1. 教員の働き方改革と教育の質の向上について 2. 今後の小中学校のあり方について 3. 今後の学校施設のあり方について

 清水晃治

教員の働き方改革と教育の質の向上について。

従来より、教員の方々は授業のみならず部活動、生活指導、進路指導、保護者との面談、そして地域活動など、子供たちが関わるあらゆる分野においてその役割を担ってくださっております。

昨今においては、小学校での英語教育やプログラミング教育も新たに加わり、その期待される役割は以前と比べると多種多様に拡大されてきました。

さらに、最近では文部科学省も従来の受動的な授業、学習、いわゆる詰め込み型教育から積極的、能動的な授業、学習であるアクティブ・ラーニングにかじを切っており、教員のさらなる多忙化の要因にもつながっております。

私は、過去に小・中学校でPTA会長やオヤジの会として活動する中で、教員の方々の日々の活動を間近で見させていただき常々感じていたのは、教員の方々が働きやすい環境をつくり、子供たち一人一人と向き合える時間を増やすことが子供たちにとってよりよい教育につながるのではという考えでした。したがって、最近の学校現場で進められている教員の働き方改革の推進においては、むしろもっと早く取り組むべきだったと考えております。

ただ、私が学校現場の働き方改革を歓迎するのは、あくまでも子供たちの教育の質の向上につながることが前提であることをもう一度申し上げておきます。

もちろん教員の方々に長時間労働を課すことはあってはならないことですが、単に長時間労働をなくして教育の質を低下させては意味がありません。

教員の負担を減らしつつ、教育の質の維持や向上を図るために、どのような環境を我々行政に携わる者たちが提案、提供していけるかが重要だと思います。

そのためには、市内にある全ての資源を有効に活用した総力戦で取り組んでいかなければならないことを最初に申し上げておきます。

学校内で行われる授業や平日の部活動については、教員の働き方改革が進められていく中で、これから教員の方々が自ら知恵を絞り、より現場に即した内容で改善されると思いますので、今後の期待を込めてこの場では議論を控えさせていただき、私が総力戦と述べているのは、教員の方々においては就業外に当たる土・日や夏休みといった長期休暇において、いかに市内のあらゆる資源を活用して子供たちの学習や部活動などの環境を整えられるかに焦点を当てたいと思います。

1つ目は学習教材についてです。

各小・中学校にはそれぞれ図書館があり、多くの図書を所蔵しておりますし、北名古屋市図書館にも非常に多くの図書が所蔵されております。

これらの蔵書は全て公共財産であると考えるならば、全ての蔵書を1つの仮想図書館として捉えることができるのではないでしょうか。

そこで質問です。

質問1.市内の子供たちにより多様な図書に触れてもらう機会を提供するために、市図書館の蔵書も含め各小・中学校の蔵書をお互いに共有したり、市図書館の司書の方々が推薦する図書を選んで小・中学校に貸し出すことで子供たちの学習教材をより充実させることができると思うのですが、当局はどのようにお考えでしょうか。

質問2.最近はインターネットや情報端末が普及し、学校の授業でもタブレット機器を用いた授業が行われるなど、インターネットで調べたり見たい動画を視聴するという行為は子供たちにとっても日常的な行動となってきました。

その一方で、子供たちの読書離れといった課題はより深刻な状況となっております。

読書というのは、ただ単に知識を増やすといった効果だけでなく、理解力を深め創造力を豊かにするといった効果などもあり、特に幼少期においては非常に有効な活動と言われております。

本市が今年3月に策定した北名古屋市子ども読書活動推進計画の中の子供たちへのアンケート結果を拝見すると、本市においても子供たちの読書離れについては深刻な状況にあることを見てとることができます。

北名古屋市においては、本計画に基づいて、家庭、地域、学校等が連携、協力した様々な個別施策を進めていただいており、5月12日の中日新聞に掲載された子ども司書体験もその一つの施策ではあるとは思いますが、これから将来の子供たちの読書活動を思い描いたとき、家庭、地域、学校等がより密接な連携、協力した体制を整えていくためにはどのような活動にしていくことが必要だとお考えか、お聞かせください。

