清水晃治
質問に先立ちまして、太田市長におかれましては、4月の市長選挙においてご再選の栄に浴されましたことを心よりお祝い申し上げます。
この結果は、市民の皆様による太田市政への高い評価と、これからの4年間への大きな期待の表れであると受け止めております。
本市は市制施行20周年という節目の年を迎えました。これまでの歩みを振り返りつつ、次の時代を見据えた持続可能なまちづくりを一層推し進めていただくことが重要であると考えております。
私たち市政クラブも、選挙を勝ち抜いた8名の仲間と共に、市民の暮らしを守り、本市のさらなる発展のため全力で取り組んでまいりますのでよろしくお願いいたします。
それでは、市長が掲げられた5つの基本方針に基づき、市民の目線、そして将来世代への責任を果たす観点から質問をさせていただきます。
基本方針1「ともに育てる」。
将来を担う子供たちが安心して学び、健やかに成長できる環境を整えることは、本市の持続可能な発展にとって最重要投資であります。この観点から3点伺います。
1.小学校体育館への空調設備設置のロードマップについて。
近年の気候変動は、地球温暖化から地球沸騰化の時代へと移り変わり、従来どおりの暑さ対策の延長では対応できない状況にあると感じております。
市長が所信表明で示された小学校体育館への空調設備の設置は、児童の学習環境改善のみならず、災害時における避難所の生活環境向上という観点からもぜひ推進していただきたいと考えますが、導入に当たっては多額の初期投資と維持管理費が必要となります。
今後も行財政改革を推進していく中、この財源をどのように捻出されるのか、またいつまでに全小学校へ設置を完了されるお考えか、そのロードマップをお聞かせください。
2.少子化を見据えた学校区の再配置について。
今後の学校施設の在り方については、昨年度策定された北名古屋市公共施設適正配置計画において、子育て支援施設や保健・福祉施設との集約化、複合化が記載されており、これは私も過去に一般質問で提案し、私たち市政クラブからも施策要望書として提出してきた内容と同じくするものであり、大いに賛同するところであります。
しかし、今後さらに児童数の減少が進行した場合、学校施設の有効活用にとどまらず、学校施設そのものの集約(統廃合)についても議論を避けて通ることはできないと私も考えております。
学校の再配置は、地域や自治会との関わりが深く影響が多岐にわたるため、丁寧な議論と合意形成に向けた十分な事前の準備が不可欠となります。
市長は、今後どのようなロードマップにて準備を進めていくお考えか、お聞かせください。
3.教育環境と教育の質の確保について。
これからの時代を生き抜く子供たちには、デジタル社会に対応できる能力が求められます。学校タブレット端末の活用をさらに促進し、個別最適化されたデジタル教科書やAI学習ドリルの導入、さらには授業のオンライン化やオンデマンド教材の充実を図ることは、個々の児童に合わせた学習環境の一助になり得るだけでなく、児童の能動的な学習意欲をかき立てたり、不登校児童や欠席児童への多様な学習機会の提供にもつながると考えますが、市長のご見解をお聞かせください。
基本方針2「ともに守る」。
市民の生命と財産を守り、安全・安心な都市基盤を整備することは行政の根幹たる責務です。この観点から3点伺います。
1.防災体制の強化と自主防災会への実効性ある支援について。
市長は能登半島地震の教訓を踏まえ、備蓄物資を実態に即して見直すと所信表明で述べられております。
過去の大災害時の事例を振り返っても、避難所における衛生環境や物資のミスマッチは常に大きな課題でした。本市においては、これまでの備蓄体制の何を課題と捉え、具体的にどのような物資の拡充や避難所環境の改善を図るのか。
また、地域防災の要である自主防災会への支援強化を含め、本市の防災力をどう実効性のあるものに変えていくのか、市長のお考えをお聞かせください。
2.防災の観点における農地保全について。
豪雨災害への対応として、雨水幹線や調整池の整備は極めて重要です。
しかし、平たんな地形である本市においては、これまで水田が持っていた広大な貯水・保留機能の役割を見落としてはなりません。
一方、毎年多くの農地が減少傾向にあります。
