神田 薫
昨年12月には、愛知県下交通死亡事故多発緊急事態宣言が発せられ、現在、脱ワーストワンを目指す取り組みがなされています。本市でも交通安全への意識啓発、対策等に、行政、教育機関、各自治会、各団体等が取り組まれる姿を見聞きしています。その努力のかいがあり、本県はことしの2月19日現在、全国交通事故死亡者数は全国で2位のようです。いずれにしても、第10次愛知県交通安全計画(中間案)に述べられていますが、交通安全の確保は安全で安心の社会を実現させるための重要な要素です。
本県の交通事故等の概要としましては、過去5年間における2月中の交通死亡事故等の分析、平成28年1月28日愛知県警察本部交通部発表によると、死亡事故39件の事故類型は、横断中の事故が11件、年齢層は高齢者が8割を占めているとあり、今後、高齢化の進展の中、高齢者を事故から守ることが焦点です。また、あわせて交通弱者と言われる子供たちも含む対策が急務です。
本市の人身事故件数は平成26年595件、平成27年は499件、物損事故は平成26年2,251件、平成27年2,202件です。さらに、自転車と車の事故は出会い頭が最も多く131件中82件、次に右左折時32件が現状です。
この現状の背景としましては、我が国は団塊の世代が65歳に達し、高齢者人口は約3,300万人を超え、総人口に占める割合は26%、4人に1人が高齢者となり、超高齢社会を迎えました。厚生労働省によると、日本人の平均寿命は2014年で女性が約86歳、男性約80歳となっており、過去最高を更新し、人生90年時代を迎え、さまざまな制度や仕組みなど、超高齢化社会に対応した見直し、意識改革が求められているところです。
そこで、防災交通課長に2点お尋ねいたします。
1.約1カ月もすれば新たな年度を迎えます。本市は平たんで狭い市域です。事故防止策は本来、歩行者と車を完全に分離する方式が理想ですが、非現実的です。高齢者の交通死亡事故は道路横断中の事故が最多であること、また自転車と車の事故が出会い頭、右左折時に事故に遭いやすい現状から、各自治会と話し合いを重ね、市域全体を計画的に生活道路などに立て看板などを設置し、自転車・歩行者が安全に往来できるよう市域全体の車の流れを変え、事故の防止を図るお考えはありますか。
2.生活の足に利用されている自転車利用に伴う安全啓発は大切な課題です。お隣の一宮市では、「高齢者安全対策138 これで安全なのだ」という取り組みがなされています。西枇杷島署では「あっぱれカード」で安全啓発に努めてみえます。本市でも安全啓発活動として、健康と安全を組み合わせた脳トレなどプログラムを導入し、受講者に講習修了証等を配布するなど、検討されてはいかがでしょうか。
防災環境部防災交通課長(大野勇治君)
高齢者等の交通事故防止についてお答えいたします。
初めに、立て看板設置による自転車・歩行者の安全確保についてでございます。
立て看板には現場に応じた注意内容を記載しており、これに従っていただけるドライバーもあるため、一定の効果はあるものと考えられます。
幹線道路の抜け道になってしまっている生活道路や見通しの悪い交差点、路上駐車が多い道路では、法規制の有無にかかわらず、これまでも立て看板による注意喚起をしているところでございます。
また、自治会などから危険箇所の情報をいただきながら設置をする場合もございますので、今後も各地区の皆様からの情報を得ながら、効果的な設置をしてまいりたいと存じます。
次に、自転車利用に伴う安全啓発につきましてお答えいたします。
ご質問にありましたように、高齢者の交通死亡事故が多発する中、市では高齢者がお集まりになる機会を捉え、警察署員による交通安全講和を開催するなど、高齢者の交通安全意識の高揚を図っております。
また、西枇杷島警察署管内の高齢者交通安全対策検討会では、老人クラブや民生委員の皆様を交え、高齢者がかかわる交通事故の分析、啓発方法の検討をしているところでございます。
ご提案をいただきました脳トレプログラムは、高齢者に特化した要素がございまして、啓発活動の手法の一つになり得ると考えますので、導入につき調査・検討させていただきたいと存じます。
神田 薫
ご答弁の中に、交通安全対策検討会というものをお答えになりました。
ここら辺の活動内容等、ご教示願えませんでしょうか。
防災環境部防災交通課長(大野勇治君)
先般行われました検討会におきましては、これまで運転者側に注意を促し、ご高齢の方ですとか子供さんを守っていくという運転者側から見た啓発活動が中心となっておりましたが、先般の検討会では、ご高齢の方々に、まずご自分の行動パターンですとか、そういったものをお考えいただいて、ご高齢者の側からみずからを守っていただくと、そんな手法ができないかということを検討しております。以上でございます。
神田 薫
市民の安全確保のためには、その対策についてやり過ぎることはないと私は信じております。
そこで大野課長、今後の熱い思いで新たな計画等があれば教えてください。
防災環境部防災交通課長(大野勇治君)
先ほど申し上げましたように、ご高齢者みずから守っていただくために、実際の事故現場などを見ていただく、実際の事故原因を知っていただく、そういった分析を各自していただいて、ご自分であればどのようにしたらその事故が防げたのか、そういったことをお考えいただいて、ふだんの自身の行動につなげていただく、そういった手法で事故をみずから防いでいただくようなことを検討してまいりたいと思っております。