2つ目は、さきに述べました読書活動や学習活動が行える施設環境について述べさせていただきます。

子供たちが勉強する場所として、自宅以外で塾などの民間の学習施設を除くと、市内には図書館の学習室といった公共施設が考えられます。

現在、市内の公共施設で学習室として子供たちが自由に利用できる場所としては、常時利用が可能なのは北名古屋市図書館の学習室の70席のみとなり、会議室などの空きがあった場合には、さらに臨時で32席が追加されます。

また、今年10月には、名古屋芸術大学アートスクエア内にオープンする市民活動センターにも、スタディルームとして10席程度が追加される予定となっております。

なお、夏休みの期間限定にするならば、名古屋芸術大学アートスクエアの視聴覚室や研修室などの空き部屋を活用して30席程度の利用も可能となっております。

ただし、学習室の座席数は限られている上に、市民のどなたでも利用できることから、小・中学生の子供たちが利用するには非常に限定されているといった現状となっております。

そこで質問です。

質問3.市内の小・中学生が使いやすく、土・日や長期休暇に開いている読書や学習が行えるスペースを用意することはできないでしょうか。

まずは夏休みといった長期休暇に限定するならば、小学校や中学校の空き教室を利用することはできないかと私は考えておりますが、当局はどのようにお考えでしょうか。

3つ目は部活動についてです。

中学校の土・日の部活動については、教員の方々の負担を減らすために地域移行する方向で現在進められており、これは全国的な流れとなっております。

昨年度は部活動支援員や地域スポーツクラブなどのご協力をいただき、一部の中学校では試験的に地域移行を導入していたと思いますが、今年度は継続に至らなかったと伺っております。

そこで質問です。

質問4.昨年度のスポーツクラブを活用した部活動の地域移行は、なぜ今年度の継続に至らなかったのか、その要因をお聞かせください。

質問5.国も部活動の地域移行に関しては少しトーンダウンしてきたようにも感じられますが、教員の働き方改革を推進するためには、今後も引き続き検討をしていく必要があります。

そこで、今後の北名古屋市における中学校部活動の地域移行をどのように進めていくご予定か、お考えをお聞かせください。

今後の小・中学校の在り方について。

これまでは現状の学校教育を取り巻く環境の中で、市内のあらゆる資源を活用した場合の教育の質の向上につながる提案をさせていただきましたが、これからは将来を見据えた小・中学校の在り方、とりわけ地域とのつながり方について述べさせていただきたいと思います。

日本全体では既に人口減少が始まっておりますが、都市近郊という立地や各種子育て施策の充実といった要因もあり、本市の現状は小・中学生の生徒数はやや減少傾向にとどまっているように思われます。ただし、今後10年も経過すると、人口減少や少子化といった大きな流れが本市にも影響してくるのではないかと思われます。

また、教員の働き方改革の推進のためには、今後ますます地域の方々の協力が必要となる一方で、地域では自治会や子ども会などの地域コミュニティの加入率は年々減少し、それら地域コミュニティを担う団体のとりわけ役員の成り手不足はますます深刻な状況となっております。

今後の小・中学校の在り方を検討するには、単に学校施設などの学校教育の環境だけを考えればよいわけではなく、コミュニティ・スクールや部活動の地域移行など、今まで以上に地域のサポートが必要になってくると考えると、学区を構成する自治会などの地域コミュニティとの連携体制は十分に考慮しなければならないと私は考えております。

そこで質問です。

質問1.本市においても少子化の影響による生徒数の減少、また自治会離れなどによる教育活動や地域活動の担い手不足といった状況が進行すると想定される中で、今後の小・中学校の在り方について、どのようにお考えかお聞かせください。

