桂川将典
今回の一般質問につきましては、自治会活動の課題と将来像についてお尋ねをいたしたいと思います。
北名古屋市が自治会の将来について、自治会にどのような姿でいてもらいたいと思っているのか、自治会の将来ビジョンを確認したいと考えております。
それでは、早速ですが、本論に入らせていただきます。
北名古屋市は、自治会設置の目的について、市民自身による積極的な市民活動の展開を促すとともに、コミュニティー相互の連携による自助・共助の強化を進め、地域における身近な課題を地域の住民の力で解決することを目的とし、自治会が設置されていますと説明されております。
すなわち自治会とは、行政による公助が及びにくい部分についての課題を住民自身の働きによって解決する、最も経済的で、かつ効率的な課題解決の手段であると考えているように見えます。行政は、非常に大きな役割を自治会に期待しているというふうにも読み取れます。
であるならば、自治会が身近な課題の解決を実現するためにもっと行政がサポートするべきではないかと、私自身が直接町内会や自治会の活動に携わるようになって強く感じるようになりました。
今回、この質問をさせていただくに当たって、主に自治会や町内会などの関係者の方からこれまでにお聞かせいただいたことをまとめております。
町内会長さんや組長さんからは、どうにかしなければならないと思うがどうしたらいいのかわからないというお悩み事について、多くの事例をいただきました。また、自治会から抜けられた当事者の方からも、少々ではありますが、お話を聞かせていただきました。
今回の質問を準備する中で、ご本人は意識されていないけれども、改めたほうがよいのではないかという私の気づきも交え、通告書の最終ページにさまざまな課題を列挙しております。議員、職員の皆様はもちろんお聞きになったことがある事柄だと思いますが、改めてごらんいただければ幸いです。
さて、職員の皆様もご存じのとおり、自治会はこんなにも多くの悩みを抱えながらも、自治会や町内会の役員の皆様の汗と涙と努力の結晶によって維持されている地縁団体です。地域住民の良識に支えられることで行政は効率的な活動ができ、また地域住民自身もそれによって公共サービスの向上を享受できてきました。これまでは、お互いの支え合いによって地域を発展させ、そして維持してきたのです。
しかしながら、最近ではちょっと様子が変わりました。
地域活動を行っておりますと、自治会をやめた、あるいは自治会をやめたい、そんな声が聞こえるようになりました。さて、このままでいいのでしょうか。
私としては、専門性が高く、予算や継続性が担保されている行政側が地域社会の基礎である自治会の状況を点検し、将来にわたって引き続き安心していられる状況なのかを計測し、またその状況に対していち早く行動することが必要なのではないかという考えを持っております。
それでは、まず自治会の現状について確認をさせていただきます。
さきにも述べたように、あちこちから自治会をやめた、町内会を抜けたと話を聞くような状況であります。
そうした自分の経験から、自治会の組織率は悪くなってきているのではないかと想像しているのですが、実際はいかがでしょうか。自治会の組織率の経年変化について、北名古屋市への合併後の状況についてお聞かせいただければと存じます。
続いて、地縁型組織と目的型組織について。
自治会のような地縁型組織のコミュニティーは、物理的距離の制約下にあるからこそ、住民の生活という日常的な活動の中で自然発生する遭遇の機会によって構築される人間関係に基づいています。
顔見知りであって、たまにしゃべるからという非常に単純な要素に支えられていると言えます。みんながやっているから、これまでやってきたからという集団的、あるいは伝統的な価値観に基づいて構築されています。
参加者は非常に幅が広く、またその集団に対する貢献意識は個人差が非常に大きいのが特徴であると言えます。課題に対して専門性の高い人材が構成員の中にいる可能性はありますが、アクティブな参加者であるということはまれだと思われます。
一方で、目的型の組織である市民協働活動の団体は、明確な目的を持って集まる方々の集団です。
