応急救護所の運営方法など について

沢田 哲 沢田 哲

このほど北名古屋市より市内全戸に、地震による液状化危険度、震度、建物全壊棟数率の予測を示した地震(南海トラフ地震)北名古屋市ハザードマップが配布されました。
このハザードマップには、災害の発生に備えて、家族や地域においても避難方法や非常時の連絡方法などを話し合い、それぞれが連携・協力し合って防災・減災対策に努めていただくため、このハザードマップを資料として活用していただくようにと記載されています。
この配布された地震ハザードマップには、地震が起きたときの行動の流れを1.緊急地震速報、2.地震発生時、3.地震発生直後、4.地震発生後までの基本行動パターンが記載されていますが、私が以前から危惧して過去の質問に取り上げてまいりました甚大な人的災害の発生時の負傷者に対する基本となる対応パターンの記載は表示されておらず、市民の皆様に、負傷者などをどこへどのような方法で搬送し、治療を受けられるかなどの対応は、現在は周知されていません。

私は、平成23年9月定例会の個人質問において、起こり得る大規模災害時の負傷者への対応についてを取り上げました。
その数々の質問項目に対して、当時の防災環境部長より答弁の冒頭において、「大規模災害時の負傷者への対応については、北名古屋市地域防災計画において記載していますが、本市としては大規模災害発生時におけるさらなる実効性のある体制の構築が急務であると考えており、その体制づくりを進めるために平成23年8月18日に、愛知県、西名古屋医師会、西春日井広域事務組合消防本部を初め関係部局、機関と北名古屋市役所において第1回目の災害時の負傷者の拠点づくりのための会議を開催して、今後も協議、検討を行い、大規模災害時の負傷者への対応について、できるだけ早い時期に体制を構築するよう努めてまいります」との表明をもとに答弁されました。

その1年後の平成24年9月の定例会の個人質問においては、その進捗状況について再確認しましたが、その備えは未整備な部分が多くあり、その対応は調整中と答弁されましたが、さまざまな項目に対する決定事項などの公表は現在もされておりません。
平成23年9月定例会では、当時の防災環境部長よりいただきました答弁のまとめとして、「市民の命を守ることを最優先に、ハード面については数年中に、ソフト面については今年度中をめどに体制の構築に努め、広く市民に周知してまいりたいと考えておりますのでご理解ください」と明言されております。

大規模災害発生後の対応体制はまだまだ不備の状態で、現状のままでは大災害が発生した場合には大混乱が生じ、多くの負傷者が治療を受けるための手段がわからず、最寄りの医院や病院に殺到する状況が想定されます。
そこで、起こり得る大規模災害時の負傷者への対応について、過去に行いました3つの題目で10項目の質問の答弁内容について、その進捗状況の検証をさせていただき、今後の対応などの充実に期待して質問させていただきます。

前回までの答弁に対する検証の質問内容は、災害時の負傷者への対応の拠点づくりでは、
1.大規模災害時における応急救護所について、
2.応急救護所を定めた場合の施設整備について、
3.災害時における西名古屋医師会の医師の方々の配置について、
4.応急救護所などの市民への告知の徹底について。

次、負傷者となる市民への対応では、
1.大規模災害時における119番への通報殺到に伴う電話不通の対策について、
2.救急要請が殺到することにより救急車での重篤患者への対応が困難になることについて、
3.透析者、居宅患者、中・軽症の疾病患者や高齢者への対応について、
4.負傷者の運搬、後方支援などについて。

次、医療品などの供給という観点の対応では、
1.医療品などの調達について、
2.医療品などの供給に関する市内の薬局との連携について。

以上、3つの題目において10項目の質問を過去にいたしました。
その答弁の内容はここでは省略いたしますが、検証の意味で、答弁していただいた10項目に関連して現在までの進捗状況についてなど次のとおり質問させていただきますので、責任ある回答をお願いいたします。

1.救護所の運営方法などについては、1.過去2回の答弁の中で、応急救護所の運営方法などが「決定後〇〇していく」という旨の答弁が多くありましたが、応急救護所の運営方法などは既に決定されているのでしょうか。
2.健康ドームが応急救護所となることは間違いないか。間違いなければ、西名古屋医師会との調整の中で、震災直後に迅速な医師の派遣で、負傷者のトリアージを初め、応急処置対応を健康ドームで実施することが可能な体制は整っているか。
3.健康ドームを応急救護所とする場合、電気、医療用水、医薬品などの確保は絶対に必要となるが、その機能は既に構築されているのか。
4.健康ドームの応急救護所機能に対して、その存在を広く市民の方々に告知し、周知するためには、相当の努力と労力が必要であるが、その告知及び周知の対策と多数の負傷者への対応など、市民の方々の混乱防止対策はどのように構築されるのか。