今後の学校施設の在り方について。

前述では、小・中学校の在り方について、ソフト面で質問させていただいたわけですが、続いて将来の学校施設の在り方について、ハード面で質問をさせていただきます。

まず将来の学校施設の在り方を検討するに当たり、現状どのような課題が考えられるか抽出をいたします。

1.学校施設における大規模改修の課題。

今後、北名古屋市も少子化の影響が出始め、生徒数が減少することで学校施設内での空き教室が増加してくると思います。

また、少子化の影響が出始めると想定される10年後という時期には、市内の小・中学校が建設されてからおよそ50年から60年が経過することになりますので、施設の老朽化については、これまで部分的に施設の改修を行ってきましたが、躯体そのものの構造においては改修を行っておりませんので、いずれは根本的な大規模改修もしくは建て替えが必要になってくるでしょう。

そういった状況になった場合、単に現在より教室数が少ない小規模な学校施設に建て替えるといった対策だけではなく、場合によっては学校施設の統廃合といった選択肢も検討せざるを得ない状況になるかもしれません。

2.学区の課題。

現在、生徒数が特に中学校においては大きな偏りがあります。また、小学校を卒業する際に、1つの小学校から複数の中学校に生徒が分散する学校もあります。

そのような学校においては、目の前に中学校があるのに遠くの中学校に通わなければならないといった問題や、同じ小学校からの入学者が少人数の子供たちが、入学当初、中学校になじむことに困難さを感じるといった問題があります。

3.地域連携の課題。

小学校及び中学校において、以前よりコミュニティ・スクールを通して自治会や地域の各種団体などと連携し協力関係を培ってきましたが、現在においても、特に東地区では自治会が複数の小学校区にまたがっており、連携の難しさが課題となっております。

もし、単純に小学校や中学校の数を減らしてしまうのでは、この課題はより一層複雑になると懸念しております。

4.財政面での課題。

本市は小学校と中学校合わせて16の学校施設を保有し、市が保有する公共施設の半分以上の割合を占めておりますので、維持し続けるにも多額の費用を要しますし、全ての小・中学校を大規模改修するには莫大な費用を要することになります。

このように、今後の学校施設の在り方を検討しますと、非常に多くの課題が山積されております。

また、学校施設というのは、日々子供たちが使用する施設でありますので、まだ少子化は先の話ということで問題を先送りにするのではなく、その計画づくりにおいては今すぐにでも着手しなければならないですし、その計画に基づく施策の実施は着実に進めていかなければなりません。

今年度から、市長肝煎りの総合政策部も立ち上がったところです。

これから財政改革の一環として、公共施設の在り方についても計画をつくり込んでいくのであれば、小・中学校の学校施設については、事業規模から考慮すると財政改革の本丸となる事業でしょうから、あらゆる選択肢を検討し見定めていただきたいと考えております。

ただし、学校施設というのは子供たちが豊かな教育を受ける学びの場であり、行政から見れば将来への投資の場でもあります。

だからこそ、人口減少と財政改革という大人の事情で、単純に小学校を何校減らす、中学校を何校減らすといった発想になるのではなく、今以上に教育の質や学びの環境を向上させられるような未来の学校施設の在り方を今の段階からしっかりとイメージし、計画をつくり込んでいかなければならないと私は思います。

では、どのように将来の学校施設の在り方を構築していけばよいのでしょうか。

従来の小・中学校の在り方の延長から答えを導くことは、非常に困難だと私は考えております。私は、前述の課題を踏まえ、また私が過去に個人質問で提案してきた市内公共施設の複合化という考えともリンクさせ、将来の学校施設の在り方について、一つの選択肢を今回ご提示させていただこうと思います。

私が考える学校施設としては、現在ある10小学校の小学校区をそのまま活かして、その学区内に小・中一体型の学校施設にまとめることがその一つの答えとなるのではと考えております。

小・中一体型の学校施設と申しましたのは、飛島村などにあるような小中一貫の義務教育学校としてしまうと、義務教育学校で教鞭を執れる教員には小学校と中学校の両方の教員免許状が必要となりますので、他の自治体も含めて異動がある教員の方々においては、本市単独で教員免許状に制約条件をつけることは難易度が高いと考え、他市町との同意や連携が実現するまでは同一敷地内に小学校と中学校が存在する小・中一体型の学校施設がよいのではと考えております。