幾ら多額の費用を投じて調整池を整備しても、それ以上の貯水機能を持つ水田が減少しては本末転倒です。防災の観点から、計画的な農地保全・水田保全を進めるべきと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。
3.一部事務組合の施設更新について。
能登半島地震の教訓からも、市民の日常生活において公共インフラが不可欠な基盤であることが改めて認識されました。
消防や救急を担う西春日井広域事務組合、ごみ・し尿処理を担う北名古屋衛生組合、上水を供給する北名古屋水道企業団といった一部事務組合が組織されていますが、この中でも特に西春日井広域事務組合と北名古屋衛生組合においては基本的に自主財源を持たず、本市を含む構成市町の負担金で主に運営されています。
本市の公共施設適正配置計画と同様に、これら一部事務組合の施設についても将来的な老朽化対策や更新費用が大きな財源負担となることは確実です。今後、構成市町とどのように足並みをそろえ施設の更新計画を策定していくのか、市長のお考えをお聞かせください。
基本方針3「ともに生きる」。
誰もが住み慣れた地域で、お互いに支え合いながら、安心して暮らし続けられる共生社会の実現に向け、2点伺います。
1.高齢化社会・認知症施策について。
本市は高度経済成長期に名古屋市のベッドタウンとして急激に人口が流入した歴史があり、団塊の世代前後の方々の人口比率が愛知県内でも非常に高いという特性を持っております。
今後、超高齢化を迎えようとしている本市において、市長は所信表明で、認知症理解の促進に向けた条例制定の検討も視野にと言及されました。
この条例によって何を目指し、どのような理念や施策の義務化、あるいは支援体制を想定されているのか、具体的なイメージをお聞かせください。
2.地域コミュニティーの維持について。
共生社会の実現には、自治会や地縁団体の果たす役割は大きいものがあります。
しかしながら、価値観の多様化に伴い、従来の精神論や防災時の助け合いを訴えるだけでは、自治会や地縁団体の維持がもう限界に来ている現状において、地縁団体に所属することの分かりやすいメリットを感じていただける仕組みが必要です。
例えば、市長が提案されているポイント制度を自治会加入や役員を担った方への還元にひもづけたり、ごみ集積所の管理を担う地縁団体加入者に対し、指定ごみ袋の購入補助を行うなどの実利的な支援の検討が必要ではないでしょうか。
また、自治会役員の大きな負担となっている書類作成や回覧板、伝達業務などの事務作業に対し、個々の自治会に自主的に対応することは現実として非常に難しい状況となっております。
ぜひ当局主導で、自治会のDX化を指導・支援していただきたいと考えますが、市長のお考えをお聞かせください。
基本方針4、「ともに創る」。
市民の主体的な活動を促し、まちの活力とにぎわいを生み出す観点から2点伺います。
1.市民活動センターμ-base(ミューベース)を核とした市民参加の支援体制について。
市長が所信表明の中で述べられているボランティア活動や健康づくりを後押しするポイント制度の導入は、市民の動機づけとして大変有意義であり、ぜひ進めていただきたいと考えます。
また、一昨年度にオープンした市民活動センターμ-baseでは、SNS等を通じても多くの新しい市民活動が立ち上がっている様子を実感しております。
この芽生え始めた市民参加の芽を大きく育てるには、従来のように、前例がない、条例に当てはまらない、予算がないといった理由で制限するのでは非常にもったいない。
全庁を挙げて、どうすればできるかを検討できるようなバックアップ体制と、当局内の空気づくりが必要だと思います。
市民の主体性を引き出すためのより一層の支援体制の構築について、市長のお考えをお聞かせください。
2.中日ドラゴンズ2軍本拠地誘致について。
市長が公約に掲げられた中日ドラゴンズ2軍本拠地の誘致のニュースは、これまでの行財政改革やコロナ禍で沈んでいた市民の心に大きな期待と高揚感をもたらしました。
本市は名古屋駅から10分という好立地でありながら、本市には来訪者がとどまりたくなる目的や施設が乏しいという課題がありました。