したがって、目的型組織では参加者の意欲については総じて高く、専門的な知識や技術があり、目的の達成やメンバーのフォローに貢献することで満足を得ることができるなど、その活動への精神的な報酬体系がしっかりと確立していることが特徴的な集団です。
ここで示したように、地縁型組織と目的型組織は大きく性格を異にするもの同士であります。特に、地域を将来支えてくれる人材を発掘するという点では、目的型組織へのアプローチは非常にすぐれていると考えています。
また、目的型組織と地域型組織が連携をとれるようになることで、地域がより発展することについても私は期待を寄せておる一人です。
そもそもコミュニティーとは何だろうかということに思いをめぐらせますと、お互いに面識ができる、挨拶を交わす、会話をする、そして一緒に活動をするといった共通体験の関係ではないでしょうか。だからこそ、自治会など地域活動を活発なものへと誘導していくには人間関係の構築が必要であり、そしてそのためには顔を合わす機会が多いほうがよいという単純な事柄に行き当たりました。
そこで、一つの大きな自治会とは別の、もう1つの地縁型組織でありますコミュニティ・スクールについても考えておく必要があります。自治会とコミュニティ・スクールはどのような連携を持って活動をしているのか、ここで今後のことをお聞かせ願いたいと思います。
北名古屋市では、コミュニティ・スクールの設置について、子供たちの生き抜く力、学力の向上だけでなく、家庭の教育力の向上、地域のきずなの強化、これを図るための仕組みとしてコミュニティ・スクールを位置づけています。市教育委員会が、学校や学校を支援する地域をサポートしながら進めているのが北名古屋市版コミュニティ・スクールですと説明がされております。
コミュニティ・スクールが活動の対象としているのは主に学校教育の支援ですが、コミュニティ・スクールそのものを支える土台は校区という地域社会です。
地域のきずなの強化がコミュニティ・スクールの目的の一つでもあることから、人と人とのつながりを大切にした取り組みがその活動の発展に寄与するだろうことは疑う余地もありません。
西地区のスポーツクラブ、校区子ども会など、学校区を基盤としている活動団体が幾つも存在しています。まさに、地域のきずなを深め、より活性化していくことでもあります。
子供は地域の宝です。
子供たちが将来大人になったときに、地域の担い手として次世代の子供たちを育てていくという将来的な目的もあわせ持っていますとコミュニティ・スクールの目的としてご説明されているとおり、人と人とのつながりを強くするすばらしい活動であり、またそこでご活躍されているそれぞれの皆様も、またボランティア精神にあふれた立派な方々がご参加くださったすばらしいコミュニティーであると私は認識をさせていただいております。
こうしたコミュニティ・スクールの目標は、自治会活動とも大きく重なる部分であり、密な連携はお互いの活動の活性化にメリットが見込めるため、コミュニティ・スクールと地縁型組織は密な連携を図ることが重要ではないかと私は考えております。
コミュニティ・スクールは、新たな地縁型組織としてまだ生まれてきたばかりではありますが、学校区に根差した地域内活動も多く存在しています。私は、今後、もう1つの地域の核となる団体に育っていく可能性も視野に、その活動の今後の発展を願っております。
ここで、以下の点についてお聞かせをいただければと思います。
現在のコミュニティ・スクールの運営や評議員などの人選において、地縁型組織との連携はどうなっているのか。そして、地縁型組織との連携について、今後はどのような考えをお持ちか。
続いて、自治会の課題解消と理想とする将来ビジョンについてお尋ねをいたします。
自治会の目的であるコミュニティー相互の連携による自助・共助の強化を進め、地域における身近な課題を地域の住民の力で解決すること、これを支えることが行政の役割だと私の考えをさきに申し上げましたが、ここで改めて北名古屋市総合計画の基本計画を確認いたしますと、コミュニティー(自治会・地域活動)の現状、課題は、次のとおり指摘をされております。
1点目、生活様式の多様化や都市化の進展により、地域コミュニティーの希薄化が進んでおり、自治会など地域自治のあり方を見直すことが重要となっています。
