1.清掃工場の余熱を利用した温水プールの活用について 2.清掃工場の余熱を利用した温水プールの設備について 3.市内の施設を利用した総合健康プログラムについて 4.通学路等の安全確保について

 清水晃治

2017年9月、首相官邸に安倍晋三首相を議長とする人生100年時代構想会議が設置されました。

そもそも人生100年時代とは、ロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットンとアンドリュー・スコットが著書「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」で提唱した言葉であり、過去200年間、人の平均寿命は延び続けており、そこから導かれる予測によれば、先進国において2007年生まれの2人に1人が100歳を超えて生きる人生100年時代が到来すると予測したものであり、これまでとは異なる新しい人生設計の必要性を説いたことに端を発しています。

では、日本の現状についてはどうでしょうか。

厚生労働省が発表した簡易生命表によりますと、2017年の日本人の平均寿命は、女性が87.26歳、男性が81.09歳といずれも過去最高を更新しております。

一方で、人が健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間、つまり健康寿命においては、女性が74.79歳、男性が71.14歳と厚生労働省が2016年の統計を発表しております。

今後、一層の高齢化が進む中で、人々が心身ともに健康で自立して生活ができる健康寿命の延伸が重要課題であり、国においては21世紀における国民健康づくり運動、健康日本21がスタートしました。

本市においても、市の将来像として「「健康快適都市」~誰もが安全・安心に暮らせるまち~」を掲げて、健康、快適、自立の基本理念に基づき、市民が快適な生活環境の中で心も体も健康で生き生きと毎日を過ごし、生きがいに満ちた幸せな暮しを送ることができるまちづくりを進めるために、平成18年6月には市民の健康寿命の延伸を目指す健康づくり運動の総合的な指針として「北名古屋市けんこうプラン21」を策定しました。

現在は、平成22年の中間評価を経て、より実効性のある施策を推進するために第2期計画を策定し、市民はもとより関係機関、各種団体と一体となって健康づくり運動を進めていただいております。

本市の現状について、「北名古屋市けんこうプラン21 第2期計画」後半戦の資料によりますと、本市は全国や愛知県との平均に比べ、急性心筋梗塞と大腸がんで亡くなる方が多い、腹囲が男女ともに大きい、血糖値が男女ともに全世代において高い、特定健診受診率が低いといった課題が上げられております。

また、大腸がん検診受診者数においても、他の自治体との比較ではございませんが、若い世代で少ない傾向が出ております。

これらの結果を見ますと、本市は生活習慣病にかかりやすい人が多い傾向にもかかわらず、それらを発見、指導を行える特定健診が余り受診されていない。

また、日本人の死亡原因の1位に上げられるがん、特に近年増加している大腸がんで亡くなられる方が多いにもかかわらず、その早期発見が行える大腸がん検診受診者数が若い世代で少ないということがデータとして出ており、生活習慣病予防対策と若年層への各種健診への誘導が重要な課題であることが浮き彫りになっております。

生活習慣病は健康寿命の最大の阻害要因であり、不健全な生活の積み重ねによって内臓脂肪型肥満となって、これが原因となり引き起こされる病気であります。

しかし、生活習慣病は日常生活の中での適度な運動、バランスのとれた食生活、禁煙を実施することによって予防することができ、特に適度な運動が有効と言われております。

現在、本市には健康づくりと予防医学、運動施設の機能をあわせ持った総合施設として健康ドームがあります。

また、総合体育館、市民グラウンド、二子テニスコート、ジャンボプールといったさまざまな体育施設もあります。

さらには、現在建設を行っております北名古屋清掃工場の余熱を利用した温水プールも新たに二子地区に建設が予定されており、さまざまな健康・運動施設にて市民の皆さんが運動を行える機会を提供しております。

しかし、いずれの施設においてもその運動プログラムは施設単位で管理運営されており、ましてや運動を行う市民の方々を積極的に各種健診に誘導する仕組みにはなっていないのが現状です。

