不登校対応および公衆無線LAN(Wi-Fi)整備計画について

 神田薫

初めに、いわゆる教育機会確保法を受けての不登校対応についてを教育長にお尋ねいたします。

義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(以下「教育機会確保法」)が、さまざまな議論を経て平成28年末に成立しました。この背景は、文部科学省発表の30日以上欠席した不登校児童・生徒が全国で約12万6,000人との現状を受けてのことです。

本市では30日以上欠席した不登校児童・生徒は99名、約3割が小学生、中学生が約7割(平成28年12月現在)とのことです。

この不登校児童・生徒等への支援立法は、不登校児童・生徒の学校復帰を中心とした対応から学校復帰を必ずしも前提としないフリースクール等々の学びが認められたものであり、教育現場に大きな変化をもたらすものと私は捉えています。

教育機会確保法の特徴は、

1.不登校児童・生徒の定義を、相当の期間学校を欠席する児童・生徒であって、集団の生活に関する心理的な負担その他の事由のため就学が困難である状況とし

2.国、自治体が責任を持って教育機会確保施策を総合的に対策に当たる

3.不登校児童・生徒が行う多様な学習活動の実情を踏まえた必要な支援、そのための学校環境の整備

4.教育確保活動を行う民間の団体等との密接な連携

5.不登校児童・生徒の休養の必要性と学校以外の場の学習活動の重要性を認めている

と捉えています。

本市では教育支援センターが開設されており、毎月3名から10名前後の中学生が利用していると聞き及んでいます。教育機会確保法をどう受けとめ今後の不登校対応に生かすのかを、教育長にお尋ねいたします。

次に、公衆無線LAN(Wi-Fi)整備計画の検討を総務部長にお尋ねいたします。

平成27年に防災機能Wi-Fiつき自動販売機設置検討を質問いたしましたところ、その後、西庁舎に設置をいただきました。この分野は流れが早く、今や駅、鉄道、飲食店、ショッピングセンター、コンビニ等々商業施設は無料Wi-Fi環境が整備・推進され、ご利用の方々も多いのではないかと推察いたします。

総務省が日本復興戦略2016で、防災等に資するWi-Fi整備計画を2020年までに、災害時の避難場所の公立学校や公園、博物館等々に公衆無線LAN(Wi-Fi)整備をする方針を固めたとの報道がありました。

東日本大震災時、固定・携帯電話はパンク状態、インターネットは機能していたと言われ、公衆無線LAN(Wi-Fi)整備分野は、防災、観光、教育、介護での利活用が進んでいます。

本市も災害時の情報収集を図る公衆無線LAN(Wi-Fi)を整備し、利活用を検討していくべきと思っています。既に本市内の学校等では無線LAN設置が進んでいます。平時は教育活動に生かし、災害時に活用できるというわけにはいきませんか。

実例として、総務省補助事業で整備したWi-Fiの活用事例として、熊本地震発生を受け、災害時に90%の方々が、くまもとWi-Fiが役立ったとしています。

防災拠点となり得る公園、避難所、庁舎等々で適切な災害情報、避難情報を適切なタイミングで提供し、地域住民が安全に避難することを支援する仕組みを構築、提供する必要があります。災害対策本部室も設置され、情報の収集や共有の機能も充実していると推察されます。

そこで、市役所全体の取り組みとしまして、災害時においても市民への情報提供や市民間での情報共有ができる環境である市域の公衆無線LAN(Wi-Fi)整備計画の検討を進めてはいかがでしょうか。ご答弁をお願いいたします。

 

 教育長(吉田文明君)

教育機会区確保法をどう受けとめ、どう生かすかについてお答えをいたします。

この法律は本年2月14日に施行されております。国、市町村に対し、不登校児童・生徒等に対する教育機会の確保に関する基本理念を定め、総合的施策を推進することを求めたものでございます。

現在、市内の各学校は、不登校の未然防止はもとより、早期発見・早期支援を初め個々の不登校児童・生徒に応じた多様な取り組みを行い、楽しく豊かな学校生活が送れるように支援に努めております。

例えばある小学校では、前年度の欠席日数が全体の3分の2程度であった児童が、先生や学校支援ボランティアの指導や支援により、少しずつ自信を取り戻し、欠席数が3分の1程度に半減したケースがございます。

また、教育支援センターにおいては、個に応じた学習支援、自立支援など豊かな教育支援を行っており、ある中学生は所属学校の定期テストで上位になったケースもございます。

不登校が微増する中、このように好転した事例は多くございます。国の追跡調査によりますと、不登校であった生徒の高校進学率は85%、その中退率は14%です。さらに、大学・専門学校への就学は38%であります。このように、不登校生徒の進路状況は極端に悪いことはなく、未来を展望できる状況になってきています。

いずれにしましても、法案の基本理念に基づき、まずは不登校の未然防止に力を注ぎます。しかし、力及ばず不登校に陥った場合は、早期復帰を目指し、不登校に至った状況を受けとめ、共感し、寄り添い、柔軟な教育的配慮や支援を行います。

さらに長期化が懸念される場合は、可能性を信じ、最善を選択し、支え、見守り続け、社会的自立や社会参加を粘り強く促してまいります。

 

 総務部長(能村義則君)

公衆無線LAN(Wi-Fi)整備計画についてお答えいたします。

ご質問にもありましたとおり、東日本大震災や熊本地震における状況、そして総務省が防災等に資するWi-Fi環境の整備計画を定めたことからも明らかなように、公衆無線LAN環境の整備は災害時に必要な情報伝達において非常に有効であり、今後の整備が期待されているところでございます。

しかし、ご承知のとおり、公衆無線LAN環境は第三者による傍受が可能ですので、セキュリティーの脆弱性を狙った悪用が考えられ、リスク対策のために適正な運用と適切な維持管理が必要であります。また、情報通信技術は日進月歩でございますので、そうしたリスク対策も不断のものとして取り組むことが求められます。

このような中で本市の整備計画を考えるに当たり、昨年の熊本地震においても役立ったと言われている「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」という取り組みに注目をしております。

これは、先ほど市長の答弁でも触れられておりますが、契約している携帯会社にかかわらず、ほとんどの携帯会社からの電波を無料で使えるようにする仕組みで、昨年の3月に3回目のガイドライン改訂が行われたところでございます。

熊本市において国内外からの来訪者に観光情報を提供する目的で運用されている「くまもとWi-Fi」が災害時にも大変役に立ったとご案内いただいたところですが、本市においては平時における公衆無線LANが市民にもたらす公益とセキュリティーが脆弱であることによるリスク対策に係るコストをしっかり検討の要素に上げて考え、当面、庁舎や避難所施設内を対象に、各担当課と十分に協議を行いながら進めていきたいと思います。

なお、小・中学校において整備した無線LAN設備につきましては、非常時には公衆無線LANに切りかえる機能を持たせておりますので、ご理解をお願いしまして、答弁とさせていただきます。

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