2点目、地域活動に必要な施設の整備や参加・協力しやすい仕組みの構築が求められることから、コミュニティーの規模を検討する必要があります。
3点目、コミュニティーにおいて、集い活動をすることができる場の提供やサークル、仲間づくりの機会の拡大が期待されています。
4点目、コミュニティーにおけるさまざまな活動への助成とともに、周辺コミュニティーとの連携を支援する取り組みが求められます。
5点目、互いに支え合い、協力し合うコミュニティーの運営を担う人材として団塊世代が期待されており、こうした人材を継続して育成していくことが望まれます。
私が伺ってきた自治会のお悩み事を改めて見直しますと、総合計画で指摘されている課題の解消への取り組みが、ここ10年間、どうも不十分であったのではないかという気がいたします。指摘されていたこれらの課題を一つ一つ丁寧に対応し、解消を積み重ねていくことが必要ではなかったのか、そのことをここで改めてご確認いただきたいという思いで、今回私は自治会に関する諸課題を列挙させていただいております。そして、これらの課題を俯瞰しておりますと、自治会を取り巻くさまざまな問題ではあるものの、誰が解決をすることができる課題なのかという点についての視点が欠けていたのではないかという気がしております。
地域課題は地域で解決してもらいたいと、行政は自治会に期待を寄せています。
ですが、自治会運営はおおよそ単年度交代の役員で行われているため、継続性を確保することが難しく、また知識も多くはありません。
したがって、自治会に期待されている役割であったとしても、自治会が自分自身で解消するのは非常に困難であることがはっきりしている課題は山積しております。
後ほどお尋ねさせていただきます個人情報保護の取り扱いについて、自治会や町内会が判断し、解消するのは非常に難しいと私は考えます。
市民協働を進める目的とその意義について、私が平成27年第3回9月定例会一般質問においてお尋ねしたことに対し、市民活動推進課長からの答弁では、市民協働を進める目的は今までにはない市民参画によるまちづくりです。中略。市民協働は行政との協働であり、行政側の職員にも市民協働意識が必要です。後略。とご説明をいただきました。
とある組長さんが、この春に町内会費の集金に行かれたとき、自治会をやめたいと言われて、その場でどう答えたらいいのかわかりませんでした。
皆さんにも想像がつきますでしょうか。どうぞおやめになってくださいと言うわけにはいきません。どう答えたらいいのでしょうか。
毎年交代で役員が回ってくるたびに、右も左もわからない中で自治会長さんや町内会長、組長さんが一生懸命に額に汗を流して自治会運営に取り組んでくださっていることについて、どのように感じていらっしゃいますでしょうか。
自治会などの取り組みの中で、明らかに不具合があることについて、行政が下から支えること、これも市民と行政の協働の姿の一つではないでしょうか。
今回、私から提案とお願いをさせていただいているのは、地縁型組織の将来ビジョンを北名古屋市がしっかりとイメージしながらも、今の地縁組織である自治会が抱えているお悩みをこれから一つ一つ丁寧に解消に向けて進めていくことです。
3点目、自治会の課題解消と理想とする将来ビジョンについてお尋ねをいたします。
短期的対応が望まれる課題として、自治会活動の説明不足の解消、自治会活動の困り事への支援、これらの課題の解消に対して行政側からの積極的なサポートを進めていただき、ひいては自治会の組織率の向上につながるよう取り組みを行われたい。
長期的対応を検討するべき課題として、自治会活動の継続性と規模の確保、自治会の課題領域の明確化。自治会がどのような取り組みをする存在なのか明確にすることで、自治会の組織活動の充実を図り、形式的になっている活動についての内容の充実を図ること。
以上、ここまでは長く私の考えについて申し上げさせていただきましたが、短期的に取り組めるであろう課題と長期的な課題について、当局としてはどのようにお考えか、お尋ねをさせていただきたいと思います。
4点目、個人情報保護とガイドライン作成について。
自治会の抱えている課題について、その中でも特に自治会が独自で解消をすることは難しかろうと思われる個人情報保護のことについて、ここで取り上げさせていただきます。
