渡邊幸子
猛暑、猛暑と騒がれていた夏も終わり、朝夕のコオロギの鳴き声に秋を実感するきょうこのごろです。
さて、今回は選挙関連の質問を2点させていただきます。
本年6月、国会において選挙権年齢を18歳以上に引き下げる改正公職選挙法が成立いたしました。新たにふえる選挙人は全国ベースで約240万人、総有権者数のおおむね2%で、北名古屋市の場合は本年5月時点で約1,600人、同2.3%となります。
選挙年齢を引き下げることのメリットを考えてみました。
1.年齢が引き下がることで若者の政治への関心が高まり、当然ながら政治への参画機会もふえます。
2.働いて税金を払っているのに選挙権が与えられていないのは不公平だという声にも応えることができます。
3.ますます少子・高齢化が進む中、高齢者に偏りがちな有権者の意見を、わずかながらではありますが若者寄りにすることができ、国、地方自治体の政策の世代間不公平などを解消できます。
ただ、懸念もあります。選挙の年代別投票率を見ますと、若年層の投票率が低い傾向が続いていますが、18歳まで選挙権を引き下げると、さらに投票率が下がるという可能性です。
この機会に、私たち市政に携わる者として、若年層に対して、いかにして政治への関心を高めるか、いかにして若年層の投票率を上げるかということを真剣に考えなければなりません。若年層に限らず、地域住民への啓発、さらには選挙権を持たない小・中学生に対する啓発活動も重要だと思います。市当局としてどのような施策をお考えか、お聞かせください。
2点目の質問になりますが、私は過去2回、北名古屋市市議会議員の被選挙者として市議会選挙を経験し、今、この場にいます。おのずと自身の地域投票所の投票率が気になりますが、残念ながら、国政、県政、市政選挙に限らず、私の地域の投票所は投票率が低い傾向にあります。なぜかというと、私なりに投票所の分析を試みてみました。
1.ふだんの生活動線と投票所へ向かう動線が大きく異なる。つまり、子供のころの通学動線は小・中学校のある西に向かいます。高校、大学、さらには名古屋へ通勤する場合は西春駅のある西に向かいます。あくまで、おおむねの話ですので全てではありませんが、そのあたりはご理解ください。
ところが、投票所は毎日の生活動線とは全く違う方向、この地域の場合は南へ向かわなければなりません。生理学的に人間は、長年なれ親しんだ生活動線と違う行動をとる場合、ふだんにないストレスを感じます。高齢者や若者はなおさらと考えます。
2.今や車は一家に1台ではなく1人1台の時代ですが、車で投票所に向かうにしても、道が狭い、わかりづらい、駐車場がない、少ないといった投票所も多くあります。こうした物理的な要件が投票率を下げている可能性も高いと考えます。
これらは実証された結果ではありませんが、こうした物理的要件などが投票率を下げている可能性について、市当局はどうお考えですか。
投票所となる場所は有権者の投票しやすい環境 ── 位置、施設、駐車場など ──となるよう配慮しなければならないと思います。40年近く見直されていない投票区の見直しを、市民の声を集めて、行政の都合だけで区割りされていないかを含めた再検証を行っていただくよう提案いたしたいと思います。選挙管理委員会書記長の積極的な答弁をお願いいたします。
総務部長(能村義則君)
私にいただきました18歳以上の選挙権の引き下げに伴う啓発活動についてお答えします。
選挙権を18歳に引き下げた参議院議員通常選挙が来年夏に実施される見込みですが、これに先立って新たに選挙権を得る18歳・19歳に対する啓発活動が非常に重要であることは渡邊議員ご指摘のとおりでございます。
こうした若い方々は、まさにその両肩で将来を担っていくわけですので、ただ投票に行くのではなく、地域のことはもちろん、我が国の未来のことをよく考えて一票を投じる有権者になっていただきたいと考えております。
そうしたことを意識しながら、現在、若年層に対する選挙啓発活動として、選挙出前トーク、模擬投票、選挙啓発ポスターの作成依頼や成人式会場における青年に対する啓発活動などを実施しております。今後も、高校生、大学生をアルバイトとして選挙事務に従事していただくなど、広く市民にかかわっていただくことによる啓発活動の可能性についても検討を進めてまいりたいと思いますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
渡邊幸子
答弁いただきました。
いろんな面で啓発活動を行っていただいていると思いますけれども、先ほど高校生、大学生をアルバイトに導入しているということがありましたけれども、どんな内容で導入されているか、お聞かせください。
総務部長(能村義則君)
例えば、受け付けの事務の手伝いでありますとか、投票用紙を交付したりですとか、一般の選挙事務従事者がやっていることと同じようなことをアルバイトとしてやっていただいておるということでございます。
渡邊幸子
これもこれからますます、これは多分、大学生で高校生はまだかなあと思いますけれども、随時導入していただきたいと思います。
こうした中で、先ほど答弁にもありましたけれども、啓発活動の中で学校、小・中学生に対してだと思いますけれども、選挙出前トークとか模擬投票をされていると思いますけれども、こういった活動を教育委員会と連携していただいて、これからますます皆さんに選挙というものを周知していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
総務部長(能村義則君)
投票区の再検証についてお答えいたします。
投票のためにわざわざふだんと違う方向には足を運びにくい、駐車場のない投票所には行きにくいといった心理的なハードルや物理的要件が投票率低下の一因ではないかというご指摘でございます。
合併から10年を迎えようとしておりますが、基本的には合併時の両町の投票区、投票所が、そのまま現在の投票所に引き継がれており、社会的要因や市民の生活習慣が大きく変化する今日、市民の皆様のご理解を得ながら、現在の社会情勢に応じた投票区の見直しも必要かと考えております。
もちろん、今一番力を入れて取り組まなければならないことは、市民の皆様にもっと選挙への関心を高めてもらい、一人でも多くの有権者にみずからの一票を投じていただく、そのための環境づくりでございます。そして、そうした目的にかなうように現在の投票区の再検証を行い、地域の方々の声を聞きながら一定の見直しを図っていくということはとても大事なことであると考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
渡邊幸子
答弁いただきました。
いろんな形で少しずつ改善は必要かと思いますけれども、先ほど、合併以前からの投票区でありますので、有権者数も多いところと少ないところでは3倍ぐらい差があると思います。そうした中で、地域の方々の声を聞きながらとおっしゃいますけど、どんな形で聞き取りなどをされるか、もしわかりましたらよろしくお願いします。
総務部長(能村義則君)
方法というよりも、今既にいろんなそういった声が聞こえてきておりますので、こういったものをもとにして、一つ一つの投票区の問題点ですとかを一つ一つ改めていくことで、選挙への関心、政治への関心を高めていけるようにというふうに考えております。
渡邊幸子
将来的には、私としては、災害時などの避難場所というのは学校区が主体となっております。
こうしたものを、今すぐというわけにはまいりませんけれども、皆さんの周知の中で、避難所が投票所なんだとわかるような方向性ができたら、皆さんの人件費じゃないんですけれども人員なども削減でき、よりいい周知ができるのではないかと思いますけれども、こういった面で進めていただけるかどうかお聞かせいただいて、終わりたいと思います。
総務部長(能村義則君)
書記長という立場ではちょっと答弁に限界があるのですけれども、そういった学校区を中心にした選挙区の見直しの仕方ということは、選挙管理委員会の中でも、議題といいますか、意見といいますか、そういったもので上がってきておりますので、今後、見直しを大きくやるときには、そういったことが中心になってくるかと考えております。