しかし、この誘致が実現すれば、民間事業者の知恵を活用した駅周辺の活性化、そして安定した財政基盤の確立へとつながる一大プロジェクトとなり、シビックプライドの醸成にも大きく寄与するものであります。
私たち市政クラブとしても、ぜひ進めたいただきたいと要望書を提出したところですが、地権者への意向アンケートが5月25日に締め切られたと承知しております。
現時点におけるアンケートの手応えと、誘致に向けた市長の現在のお考えをお聞かせください。
基本方針5「ともに遂げる」。
最後に、行財政改革の深化と持続可能な行政運営について伺います。
1.近隣自治体との広域連携について。
市合併当初から最大の課題である公共施設の統廃合について、私自身もこれまでに従来の機能を残しつつ施設をまとめる複合化を様々な角度から個人質問にて提案してまいりましたので、当局が策定された北名古屋市公共施設適正配置計画の方針・方向性にも賛同をいたしております。
ただし、大切なのは計画の実行を目的化しないことであり、市長のおっしゃるとおり改革は新たな市民サービスを提供するための手段でなければならないと私も考えております。
これまで4年間、市民の皆様には一定の負担をお願いしてまいりました。
これ以上の行財政改革が市民にとって乾いた布をさらに絞るような負担増になってはなりません。
これまでは北名古屋市単独での効率化が進められてきましたが、目を転じれば豊山町や清須市など、住民が生活圏を同じくする近隣自治体が存在します。
特に、豊山町は北名古屋市内にある公共交通機関を利用される多くの人たちが日々往来されております。
市民サービスの質を維持、向上させつつ効率化を図るため、今後は本市単独での改革から近隣自治体との広域連携の観点を取り入れた行財政改革に軸足を移していくことが必要と考えますが、市長のお考えをお聞かせください。
市制施行20周年の記念キャッチフレーズ「ゆめひろがる。このまちと。」、この言葉のとおり、これからの4年間は本市が次の10年、20年先も輝き続けられるかどうかの極めて重要な一歩となります。
私たち市政クラブは、これからも市民の生命と財産を守り、次世代に誇れる北名古屋市をつくり上げるため、当局とは建設的な議論を重ね、お互い切磋琢磨していく覚悟を申し上げ、私の代表質問を終わります。
市長の明快かつ誠意あるご答弁をお願いいたします。
市長(太田考則)
所信表明及び施政方針について、順次お答えをいたします。
初めに、小学校体育館への空調機設置のロードマップについてお答えをいたします。
財源については、国の交付金や有利な地方債の活用を検討いたします。維持管理費については、長期保証契約によるコストの抑制を検討しています。
全小学校への設置については、昨年の中学校体育館への設置のノウハウを生かすとともに、原材料の調達等に対する社会情勢の影響や中長期的な行財政運営のバランスを注視しながら、計画的な設置に向けて取り組んでまいります。
次に、少子化を見据えた学校区の再配置についてのロードマップにつきましては、第1段階として、課題の共有と再配置の必要性の理解に努めます。
第2段階として、市民参加による対話、検討を進め、第3段階として、方針を決定し具体像を示してまいります。
市民と共に考え、対話を重ね、将来像を共有し、合意形成を図っていきたいと考えております。
次に、教育環境と教育の質の確保についてですが、ICTを活用した取組は、従来の対面指導だけでは行き届かなかった新たな学びの選択肢という観点から有効であると認識しております。
今後さらに、多様な児童・生徒が学びたいと思ったときに学べる環境を整えていくことが必要であると考えています。
続いて、防災体制の強化と自主防災会への実効性ある支援についてでございます。
本市の災害時における資機材等の備蓄については、飲料水及び食料品をはじめ段ボールベッド、間仕切りテント、簡易トイレ等を計画的に備蓄しているところでございますが、必要数が十分に確保されていない飲料水をはじめ、トイレットペーパー、生理用品、おむつ等の衛生用品について、充足を早期に図ってまいります。