平成24年第2回6月定例会において、当時の市政クラブの所属議員でありました阿部久邇夫議員から、個人情報保護法の趣旨の徹底をとの一般質問がなされております。個人情報の保護に係る法の解釈基準や情報の管理等について、個別の具体的な対応事例を積み上げ、解釈基準の明確化のための一定のガイドライン等を示し、自治会や各種公益団体等に定期的に指導や再確認をしていただきたい。
また、個人情報の提供について、広く市民がコンセンサスを得られるよう、立法趣旨を十分周知させる必要があると考えていますと質問をされております。
自治会での名簿作成に関して、個人情報保護法の趣旨を外れて過剰な保護が優先されている状況を憂慮し、個人情報の具体的な取り扱い基準についてのガイドラインを示すことや、市民へのコンセンサスの確立を進めることを指摘されておりました。
これに対する当時の総務課長答弁においては、ガイドラインについては個別具体的な対応事例がまとまった段階で研究するとありました。
しかし、4年たった現在においても、町内会や子ども会で名簿をどうしたらいいだろうかという言葉がまだ聞かれます。
名簿はつくってあるけれども、住所がない、電話番号がない、役に立たないという名簿作成の問題があったり、一方では自治会の役職が済んだけれども、不安だから手元に残している、引き継ぎがなされない、そうした管理の問題も耳にします。
平成28年4月に開催された自治会長会の資料を確認させていただきましたところ、個人情報保護法についての説明資料はありました。
しかし、その内容は、個人情報保護法の条文の関係部分を抜粋しているだけです。条例・条文を読んで、何をしていいのか、何をしてはいけないのか、これを一般市民の方にご自身で解釈いただくことが甚だ困難であろうことは想像にかたくありません。
住民コンセンサスをつくるためにも、わかりやすい個人情報ガイドラインの整備が必要であると思いますが、それについてお考えをお聞かせください。
以上、当局の積極的な姿勢に期待し、質問を終わります。ありがとうございました。
総務部市民活動推進課長(増田隆君)
自治会の現状、組織率の経年変化の状況についてお答えいたします。
初めに、自治会の現状でございますが、現在、北名古屋市内には32の自治会があります。
自治会に加入されている世帯数は、それぞれの自治会から報告をいただいている数字でございますが、平成27年10月1日現在で2万8,637世帯でございます。総世帯数が3万5,006世帯ですので、実際に自治会に加入されている世帯数の割合は、平成27年10月1日現在で81.8%でございます。
次に、組織率の経年変化でございますが、自治会加入世帯数につきましては、平成18年の合併当初は把握をしておりませんが、平成24年度に初めて32の各自治会に照会をいたしました。
その結果、平成24年度における自治会加入世帯数の割合は、総世帯数に対して84.5%でございました。したがいまして、総世帯数に対する自治会加入世帯数の割合は、平成27年度は平成24年度と比較しまして2.7%下がるという結果になりました。
この背景として北名古屋市の世帯数を見てみますと、平成24年度から平成27年度までの3年間で、全体で1,721世帯増加した一方で、自治会加入世帯数は497世帯の増加にとどまっているということがわかりました。このことから自治会加入率が減少した理由は、新たに市民になられた方で、自治会に加入される世帯が総世帯数の増加に比べて相当少ないということでございます。
今後は自治会加入率を増加させるため、他市町から転入される方が自治会に加入していただくことができるような対策に自治会と協働して取り組んでまいりますので、ご理解とご協力をお願いしまして、答弁とさせていただきます。
桂川将典
今、増田課長からご報告をいただきました自治会の組織率ですけれども、24年度から27年度、若干組織率が2.7ポイント低下している。
そして今ご答弁いただきましたこれから自治会と協働してやっていくということなんですけれども、この点について、現状、何か取り組んでいる点はありますでしょうか、お聞かせください。
総務部市民活動推進課長(増田隆君)