次、被災直後の負傷者への対応について。

1.負傷者の運搬、後方支援については、消防団と検討する。また、応急救護所の運用方法が決定後、消防団と調整するとの答弁でしたが、その体制は既に構築されているのか。
2.透析者、居宅患者、中・軽症の疾病患者や高齢者への対応については、地域の方々の協力を得て搬送するとの答弁でしたが、その体制はどのように地域に定着するよう構築されているのか。また、未実施であれば、今後どのような体制を構築されるのか。
3.上記の対応で、既に福祉部がモデル地区を選定し、災害時要援護者支援制度の拡充を進めており、今後も継続予定との答弁を平成24年9月にされていますが、それについて、モデル地区、制度の拡充など、現在の状況を詳しく説明してください。

次、災害時に使用目的が定められている3施設について。

1.先日、私どもに提出された北名古屋市ハザードマップに関する説明書によると、総合体育館、文化勤労会館、健康ドームの3施設には避難所は開設せずに、大災害時には物資拠点、救護部隊活動拠点、救護所としての活動拠点としての記載がされていますが、その3カ所の施設が即活用できる体制、すなわち電力・水道などの機能が喪失した場合の対応整備などはされているのか。
2.各3施設の入り口のガラス戸などに、その活動拠点としての表示用紙が張りつけてはありますが、小さくて目につきにくく、市民の皆様に、ふだんから大災害時での使用目的を徹底して周知していただくために、大型の表示看板を設置する予定の有無は。
3.その説明書には、東部休日急病診療所は大災害時には西名古屋医師会の本部が設置されるとされていますが、どのような規模の体制で設置されるのか。また、その施設は、耐震、インフラなど、本部としての機能が発揮できる状態が整っているのか。

以上10項目に対して、現在の進捗状況について質問いたしました。市民の皆様の命を守ることに重点を置いた答弁をお願いいたします。

最後に、日本列島においては、各地で火山活動の活発化や地震が頻繁に発生しており、我々の地域も大災害にいつ襲われるかわからないことを認識し、被災直後の負傷者の救出及び応急救護所への搬送は、公的機関は時間的には頼れないことを市民に認識していただき、被災地域では自助・共助を機能させることが大切でありますが、特に隣近所の助け合い、すなわち「近助」が機能することが最も重要であることを広く市民の皆様に理解していただくための啓発活動に重点を置いた地域単位の防災訓練の充実に当たるなど、災害被害者発生後の対応・対策などに惜しまぬ努力をされることを切に希望する次第でございます。
以上で質問を終わらせていただきます。

 

gray-man 防災環境部長(福永直吉君)

今回、ご質問いただきました内容は、平成23年9月定例会、そして平成24年9月定例会におきまして答弁いたしました内容の検証という意味を真摯に受けとめ、大規模災害に対し、防災環境部長として当然のことですが、市民の生命・身体を守る応急対策業務の最優先の実施を念頭に置き、取り組んでいく所存です。そのためにも日ごろからの備えを、市の各部・各課との連携はもちろんのこと、関係機関、団体とより緊密な協力関係の構築に努めてまいります。

それでは、ご質問いただきました応急救護所の運営方法などについて順次お答えいたします。

1点目の応急救護所の運営方法などは既に決定されいるのか、2点目の健康ドームが応急救護所となることは間違いないか及び震災直後に迅速な医師派遣で、負傷者のトリアージを初め、応急処置対応を健康ドームで実施することが可能な体制が整っているのかについてお答えいたします。

健康ドームは、平成25年度の北名古屋市地域防災計画の改定により救護所として位置づけたところでございます。そして、トリアージ及び応急処置の体制としましては、平成25年度より毎年、健康ドームで、トリアージを初めとした応急処置訓練及び医療機関への搬送訓練を西名古屋医師会の協力を得て、本市消防団も参加し実施しております。人材育成としては、昨年度、女性消防団員や市職員に向けた集団災害対応研修会を4回実施いたしました。こうした訓練や研修会を通じ、課題の抽出、対応策等の検討を毎年行うことで応急救護所としてよりよい運営方法を構築している段階でございます。