次に、防災観点における農地保全につきましては、水田が持つ防災・環境保全などの多面的機能を維持、発揮させることを定めた北名古屋市都市農業振興基本計画に基づき、緑地・遊水機能を有する水田の保全を進めてまいります。また、水田の持つ高い貯水・保水の機能を将来にわたり維持していくためには、農業者が安心して営農を継続できる環境づくりが重要です。
担い手への農地集積を進め、農地を適切に管理することで防災機能を最大限に発揮し、安全・安心なまちづくりにつなげてまいります。
次に、一部事務組合の施設更新につきましては、西春日井広域事務組合の施設は2市1町の消防所管部長による行政協議会や、担当課長による消防庁舎検討会において西春日井広域事務組合と共に協議を進めてまいります。
また、北名古屋衛生組合の施設につきましては、様々な課題について本市と豊山町が共通の理解を深めるとともに、コスト面についても合理的な判断ができるよう協議を継続し実施してまいります。
続いて、高齢化社会・認知症施策につきましては、現在、認知症基本法に基づき(仮称)北名古屋市認知症施策推進計画の策定を進めております。
この計画は、認知症の方を含む全ての人が個性と能力を発揮し、互いに尊重し合いながら共生できる社会の実現を推進するものでございます。
地域住民や地域の多様な主体が連携して取り組み、条例制定を検討する際には実効性のある内容となるよう努めてまいります。
次に、地域コミュニティーの維持についいてでございますが、1点目の地域コミュニティーに対する実利的な支援の検討につきましては、議員ご指摘のとおり、地縁団体に属する分かりやすいメリットを示すことはコミュニティー維持の一助になり得ると考えております。
そのために、地縁団体の自主性を尊重し、公平性に配慮しつつ地域コミュニティーの維持に対する効果に応じてポイントなどのメリットが受けられる支援を今後検討してまいります。
また、当局主導での自治会DX化の指導・支援につきましては、令和5年度にスマートフォンアプリによるデジタル化の実証事業を6つの自治会が行いました。
事務の効率化などの一定の効果は見られたものの、低い登録率や、スマートフォンを持っていない方や操作が不慣れな方への対応、システム利用料の負担等の課題が浮き彫りになりました。
現在は、防災アプリの送信機能を使った行政からの情報発信や自治会内での情報共有の活用を推進しておりますが、自治会の要望に応じて必要な支援を今後も実施してまいります。
続いて、市民の主体性を引き出すためのより一層の支援体制の構築につきましては、市民活動センターの指定管理者につきましては、現在事業の実施等に関する相談、ほかの主体とのマッチング及び情報発信といった支援を実施していただいており、これまでも市役所各課と市民団体による共創事業が立ち上がっております。
そこで、次の段階として、一定の財源を指定管理者に移管し、財政的な支援機能を追加することでより一体的な支援体制の強化が図られると考えております。
具体的な手法や導入時期については、今後指定管理者との協議を重ねてまいります。
次に、中日ドラゴンズ2軍本拠地の誘致につきましては、誘致の候補地として検討しております3つのエリアの地権者に対しアンケート調査を5月に実施し、約7割の方から回答をいただきました。
現在、集計状況といたしましては、ご回答いただいた方のうち約8割の方から前向きな回答を頂戴しており、多くの地権者の方が中日ドラゴンズ2軍本拠地の誘致に対して大きな期待を寄せていただいているものと捉えております。
この2軍本拠地誘致が実現すれば、地域経済の活性化、交流人口の拡大、球団、企業、行政の協働による地域ブランドづくり、子供、若者世代へのスポーツ教育の普及活動の拡充など、本市の魅力向上やシビックプライドの醸成が期待できるものと考えております。
今後、本市にとって最適な在り方を十分に検討していきたいと考えております。
続いて、近隣自治体との広域連携についてですが、議員がおっしゃるとおり、広域連携は行財政改革に資するものと考えております。本市や近隣市町が持つ資源などについて、互いに活用する方法を研究しつつ、今後も引き続き広域連携に努めてまいりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。
以上、清水晃治議員の代表質問への答弁といたします。