今現在、昨年からなんですけれども、「自治会に入りましょう」というチラシを作成いたしました。市民課の窓口のほうで転入される方にそのチラシをお配りして、自治会に加入していただけるようなことを進めております。
教育長(吉田文明君)
自治会とコミュニティ・スクールの地域活動の連携についてお答えをいたします。
初めに、コミュニティ・スクールの運営委員等の人選において、地縁型組織との連携はどうなっているかについてお答えいたします。
コミュニティ・スクールの運営委員は、学校運営協議会の設置等に関する規則に基づき、校区の市民や保護者を中心に校長が推薦し、教育委員会が選任します。したがいまして、全ての学校運営協議会、いわゆるコミュニティ・スクールの運営委員には、校区にお住まいの市民の方が選任されており、半数以上の学校で現在の自治会役員、あるいは自治会役員経験者が選任されております。また、残りの学校におきましても、地域でご活躍されている方が選任されていますので、地縁型組織である自治会等との連携体制はおおむねできております。
次に、地縁型組織との連携についての今後の考え方についてお答えをいたします。
これからの厳しい時代を生き抜く力、学力の育成、地域から信頼される学校づくり、社会的な教育基盤の構築等の観点から、地域とともにある学校づくり、コミュニティ・スクールを推し進めてまいりました。その結果、市民の皆様の学校支援によって地域と学校が子供の教育を通じて相互の信頼関係を築き、連携・協働体制が整いました。これでコミュニティ・スクールの活動基盤が確立できたと考えております。
今後は学校を核とした地域づくりを視野に入れ、コミュニティ・スクールの一層の充実と進化に取り組んでまいります。また、地域とともにある学校づくりで培われた地縁型組織である自治会とコミュニティ・スクールとの信頼関係や連携・協働体制づくりの経験は、必ずやそれぞれの地域づくりに大いに寄与するものと思います。また、寄与できるようにしなければならないと考えております。
以上、答弁といたします。よろしくお願いいたします。
桂川将典
今、教育長から大変心強い答弁をいただきました。
これまでも地縁型組織であります自治会との人の交流の部分、そしてその学校という場を通じて、学力、そして地域との人と人との信頼感であり、また地域との基盤づくり、そういったものを意識してここまでコミュニティ・スクールの運営をしてきていただいております。
やはりコミュニティ・スクール、学校という現場が対象となっている事業であり、子育て世代の比較的若い世代の方々がつながることができる、非常に貴重な地縁型団体であると私は認識をしておりまして、先ほど教育長からご答弁をいただいたように、その方々が地域とつながる、1つ、将来に向けてコミュニティーづくりを進めていくに当たって、非常に大事な機会をコミュニティ・スクールにいただいておるんじゃないかと考えております。
特に学校区内、限られた地域、狭い範囲の中で、そこで活動されていらっしゃる方、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーション、これがやはり人と人との間の関係をつくるためには、私は大切なことだと、さきの通告文の中でも述べさせていただきましたが、それが日常的な生活の中で自然的に発生する校区の中での交流というのは、非常に重要なものだと考えております。
そうした中で、今、教育長からいただいた学力、信頼、そうした地域の基盤づくり、これに若い方が入っていただいておるという現状、これからどんどん進めていただきたい。そして学校の先生、そして家庭、この2つの中に信頼感というものがより強固なものとして生まれてくる、そのような取り組みの場としてコミュニティ・スクールに期待しております。
特にこれと言ってお伺いすることではありませんが、私の気持ちとして、なぜここでコミュニティ・スクールを質問として取り上げさせていただいたのか、ご説明させていただいて再質問を終わります。
ありがとうございました。質問はありません。
総務部市民活動推進課長(増田隆君)
地域課題においての短期的に取り組める課題についてお答えいたします。
