桂川将典
市民協働活動の拠点整備についてお伺いをいたします。
多様化する地域ニーズや地域課題に対応するため、北名古屋市では平成23年より市民協働のまちづくり活動について推進してきました。
市民協働とは、地域課題を広く、行政、市民、自治会、市民活動団体、事業者などが、公共の利益という共通の目的に向かって、ともに考え行動する取り組みであり、自治会・町内会といった地縁型組織、ボランティア・NPOなどの目的型組織との間で、これまでなかなか連携が難しかった人的交流を円滑に進めるなどといった、その実現が難しかった取り組みにチャレンジすることを通じて意識的に公共の形を再構築する活動であると私は考えております。
市民協働に、どれほどの市民の方がご参加くださっているのでしょうか。
北名古屋市の市民協働ウエブサイトのデータによりますと、平成26年の時点で市民協働モデル事業として活動する団体が7団体、市民活動団体として登録されているのは32団体、さらにそのほかに市民協働推進事業補助金交付団体があります。
これら団体に所属する大勢の市民の皆様が市民協働の枠組みに直接参加されており、またほかにも自治会活動など旧来からの活動と合わせますと、本当に非常に多くの市民の方々が市民協働に携わってくださっていることは間違いありません。
さて、この市民協働がスタートして本年で4年目を迎えるわけですが、市民協働の発展という将来的なことを考えますと、市民協働の取り組みは、いつか市民の手によってリードされるようになるべきではないかと思うのです。
なぜこのようなことを申し上げるのかといいますと、私は過去に3度ほど、熊之庄協働カフェに参加させていただきました。
会議の進め方としてのファシリテーションの技術を学ばせていただきたく思い参加したわけですが、結果から言いますと、たかだか3回ほど半日の研修に参加した程度でファシリテーションの技術は残念ながら身につきませんでしたが、しかしそこで私は大きな自信を得ることができました。
それは、市民同士がそれぞれ手をとり合って公共の利益に向かうことが可能だという経験でした。
そこにあるのは、市民対行政の対決の図式ではなく、互いに相手を尊重し、意見を言うという当たり前のコミュニケーションをする人間関係でした。
この当たり前のコミュニケーションができる市民協働の取り組みの中にこそ、これからの行政経営をよりよいものへと変えられる機会があるとも思いました。
ですからこそ、行政は市民協働の取り組みが、より自発的なものへと変化する方向へ誘導し始めなければならないと思うわけです。
ここでお尋ねをいたします。
市民協働の取り組みついて、今後、どうしていくことを考えているのかお聞かせいただきたい。
次に、名古屋芸術大学と北名古屋市の地域のまちづくりの推進についてお尋ねをいたします。
名古屋芸術大学と北名古屋市は、平成20年10月より北名古屋市と名古屋芸術大学との連携に関する協定を締結しております。以来さまざまな取り組みが行われております。
平成26年度、名古屋芸術大学との主な連携事業として実績報告資料が北名古屋市のウエブサイトの掲載されており、これによりますと、初夏のミニコンサートや西春駅東線への彫刻モニュメントの設置、旧加藤邸アートプロジェクトなど、市民の皆様に芸術に親しんでいただく機会としてよいことであると一定の評価をしております。
連携に関する事項は、知的・物的資源の相互活用、人的交流及び職場体験の推進、教育・スポーツ及び文化・芸術の相互交流、地域のまちづくりの推進などが上げられていることから、この連携協定が理想的に機能すれば、北名古屋市のイメージづくりにとって名古屋芸術大学は非常に大きな力になる可能性があると期待を寄せているところです。
さて、この名古屋芸術大学が徳重・名古屋芸大駅すぐにあるビジネスホテル徳重を買収し、昨年12月にゲストハウス「ここの」オープンハウスイベントを開催されたところであります。
そのときには、来春から施設活用が開始される予定だと聞き及んでおりましたが、その後、特に変化もない様子であります。個人的につながりのある学生や助手に尋ねてみても、どうなっているのか知らないということでした。
ここでお尋ねをいたします。現在、この施設はどういった状況となっているか、把握はされていらっしゃいますでしょうか。
現在の市民協働スペースは西庁舎3階に設置されており、その利用時間は平日午前9時から午後5時までと、働いている現役世代には非常に利用しにくくなってしまっております。
市民協働には定年退職した世代の方々が多く参加されていらっしゃいますので、利用時間はそれでもいいのかもしれません。また、そういった方々のほうが、市民協働に参加しようという意欲が高いということも恐らく正しいのだと思います。
ですが、将来のことを考えた場合、積極的に取り込んでいくべきは現役の若者世代であるはずです。
若者たちを中心とする現役世代が市民協働に取り組みにくいということも彼らを遠ざけている一因であると思います。