この小・中一体型の学校施設であれば、前述しました学校施設の課題においては現在ある小・中学校16校を10校に集約することができ、市が持つ公共施設の維持管理費の半分以上を占める学校施設を集約することで、大きく財政健全化に寄与する可能性を秘めていると私は考えております。

また、学区の課題においては、中学校も小学校と同じ学区となりますので、小学校を卒業する子供たちが複数の中学校に分散されることはなくなり、目の前にある中学校に通えず遠くの中学校に通わなくてはならないという課題や、同一小学校から中学校に入学する生徒が少人数となる課題の解決にもつながります。

最後に、地域連携の課題においては、小学校におけるコミュニティ・スクールと中学校におけるコミュニティ・スクールが同一エリアになりますので、それぞれのコミュニティ・スクールを一本化することで小・中学校9年間を通した一体的な地域連携が可能となりますし、幾つかの小学校にあるオヤジの会といった学校ボランティアの方々にも、より一層の協力の機会を得ることができるのではと私は考えております。

自治会が複数の小学校区にまたがっているという課題については、直接の解決にはなりませんが、以前より当局も述べております小学校区を中心とした地域コミュニティづくりという施策ともリンクしますし、その際に、現在各小学校区にある10個の児童館の活用や児童館が取りまとめている地域ふれあい会とも連携することで、今まで分散していた各地域連携の活動やそこで活動される人材を強固に集約できる効果があると私は思います。

さらに、小・中一体型の学校施設にまとめることで、義務教育学校とまでは至らなくても、小・中学校の一体型施設という利点を活かして本市独自の小・中一貫した教育方針や教育プログラムを作成することもでき、より一層の教育の質の向上といった付加価値にもつながるのではないでしょうか。

もちろん小・中学校施設を一体型にするには多くの課題が想定されるでしょう。

まず皆さんが思われるのは、現在の学校施設に小・中学生全員分の教室が確保できるのだろうか。または、運動場が狭く十分に活動ができなくなるのではないかという心配だと思います。

ただ、これはさきに申し上げましたように、現在の学校施設は既に建設されてから40年から50年経過しており、いずれにしても大規模改修もしくは建て替えが必要になると考えるならば、現在の校舎そのものを使用するのではなく、ゼロから構築するという発想にすればその制約条件は必ずしも絶対条件にはならないと私は考えております。

運動場の広さにおきましても、16校の学校施設を10校に集約するならば、16校の学校施設を全て大規模改修もしくは建て替えに必要な費用を10校に集約させることができますので、1校当たりの費用は増額することも可能ですし、現在16校の学校施設に係る維持管理費においても、10校に集約できるならば経費の削減にもつながると思います。

また、使用しない6校の土地の売却益があるとするならば、残す10校の学校施設を拡張するための施設投資に充てることも可能ではないでしょうか。

そこで質問です。

質問1.市が保有し維持管理する公共施設のうち、小・中学校といった学校施設はその半分以上を占めており、今まさに総合政策部を中心に進められている財政改革の計画づくりにも将来の学校施設の在り方は非常に大きな影響を及ぼします。

ただ、学校施設は未来ある子供たちの大切な学びの場であり、地域とも非常に密接なつながりを持っておりますので、無作為な統廃合などが行われ教育の質を下げてしまったり、地域の連携を崩すようなことは絶対にあってはなりません。

将来の北名古屋市にとっても、最も重要な事業といって過言でないこの将来の学校施設の在り方について、どのようにお考えかお聞かせください。

質問2.私は過去の一般質問で、小学校区を単位とした児童館、高齢者施設、自治会の集会所など機能を残して施設の数をまとめる複合施設化を提案してきました。今回の一般質問で述べさせていただいた今後の学校施設の在り方については、その中核をなす施設として最も重要な提案と私は思い、私のその考えを述べさせていただきました。

現在、徳重や二子の高齢者施設が施設老朽化などを理由に閉鎖または閉鎖予定、また自治会集会所への施設補助金が今年度補正予算で一時的に復活いただきましたが、今年度以降は削減される流れとなっております。

