熊澤真澄
近年、住民ニーズの多様化などにより、市区町村は市民に最も身近な行政主体として自立性の高さが求められています。
一方で、事務や権限が増えたことで、市が実施しなければならない業務量は増えているものの、定数管理や民営化、指定管理者制度の導入などによる行財政改革により地方公共団体の職員数は減ってきています。
採用された職員の中には、実際の仕事の内容を十分理解しないままに入庁されるケースもあると言われています。
行財政改革に対応できる多様な人材を確保、採用するために、市ではどのような方法で人材を確保しているか、初めに伺います。
継続して市民サービスを行っていくには、職員の確保が必要不可欠と考えます。
採用に当たり、担当課として工夫を凝らした職員の採用案内を作成することで、変化の激しい採用市場においても活躍する人材を確保できる可能性が広がります。
そこで、3点質問します。
1点目、市民の要望に迅速に、かつ的確に応えるために計画的な職員の確保が必要と考えますが、過去3年間の採用状況をお聞きします。
2点目、計画的に職員を確保しなければなりませんが、募集した人員は確保されているのかお聞きします。
3点目、採用に向けて、北名古屋市が独自に行っているPR及びそれに伴う成果、採用された方の感想などありましたらお聞かせください。
次に、時間外勤務について伺います。
現在、各課では業務改善、意識改革など様々な観点から、総合的に時間外勤務の是正が図れるよう職員の配置など工夫をされているところと考えます。
また、人事課として、管理職の意識改革など日々努力されていますが、全体の仕事量があまり変わらなければ時間外勤務は減らないようにも感じます。
そこで、2点質問させていただきます。
1点目、職員の減少や業務の多様化に伴い、職員の負担が増しているという声を聞きます。
職員の健康管理や予算の観点からも、時間外勤務の削減は重要な課題と考えますが、過去3年間の推移と削減に向けた取組をお聞きします。
2点目、事務事業の見直しにより時間外がどれだけ削減できたかお聞きします。
次に、適正な人員配置について伺います。
仕事量に見合った人員配置を行っていると思いますが、担当課として、業務の見直し、改善を行っても不足するときは増員をしなければいけないと考えます。
そこで、3点質問させていただきます。
1点目、各課の事業内容、仕事量によりバランスの取れた人員配置をされていると思いますが、採用状況及び国の施策への対応など特殊な事象を加味した配置は行っているのかお聞きします。
2点目、専門性の高い課への人員配置は計画的に行われているのかお聞きします。
3点目、仕事量に見合った人員配置を行ってみえると思いますが、各課への仕事量の聞き取り調査の結果に即した配置を行っていますか。また、人事課から見た各課の状況についてどうお考えかお聞きします。
次に、人材の育成について伺います。
職員には、人口減少、少子高齢化に伴い、複雑化、多様化する行政課題への対応が求められ、自分らしさを発揮しながらいきいきと業務を行い、市民の要望に応える職員の育成を目指さなければいけないと考えます。
そこで、2点質問させていただきます。
1点目、仕事量に見合った人員の確保ができてこそ人材を育成することができると考えますが、各課における人材育成の状況についてお聞きします。
2点目、人事課として、採用された職員の育成についてどう考えておられるのかお聞きします。
以上で質問を終わります。
総合政策部人事課長(岩田拓也)
人材の確保について、お答えいたします。
1点目の過去3年間の採用状況についてですが、事務職には社会福祉士を含め、専門職は保健師、保育士、技術職等の合計でお答えいたします。
令和5年度採用では、事務職8名、専門職6名の計14名でした。令和6年度採用では、事務職17名、専門職12名の計29名でした。
令和7年度採用では、事務職21名、専門職15名の計36名でした。
2点目の募集した人員の確保についてですが、採用は退職者の補充を原則とし計画的に試験を実施しておりますけれども、受験者の減少や内定辞退等もあり必要数に足りず厳しい状況が続いており、ここ数年は追加での募集を実施するなど必要数の確保に努めています。
3点目の採用に向けてのPR及び成果等についてですが、ホームページや広報等での周知に加え、大学で開催される説明会に出向いてのPR活動、市役所で開催する職員採用説明会、公共施設や西春駅へのポスター掲示等に取り組んでいます。
特に、職員採用説明会は参加希望者も多く、面接時においても参加してよかったなど受験生から高い評価を受けておりますので、継続して実施していきたいと考えております。
職員の確保につきましては、どの市町村も厳しい状況であると理解しております。
本市におきましても取組を強化してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
熊澤真澄
ありがとうございました。
先ほどの答弁の中で、採用に向けた新しい取組として、職員採用説明会を開催されて参加者が多かった、また面接において、聞いてよかったというような意見が受講者から得られて高く評価を受けたというようなことでした。
採用人数も先ほど説明を受けて、年々増加しているとのことですけど、やはり受験生の減少や内定辞退もあり必要数に足りてない厳しい状況だということであります。
私が今回聞きたいなあと思ったのは、特に土木の技術者、保育士の採用状況を今回ちょっと再質で聞いてみたいと思います。よろしくお願いします。
総合政策部人事課長(岩田拓也)
土木職など技術職、それから保育士の採用状況につきましては、特に技術職の採用が大変厳しくございまして、例年数名程度の応募はあるんですけれども、辞退等により、令和2年度に2名を採用した後、採用に至っておりません。