地域にはさまざまな課題があると思います。子供さんからお年寄りまで、防災や防犯、ごみの処理など、毎日の生活の中から生まれる個々の課題は、まさに地域の人の数ほどあり、それをまとめる自治会役員さんのご苦労は察するに余りあるものがございます。
現在は地域の自治会長さんがご自分の地域の課題を把握され、例えば防犯灯や道路の修繕、ごみの処理など、比較的短期に解決のできる課題を要望という形で市役所がお受けをしています。
ただ、こうした方法で地域の課題を市が解決していくという形だけに捉われていては、自治会活動の説明不足の解消や困り事を根本的に解決することにならないことは承知しており、自治会の組織率向上にもつながらないと思います。自治会の組織率を向上させるためには、自治会そのものに魅力を感じる人がふえることが必要だと思います。
現在、市では市民協働の視点から、地域の課題は地域で解決をしていける仕組みとして、以前、市が業者への委託で行っていた児童遊園の清掃を地域の人たちで行っていただくモデル事業を実施しています。
これは児童遊園を清掃することそのものに目的があるのではなく、児童遊園で同じ地域の人たちが顔を合わせることにより親しい関係をつくって、次のステップにつなげていきたいという思いを持っています。
次のステップとは、地域にあるさまざまな課題について、地域の人たちが話し合うことによりいろいろな課題を見つけ、自分たちの意思で解決をしていただく仕組みをつくることにあります。
市では、平成26年度から補助事業という形で地域の人たちがカフェスタイルで楽しみながら気楽に話し合う場所づくりの取り組みを始めています。
こうしたスタイルで行う話し合いの中で、地域の困り事を共有し、課題を自分たちの意思で解決し、ありたい未来を目指していただきたいと考えています。
この試みはファシリテーターという会議の進行役が必要なことから、職員も参加し、地域の人材を育成する取り組みでもあります。
対話の中から自分たちで課題を解決するという成功体験ができれば地域のモチベーションアップにつながり、それが自治会の魅力にもなり、組織率の向上にもつながるものと考えています。
今回申し上げた取り組みは、地域への愛着や信頼があって初めて成り立つ市民主体の事業であるため、時間と労力を必要としますので、ご理解をいただきますとともに、今後ともご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、答弁とさせていただきます。
桂川将典
増田課長から今ご説明いただきました。
ご説明いただいた公園の清掃であるとか、そのモデル事業であるとか、あるいはカフェでの場づくりと、非常にいい事業であると私自身も評価しております。
実際に何度か参加させていただいて、その中に参加されていらっしゃる方々のお顔を見たとき、表情が生き生きとしながら地域のことについて話し合う場が持てている、自治会とはまたちょっと違った雰囲気がそこにはありました。
ただ、ちょっと今回、質問の趣旨として短期的な対応が望まれる、そういった部分で質問させていただいております。
今、おっしゃっていただいたことについては、中・長期的に見て必要な取り組みであろうけれども、もう少し自治会長さんの手元の今抱えていらっしゃる問題について、どういった姿勢でこれからやっていくか。その部分について踏み込んでもう一度確認をさせていただきたいんですが、先ほどご答弁の中で、自治会長さんからさまざまな要望を受け付けて、それに対して市のほうが解決していくと、そういった形で進めておる。その問題の流れというものについて、私はいかがなものかなと思っておりまして、まず自治会長さんからの要望というのは、毎年毎年大体同じような要望が繰り返し繰り返し出てくる、あるいは同じような質問が繰り返し繰り返し出てくる、そういったことが多かろうと思います。
これに対する答えというのもほとんど決まっているようなことは多いでしょう。
それらをしっかりとまとめて、そして情報として提供することで自治会長さん方の理解が進むのではないでしょうか。もう既にいろんな相談のケースというのはたくさん応じてきている、そういった事例はあると思います。
そしてもう1つ、本日ここで取り上げさせていただいたのは、今まで要望を受けるという、いわば言われてからやる待ちの姿勢になっている。