今後、行財政改革を進める中で、公共施設の適正配置による統廃合や、自治会集会所また地域で活躍される団体への補助金の削減が、財政的な理由だけで将来の姿を市民に丁寧に説明されず進められていくと、学校教育のみならず地方自治の基盤をなす地域のつながりを崩壊させ、取り返しのつかない状況になってしまうことを懸念しております。

今後の地域づくりについて、どのような姿を構築していきたいとお考えか、お聞かせください。

以上、当局の見解をよろしくお願いいたします。

 

 教育部次長兼学校教育課長(安井政義)

教員の働き方改革と教育の質の向上について、お答えいたします。

1点目の蔵書の共有については、これまでも図書館協議会等で市図書館と学校図書館とのシステム連携及び学校図書館同士の連携の有用性について協議を重ねており、引き続き導入について研究してまいります。

また、市図書館の図書を小・中学校に貸し出すことについてですが、新聞などでも紹介されました連携事業として、市図書館が選書した300冊の本を「コレ読!30」として10校分に分け、一月ごとに小学校の学校図書館を巡回していく取組を本年5月に開始しました。

児童・生徒が日常的に活用することができる学校図書館の活性化が、本という学習教材を有効に活用することにつながると考えております。

2点目の将来の子供たちの読書活動を思い描いたとき、家庭、地域、学校等がより密接な連携、協力した体制を整えていくためにはどのような活動にしていくことが必要かについて、お答えいたします。

読解力をつけることは、物事を知り、考え、判断する力を身につけることにつながるとされております。

市図書館では、こうした力を子供たちが身につけていくため「まんなかにこどもたち」を合い言葉に取組を進めています。

子供の読書活動に関わる多様な主体がそれぞれ求められる役割を認識し、連携を図っていくことにより地域ぐるみで子供の読書活動を支える機運を高めていくことが必要であると考えており、さらに取組を進めてまいります。

3点目の、小学校や中学校の空き教室を、学習スペースとして長期休暇に限定して用意することはできないかについてですが、本年1月から3月に各中学校で実施した市長との対話集会において、夏休みに学校を自習室として開放してほしいという要望が全ての中学校の代表生徒から市長に直接伝えられました。

このことを受け、市小・中学校長会が協議を重ね、夏季休業期間中に自習室として生徒が学習できる場を、各中学校の状況に応じた方法により、期間を決めて試行的に運用することにいたしました。

4点目のスポーツクラブを活用した部活動の地域移行の継続に至らなかった要因についてですが、令和5年度は補正予算を計上し、約6か月間と期間を限定して、2つの中学校部活動について、教員が関わらない方法による活動を実証事業として実施し、成果と課題をつかみました。

課題を解消すべく実証事業を進化させた形で地域団体の主導による運用体制を立案しましたが、実施に至るまでの内容として折り合うことができませんでした。

5点目の今後の北名古屋市における中学校部活動の地域移行をどのように進めていくかについてですが、令和6年度においては、中学校部活動の地域移行に協力いただける活動団体から生徒の多様なニーズに即した活動内容の提案を公募し取り組んでいます。

4月の公募においては6件の提案があり、審査の結果、4件を実証事業として実施し、地域における生徒の活動機会を拡充します。

令和6年度の実証事業の特徴は、受益者負担として参加費を保護者に求めていますが、費用を徴収することで持続可能な仕組みになると考えております。

また、活動団体の公募については、現在第2回目の提案を募集しています。

中学校部活動の活動機会を地域に移行していくことは、生徒の地域交流と活動団体の活性化につながるとともに、教員の働き方改革を推し進めるものであり、教員が生徒に向き合う時間の充実につながります。

国の政策として始まった中学校部活動の地域移行は、現在各自治体が独自に取り組むこととされておりますので、本市においては、生徒に地域の多様な活動の提供に向けて、活動団体に対して生徒の活動機会を提供いただけるよう機運を醸成するとともに、実施手法を模索しながら進めております。