一人でも意識ある若者がご参加くだされば、周囲の友人・知人の公共意識に大きな一石を投じることができるはずです。
先ほど名古屋芸術大学のゲストハウス「ここの」の状況をお尋ねした理由は、せっかくの立地、せっかくの施設、そして何より芸術大学という大変貴重なリソースを持っている名古屋芸術大学と連携協定を結んでいる本市が、一緒になってこの施設活用を図ることは大変有意義であると思うからです。
もし市民活動スペースの運営を名古屋芸術大学との連携に基づいて名古屋芸術大学の施設の中で行うことができれば、若者たちにとっては非常に有意義な経験をする場、大学にとっては地域のまちづくりの研究と実践の場、そして北名古屋市にとっては市民が大学と近づくことができる場になります。
最後にお尋ねをいたします。
市民協働の活動拠点を土・日にも利用可能な庁舎外に持っていくことについて、特に名古屋芸術大学との連携についてどのようにお考えでしょうか。
以上で質問を終わります。
総務部市民活動推進課長(増田隆君)
市民協働活動の拠点整備についてお答えいたします。
初めに、市民協働の取り組みについて、今後どうしていくことを考えているかでありますが、市民協働を進める目的は、今までにはない市民参画によるまちづくりです。これには市民と行政、その両方の意識改革が必要ですが、まだまだ道半ばと考えております。
そうした中で、例えば議員が参加をされた熊之庄協働カフェは、誰もが気楽に参加し、楽しく対話ができる仕組みが考えられており、こうした取り組みに参加することは、市民が地域の課題を見つけ、対策を検討し、解決をしていくための第一歩になり得ると考えます。
こうした事業を各地域に広げ、自治意識を持っていただく市民をふやしながら、その中で地域人材とも言うべき財産をふやしていくことが大きな課題であると認識しています。
ただ、市民協働は行政との協働であり、行政側の職員にも市民協働意識が必要です。そのため、職域においては地道に意識改革に取り組む一方で、外部から協働推進に関する専門的なノウハウを導入する取り組みの検討を始めました。
次に、名古屋芸術大学が取得された旧ビジネスホテル徳重の活用がどういった状況になっているかについてお答えします。
この施設の活用方法につきましては、現在も決まっていないということを大学関係者からお聞きしております。
施設は名鉄の徳重・名古屋芸大駅にも近く、市外の方も立ち寄りやすい地理的にも好位置にあります。
市民協働をさらに推進し、多くの市民に浸透させて、市民協働に携わる市民をふやしていくためには、誰もが日常的に休日にも気楽に訪れることのできる場所が必要で、この施設は、その意味では大変適していると思います。
それを踏まえて、最後に市民協働活動の拠点整備についてお答えします。
現在、市民協働活動の拠点にかわる施設として西庁舎内に設置している市民活動スペースは、利用できる時間に一定の制約がある中で、団体の皆様には資料づくりや打ち合わせなどに気楽に活用していただいており、さらに有効に利用していただける方法を検討しています。
将来的にはNPOなどの市民活動団体が常駐かつ運営し、休日や夜間にも利用することのできる適切な拠点が庁舎外部にあるとすれば、それは市民みずからの手で進めるまちづくりの手法として最も望ましい姿であると思います。
そのため、初めに申しました地域における人材づくり、また地域や職域での意識改革に今後力を注ぎ、既存の民間施設などを活用した新たな市民協働活動の拠点整備を検討してまいります。
中でも名古屋芸術大学との連携は最重要課題と認識しておりますので、先ほど申し上げました旧ビジネスホテル徳重の活用においても、市としてできることを協力していきたいと考えておりますので、ご理解、ご協力を賜りますようお願いいたします。
桂川将典
非常に前向きにご答弁をいただきました。ありがとうございました。
今、ご答弁いただいた中、最後のところですね、将来的にはNPO、市民の手に委ねた市民協働の方向性というものを今後求めていきたいと。そして、望ましい姿としては、やはり活動の拠点は庁舎外にあるべきだというようなお考えをお持ちだと伺いました。
このあたり、これから名古屋芸術大学さんともし連携の可能性、その辺を図っていくのであれば、庁舎内として、北名古屋市としての意思統一をする必要があるのではないかと考えております。そのあたり、いかがでしょうか。現状のところのお気持ちをお聞かせください。
総務部市民活動推進課長(増田隆君)
名古屋芸術大学のほうが旧ビジネスホテル徳重を取得された目的というのがあるかと思います。ただ、その活用方法の一つとして、市民の方が気軽に集い、また先ほど答弁でも少し触れさせていただきましたが、休日や夜間にも利用することのできるコミュニティセンター的な機能を考えていただけるということであれば、市としてできることを協力してまいりたいと考えております。