3点目の健康ドームでの電気、医療用水、医薬品などの確保についてお答えいたします。
健康ドームにおける傷病者等を手当てするための照明は、現在のところ小型発電機の使用で対応することを想定しております。医療用水はペットボトルでの備蓄水を、医薬品は、消炎鎮痛剤、胃腸薬、点眼薬等のほか、衛生材料としてマスク、消毒薬、口腔洗浄薬などをそろえておりますが、今後、さらなる充実を考えております。また、平成20年に西春日井薬剤師会との薬剤救護に関する協定を締結し、これにより医薬品の救護所への供給を予定しております。

さらに、西春日井地区2市1町と名古屋医師会とが平成21年に取り交わしました災害時における医療救護に関する協定に基づき、医薬品等の準備は自治体で準備するものとしておりますが、初期における医療救護活動においては、可能な範囲で医師が保有する医薬品等を携行していただくことになっております。それから、清須保健所を通して愛知県に申請することで医薬品等の供給が図られる体制も整備されております。

4点目の健康ドームの応急救護所機能の周知についてお答えいたします。
救護所の周知につきましては市のホームページや広報に掲載しておりますが、被災時に市民の皆様が混乱されることのないよう、今後も随時広報に掲載するほか、自治会長会を初め自主防災会訓練等のさまざまな多くの機会を通じて周知を図ってまいりますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。

 

gray-man 防災環境部長(福永直吉君)

被災直後の負傷者への対応についてお答えいたします。

1点目の消防団の体制でございますが、本市消防団は、健康ドームでの救護所運営訓練にあわせ、健康課職員とともに毎年、負傷者の搬送等の訓練を実施し、支援体制を構築しているところでございます。

2点目の透析者、居宅患者・中・軽度の疾病患者や高齢者への対応と体制の構築及び3点目のモデル地区の拡充と現状につきましては、透析者等の要配慮者のうち、みずから避難行動をとることができない避難行動要支援者への対策として、平成22年度から加島自治会及び中之郷自治会をモデル地区として事業を進め、両地区においては自主防災会訓練等で検証しながら実効性を高めるご努力をしていただいているところでございます。

市としての拡充策といたしましては、平成25年度に避難行動要支援者名簿作成に係る電算システムを導入し、名簿に地図情報を加え、より速やかな避難行動が可能となりました。このシステムによる名簿は平成26年度に作成し、全自治会に配布をしたところでございます。

モデル地区におきましては、実効性の高い体制ができつつあると考えております。市としては、今後におきましても市民一人一人に防災に対する意識を高めていただき、自主防災会が行政と連携しながら自主的・主体的に地域を守れるよう後押しをしてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 

gray-man 防災環境部長(福永直吉君)

災害時に使用目的が定められている3施設についてお答えいたします。

1点目の電力・水道などの機能喪失時における対応整備につきましては、総合体育館は物資拠点としての物資の仮置き場所、文化勤労会館は主に活動を自己完結する自衛隊等の活動拠点として考えておりますので、電力・水などを喪失するようなことがあっても、拠点としての使用は可能と考えております。
救護所である健康ドームにつきましては、停電時の自家発電機がございますが、救護所として十分なものではなく、小型発電機の使用を想定しております。また、水につきましても、断水時の対応としては、備蓄保存水等の搬送による対応を想定しております。

2点目の活動拠点の表示につきましては、今後、大型でわかりやすい表示に変更してまいります。

3点目の大災害時に東部休日急病診療所に設置される西名古屋医師会本部の規模と体制については、基本的には西名古屋医師会所属の全ての医師が集合されることになりますが、災害時には医師自身の被災、交通手段の分断等が予想されますので、集合可能な医師での規模、体制になると想定しております。

また、東部休日急病診療所の耐震性については、施設の建築が耐震構造に係る建築基準法改正前の昭和52年であることから、耐震診断等の調査の必要があると考えております。

次に、本部としての機能については、電気は現在のところ小型発電機の使用を、通信については西名古屋医師会が災害時優先電話を導入しておりますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。

 

沢田 哲 沢田 哲

答弁、いろいろいただきました。
今の答弁を受けていまして、ここで本当に大災害が発生した場合、果たしてさまざまな十分な対応が可能かなあと不安を感じるのは私だけではないと思います。

しかし、いろいろ困難な部署間などのハードルは高いと思いますが、北名古屋市民の安全・安心を担う防災組織のリーダーのトップである防災担当部長の強力なリーダーシップをいただきまして、早急に今回質問させていただきました項目について、市民が安心していただけるような体制を構築していただくことを切に希望させていただき、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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