中学校部活動を地域へ移行していくことにより生徒、教員、そして地域の活動団体に好影響をもたらし、地域全体の豊かさにつながるよう学校、教育委員会一丸となって取り組んでまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

 

 教育長(松村光洋)
今後の小・中学校の在り方について、お答えいたします。

本市の児童・生徒数を見ますと、10年前の平成26年度の児童・生徒数は7,479人で、1学年が約830人でした。

その後、緩やかな減少傾向となり、今年、令和6年5月1日現在の児童・生徒数は7,188人で1学年が約800人となっています。

来年、令和7年度の小学校1年生は約800人と把握していますが、令和8年度以降は減少傾向で推移し、令和5年度生まれの令和11年度の小学校1年生は約600人となると推計しております。

1クラスの定員は、小学1年生から中学1年生までは35人が上限であり、児童・生徒数が減少傾向となる中で、本市の現行の学校数と配置のままで受け入れていくと仮定すると、1クラス当たりの人数が減ることにより結果として少人数学級が増えることとなり、児童・生徒と教員が接する時間を多く確保できることや、児童・生徒の一人一人の状況を教員が把握しやすいといった教育的効果もあります。

しかし、人口減少による地域の担い手不足については、議員ご指摘のとおり教育活動にも大きく影響します。

本市の教育活動は、北名古屋市版コミュニティ・スクールとして地域の方々に子供たちの豊かな成長を支援していただいているのが大きな特徴であり、さらに教員の働き方改革にも大きな影響を持つ中学校部活動の地域移行についても、地域で様々な活動をしている方々の協力が必要不可欠です。

地域の方々による支援や活動について、人口減少が進む中、どのように人材を確保していくかについては、例えば地域の方々が子供の様子を見聞きしたり、子供と直接話す、対話する、そんな機会を増やしたりしていくことにより、子供の成長を支えるためなら行動するという動機づけを多くの人に共感していただけるように、学校と教育委員会が連携して地域の機運の醸成に取り組んでまいります。

また、学校現場では、子供たちに対し地域の方々に支えられて成長しているということを自覚できるようにしっかりと伝えることも必要であると考えています。

地域の方々の支援を受けた子供たちが、将来大人になったとき、親になったときには、地域の子供たちの豊かな成長を支えるという循環が確立できれば、人口減少の時代にあっても学校を中心に築き上げた地域コミュニティが持続可能な仕組みになると考えております。

現在、本市の子供たちは、地域の方々の多様な支援により教育活動の質を高めるとともに、体験の量を増やすことができており、学びの裾野は着実に広がっています。

人口減少により、子供たちを取り巻く環境が変化する中においては、時代の潮流を的確につかみ、学校、家庭、地域の密接な関係性を継続、発展していくことにより、義務教育9年間を通して、地域の未来を担う子供たちの確かな成長につなげてまいります。

以上、答弁といたします。

 

 市長(太田考則)

今後の学校施設の在り方について、お答えをいたします。

1点目の将来の学校施設の在り方について、お答えいたします。

本市の小学校10校と中学校6校は、位置関係から見ると市域にバランスよく設置されています。現在の児童・生徒数を見ると、師勝小学校の660人が最も多く、白木中学校の340人が最も少ない状況です。

人数のみの観点で、仮に1つの学校を600人規模と想定すると、小学校8校、中学校4校というのが本市のふさわしい学校数と試算できます。

私は市長に就任後、本市も直面する人口減を踏まえた政策として、地域の核である学校の適正配置について喫緊の課題として検討するよう関係課に指示をしました。

昨年度の調査結果について、児童・生徒数は減少傾向にあるが、当面10年程度は学級数が大きく減るほどの減少は想定されておりません。

一方、約20年後には、学校によっては現在の児童・生徒数の約8割まで減少する可能性があり、統廃合を含めた具体的な対応の検討が必要であると聞いております。

また、厳しい財政状況の中、学校施設の老朽化、機能低下に対応するため、財政負担の平準化に向けた改修手法や時期の検討を行っていると報告を受けております。

将来の学校施設の在り方を検討する上で、最優先に考えなければならないのが子供たちの教育環境です。

本市の学校区の課題については、私も保護者のほうから声を聞いておりますが、学校区の見直しは地域に与える影響が大きく、学校区の見直し案を示す段階に至っていないのが現状です。

