神田 薫
通告に基づき、2点、能村総務部長にお伺いします。
初めに、広島・長崎訪問の隔年実施について質問します。
人類史上で、2発の原爆をこうむった我が国、広島、長崎2都市は、怒りの広島、祈りの長崎とはよく用いられる表現です。本市では、平和事業として長崎訪問は一度なされてはいますが、広島への平和記念式典参加を基本にしています。
そこで、広島、長崎訪問の隔年実施はできないものだろうか。平成27年は終戦70年、原爆70年、国連創設70年等の節目の年です。国内・国際論調、ネット上にさまざまな動きが見られます。
原爆に関しては、我が国は癒やされない原爆症の苦しみと、被爆国であることにはかわりありません。平和事業は、次世代が現場を見聞してこそ、痛み、命の尊厳等を心に焼きつけることができるものです。次世代に何をどう伝えていくか、冒頭に怒りの広島、祈りの長崎と言いましたが、被害者の方々をおもんぱかれば怒りでしかないはずです。
広島、長崎訪問の隔年実施をし、式典参加のみならず生き証人の語り部さんからの伝承も大切と考えています。ご答弁をお願いいたします。
次に、次期総合計画の取り組みについて、北名古屋市総合計画では、計画的に幾つかの課題解決を図っておられます。
今後、本市の人口は大枠では少子・高齢化の流れです。国立社会保障人口問題研究所の推計は、微増ではあるが人口増加傾向です。それも2020年をピークに、8万4,000余人から緩やかに人口減少に転じ、2040年には8万1,000人になると推計しています。この人口推移を参考に、また本市の公共施設設備等々社会資本の老朽化は免れず、次期総合計画に対策等々を盛り込んでいかなければならないと考えます。
NHKのテレビニュース解説番組の「視点・論点」で「社会資本老朽化の解決策」、東洋大学、根本祐二氏の論考を目にしました。他の学者さん方もいろいろ解決策を提言、論考しているところです。
そういった状況を踏まえ、次期総合計画の策定を進めるべきと考えますが、当局の考えをお聞かせください。
総務部長(能村義則君)
広島・長崎訪問の隔年実施について、お答えいたします。
本市では、平和啓発事業の一つとして、毎年、中学生を中心とした平和の使者を被爆地で開催されている平和記念式典に派遣しております。派遣先としましては、ご質問のとおり広島市への訪問を基本に考えており、長崎市への訪問は平成24年の一度にとどまっています。
その理由としましては、1泊2日で長崎市を訪問する場合、航空機を使用することになり、現行の長崎行きの便は朝が早く、帰りの便は夜遅くの到着となってしまうということから、送り迎えをお願いする親御さんや参加する中学生にとって非常に厳しい日程にならざるを得ないという事情があります。
しかし、長崎市は、ご質問のように祈りの長崎と言われ、町全体が平和祈念式典に向けて平和一色の事業を展開されています。長崎には長崎でしかできない貴重な体験があると思いますので、訪問の日程や予算面を考慮しながら、長崎への訪問も視野に置いておきたいと考えております。
また、生き証人の語り部さんからの伝承ということも非常に大切なことであると思っております。ことしの広島訪問で、語り部の方たちの話を聞く機会に恵まれました。子供たちはとても熱心に耳を傾けていたと聞いております。
なお、平和の使者以外でも被爆の実相を後世に伝え残すことが必要であると考え、ことしの文化勤労会館で開催しました原爆パネル展では、被曝された方の体験談をビデオに収録した被爆者証言ビデオを放映いたしました。
これからも平和事業には積極的に取り組んでまいりますので、ご理解いただきますようお願いいたします。
神田 薫
ただいまの中で、訪問の日程、そして予算を考慮しながらというような文言が出ました。
といいますと、逆に言いますと、交通手段が整えばこういった隔年の実施も考えていくと、そういった方向でよろしいでしょうか。
総務部長(能村義則君)
交通手段などの環境変化を見ながらなんですが、使いやすい航空便が出てきましたら前向きな検討ができると、このように考えております。
次期総合計画の取り組みについて、お答えいたします。
現行の総合計画の計画期間は、平成20年度から平成29年度までの10年間となっており、現在7年目を迎えておるところでございます。
そうした中、平成23年の地方自治法改正により、総合計画の策定とその議決の義務が削除されました。これにより、現在は総合計画の策定に係る裁量が地方自治体に任されている状態になっております。
北名古屋市におきましては、次期総合計画を市の健全な発展を促進するための計画と位置づけ、ご質問のように、将来的な人口減少や人口構造の変化を前提に、計画を策定していく所存でございます。
特に、税収に与える影響と扶助費、補助費を初めとする削減の難しい行政コストへの対応を考えながら、その一方で、老朽化の進む道路、橋梁など生活に密着したインフラや公共施設をいかに安全で適切に管理するかという課題を前提に、非常に難しい計画を策定しなければならないと考えております。
そのような中、本年4月、総務省より地方自治体が管理するインフラや公共施設に関して、長期的な視点で財政負担を軽減、標準化するために、公共施設等総合管理計画を策定するよう要請がありました。
この計画の対象施設は、さきに述べた道路や橋梁などのインフラや、小・中学校を初めとする全ての公共施設であり、北名古屋市としても平成28年度までに計画の策定を予定しております。
しかし、昨今の経済事情やふえ続ける社会保障費などを前提に考えると、今後一斉に更新時期を迎える公共施設の全てを維持更新し続けることは、いずれの自治体においても非常に難しいことだと考えられております。
ご質問で、東洋大学の根本祐二教授の論考に触れておられますが、根本教授は、公共施設の最適化を図るためには、計画的な予防保全による長寿命化と、複数の自治体でお互いに施設を利用し合う広域化、それから1つの施設に複数の機能を持たせて集約する多機能化など、さまざまな方策について述べておられます。
北名古屋市におきましても、そうした方策をミックスさせながら、まずは総務省が主導する公共施設等総合管理計画を練り上げ、それを踏まえた上で、将来的な人口減少による行政需要の変化を念頭に、次期の総合計画を策定してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。
神田 薫
ただいま総合計画の前に公共施設等総合管理計画を策定する要請云々ということがございました。このあたりは、もう取りかかっておられるのか、いつごろから入られる予定なのか、お知らせください。
総務部長(能村義則君)
予算計上の必要があることから、ことしの9月の初めのころから、総務部と財務部、具体的には総務課と経営企画課と財政課、この中から6名のメンバーを選んで、検討を始めておるところです。
今後の予定ですけれども、どういった計画をどのような方法でつくっていくのか、こういったことも含めながら、業者の委託等も考慮に入れながら進めていく、そういう考えでございますので、よろしくお願いいたします。