ここで1つ紹介したい事例がございます。

本市と災害時相互応援協定を締結している新潟県妙高市には、ほっとアリーナ妙高高原という体育施設があります。この施設内には、全国でも数少ない水中運動専用の円形の温泉プールもあり、そのプールの外周には、水中から利用できるアトラクションとしてネックシャワー、ストレッチバー、またプールサイドとプールの出入りが容易なスロープや階段等も完備されており、まさに健康づくりに特化した施設を見学することができました。

利用者がプールを周回しながらさまざまなトレーニングが行えるように設計されており、水中での負荷は陸上の約6分の1と身体への負担も少ないため、高齢者でも安心して水中運動を行うことができるそうです。

さらに、暖房のきいた広いプールサイドを利用してホットヨガ教室を行うなど、プール本来の使い方にとどまらず、施設内の全ての空間、設備を有効に利用して多種多様な運動プログラムを提供することで幅広い年齢層が利用できる施設になっております。

また、妙高山の麓に広がる国立公園や森林などの豊かな自然の中を歩く気候療法ウオーキングと、天然温泉を利用した温水プールの水中運動を組み合わせた妙高型健康保養地プログラムも提供しております。

市内全ての健康資源をフル活用し、市民も来訪者も全ての人が健康になれる滞在型の健康保養地を目指しており、非常に人気を博していると聞いております。

さらに、妙高市では市内運動施設の利用、健康づくりに関する各種イベントへの参加、自分で設定したチャレンジ目標を達成することなどでポイントがたまり、そのためたポイントでさまざまな景品と交換できる妙高元気ポイントという事業が行われております。詳細については、添付資料をご覧ください。

このポイント事業は、運動施設の利用だけでなく各種健診の受診や親子食育講座の受講などもポイント対象としたことで、運動、食育、健診が一体となった事業になっているだけでなく、民間のスポーツクラブの利用もポイント対象にしたり、ポイントでもらえる景品に市内旅館のペア宿泊券や市内特産品を加えることで、本ポイント事業を通して市内の民間事業者にも還元される仕組みとなっております。

まさに、この事業は北名古屋市の課題であった生活習慣病の予防対策と若年層の各種健診への誘導を網羅した総合健康プログラムであり、さらには北名古屋けんこうプラン21の基本理念でもある健康づくりが単に健康な体をつくることに目的をとどめず、家族や仲間、地域の人同士の触れ合い、交流を通して市民が主体の健康ライフスタイルの確立に合致するものであり、本市にかかわる全ての人や事業者が生き生きと元気になれる事業であると私は感銘を受けました。

北名古屋市においても市内全ての施設において、固定概念にとらわれず、より多くの市民の方々が利用できる施設個別の健康プログラムの開発と、それに必要となる施設と設備の充実及び市内全ての資源を有効に利用した横断的な総合健康プログラムをぜひ構築していただきたいと切に望むところです。

ここで、当局へ3つ質問をいたします。

1つ目は、現在建設を行っている北名古屋清掃工場の余熱を利用した温水プールは、市民の健康向上及び地域の交流を目的とした施設であると私は捉えておりますが、本施設内の設備をどのように活用し、さまざまな年齢層の利用者獲得と利用者間の交流を推進しようと考えているのか、お聞かせください。

2つ目は、この温水プールにおいても練習用25メートルプールのほかに妙高市ほっとアリーナのような円形プールを導入し、さまざまな健康プログラムが提供できる環境を整え、高齢者から身体に障害のある方など、より一層の健康増進を図るお考えはありませんか、お聞かせください。

3つ目は、市民が快適な生活環境の中で心も体も健康で生き生きと毎日過ごし、生きがいに満ちた幸せな暮らしを行うためには、運動、各種健診の受診、文化・教養の習得、良好な就労など、さまざまな活動が全て同様に向上することが不可欠であります。