また、本市の全ての学校は地域とともにある学校づくりを進めていることから、地域の方々の支援により子供たちの成長を支えていただいており、学校を中心に人と人とがつながりを深め、地域全体の豊かさを増進しています。

この築き上げた地域コミュニティは、地域の担い手不足が心配される中において解決策の一つになると考えておりますので、継承していかなければなりません。

議員ご提案の本市の小学校10校と中学校6校を小・中一体型の学校施設として10校にするという考え方は、小学校から複数の中学校に分かれて進級することによる生徒の不安の解消、本市が築き上げてきた地域コミュニティの継続、発展につながるものであり、施設整備や教職員数の確保などの面での課題はあるものの、選択肢の一つとして受け止めております。

2点目の今後の地域づくりについて、どのような姿を構築していきたいかについてお答えいたします。

私は地域の未来を担う子供たちに夢と生き抜く力を育む教育活動が展開され、次世代を担う人材として羽ばたく姿を描いています。

子供たちの可能性を伸ばす環境づくりには、地域の力がこれまで以上に必要であり、地域の拠点となる学校の在り方によって地域の将来に大きな影響を与えます。

私は、教員の力だけではなく地域の力とともに生まれ大きく成長した子供たちが、社会人として未来の子供たちのために自治会やボランティア、PTAなどの地域の力として再びまちづくりを担っていただける、そのような地域づくりを構築したいと考えております。

以上、答弁とさせていただきます。

 

 清水晃治

少子高齢化や人口減少、明らかにもう日本は、北名古屋もこれからそうですけど、経済は縮小する方向に進行している、そういった社会情勢の中で、財政基盤を立て直さなくちゃいけない、それが喫緊の課題である北名古屋、私も厳しい状況だと思いますし、場合によっては八方塞がりなんじゃないかなあって思うこともあるかもしれません。

それはそうですよ。

今までの常識で考えれば、高度成長のときにつくられた昭和の仕組みや施設が、今は完全に縮小な経済になっていると真逆な方向に向かっているわけですから、今までの常識というものにもう既にとらわれちゃ駄目なんです。

勇気を持って新しい発想をしていくのが必要だと私は強く思います。

世の中の進歩、特に技術の進歩ってそのときの常識でいうとばかげた話だとか、夢物語だとか、やたら言われるんですけど、でもそれに携わる多くの人たちが知恵を絞って、血のにじむような努力をして、失敗を繰り返してその夢物語が実現するわけですよ。

私も長年、民間のメーカーで研究開発しておりましたので、やることなすこといつも壁にぶつかりますし、いつも八方塞がりでしたね。

若い頃なんかは、よく上司に、どう開発の状況はと聞かれますと、できない理由とかうまくいかない理由を一生懸命並べようとするんですけど、そのたびに上司が私に言った3つの言葉があります。

1つは、できないことを理由に、もし仕事をやらないのであれば、それは私たち研究開発の仕事ってもう世の中に要らないっていうことですか。

それは違いますよねと。

2つ目が、できない理由がもし明確になっているんだったら、もうそれは答えを見つけたじゃないですか。

だって、そのできない理由を解決すればいいんでしょう。

最後に、もう一つ言った言葉が、できない理由を一生懸命並べる時間があるんだったら、できる方法をぜひみんなで考えましょう。

この3つの言葉をいつも言われました。

言われるたびに、私の胸には深く突き刺さって、私の仕事に向かう姿勢に対して大きな影響を及ぼすことになったんですけど、そういった私たちが、じゃあ八方塞がりのときにどうやってそれを打破していくかという、そのテクニックを1つ紹介しますと、我々は常にそもそも追及するんですよ。