そんなところからどういったことを望んでいるかというのを行政側からとりに行く、そういった姿勢に少し変わっていただけんかということを考えております。
と申しますのも、北名古屋市のさまざまな各種計画などを見ておりますと、自治会と協働してというような文言で、防災ですとか、防犯ですとか、そういった取り組みは必ず自治会という単語は出てまいります。
自治会にそれだけの期待をしている以上、自治会の側に行政の側からもう一歩だけ踏み込んで働きかけをしていく、そういった体制、姿勢づくりというのが必要なんではないでしょうか。
質問の通告書の最後のところにいろいろな問題が投げかけてありますけれども、これも当然市の職員の皆様、もう何度もお聞きになられたような話だと思います。
それが繰り返し繰り返し自治会のほうから出てくる状況に対して、自治会自身で解決がし切れない問題として捉えていただき、これから市民活動推進をしていく上で、自治会というのは非常に重要な団体となっておりますので、その問題に対して、市民活動推進のほうから一歩寄り添う形で歩を進めていただきたい。
手をとって一緒にやっていく協働のあり方というのも、行政が市民のほうにお願いするだけではなく、市民のほうの課題を行政がちょっと受け取る、そのとりに行く姿勢、行政側から手を伸ばす姿勢をちょっとつくっていただきたい、そのように感じておりますが、いかがでしょうか。
総務部市民活動推進課長(増田隆君)
短期的な取り組みということで、自治会が抱えてみえる課題というのは、例示をしていただいたようにさまざまな事例が考えられると思います。そうした中のものを整理していきたいと考えています。そのためには、Q&Aというような形のものをつくっていけば整理できるんじゃないかなと思います。
先ほど私の答弁の中で、自治会に入りましょうというチラシを作成して昨年から配布をしているということを申し上げました。
そのチラシの裏には、自治会Q&Aというのがついております。4問から5問ぐらいのQ&Aでございますが、それをさらに整理をしまして、よりわかりやすい形で皆様にお示しをしていきたい。
そういうものをつくっていく中で、職員も参加をして自治会の方のサポートをしていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
総務部長(能村義則君)
地域課題においての長期的な課題についてお答えいたします。
ご承知のように北名古屋市は昭和40年代の高度成長期に全国から人が集まり、大都市名古屋のベッドタウンとして人口急増都市の指定を受けた2つの町が合併してできたまちでございます。当然地縁組織である自治体の形も人口急増のまちにふさわしい形があるんだろうと思います。それと同時に、それぞれの自治会にはそれ以前から続く長い歴史があり、大切に守っていくべきものが共通して存在しているということも確認しておきたいと思います。
しかし、現状は質問書の最終ページでも触れられておりますように、単年度で役員が交代し課題などが引き継がれない、重鎮と言われる人がいてやり方を変えられない、あるいは自治会が何のためにあり、何をするものなのかわからないなどという声もしばしばお聞きするところです。こうした現状の自治会を北名古屋市にふさわしい形に外からつくり直すということは、それぞれの地縁組織としての歴史を考え合わせると相当に難しいことだと考えております。
先ほど短期的対応のための施策として、課題共有と解決に導くためのカフェテリア形式の会議について、市民活動推進課長よりお話をさせていただきました。こうした取り組みは自治会の内側のコミュニケーションを活発化させるということを狙いとするものでございますが、その次のステップとして考えられる施策に地域担当職員という仕組みがございます。その地域を担当する職員を決めて、自治会の中に市役所とのパイプ役として入り込み、自治会から相談を受ける形をとりながら具体的な課題を明らかにし、その対応を進めていこうというものでございます。
こうした取り組みは、その地域にふさわしい自治会活動がどのようなものなのか一緒に考えるという動きをつくり出すと同時に、自治会としての役割や規模にも考えを広げてもらうという狙いもあり、近年、県内でもそうした動きを始める市町が少しずつあらわれてきております。