また、生活環境もまた健康にとって重要な要素であり、快適に住みやすいまちであるためには、市内における事業者との共存共栄もまた不可欠な要素であります。

北名古屋市けんこうプラン21においても、関係団体として商工会が名を連ねておりますように、本市に関わる全ての人及び事業者にとって本プランの効果が還元、循環する総合健康プログラムの構築が重要であると私は考えておりますが、当局はどのように健康づくりを総合的に推進していこうとしているのか、考えをお聞かせください。

続きまして、先月、大津市で発生した保育園児らが散歩している列に車が突っ込み園児らが死傷をした交通事故、川崎市で発生したスクールバスを待つ児童らが包丁を持った男に襲われるといった事件など、立て続けに幼い子供たちが巻き込まれる痛ましい事故、事件が発生してしまいました。

亡くなられた方々のご冥福と、けがをされた方々の一日も早いご回復を心からお祈り申し上げるばかりです。

外出をすれば、子供だけでなく誰もが事故、事件に巻き込まれるリスクは少なからずあるわけですが、園外活動は感受性豊かな子供たちにとってさまざまなことへの免疫力をつけられる大切な活動であり、道路を歩くためのルールを学ぶ貴重な機会でもあります。

しかし、今回のようないつもの散歩道や通学路での出来事は、子供たちにとってはもちろんのこと、私たち大人にとっても不安と恐怖を抱かせております。

今回の事件・事故を受けて、安倍晋三首相から関係閣僚会議において、園児らが集団で移動する経路や通学路の安全確保の徹底について指示が出されました。

本市においては、日ごろから歩道の整備や防護柵の設置等によるハード対策、警察やスクールガードの方々と連携した巡視等のソフト対策といった通学路等の安全確保に向けて取り組んでいただいておりますが、子育てしやすいまちとして、痛ましい事故、事件の発生リスクをより一層減らすために、改めて安全対策の点検、見直しを行う必要性を強く感じております。

ここで、当局へ質問いたします。

誰もが生き生きと安全・安心に暮らせるまちづくりを進めている中、いま一度園児の散歩コースや小学生の通学路の安全確保に対するお考えをお聞かせください。

以上、市当局の見解をお伺いします。

 

 防災環境部長(桑原邦匡)

清掃工場の余熱を利用した温水プールの活用について、お答えします。

北名古屋衛生組合では、市民の健康増進に寄与することを目的とした温水プールの建設を進めているところでございます。

初めに、施設の活用方法でございますが、水中での運動では関節への負担軽減だけなく心肺機能の向上、血行の促進などさまざまな効果が期待できるため、プールを泳ぐだけの施設として活用するのではなく、水中ウォーキング、アクアビクスといった水中運動やリラクゼーション等にも活用させていけば、泳ぎに自信のない不特定多数の方にもご利用いただけるものと考えております。

また、水中運動に限らず、プールサイドを使ったホットヨガやトレーニング室でのダンスなど、多目的なプログラムを充実させることにより幅広い年齢層で利用者間の交流も深まるものと考えております。

北名古屋衛生組合には、所期の目的達成のためにソフト面について引き続き協議してまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

 

 防災環境部長(桑原邦匡) 

清掃工場の余熱を利用した温水プールの設備について、お答えします。

現在、建設を進めております温水プールにつきましては、練習用の25メータープールのほかに幼児用プールや子供用プールがございますが、議員からご指摘のあります円形プールを導入すれば、さらにさまざまな健康プログラムが提供できる環境となり、高齢者や体に障害のある方など誰もが安心してより一層の健康増進が図られると考えますが、より効果的な温水プールにするため、平成30年度の実施設計の見直しが可能かどうか、北名古屋衛生組合といま一度協議してまいりますので、よろしくお願いいたします。

 

 市民健康部長(大西清

市内の施設を利用した総合健康プログラムについて、お答えいたします。

北名古屋市けんこうプラン21第2期計画は、市民の健康寿命の延伸を目指す健康づくりや運動の総合的な指針として策定された計画であり、市民の生活習慣の改善や生活習慣病の予防を推進していくため、市民を主体として関係機関と行政の3者が一体となって推進しております。