例えば、今回の学校施設の問題であれば、そもそもどんな学校施設にしたいのか。

そもそもその学校施設で我々は子供たちにどんな学びを与えたいのか。

そもそも私たちはその学びを通じて子供たちをどんな大人に成長していきたいのか。

そのそもそも、そもそも、そもそも、ひたすら繰り返すんです。

もう無理といってから、あと2個ぐらいやるのが大体定番なんですけど、そのそもそもの途中で切り落とされていくのはみんな手段です。

本当の目的は、最後に残ったものだけは真の目的です。

この真の目的を見つけることができて初めて次、手段を考えるんですよ。

そうすると、今までの常識や仕組みや施設や全てのもの、枝葉が切り落とされておりますので、そこまで真の目的まで上り詰めれば、後はもうあらゆるアイデアは否定されることなくアイデアとして洗い出すことができるんです。

現状の延長線上にはなかった、絶対出てこなかったアイデアがそれには出てくるんですよ。

そういったアイデアの中から、八方塞がりの状況を打破する僅かな光を放つ可能性があるんですよ。

それをどうやって見落とさないかなんですけど、そのためにはあらゆる角度から物事を判断できる知見、これは1人よりたくさんのほうがいいです。

だから僕は、プロジェクトだとか市長がおっしゃる横串というのは必要なんですよ。

そのあらゆる角度から物事を判断できる知見と、それからそれを支える仲間たち、そして最後は意気込みです。何が何でもやってやるんだという意気込みが重要なんですよ。

でも、北名古屋の職員さんたちはいっぱいそういう方々が見えます。

僕はそこは安心しています。

確かに、今北名古屋は厳しい状況です。でも、私は必ずこれを解決する策はあると思いますし、決して容易な道ではないと思いますけど、総合政策部が立ち上がって市長は本気で、よしこの難局を乗り切るぞと本気で考えてくださっていると思います。

ぜひ市長、その意気込みを市民の方、職員の方のため、その意気込みをぜひお聞かせください。


 市長(太田考則)

いい質問をありがとうございました。

先ほど桂川議員のときに答弁しようと思って用意しておったところがありまして、これやっぱり本当、みんな思うこと一緒なんですよ。

もう昭和からずうっとやってきた制度疲労が起こしていて、直そうにも直せない。

例えば、鹿田と一番小さなところは山之腰なのかな。同じことを行政が指導しようと思ったって、全く内容が違うから駄目なんです。

だけど、それを無理やりずうっとやってきたんだけど、そうするとこれ本当、日経新聞の6月6日の社説に書いてあるんです。

どうしてもこれ紹介したかったから、ちょっと読まさせていただきますね。

地域社会を見直す上で、例えば地域のルールをよいことも悪いことも全て明文化する。

地域の教科書づくりが一助になる。

有力者だけでなく、女性や若者も一緒になり、時代に合ったルールを話し合うものだ。

これに通じて旧弊を見直すことができれば地域社会は変わり得る。

まさしくそうだと思うんです。

この北名古屋市は、僕はずうっと言っているんだけど、人材は豊富だと思うんです。

それはオヤジの会の人たちと1回対話集会をやったんだけど、すごいパワーがある。

よそから移り住んできて、オヤジの会をやった。

この地にずうっと住んでいくことを、決意を決めたから何らか手伝いをしたいというのは多くの若いお父さん方、我々よりちょっと下の人たちは多分思っている。

だけど、それを引っ張り込むものが今までなかった。何でかというと、自治会になると決まった人たちがあって、あのおじさん怖いとかいうところがあって、あのおじさんに逆らったらえらいことになるということでなかなか言えんかったというところがあります。

だから、今のこの体制を壊していくためには、やっぱり若い人たちとか女性とか、いろんな人たちの意見を得なきゃいけない。

自治基本条例というのは、まさしくそういうので、本当に市がやるべきこと、市民がやるべきことというのをしっかり話し合わなきゃいけない時代に入っているというふうに思っています。

だからみんなでやろうというのが「ともに進める、新しい北名古屋市」なので、私一人ではもう何ともならないです。

だから透明化にして、みんなこういう状況ですよと。この状況に対して、何かいい方法ないかというのを今やっている状況なんで、ぜひ皆さんと一緒にやりたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。

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