において助け合うことの大切さ、学んだことを生かして支援者となって主体的に地域で活動することが期待できると思っております。

そういった将来を見据えまして、学校では中学生が地域のボランティア活動に参加する機運を高めていくことが必要と考えておりまして、またそういったことに取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

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