北名古屋市でもこうした動きをつくり出していくことが、自治会活動の規模や継続性の確保、自治会の課題領域の明確化というテーマに対する長期的な対応になるのではないかと考えています。
本年度、アドバイザーとして自治会に専門家を派遣し、市役所とのパイプ役を果たしてもらう取り組みを始めますが、しっかりとその効果を見きわめ、今後の展開を検討してまいりますので、ご理解をいただきますようお願いいたします。
桂川将典
今、総務部長より地域担当職員、これを自治会のほうと行政とのパイプ役として派遣していく、専門家のアドバイザーを派遣するというようなことを今後考えていくというようなお話をいただいて、そうした取り組みは非常によいかとは思います。一方で、自治会側の中の人たちのコミュニケーションの活性化、それと両輪でうまく機能するように進めていただきたい。
そうした取り組みを図っていただく中で、私、通告の最初のほうで申し上げように、行政側の専門性の高さ、それから予算、継続性、こうしたものが担保されている行政の側が自治会の将来をどういった形にまとめていくか、その将来の自治会の理想像というものを行政側の中の人にはしっかりと持っておいていただきたい、そのように思っております。
現状の総合計画のほうにも地域活動、こういった地域自治のあり方を見直すことが重要となっているとか、コミュニティーの規模を検討する必要があるといったような文言が現状の総合計画のほうにも書かれておりますが、新しい総合計画をつくっていく上でそうした自治会の将来像のあるべき姿、そして規模感といったものまで踏まえて、これからどのように行政は自治会とのつき合いをしていくのか、そのあたりをしっかりと総合計画の中にも落とし込んでいっていただきたい、そのように考えておりますので、よろしくお願いいたします。
総務部総務課長(中畑裕太君)
わかりやすい個人情報ガイドラインの整備の必要性についてお答えいたします。
ご存じのとおり個人情報の保護に関する法律、いわゆる個人情報保護法が施行されて以来、個人情報の取り扱いに対する市民、事業者、団体等の意識は非常に高くなってきております。
そういった中、個人情報は市民の皆さんが地域で社会生活を営む上で信頼関係を築き、お互いに支え合う共助の精神を培うためには不可欠なものと、市においても十分認識しております。
また、個人情報はその有用性に配慮しつつ、保護するという側面と、上手に利用するという側面とのバランスが重要であると考えております。
以前のご質問を機に関係各課における各種団体の個人情報に関する対応事例について状況把握に努めてまいりました。
また、昨年9月に個人情報保護法が改正され、全ての事業者、団体等においても個人情報保護法のルールに沿った個人情報の取り扱いが求められるようになることから、総務課において関係各課の状況を踏まえながら、外部団体向けの個人情報の利用や管理に関する取り扱い要領の作成に向け取り組んでまいりたいと考えております。
なお、自治会向けのわかりやすい個人情報の適正利用の手引などにつきましては、自治会の所管課である市民活動推進課と十分に調整・協議を行い進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようよろしくお願いいたします。
桂川将典
今、かなり大変前向きなご答弁をいただきました。
中畑総務課長も以前、電算のところで担当していただいておったときに情報セキュリティーガイドラインだとか、そういったものも取り扱っておりますので、個人情報保護法の取り扱いについても、ある程度ベースとなる知識もお持ちでしょうし、これから早急にガイドラインの整備に向けて、そして自治会の方々へのコンセンサス、一般の市民の方に対するコンセンサスをつくっていくためにも、いち早くガイドラインの整備を庁内で取り組んでいただきたいと思っております。
そういったところで、私のほうからお願いという形ではあるんですが、既に現状、自治会長さん方への説明は、大変難しい個人情報保護法に関する関係条文の抜粋での説明とかになっておりますので、この点については、できるだけいち早く修正して対応していただけるようお願いをいたして、私のほうからの質問を終わります。
特に答弁は結構です。ありがとうございました。