渡邊幸子
27年も1カ月足らず、季節の移り変わりは早いもので、朝夕はめっきり寒くなり、色づいた木々の葉も少なくなり、冬の気配を感じるこのごろです。
現在、少子・高齢化や核家族化の進行などに伴う社会構造の変化によって、地域にさまざまな課題が生じてきています。また、市民の意識も、物の豊かさから心の豊かさへと変化し、ニーズも多様化、複雑化しています。80年代のバブル崩壊後、日本経済は低迷を続け、生産年齢人口も減少し、厳しい行財政状況の中、限られた行政資産だけでは拡大する公共サービスの全てに対応することが厳しくなっています。
また、一方では、地域が抱える課題を意欲的に解決していこうとする地域団体やボランティア団体、企業などが増加してきています。それぞれが持つ知恵や資産を持ち寄り、協働で積極的に地域や社会課題にかかわり、公共をみんなで支えていこうとする市民活動が高まりつつあります。
従来の発想では解決が難しかった地域課題の解決や従来の地域を支えた新たなコミュニティーが生まれることで、市民自治の力を結集し、防犯・防災から子育て支援や高齢者が安心して暮らせるような希望に満ちた地域づくりを目指し、地域の総意による地域に密着した地域が必要とするサービスなどを協議する場が必要です。
このような仕組みとして、コミュニティー・プラットホーム(近隣自治組織)の構築が必要です。本市では協働による住みよいまちづくりを進めていますが、協働の主体は行政と市民です。市民がまちに誇りを持ち、住んでいる市民はもちろん、訪れた人も住んでみたい、住み続けたいと思うまちづくりのためには、市民、地域住民、NPO、公益団体、グループ、企業等の参画は不可欠です。そこで、行政としての市民協働のまちづくりについてお伺いします。
1点目、平成23年当初と現在とでは、行政(職員間・部署間)の取り組み、意識は変わりましたか。
2点目、現在、市民に活動していただくスペースが狭く、複数の団体が同時に利用できない状態で、取り組みされている団体、自治等間の交流もなされていないようですが、他の会議室等を借りて意見交換会などをされてはいかがですか。
3点目、市民協働への取り組みを広く理解していただくPR活動は、今後どのようにされますか。
市制10年、新しい北名古屋市のモデルになるよう、しっかりと市民と行政が一緒になって未来を考え、安心・安全のまちづくり事業に取り組んでいただきたいと思います。
以上の3点について、市民活動推進課長の具体的な計画等があればお答えください。
総務部市民活動推進課長(増田隆君)
市民協働のまちづくりについてお答えいたします。
市民協働は、議員が言われるとおり、地域の住民やNPO、企業などの団体の皆様方が行政と一緒になってまちづくりに取り組むことを目的としており、少子・高齢化などの社会構造の変化により、その必要性はますます求められていると思います。従来のように行政から市民へ一律に公共サービスを提供するという発想ではなく、市民相互の対話の中から地域の課題を共有し、住民自治の取り組みとして解決することが望ましい姿であると思います。そうした取り組みに対して、行政は可能な支援をします。これからのまちづくりには、こうした地域力を育てる取り組みが求められていると考えています。
そこで、1点目の行政(職員間・部署間)の取り組み、意識の変化でございますが、現在、全課に市民協働担当職員を配置し、現状の公共サービスの中で市民との協働で実施できる取り組みはないだろうかと考えてもらっています。その一環として、市民活動団体が実施する市民協働推進補助事業から市民活動団体に委託できる公共サービスを見出す流れがつくられております。
さらに、市民協働職員研修の開催案内を市民協働のフェイスブックに掲載をしたり、他市町の職員にも直接お声かけをして広く参加をいただくことにより、具体的な先進地の事例を学びながら交流をしております。こうしたことが職員の市民協働意識の啓発につながり、少しずつではありますが、職員の意識も変化してきていると感じております。
2点目の団体間の交流、意見交換会でございますが、ご存じのとおり、市民協働推進補助事業実施後の報告会などにおきまして、団体間の交流会をあわせて実施しております。ただ、独自の団体交流会や意見交換会そのものも必要でございますので、来年、西庁舎にオープンするコミュニティセンターを活用した交流会なども検討いたします。
3点目のPR活動につきましては、現在実施している市民協働のフェイスブック及び広報紙に、市民活動団体の取り組みや市の事業を今以上に積極的かつ継続的に掲載することを通して周知を図ってまいりたいと考えています。
初めに申し上げましたように、市民協働は市民の皆様の対話の中から、みずから地域の課題を見つけ解決するという流れをつくることが大切であり、その成功体験、感動が次世代へ引き継がれるエネルギーになると思います。
今後は、そうした取り組みを市としてモデル的に検討し、そこに職員を初め他の団体や市民を巻き込みながら実施していきたいと考えておりますので、ご理解とご協力をよろしくお願いいたしまして、答弁とさせていただきます。
渡邊幸子
答弁のほうをいただきました。
こういった事業は、やはり職員さんだけでなく、市民が一緒にならなければならないと思います。先進的な他市町も参考にしながら、いろんな活動をしていただいていることはとてもいいと思います。来年度に向けて新しいコミュニティセンターの活用も考えられているとお聞きしましたので、細かいそうした交流ができればなあと思っております。
ただ、これから、こうした問題の中で、成功例とか関心が高まるようなつくり方をしなければならないということは、各自治会にコミュニティー・プラットホームのような、今後、各自治体が個々に活動できるようなことが大切だと思います。
そうした中で、先ほどの答弁の中でモデル的なことを考えておられるとお聞きしましたが、どのようなことを考えておられますか、再度お聞きいたしたいと思います。
総務部市民活動推進課長(増田隆君)
モデル的な取り組みということでございます。
先ほど私、答弁の中で、市民の皆様が対話の中で課題を見つけ、解決していく流れをつくることが大切ということを申し上げました。
今、合併10年がたちますけれども、これからのまちづくりに求められるのは、市民の皆様の力、地域力の向上、育成だと思います。地域には、防犯などを初め、障害者の方、またお年寄りの皆様の見守りなど、多くのいろいろな課題がございます。
それを例えばモデル的な事業として、協働カフェのような手法で、地域の皆さんが顔を合わせて話し合うことにより、防犯で一番の地域づくりを目指すことなどモデル的な取り組みを検討して、自分たちの地域力を高めていく流れをつくっていくことができるようにしていきたいと考えておりますので、よろしくご理解のほうをお願いいたします。
渡邊幸子
答弁のほう、いただきました。
モデル的にカフェとかなんか、今、熊之庄とかもされていると思いますけれども、それが数多くできればなあと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。