保育士につきましては、例年30名程度の応募がありまして、毎年十数名程度採用できておりますけれども、これでも必要数に足りず会計年度任用職員の任用等により対応しておる状況でございます。
熊澤真澄
分かりました。
土木の技術者、大変足らないということで、建設の部長のほうも危惧しておるというような話も聞いております。
どうして足らないか、理由は多分人事課長の岩田課長は十分ご承知と思います。
また、保育士についても必要数に足りていないということで、休暇等々もなかなか取りにくい状況もあるのかなあというふうには推察します。
それを全体含めて、今後人材を確保するために人事課として何かいい対策等々ありましたらお聞かせください。
総合政策部人事課長(岩田拓也)
そうですね、人材確保のための今後の取組というところでございますけれども、専門職の確保につきましては本当に厳しい状況が続いております。
これまでもいろんな取組をしておりますけれども、例えば、試験日程を前倒しして早期の確保に努めるとか、例えば専門職につきましては、北名古屋市を選んでいただけるように、教養試験の在り方について考えますとか、あとは民間経験者を取り込むなど、年間を通じた採用も考えていきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。
総合政策部人事課長(岩田拓也)
時間外勤務について、お答えいたします。
1点目の過去3年間の推移と削減に向けた取組についてですが、まず時間外勤務の年間総時間数は、令和4年度が3万806時間、令和5年度が3万1,643時間、令和6年度が3万5,389時間でした。
次に、削減に向けた取組についてですが、慢性的な勤務とならないよう事前に所属長に内容及び予定時間を申請することとし、終礼等の際にも所属長から聞き取りをしております。
また、毎週水曜日を定時退庁日としており、昨年11月及び12月には人事課管理職による職場巡視を行うなど、定時退庁の促進に努めました。
さらに、各課の月ごとの実績を全庁掲示することにより周知をしております。
2点目の事務事業の見直しによる時間外勤務の削減についてですが、具体的に削減できた時間数を算定することは難しいと考えております。
ここ数年は、毎年、通常業務に加え臨時給付金の支給や物価高対応など、国からの社会情勢に応じた事務への対応に時間を要し時間外勤務が増加しています。
当局としましても、時間外勤務の削減につきましては非常に重要なことと捉え、削減に向けた取組を強化していきたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
熊澤真澄
ありがとうございました。
答弁の中で、慢性的な勤務とならないために事前に予定時間を申請したりとか、時間外削減に取り組んでおると。
特に、人事課長が職場巡回をして定時退庁してくださいよというようなことをされておるんですけど、先ほど時間外が年々増えております。
特殊な事情はあるとは思うんですけど、増えているというのが答弁でありました。原因はいろいろ特殊事情等もあると思うんですけど、全体的に全庁的に削減に取り組んでいることは十分理解できました。
そこで提案なんですけど、短時間の勤務、要は残務整理など削減するためには、1つ窓口の時間を短縮される考えはございませんか。よろしくお願いします。
総合政策部人事課長(岩田拓也)
ただいま議員ご提案いただきました窓口時間の短縮につきましては、時間外勤務は予算の面から見た削減のみならず働き方改革の一環としまして意味があるものではないかと考えております。
ただし、職員のための窓口短縮だけではなく、当然市民サービスの低下を招いてはいけませんので、その辺りのバランスを考えながら、また県内にも先進自治体があると聞いておりますので、その辺りを参考にしながら研究してまいりたいと思っております。
熊澤真澄
ありがとうございました。
今、庁舎内でいろいろと検討されていることとお聞きしました。私も同じ思いです。市民サービスに影響が起こるようではまずい。
またその範囲内でやっていただきたいなというふうに思っています。
もう一つ、話ばかりではなくてスピード感を持って、近隣市町に出向いてでも、どういう形でやってみえるのという聞き取り調査をしながら取り組んでいただきたいなと。
先ほど見た残務処理の短時間、1時間ぐらいの時間外の勤務の削減には十分活かせるんじゃないかなと。
ただし、住民サービスに影響ないようにというような思いです。
そこで、再度お聞きします。
スピード感を持って取り組んでいただけるように、窓口の時間を短縮、すぐにでも行ってほしいんですけど、よろしくお願いいたします。
総合政策部人事課長(岩田拓也)
窓口時間の短縮を実施するために最も必要なことは、市民の理解と市民への周知だと思っております。
まず市民サービスの低下を招かないように、課題を洗い出しまして対策を考え、その上で市民への周知を行っていきたいと思っております。
窓口時間の短縮は非常に大きなプロジェクトの一つだと思っておりますので、今すぐにというわけにはいかないかもしれませんが、スケジュール管理をしっかりしまして早期に実施できるように研究してまいります。
よろしくお願いいたします。
総合政策部人事課長(岩田拓也)
適正な人員配置について、お答えいたします。
1点目の採用状況及び国の施策への対応など、特殊な事象を加味した配置についてでありますが、昨今の厳しい採用状況ではありますが、各部署の業務内容を見極め、業務が停滞することのないよう適正な配置に努めております。