しかし、行政はご指摘にありましたように施設単位の事業が多いのが現状です。

ご質問にあります妙高市が実施しております妙高元気ポイントは、健康づくりに関するイベントや教室の参加、チャレンジを達成したりすることでポイントがたまり、ためたポイントでさまざまな景品と交換ができる事業で、これは健康無関心層が健康づくりの活動をしたくなるような魅力的な特典であり、かつ参加しやすいものであります。

関係部署と連携した取組を実施している妙高市や、先進自治体の情報を収集いたしまして、本市においても健康というキーワードにより、関係部署と連携した市民の総合的な健康づくりの施策及び事業者にとっても還元されるポイント制を研究してまいりますので、ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。

 

 清水晃治

ただいまの答弁で、関係部署と連携して研究していくとのことですが、どのような計画で進めようと考えているのか、お考えをお聞かせください。

 

 市民健康部長(大西清)

検討する内容、時期等につきまして、今北名古屋市けんこうプラン21第2期計画は令和2年度が計画期間となっております。

第3期計画の策定を今予定していくとなると、令和2年度に策定することになります。

この段階で、健康というキーワードをもとに、各種健診等に誘導する仕組みも含めまして関連部署と連携する事業等をこの令和2年度には検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願いいたします。

 

 副市長(日置英治)

通学路等の安全確保について、お答えをいたします。

またも将来ある幼い子供たちを巻き込む重大な事故、事件が起こってしまいました。

私も大変心を痛めているところでございます。

このような痛ましい事故に関しては、皆さんご記憶のとおり、平成24年には京都府亀山市、平成28年には横浜市で起こっており、これらを受け全国的に通学路の安全対策が実施されてまいりました。

本市におきましても、関係各課が一緒になり国や県の道路管理者、警察、市内各小学校とも連携して、通学路緊急合同点検や北名古屋市通学路交通安全対策検討会を組織するなどし、順次通学路のカラー化初め安全対策に取り組んできたところでございます。

そうした中、今回は大津市での事故に加え川崎市での事件も受け、国や県においてさらに対策等が検討されているところであり、そうした動向も踏まえながら、連携しながら対応していきたいと考えております。

あわせて、本市としても今回の事故、事件を受け、これまでの北名古屋市通学路交通安全対策検討会をもとに園児関係者も含めた体制の拡充や、事故だけでなく事件も含め子供たちを守る総合的な安全対策を、行政だけでなく関係機関、団体、地域等が連携し一緒になって話し合い検討することが重要であると考えております。

また、大津市での事故を受け、道路管理者として早速考えられる対策として、主要な交差点などにおける防護柵等の設置があると思いますので、県や警察と連携を図りながら、防護柵等の設置を調査検討するよう指示してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。

 

 清水晃治

やはり安全対策というのは、ソフト面とハード面と両方そろって初めて恒久的な対策になると私は思いますが、でもその中でもとりわけハードの部分、今答弁いただきましたように防護柵の設置などはやはり即効性があり、そして効果としては確実性があるというふうに私も考えます。

そういったことをこれから進めるに当たって、当然その際に予算はかかるわけですが、その予算措置などはどのようにお考えか、お考えがありましたらお聞かせください。

 

 副市長(日置英治)

ハード事業につきましては、当然のごとく予算が伴ってくるということで、我々は先ほども答弁させていただきましたが、過去に発生した通学路の事故、これを経験しております。

その当時、私も担当者として通学路の緊急合同点検等も携わってきたわけでございます。

そんな中で、今現在はいわゆるハード事業、通学路の整備につきましては道路改良事業、こういった中に一般の土木事業と一緒になってしまっています。

今回の事故を受けまして、その道路改良事業から持ち出して、別の事業として通学路の安全対策整備事業として1本で予算化を図って、私が考えるには、今回は緊急事態だと考えております。

できれば5年程度で早く整備をして、整備効果を上げてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

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