各種給付金の支給事務など、臨時的な国の施策による業務量の増加に対しては、業務委託や会計年度任用職員の任用などにより対応しております。
2点目の専門性の高い課への計画的な人員配置についてですが、専門職を除いては特定の職員に業務量が偏ることのないよう全体のバランスを考慮して配置しております。
3点目の仕事量に見合った人員配置についてですが、特に時間外勤務が多い部署の管理職にヒアリングを行い、人員は適正であるか、職員の健康状況は良好であるかなど状況把握に努めております。
いずれにしましても、限られた職員数でいかに市民サービスの向上に寄与できるかを研究し、適正な人員配置に努めてまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
熊澤真澄
ありがとうございます。
人員配置については、今答弁がありましたように、管理者にヒアリングで時間外が多い部署は本当に適正かどうかを人事課長としてみて、またその見ている間に職員の健康状態は良好かなどとしっかりと把握されてみえるというふうに感じました。
人事課としては、限られた職員、採用された人をどういうふうに各課に配属されるか苦慮されていることとは思いますけど、市民サービスの向上に向けて各課の仕事量に見合った人員が配置できていると思われますが、その点についてお聞きしたいと思います。
総合政策部人事課長(岩田拓也)
仕事量に見合った人員配置ができているかという質問でございますけれども、各課からは事務量の増加でありますとか多様化によりまして、職員1人に係る業務量が増えているという声が上がっているのは事実でございます。
その中でも市民サービスの低下を招かないように、また特定の課でありますとか特定の職員に業務量が偏ることのないよう、各部各課の意見を聞きながら、限られた人材の中ではございますけれども、適正な配置に努めてまいります。
よろしくお願いいたします。
熊澤真澄
ありがとうございます。
これからも各課回られて、管理者の方、また仕事の配分などをよく見てやっていただきたいなあと思っています。
そのときに、この課はもう少し人員が足りないなと思った場合、増員しなければいけないなというふうに思われたときには、すぐには対応できないと思うんですけど、業務改善等々の指導と、また増員に向けてやっていただきたいと思いますけど、再度その辺について人事課長の声をお聞かせください。
総合政策部人事課長(岩田拓也)
職員の負担軽減のために、人事課としても職員数を増やしたいという思いはありますけれども、職員数の増加につきましては、近隣自治体の状況ですとか、予算とのバランスもございますので、単なる増員は難しいのかなというふうに人事課としては思っております。
各課の事務事業の見直しに取り組みまして、例えば委託できる事業は外部に委託しまして、それでもなお業務に支障が生じるという声が上がれば、会計年度任用職員等の任用により対応してまいりたいと思っております。
よろしくお願いいたします。
総合政策部人事課長(岩田拓也)
人材の育成について、お答えいたします。
1点目の各課における人材育成の状況についてですが、業務に精通した先輩職員によるOJTを基本としつつ、管理職によるヒアリングを通じての育成や専門研修の受講勧奨などを行っております。
2点目の人事としての採用された職員への育成についてですが、若い職員の離職防止の観点からも育成は非常に重要であると考えております。
新規採用職員の中には、何も知識がないまま業務に就く不安を話す職員もいるため、早い段階での基礎的な研修の受講やメンター制度により育成を図っております。
業務内容が多様化する中、市民サービスの向上のためには貴重な人材の育成が重要であると考えており、組織を挙げてさらなる人材育成に力を入れてまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
熊澤真澄
ありがとうございます。
人材育成については、人事課長の言われるように課の先輩とか管理者が育成をしたりとか、専門知識については研修に行ってこいよというようなことをやって育てていかれておるということだと思います。
そういった研修を行うのはなぜかというと、市民サービスを向上させるために行っておられるし、また組織を挙げて人材育成に力を入れられていると私は思います。
そんな中でも、仕事量に見合った人員の確保ができてこそ、また人材育成もできると思いますが、当然各課においても複雑化、多様化する行政課題へ対応し業務を進めていく、市民の要望に応えるというようなことが多々あります。
それを職員の育成についてもどんどん進めていただきたいなというふうに思っております。
人事課として、各課または管理職の方に、直接指導される方にどう人事課としてそういう管理職の方、課に指導を施していかれるのかお聞かせください。
総合政策部人事課長(岩田拓也)
人材育成に人事課としてどう関わっていくかというところでございますけれども、人材育成はまず各課において行うべきものだと私どもは思っております。
職員数が少ない中、人手が足りず育成にまで手が回らないという声も上がりますけれども、部下の成長というか、そういったものは将来的なプラス要素と捉えまして、また育成に関わる職員の成長にもつながるのではないかと考えております。
あと人事課としては、愛知県の研修センターが部下の育成研修というものも実施しておりますので、そういった研修を受講するように促したりして、特に新規採用職員が所属する部署の管理職でありますとか先輩職員に案内をしていきたいと思っております。
また、あとメンター制度もございますので、そういった中でも育成のほうに力を入れておりますので、ご理解賜りますようお願いします。